働きながら10ヵ月未満で公認会計士試験に合格した勉強法
【はじめに】
本記事は、働きながら10ヵ月未満(9ヶ月と20日)で公認会計士試験に短期合格した私が行った学習方法等を記載することで、少しでも多くの人の学習の参考になればと考えて作成したものです。なお短答に関する内容は以下の別記事で記載してますので、本記事では、論文対策(特に58生向け)に絞って記載します。
働きながら7ヵ月で公認会計士短答式試験に合格した勉強法|スコフィールド・L@58
なお、書きたいこと書いたら13,000文字を超えてしまいました。全部無料ですので、暇な時読んでください笑
【自己紹介】
私は会計と全く関係の無いフルタイムの仕事をしながら会計士試験を始めました。2024年11月からCPAの講義を視聴。2025年5月短答に合格しました。その後2025年8月に論文を受けて合格しました。総勉強時間は2000〜2500時間ぐらいです。
時間的制約がある中で、論文式試験に短期合格した学習方法・学習内容を書いていきます。 ただ学習内容を書くだけでなく、論文まで終わった今だからこそ思う、「こうすればよかった」も記載します。
※ 2024年11月前までは会計士の学習経験はないです。但し、簿記2級の勉強を過去にしたことがあり、入門講義は受けてないです。その点有利だったということを補足しておきます。
※ 5月短答後から論文本試験までの3ヵ月ですが、この時のために貯めていた有給休暇と夏季休暇等を存分に使いましたので、58期間の大半は事実上の専念だったことも念のため付記します。
【模試と本試験の成績】
参考までに、下記が模試と本試験の成績です。
【本試験の成績】
【大問別偏差値】
監査 65.5/64.7 合計65.1
租税 61.13/58.5 合計59.55
管理 59/50.5 合計54.75
財務 68.75/59.86/62 合計63.26
企業 52.6/58 合計55.3
経営 58/45.6 合計51.8
1年以内58の成績としては、これ以上ないと思います。経営学第二問と管理会計第二問だけ偏差値52を下回りましたが、他は全て超えました。
ほぼ同じ期間で合格した河野玄斗さんを総合で0.26超えれました笑
【模試の成績】
【模試の成績】
総合偏差値は本試験とほぼ同じでした。監査論が本番大きく跳ねて、経営学と管理会計は本番の方が模試より出来なかったです。
模試と本試験の成績は良いですが、最初から良かったわけではありません。私は5月短答合格組のため、論文まで3ヵ月しか時間がありませんでした(いわゆるゴッパチ/58)。租税や経営学は短答後からスタートで、企業や監査の論文対策は短答期に一切していませんでした。
58は皆そうだと思いますが、とにかく時間が無く、租税経営で手一杯で、尋常じゃなく辛かったです。初期はとにかく会計学以外はあまり安定していません。租税経営は当然最初は全く解けないのですが、短答と全く形式が異なる企業法に最も苦しめられました。上級答練はことごとくE判定で偏差値も普通に40切り(足切り)です。それでも、模試2までには成績がよくなり、論直4も企業・租税・経営が足を引っ張らない程度には仕上げることができました。
【全体の概要】
最初に、各科目のざっくりとした学習内容を下記の図の通りまとめてあります。これらの内容を細分化したものを、各科目ごとに記していきます。
【財務】~58の鍵~
前提として、財務会計(会計学午後)は短答と同様に論文でも配点が他科目の2倍の200点なので、最重要科目なのは言うまでもありません。しかし、短答と比べて論文での重要性は更に上がっていると言えます。論文では5科目(管理と財務分けて考えるのならば6科目)受ける以上、何かしら苦手科目はあるでしょうし、得意科目であっても緊張やらで、どこかしらで必ずと言っていいレベルでミスが生じます。しかし、財務会計だけはミスしてはいけないのです。論文は偏差値での勝負になりますので、どの科目であっても他の人に負けてはいけないのですが、財務だけは絶対に負けてはいけないのです。財務会計は配点が倍ですから、財務で勝てば、他の科目に比べて2倍のアドが取れるのに対し、他の人に負ければ2倍のディスアドになり、挽回が極めて厳しくなります。そして、そんなことは周知の事実なので、皆が対策してきて、レベルの高い戦いにあります。
財計に関して
財計は、財務全体の200点満点中約90点の素点を占めると考えられます。理論の採点が厳しいことから、客観採点可能な計算でどこまで稼げるかで大分合否に影響を与えると考えます。
会計学午後の第3問において、個別論点を中問2問分問われますが、計算がメインで、合計60点満点中36~40点程の配点を占めると想定します。
