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「は、はあ!? な、何言ってんだ……!?」
俺は燃えるように熱い彼女の身体を慌てて引き剥がし、後ずさるようにして距離を取った。 心臓が早鐘を打っているのが自分でもわかる。今、この女は何と言った? あまりに突拍子もない提案に、脳の処理が追いつかない。数秒のラグを経て、ようやく言葉の意味が脳髄に浸透してくる。
「えー? なんで? 好きなんだよね、セックス?」
目の前のギャル――二階堂は、心底不思議そうな顔で小首を傾げている。その無邪気さが逆に恐ろしい。 正直に言えば、視界に飛び込んでくる肢体は暴力的といえるほど魅力的だ。 校則違反も甚だしい短さのスカートから伸びる、健康的で滑らかな太腿。ボタンの弾け飛びそうな胸元からは、圧倒的な質量の果実が自己主張している。男なら理性を捨てて飛びつかない方がどうかしているレベルだ。
だが、俺にはできない。いや、してはいけない理由がある。
(……俺は、日和と約束したんだ)
あの忌々しい噂が流れて以来、日和とはまともに会話すらできていない。廊下ですれ違えば、彼女は申し訳無さそうに目を伏せるし、俺も声をかけられずにいる。 だが、別れ際に交わした「勉強を頑張って同じ大学に行く」という誓いだけは、何としてでも守らなければならない。それが、俺の暴走した性欲で迷惑をかけてしまった彼女への、せめてもの贖罪だ。
それに、別れたとはいえ、俺は日和のことを嫌いになったわけじゃない。 日和との行為には、いつだって愛があった。避妊だって、俺のサイズが規格外だからゴムが破れないか毎回ヒヤヒヤしながらも、必ず欠かさず着けていた。彼女の将来を守るために。 そんな俺が、一時の性欲に負けて他の女と、ましてや学校で致すなんて、日和に対する最低の裏切りでしかない。
「……悪いけど、そういう気分じゃないんだ。俺、これから教室にカバン取りに行かなきゃなんないし――」 「え〜〜? いいじゃん、一回お試しでさ〜〜。減るもんじゃないし〜〜」 「いやだから……」
話が通じない。二階堂はニヤニヤしながら、獲物を狙う猫のようにジリジリと距離を詰めてくる。 俺が再び拒絶の言葉を紡ごうとした、その時だった。
カツ、カツ、カツ……。
進路指導室の方角から、無機質なヒールの足音と、重たい扉が開く音が聞こえた。 俺の背筋に冷たいものが走る。ヒールの音と方角。間違いなく三井雫だ。
(マズい……! こんな所を三井先生に見られたら、説教追加一時間コースだぞ!?)
俺の脳内で最大級の警報が鳴り響く。思考するよりも早く、俺の身体は動いていた。 咄嗟に目の前の女の細い腕を掴むと、一番近くにあった空き教室へと滑り込み、教卓の下へと彼女ごと身を潜める。
「ちょ、万丈くん……?」
突然の行動に目を丸くする二階堂。俺は人差し指を口に当てて「静かに!」とジェスチャーを送る。 直後、ガララッ……と教室の扉が開いた。
「…………誰もいませんね。二階堂さんの声がしたと思ったのですが」
教卓の隙間から、三井先生のスカートの裾と黒タイツに包まれた足首が見える。 しばらく教室を見回すような気配がした後、「……空耳でしたか」という呟きと共に、足音は遠ざかっていった。 心臓が口から飛び出るかと思った。
「…………あー、三井ね。マジうざ」
胸元で、二階堂が吐き捨てるように小声で毒づいた。 この二人の関係が険悪なのは有名だ。彼女にとっては事あるごとに服装やメイクに文句をつけてくる口うるさい天敵であり、三井先生にとっては指摘事項が無限に湧いてくる歩く校則違反。 俺も何度か二人のバトルを目撃したことがあるが、今はその険悪さに救われた形だ。
ふう、と安堵の息を吐いた、その時だった。 俺は、今の状況が先程よりも遥かに危険であることに気づいてしまった。
「ねえ……バレなかったね♡」
教卓の下という狭い空間。必然的に、俺と彼女の身体は密着せざるを得ない。 暗がりの中で、二階堂の猫のような瞳が妖しく光る。 香水の甘ったるい香りと、彼女の身体から発せられる熱気が、狭い空間に充満している。 彼女はこの状況を、危機ではなく「好機」と捉えたらしい。
「万丈くん、ここ……すっごいことになってるよぉ〜〜?」
二階堂の手が、俺の股間に伸びる。 ただでさえ大きく開いていたブラウスのボタンをさらに一つ外し、豊かな谷間を見せつけるようにして、俺のスラックスの上からイチモツを擦り上げてきたのだ。
「ッ……! や、やめろ……!」 「ん〜〜? 口ではそう言ってるけど……身体は正直じゃ〜〜ん♡」
抗えるわけがなかった。 日和と別れて数日。溜まりに溜まっていた俺の身体は、彼女の匂いと信じられないほどの柔らかさ、そして「教師に見つかるかもしれない」という背徳的なシチュエーションに、瞬時に反応してしまった。 ズボンの中で、俺の逸物が怒張し、鋼鉄のような硬度を持って跳ね上がる。
「うわ……すご……っ♡」
スラックスをテントのように大きく持ち上げたその質量に、二階堂が感嘆の声を漏らす。 彼女の細い指が、布越しに亀頭のカリの形をなぞるように動く。
「やばーい……おっきすぎー……♡ こんなの入ってるのぉ……?♡」 「くっ……うぅ……!」
甘い囁きと共に、巧みな手つきで撫で回される。 俺は快感で腰が抜けそうになり、身動きが取れない。「やめてくれ」という言葉も、吐息混じりの弱々しいものにしかならない。理性と本能が殴り合い、そして本能が一方的に勝利を収めようとしていた。
「どうしよっかなー♡ ここ、もう汁でぐしょぐしょだよぉ?」
彼女の言う通り、スラックスの股間部分は我慢汁で湿り、黒いシミを作っているのがわかった。 二階堂の手のひらが、熱を持った俺の竿をリズミカルにしごく。布越しの摩擦が、逆に神経を研ぎ澄ませていく。
「あ、ぐッ……! で、出るッッ!!」 「ん? 出ちゃう?」
いよいよ絶頂が迫った瞬間、彼女はピタリと手を止めた。
「どうする? ほんとにやめちゃっていい? このまま帰る?」
意地悪な質問。生殺しの拷問。 俺の理性は、ここで完全に決壊した。もはや興奮しすぎて、股間が痛いほどだ。日和への誓いも、校則も、すべてが快楽の濁流に飲み込まれていく。
「た、のむ……ッ! イカせて、くれ……ッ!」 「あはッ♡ いーよぉ、OKOK♡」
俺の敗北宣言を聞いた二階堂は、満面の笑みを浮かべた。 彼女は手早く俺のベルトを外し、チャックを下ろす。
「じゃあ……おちんちん、狭いとこから解放してあげるねぇ〜〜♡」
スラックスとパンツを同時に引き下ろす。 あまりの大きさに引っかかり、少し手間取ったが――次の瞬間、俺のそれが全貌を現した。
ぼろんッッ!!!
