愛されない苦しみなどない。
佐賀在住の男性R様から「いてもたってもいられなくなり、手の震えとともにこのメールを送っております。中途で視覚障害になっているプロセスにいるのですが、日々見えなくなる中で、未だに見えていた頃の自分の幻影がいます。一緒に弔いをやってほしいです。坂爪さんぐらいの清々しさが今の僕には必要なんです」とご連絡をいただいた。私の正しい使い方である。別府でもよければ会えますと言ったら「行きます」と返事が来た。
奥様の運転で来たR様は「二人で話したい」と、奥様に離席を促した。駅前の喫茶店に入り、R様は「もっと怖い人なのかなと思っていたけれど、全然イメージと違いました」と言った。私は「油断をすると痛い目に遭うぞ。札付きの悪は怖くないんだよ。本当に怖いのは札の付いていない悪なんだよ」と思ったが、言わなかった。R様は「坂爪さんの空気感に触れてみたかった」と言った。私は「見た目で判断することが多いから、目が見えなくなったら声だけで人を判断できるからいいですね」と言った。R様は「そうなんです。同情されることが多いけど、同情されるのが一番苦しい。メリットもあると思っています」と言った。
R様から「あの時に自分は一回死んだなと思う時期はありますか?」と聞かれた。私は「ある」と言った。R様は「鬱になった時ですか?」と言った。私は「はい」と言った。R様は「なんで鬱になったのだと思いますか?」と言った。私は「必要だったから」と言った。R様は「私も、必要だから目が見えなくなったのかもしれません」と言った。目が見えなくなった時は、どうやって生きて行ったらいいのかわからず絶望した。段階的に見えなくなるから、昨日まではゴミ捨て場に行けたのに、今日、ゴミ捨て場に行けなくて迷子になった時は絶望して、膝から崩れ落ちたと言った。
R様は「なんで坂爪さんに会いたいと思ったのかわかった。誰かの役に立とうと思ってんじゃねえよって言って欲しかったのだと思います」と言った。私は「俺は、目が見えなくなっても今の生き方をやめないと思う」と言った。R様は「坂爪さんが現在の生き方をしている理由はなんですか?って、そんなことを聞くのも野暮か。坂爪さんにはこだわりがあるんですね」と言った。その言い方にカチンと来た、と言うのは嘘で「あ、この人はカッコつけたいんだな」と思った。カッコいい人と、カッコつけている人の違いがわかった。R様は「坂爪さんの生き方が羨ましい。そしてカッコいいと思うから会いたいと思った」と言った。
カッコいい人は、自分から愛している。カッコつけている人は、人から愛されたいと思っている。私は「R様はまだまだカッコつけているように見える。目が見えなくなったくらいでやめるようなことを、俺はやっていないんだよ」と言った。この言葉がバシッ!と決まった。一本。勝負あり。R様は「参りました」と言った。俺の圧勝。R様の完敗。R様は「何を言っても恥ずかしくなる。最後に一緒に散歩をしてくれませんか?」と言った。私は「この期に及んで往生際が悪い。せっかくの負けを散歩なんかで薄めてどうする。潔くないぞ。今日はこれまでにしましょう」と言った。男の人生は、惚れっぷりと負けっぷりの良さで決まる。負けっぷりが悪いと、負けの込んだギャンブラーみたいになり、元を取ろうとするようになる。負ける時は負ける。潔く負けを認めて、爽やかな完敗の風に身を委ねる。愛されない苦しみなどない。愛さないから、苦しみが生まれるのだ。
圭吾さん
今日は見事な一本でした。
その後も、悔しいやら、恥ずかしいやら、清々しいやら。
奥さんと話していくなかで
かっこつけて言わないでいたのはなにか?に気づきました。
それは「圭吾さんと友達になりたい」でした。
そのくせに、なんか弔ってやら。どうたらこうたらゴタク並べていたと思うとやっぱり恥ずかしいですわ。
ただ、圭吾さんは見くびらず同情もせずズバッと言ってくれた。
きっと僕はそんなひとを「友達」として求めていたんだろうなと。
いずれにせよ、かっこつけ=愛されたい。
かっこいい=愛する。
見えようが、見えなかろうが変わらない生き方をする。
坂爪圭吾、しかと味わいました。
ありがとうございました。
おおまかな予定
12月17日(水)大分県別府市界隈
以降、FREE!(呼ばれた場所に行きます)
連絡先・坂爪圭吾
LINE ID ibaya
keigosakatsume@gmail.com
SCHEDULE https://tinyurl.com/2y6ch66z
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ばっちこい人類!!うおおおおおおおおお!!


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