第4問は理論が中心で、70点満点です。ちょっとした計算問題が10点程度出題されがちです。
第5問は連結総合問題となり、70点満点で計算と理論が半分程度です。
計算に関しては、短答と論文でそこまで大きな差はありません。
論文特有の資料の多さや問題形式の違いこそあれ、求められる計算力は変わらず、初見でも十分に対応できる程度の差でしかありません(連結除く)。
そのため、授業は受けていません。受ける余裕もなかったですし、実際それで良いと思います。以下、個別と連結について記載します。
個別論点に関しては、基本的には短答以上の知識は求められませんので特段対策していませんでした。テキストの流し見と、たまーに短答対策問題集を解いてたぐらいです。論文用のアウトプットは全て答練でやりました。
答練で間違えたところで重要なものは、定期的に解きなおしてました。
(リースとか)
連結総合問題に関しては、短答をはるかに超える難易度になるので、毎日1問総合問題を解いていました。基本は論文対策問題集のオリジナル問題と過去問、答練を順番に解き続けました。そのかいもあって、模試2の連結は全国13位、答練も連結は常にA判定と、連結が最も得意でした。
まぁ本試験ではボコボコにされましたけどね。
~こうしていれば良かったな~
・連結に関しては、コントレを課金してでも、多くの問題に触れるべきでした。
財理に関して
200点中110点ぐらいの素点を占めると想定しています。短答と違って理論の方が点数の比率が高いです。
問われる内容について、短答と結構変わります。短答では基本的には結論が問われますが、論文ではなぜそのような会計処理になるかの背景について深い理解を求められます。
背景といっても、授業ですでに扱っている内容ですので短答期に触れているはずです。私も、論文学習初期には「短答で学んだことを書くだけでしょ?余裕余裕www」と思って答練に臨んでボコボコにされました。なんとなくわかるけど、いざ書こうと思ったら全く書けない、精度高く、基準の文言通りに書けない。つまり、〇×がわかる程度の理解・知識と、精度高く論証をかけるレベルの理解・知識では雲泥の差があることを突き付けられたのです。
実際、答練でも財務理論はCやDでした。流石にヤバいと感じて、渡辺先生の論文対策講義を課金しました。
余談ですが、渡辺先生は、論文対策講義は基本的に58生へは推奨しない、そんなことをやる余裕もないはずだ、超人的な処理能力が無いなら辞めた方がいいとXで仰っていました。
この意見には全面的に賛成します。しかし、超人ではないのに、敢えて挑みました。やはり財務の重要性を考えると、財務で負けてはいけないのです。
そして戦う敵は、12月短答合格組や過年度生です。投下時間による暗記量が成績に出やすい理論科目では圧倒的に58は不利です。彼らに勝たねばならない、少なくとも財務だけは負けられない、なら犠牲を払ってでも財務は固めなければいなけない、だから超人じゃなくても超人になるしかない、そういう判断です。
実際、渡辺先生の授業は確かに重かったです。しかし、非常にわかりやすい授業のお陰で理解が深まり、圧倒的に成績が伸びました。以降の財務は理論でもA判定を取れ、中でも模試2は理論に助けられたといっても過言ではありませんでした。
授業終了後は、ひたすら論証の暗記です。1日100論証は目を通していました。
後、基準集はそこまで使いませんでした。本試験でも使用したのは1問だけです。
~こうしていれば良かったな~
・短答期から、財理も論文対策をすべきでした。
【管理】~壊滅か爆アドか~
会計学午前の管理は、100点満点で、大問2つあります。各大問に中問が2つありますので、4つの中問を解きます。それぞれ25点満点です。大問1は原価計算分野、大問2が管理会計分野です。体感、原価計算分野は計算中心で、管理会計は理論も多め、という感じです。
そんな管理の特徴は、1つのミスで芋づる式に中問1つが全滅する危険性がある、恐怖の科目ということです。実際、今年の本試験でも標準原価計算で、1ダースの単位を間違えてしまう、或いは投入量と生産量を間違えた場合、中問1つ分0点になるような問題がありました。
一方で、全科目の中でも最も短答と性質が変わらない科目だと感じました。
求められる知識は計算・理論共に短答とほぼ差がありません。資料が多くなり、複数の論点があるだけで、問われている内容それ自体は短答とほぼ同じです。問題形式の違いに慣れれば、メンテナンスだけすれば大丈夫だと思います。というか58は管理に時間を割くことはできません。
幸い(?)、管理は財務ほど母集団のレベルが高くないです。科目の性質上、苦手とする人も多く、そこまで高得点勝負にはなりません。また管理でミスをしても財務で挽回できます。