教室の空気が変わった気がした。 長さ20cm超え。太さは二階堂の細い二の腕よりも太いのではないかと思えるほどの極太の肉棒が、血管を浮き上がらせて脈打ち、その威容を誇示する。
「ひゃあッ……♡」
その凶悪なまでの存在感と、ムワッと広がる濃厚な雄の匂いを浴びた瞬間。 二階堂の身体がビクンッと大きく跳ねた。
「しゅご……ッ、なにこれぇ……ッ♡」
彼女の瞳がとろんと潤み、太腿が小刻みに震えている。 信じられないことに、こいつ、俺のちんぽを見ただけで、あまりの雄としての格の違いに子宮が反応し、絶頂ってしまっていた。
「はぁ、はぁ……ッ♡ やくそくどおり……イカせてあげるね……ッ♡」
絶頂の余韻で荒くなった息遣いのまま、彼女は俺の竿を握った。 華奢な手では到底握りきれない太さ。彼女は両手を使って、根本から先端までを愛おしそうに擦り上げる。
「おっきすぎ……っ♡ こんなの、はじめてだよぉ……っ♡ すごい、すごぉい……ッ♡」
じゅぷ、じゅぷ、じゅぷッ……。
日和のぎこちなくも愛情のこもった手コキとは、明らかに違う。 強弱の付け方、カリを親指で弾くタイミング、睾丸を掌で転がすリズム。すべてが手慣れている。こいつ、相当遊び慣れてやがる。 だが、今の俺にはそれがありがたかった。俺の敏感な部分を的確に攻め立てる技巧的な手コキに、俺の耐久力は一瞬で限界を迎える。
「あっ、や、すごいッ……! 二階堂、だめッ、出るッッ!!」 「えっ、もう!? 早――」
事前に合図を送る余裕すらなかった。 俺の言葉と同時に、尿道口から白濁した欲望が暴発する。
「うおおおおおッッ!!」 「ひゃああっ!?♡」
どぴゅるるるるるるるッッッ!!!
勢いよく噴き出した精液が、二階堂の顔面、派手なメイク、綺麗な髪、そして制服へと無差別に降り注ぐ。 その量は尋常ではなかった。一発、二発では終わらず、ドクドクと脈打ちながら大量の種を撒き散らす。
「ちょ、まってぇ、しゅごッ、りょうやばいってぇ……ッ!!♡」
最初は慌てていた彼女だったが、俺の濃厚な精子を顔に浴びるうちに、その表情が変わっていく。 熱い精液が頬を伝い、唇にかかる。雄の匂いが彼女を包み込む。
「んぅ……ッ♡ あぁ……ッ♡ すごい、こいぃ……ッ♡」
二階堂は押し黙り、蕩けた表情で俺のちんぽを見つめ続けた。 俺の肉棒がビクンと震えて精液を飛ばすたびに、それを身体で受けた彼女も「びくんっ♡」と共鳴するように震え、快楽に浸っている。
やがて射精が収まり、俺は久しぶりの快楽に大満足の表情で天井を仰いだ。 教卓の下は、精液の匂いで充満している。 俺が余韻に浸りながら後始末をぼんやり考えていると、顔中を精液まみれにした二階堂が、ペロリと唇についた白濁を舐め取りながら、いやらしい笑みで俺に尋ねてきた。
「ねえ……一ノ蔵と、生でしたことある?」
その問いに、俺はゴクリと生唾を飲み込んだ。 こいつが何を言いたいのか、なんとなく想像がついたからだ。
「……いや、ないよ。日和とは、いつも必ずゴムはつけてた」
俺の返答を聞いた彼女は、予想通り――いや、予想以上に嬉しそうに目を細めた。 彼女は精液で汚れた顔をそのままに、悪魔的な誘惑を口にする。
「そっか♡ ……ねえ、一ノ蔵とはゴムだったんだね」
二階堂は俺の耳元に唇を寄せ、甘く、ねっとりとした声で囁いた。
「あたし、ピル飲んでるんだけど……あたしと、生でヤッてみない?♡」
その言葉は、理性のタガが完全に外れた今の俺にとって、抗うことのできない甘美な響きだった。 俺は無言で、コクリと頷いた。