高山正之の最新刊「朝日は今日も腹黒い」(新潮社1400円)は、彼が戦後の世界で唯一無二のジャーナリストである事を明瞭に証明している。
日本国民全員が読むべき必読の書である。だから日本国民は今すぐに最寄りの書店で購読した方が良い。誰もが、私の言に同意し、私の勧めに感謝するはずである。
世界中の人も同様なのだが、彼らは、購入する事は出来ない。ましてや日本語である。
だから世界中の人に対しては、私が出来るだけ世界中の言語に翻訳して、具眼の士である彼が記した真実を世界中のあなたに伝える。
前文略
そう言えば20世紀末に妙なイベントが二つあった。
一つは金沢でその昔、女子大生と遊んでいた白人の英語講師が書いた『敗北を抱きしめて』に、ピューリッツァー賞が出された。
優れた歴史研究書を顕彰するバンクロフト賞も、全米図書賞も与えられた。
本の中身は「白人に媚びる日本人と彼らを正しい道に導く占領軍」という嘘っぱちが半分。残り半分はパンパンの語源と性病に効く抗生物質の話。
知性を感じさせないジョン・ダワーの本がいい賞ばかり受賞したワケは先の戦争を「白人倶楽部に入れなかった日本が突如、発狂し、残忍にアジア諸国を侵略した」と定義しているからだ。
アジア諸国を侵したのは白人どもだ。
それを消した上で「南京大虐殺」も「赤ん坊を放り上げて銃剣で剌した日本軍」の所業も「今さら検証するまでもない真実」と認定している。
これに権威ある賞を与えれば原爆投下も東京大空襲も「極悪の日本を一刻も早く叩き潰すための正義の行為」に昇華できる。
彼の受賞と同じ頃、全米のジャーナリストによる「20世紀100人事件」アンケートの結果が発表された。
月面着陸とか抗生物質の発見とかだれもが認める世界的大偉業を押しのけて1位を取ったのは、「原爆を落として日本を降伏させた」たった。
さらに月面着陸を挟んで3位に真珠湾が入る。
ロシア革命(16位)なんて目じゃなかった。
かくて21世紀。
「原爆による日本人大虐殺」を米国の恥どころか、大いなる誇りに変えてしまった。
戦後70年。
では日本はどう先を読み、どう手を打っているのか。
(2015年7月2日号)