計算に関して
論文対策集をひたすらやりました。短答期からカウントすると4~5周はやったと思います。具体的には、毎日2問必ずやりました。原価計算分野と管理会計分野を1問ずつです。朝起きて最初にやりました。慣れてくると、2問あわせて30分もかからないです。
また、答練で間違えた問題で、知識不足だと感じたところは、定期的に解きなおしてました。
理論に関して
論文対策集を毎日チマチマ読んでました。具体的には原価計算分野と管理会計分野を10論証ずつ読んでいました。大体10~15分で終わります。隙間時間で読んでました。
~こうしていれば良かったな~
・特にありません。58でなければ、計算コンプリートトレーニングまでやっておきたかったです。
【監査論】~ふわふわなのにガチガチ~
監査論は、大問2つで、それぞれ50点満点の100点満点です。
第1問が理論問題、第2問が事例問題になるケースが多いです。
また、一番大切なのは監査論が論文式の最初の科目であること、すなわち最も緊張している状態で受けることです。ですので、メンタルが大事かもしれません。
監査論は、求められる知識と理解は基本的に短答と大差はないです。また、基準集を参照できることから、短答の知識が維持できていれば、初見でも書けなくはないと思います。ただ、最初のうちは内容は書けても点数はあまり来ないと思います。なぜなら配布される基準集の内容に沿った正確な表現が求められるからです。ふわふわした科目なのに、ガチガチな表現を求められるわけです。そのため、基準集の活用が肝心となります。
上記の通り、理論問題と事例問題で大問がわかれますが、それぞれの中身は、大問を問わず以下の3つの内容に分類されると思います。
①典型吐き出し方
②基準参照型
③現場思考型の3つ
①典型吐き出し方
例えば、なぜ精神的独立性を保持することが必要か?みたいな問いに対して、解答するケースです。いわゆる典型論証ですね。暗記の精度が命です。
幸いなことに、全科目の中でも管理会計と同様に典型論証の数自体は少ないです。
ただし、暗記する対象が少ないといっても、暗記しにくいのが監査論の難点でした。例えば改定前文は、理解はできてもかなり暗記しづらです。なんていうか、古文を暗記しろって言われてるかのような、日本語だけどよくわからん日本語を頑張って暗記する感じです。にも関わらず周りの受験生が精度高く書いてくるので、自分も精度高くしなければいけず、そのための暗記作業は大変でした。
このタイプの問題への対策として、論文対策集のInput編の約50程度の論証をひたすら回転しました。ただ、数自体は少ないので、2日に1回論点毎(ex 監査実施論)をやる程度でした。時間をかけられないので、移動時間やご飯を食べながらインプットしていまいした。
②基準参照型
問題に対する回答が、基準集のどこかにあり、それを書き写せば点数が来る問題です。ただし基準集はかなり分厚いので、事前にどこに何があるかをすべて把握するのは不可能です。ここで大事になってくるのがCPAの言う論点洗い出し力です。問題を見たときに、監査報告論の問題で、報告論の中でも意見不表明に関する問題だな、というように、どの論手が問われているのかを把握する力が大事になります。この力があれば、基準集の中から探す場所のおおよその場所を特定できるので、探すのに時間がかからないです。
論点洗い出し力をつけるためには、問題を見たときにそれがどの論点なのかを把握する必要があるため、普段からテキストを読み込むことで、論点整理をしていました。ただ、基準を参照できるので厳密に暗記する必要もなく、監査報告論には~という論点があるよね、ぐらいの温度感で付き合っていました。
もう1つ大事なことは、基準集の読み込みです。基準集で大まかな場所を把握できたとしても、該当する監基報の項目が200ぐらいあるものもあるので、そうすると探すのに手間がかかります。事前に項目が多い監基報には目を通し、大体ここにはこのような内容があったな、ぐらいの把握をしておくと安心です。
令和7年の監査論は、基準参照ゲーだったのですが、特に第2問のグループ監査の問題は、ほぼ全問基準を参照できれば勝てる感じでした。しかし、グループ監査のP数が膨大すぎて、該当箇所を全て探し当てられた人は、殆どいないと思います。実は上級答練5でグループ監査の問題が出ており、その時に監基報を引いていたおかげで、ほぼ同じ問題の該当箇所はサッと引くことができました。(答練で出なかったところは引けなかったんですけどね・・・)
③現場思考型
現場思考型も、基本的には関連する論点を特定し、基準集を参照する形になるので、②と内容は同じとなります。当然このタイプが1番みんなできないので、基準集見ても思いつかなかったら、捨てるのも手です。何問か白紙にしても合格できます。
