東大が先住民の遺骨収集めぐり謝罪した理由 調査チーム座長に聞く
東京大は10月、研究目的で収集・保管した国内外の先住民族の遺骨の現状などを調べるタスクフォース(専門チーム)を設置したと発表した。同時に収集方法などに問題があったケースがあり、先住民族の尊厳を傷つけたとして謝罪した。なぜ今、調査を始め、謝罪したのか。タスクフォース座長の林香里理事・副学長に聞いた。
――東大は先住民族の遺骨を何のために収集・保管してきたのか。
医学、人類学、考古学などの研究の一環として収集・保管されてきた。研究者たちは、それが科学と社会の発展につながると考えていた。
研究倫理重視、20世紀後半から
しかし、20世紀後半から、社会の発展に寄与するはずの科学が、環境汚染を引き起こしたり生態系を傷つけたりしている現実が明らかになり、近代科学のあり方を見直そうとする機運が高まった。こうした流れの中で研究倫理への関心が生まれ、遺骨収集にも先住民の文化や思いに対する配慮が欠けていた側面があったと考えるようになった。
研究倫理が重視される現在は、論文を学会などに提出する際は、資料の由来や入手方法なども開示する必要がある。収集・保管のルールはより厳格化している。
記事の後半では、調査チームが対象とする先住民族や、「収集・保管」そのものに対する謝罪についての考えを尋ねています。
――東大は現在、どういった地域の先住民の遺骨を保管しているのか。
アイヌ民族の遺骨は、政府の…
- 【視点】
この謝罪は非常に重要であると同時に、他の大学や他のアカデミックの領域でも広がるべきことだと思います。先住民の人権という観点にいかに無頓着だったのか、というのがこの問題の根本のように思いますが、未だにそのような状態が放置されていることが多くあ
…続きを読む