橋下徹氏「小泉さんは完全に不利」中国機レーダー照射めぐる当初発言めぐり「弾劾証拠が出た」
大阪府知事や大阪市長を務めた弁護士の橋下徹氏は14日、フジテレビ系「日曜報道 THE PRIME」(日曜午前7時30分)に出演。中国軍機による自衛隊機へのレーダー照射をめぐり、小泉進次郎防衛相が当初、中国側から航空情報などの事前通報はなかったとの認識を明らかにしたことについて「はじめから、訓練しますという連絡はあったと言っておけば良かった」と指摘した。 【写真】「橋下さん、ヤクザの幹部とかすげえ合いそう」散歩3ショット 進次郎氏は、今回の事態を初めて明らかにした7日未明の臨時会見で、「遼寧の艦載機等の訓練海空域に関するノータム(航空情報)や航行警報が事前に通報されていたとは認識していない」と述べた。その後、中国側が、中国軍と自衛隊の無線のやりとりと称する音声データを一方的に公開。これを踏まえ、進次郎氏は10日の臨時会見で、「中国海軍艦艇から海上自衛隊の護衛艦に対し、飛行訓練を開始する旨の連絡があり、その内容を聞き取った」と事前に連絡があったことは認めたが、危険回避に必要な具体的な内容について「十分でなかった」と明かした経緯がある。 この日、番組に出演した河野太郎元外相は「中国は『通報している』と言うが、これからやるぜと言っているだけ。普通は緯度、経度のポイントを打ち、この高さで、何時何分から、訓練をこの範囲でやるというのを出すのが『事前通告』」と指摘。「(中国が)事前通報したぞというのを公開したが、それを聴いている各国の軍関係者は『それで事前通告したと言っているなら、相当、やばいよね』と思っている。世界の常識で言うと、とても事前通報したといえるレベルではない。ロシアや北朝鮮は分からないが、その他の国は『事前通報ではない』と常識的にそういう判断をしている」と述べ、中国側の主張に疑問を投げかけた。 これに対し、橋下氏は「情報戦に関しては、河野さんはプロから見れば『事前通報に当たらない』というが、情報戦はプロ相手だけでやったらいけないと思う」と指摘。「小泉さんは各国への働きかけをされているが、最初に『通報の認識がない』と、ドンと言ってしまって、これに対し、『いやいや通報しただろ』と、(音声データの)証拠が出てきた。これは法廷で言うと『弾劾証拠(証言や供述の信用性を落とす証拠)』と言うが、いちばん有利な状況。(進次郎氏が)『認識がない』と言ったところは、完全に不利」と主張。「はじめから、訓練しますという連絡はあったと、言っておけばよかった」と指摘した。 これに対し河野氏は「あれでは、訓練開始の認識をするところはない。やりますというのは、ポイントを緯度、経度で打って、高さや時間も伝えるというのが訓練通報だ」と、反論。「どこの国でも、(今回)訓練通報を中国がした、という認識をしている国はないと思う。あの音声を聞いても、ほとんどすべての人が『していない』と。この問題で世の中、(進次郎氏を)問題視しているメディアはない」とも訴えた。