余談~監査論はギャンブルか?~
監査論は答練の成績と本番の成績が比例しないことがよくあります。本番たまたま基準集を引けた、引けなかったということで、勉強していなくても跳ねることがありますし、逆もまた然りです。そのため、ギャンブル科目と言われたりもしますし、ノー勉で受かったという人もいるほどです。特に時間のない58生は後回しにしがちな科目筆頭候補だと思います。しかし、毎年数問は典型問題が出されるため、その典型問題を必ず取り、論点洗い出し力で他の問題から部分点をもぎ取れば、合格点は取れるはずですので、58でも最低限の対策はすべきです。
後、答練は上級含めて全部目を通すべきです。答練を全て目を通すことで、頻出分野や、この分野から出すならここだよね、といった内容を把握できます。
~こうしていれば良かったな~
58なので、これ以上はやりようが無かったと思います。時間があれば松本レジュメでがっつり対策すればよかったかもですね。
【企業法】~論文の鬼門~
企業法は、大問2つ出題され、100点満点です。
短答と大きく異なります。というか異なりすぎて実質別科目と化します。
私は、論文期では常に足切りかどうかが勝負という、断トツの苦手科目でした。
まず、論文企業法は答案の書き方があるため、それから学ぶ必要があるのですが、これが中々最初は書けません。問題提起→規範定立→当てはめ、というのが答案の型になりますが、慣れないと全く書けません。とはいえ、ここは慣れの部分が大きいので、何度かやれば書けるようにはなります。
答案構成について、一例をあげてみます。
①問題文を読んで、今回の問題点は、株主総会の瑕疵、と当たりをつける。②問題提起で、~が株主総会の瑕疵に当たるかが問題となる、と述べる。
③次いで、~の場合は株主総会の瑕疵となる、と規範定立する。
④本問においては、~であるので、株主総会の瑕疵となる、と当てはめる。
問題提起が出来ていないと、規範定立も、当てはめも、やりようが無いので、1番最初の問題提起が、肝心です。
で・・・・・、なぜ私が企業法が苦手だったかというと、何が問題なのかわからないからです。株主総会の瑕疵を例にとると、株主総会の瑕疵についての問題なのはわかるんだけど瑕疵なくね???という状態になる、或いはそもそも株主総会の瑕疵という論点に気づけない、ということです。
ですので、少なくとも典型的な論点は覚えてないと話になりません。
覚えてなかったら、ある事例が株主総会の瑕疵に当たる、とか中々初見ではわかりませんからね。
また、論点がわかっても、正しく条文指摘できなければなりません。特に、規範定立では、条文の文言を引用することが多いので、条文が命です。問題を見たときに、あの論点だから何条だな、までいけたらベストです。条文の中身は、基準集を見ればいいので一言一句覚える必要はありませんが、どういう内容なのか予め把握していないと、条文の解読に相当手間取ると思います、ですので、日頃から条文を引いて理解すべきです。手間でもちゃんと引きましょう。
私は、答練でE判定連発して、青木レジュメを課金しました。そのおかげで、最終的には答案の書き方がわかるようになり、少なくとも足切りは避けれる状態までは持っていきました。まぁ本試験では第1問が全くわからず、企業法が終わった瞬間に、足切り確定だと思い、ガチで泣きましたがね。
~こうしていれば良かったな~
短答期からしっかり条文を読んで確認し、趣旨を理解するべきでした。
手間でも、答案を記載して添削してもらうべきでした。
【租税法】~58最大の壁~
租税法は、大問2つ出題され、大問1が理論問題で40点、大問2が計算問題で60点です。大問1の中でも、中問2つにわかれますが、問われる内容は、ほぼ同じです。大問2は、法人税が30点、所得税と消費税が15点前後(どちらかが14点で、残りが16点)、という構成です。
58がなぜ論文合格率が低いのか、その最大の要因が租税法だと私は思います。法人税・所得税・消費税の3科目を扱いますが、とにかく範囲が膨大です。全科目の中で、財務会計に次ぐボリュームです。短答後3カ月で、それだけのボリュームのある科目を1から学んで、本試験で戦えるレベルに仕上なければならないって、普通に無理ゲー・・・
私の中でも、相当苦手意識があり、学習初期は、個別問題集がほぼ1問も解けませんでした。正直速習レジュメと個別問題集の難易度に差がありすぎるのも原因だとは思いますが、それ以上に租税法は暗記がモノをいう科目なので、どうしても暗記が定着しない初期は解けないということになりがちです。
逆に何度も何度も周回して(私は10周しました)、暗記が定着してくると、比較的安定します。個人的に全科目の中でも、努力が報われやすく、本試験での再現性が高いです。
