サッカー移籍報道の見極め方 正式オファー?濃厚?決定的?「関係者」って誰?
「〇〇が△△の獲得に乗り出した」「××の□□加入が決定的になった」などといった表現が、紙面上をにぎわせ始めている。
入社前、私はこの手の記事が嫌いだった。何を根拠に「濃厚」だ「決定的」だと言っているのか。その表現の違いもよく分からない。「関係者」って架空の人物なんじゃ…。
そんな方が少なからずいるかと思い、具体例を交えて、移籍報道の見極め方を紹介したい。社によって考え方に若干の相違はあり、例外事象もあるため、あくまで一記者の私見として参考程度に捉えて頂ければ。
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いくつかの用語を抜粋し、大まかな移籍の流れをまとめた(画像参照)。移籍が伝えられた自軍選手、補強が伝えられた他軍選手がどの段階にいるのか、整理するのに活用して頂きたい。
■興味(関心)・リストアップ
これはかなり漠然としている。強化担当者が気になった選手をグーグル検索すれば、それはもう「興味」。この段階で記事化することは滅多にない。例外はネームバリューがある場合。「リストアップ」も同様。現場の要望をもとに「左利きSB・CKキッカー可・25歳以下」などといったリストを作成する課程だ。
■獲得に乗り出す(動く)
もう一歩進んだ過程で、正式オファーに向けた下準備を進める段階。現在どんな契約で、移籍金がいくらか、などなど。身分照会という形で相手クラブに伝わることが多い。※(例)J2横浜FCが元日本代表MF中村俊輔の獲得に乗り出していることが1日、分かった(19年7月2日付)
■正式オファー・濃厚・決定的
「正式オファー」は具体的条件の提示だ。極論だがJクラブがバルセロナのメッシに提示することも可能であり、移籍確率はまだそこまで高いとは言えない。オファーを受諾するか、残留するかは選手次第。我々は進捗状況を取材した上で、ほぼ同意味の「濃厚」=「有力」や、「交渉大詰め」=「決定的」、「基本合意」=「クラブ間合意」といった表現で記事を出す。※(例)DF昌子源のトゥールーズへの完全移籍が有力になったことが11日、分かった。今夏から2度にわたり正式オファーが届き…(18年11月12日付)
■99%確定ワード
隠れパワーワードがある。「近日中に発表の見通し」「○日にも正式発表」といった、クラブ発表のタイミングに言及する文言だ。クラブ側と記者側との調整が進んでいることを暗に意味している。99%は確定だろうか。
■関係者って誰?
交渉の席には、クラブの強化担当、選手の代理人らがつく。そしてその状況は、クラブの幹部に逐一報告される。移籍関連の報道に限れば、これらの登場人物が「関係者」であることが多い。様々なルートから情報をつかんだ記者が、あくまで最終確認をする相手だ。
「関係者」には守秘義務があるため、名前を出すことはできない。情報のソースの明示は必要不可欠だが、記者には「取材源の秘匿(ひとく)」という倫理がある。誰から情報をつかんだのか、誰が情報をもたらしたかは上司にも教えない。移籍報道に記者の署名が入らないのは、情報提供者の特定を防ぐ狙いもある。
■Xデーは12月8日
最後は、記事が出るタイミングについて。弊社が掲載した最近の鹿島の記事を例に。「伊藤、白崎獲得濃厚」はクラブW杯終了の翌日掲載。「染野鹿島入り決断」はACL第2戦翌日。「バルサ、安部に正式オファー」は天皇杯翌日。「ベシクタシュ、鈴木優磨に正式オファー」は磐田戦翌日。可能な限りクラブに迷惑をかけず、選手が目の前の試合に集中できるように配慮する記者が多い。
冬の移籍市場報道は最終節翌日が定番。今年で言うと12月8日が最も情報が世に出るXデーか(天皇杯、クラブW杯で公式戦を残すチームは例外)。忖度を抜きにするケースもあり(特にこの夏はせわしない)、一概には言えない。
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そんなこんなが、夏の移籍市場が閉じる8月末まで続く。名古屋DF菅原が欧州移籍、名古屋はF東京DF太田獲得、F東京はG大阪DF呉にオファー、G大阪は…といった玉突き移籍は各ポジションに起こるだろう。「関係者によると」、この夏は去年よりも派手に動きそうとのこと。報道を見極める上で、ひとつ参考にして頂ければと思います。(記者コラム・岡島 智哉)
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