法人税について
※理論は全て、理論編で取り扱うので、ここでは計算のみ言及します。
法人税は計算60点の半分の配点を占めますので、いうまでもなく最重要科目です。また、1問間違えると芋づる式に間違える所得税や消費税と異なり、法人税は基本的に各問題が独立していることから、正解を積み重ねやすい問題形式となっています。
また法人税は、会計上の収益・費用と、税務上の益金・損金のズレの修正ですので、財務会計ができると割と取っつきやすいと感じます。
ということで、法人税で稼ぐというのが昔は主流だったみたいなのですが、最近は難易度の高い問題が多く含まれていることと、問題数が減った(昔は40問や30問あったが、今は15問)となったことから、得点源にしやすいとはいいがたい面もあります。
それでも、配点の半分を占める以上は、他者に差はつけられないことがまず第一だと思いますし、特に58生は法人税でなんとか稼ぐという方針自体は変わらないと思います。難易度の高い問題が多くあり、それらは解けないと考えると、典型的な問題は確実に取らなければなりません。そして問題数が減ったことから、典型問題1個間違えるとダメージが相当大きいです。ですので、網羅的に各論点を抑えておくことが肝要だと考えます。実際私は速習レジュメを使っていましたが、補講論点も含めてC論点もやってました。
ただ、組織再編だけは捨てました。これは、計算で組織再編の問題が出る可能性が少ないことと、財務の組織再編とこんがらがって、財務まで駄目になるリスクを恐れたからです。
所得税について
簡単だと思ったら地獄だった科目。
とにかく、暗記する事項が多すぎてパンクします。
暗記の精度が全てです。計算科目の皮をかぶった暗記科目です。
ただ、所得税の中でも、比較的暗記しやすく簡単に出せる項目が存在します。給与所得・退職所得・扶養控除・基礎控除・寄付金控除等です。これらは出たら確実に得点しましょう。
ちなみに、本試験では2問しか正解しておらず、爆死しました。
消費税について
初見で1番意味不明だった科目で、個別問題集が全く解けずにリアルに諦めて、捨てようかと本気で思いました。と、いうのは昔は消費税=捨て、という考えもあったからです。消費税は、不課税なのか非課税なのか、課税売上対応なのか非課税売上対応なのか・・・みたいに、各取引を分類していく必要があるのですが、問題に出てくる取引数が結構あります。20個前後とかはあります。
で、1個でもずれたらほぼ全部間違えるという性質を持つので、できたときは満点近いし、間違えたときはほぼ0点という科目でもあります。なので、初見殺しが出たらほぼ壊滅しますので、捨てるのも合理的だったわけです。特に58は消費税までやる余裕は無いでしょうから。
ただ、最近の本試験の消費税は簡単になってきており、ちゃんと勉強してれば高得点が期待できます。よって捨てると不利になる可能性が高いです。58でも最低限は抑えましょう。
特に独立して解答できる、返品等にかかる消費税や、中間納付税額は出たら確実に取りましょう。
理論
とにかく、問題を見た瞬間に基準集を開かなくても条文番号が言えるレベルで条文覚えろ、話はそれからだ。
租税理論ですが、最大の特徴は、条文を読んでも理解ができないということになるかと思います。これは頭が悪いからとかではなく、本当に意味が分かりません。是非、一度でいいので基準集を開いてみてください、多分発狂します。企業法は条文読めば意味が分かることが殆どなので、最悪当日条文を引いて読むことで解決することもできます。しかし、租税法でその戦法はほぼ不可能です。条文を引けたところで読めないから。なので、事前にこの論点はこの条文だ、ということを把握する必要があります。
なので、特に特殊な対策はありません。授業を1回聞いたら、後はひたすら速習レジュメの過去問編・個別問題集・答練を繰り返し解き、条文番号まで覚えるレベルでやり込むだけです。
ただ、ある程度の理解をしていると暗記もかなり楽になります。何条が何条の例外規定とかの意味が分かりますので。58に理解している時間はありませんが、暗記がどうしてもできないときは、急がば回れで理解を重視すると、スッと入ってきます。ただ基本は暗記を優先すべきと考えています
。
~こうしていれば良かったな~
短答期から租税法の対策をすべきでした。
【経営学】~1ヵ月あれば間に合う~
選択科目で論文から加わるため、58にとっては厄介な存在ですが、必要勉強量は他科目に比べればかなり少なく、計算問題の範囲に関しては財務のテキスト1~2冊分程度です。
経営学は、経営管理と財務管理の二つ出題されます。経営管理はいわゆる理論です。財務管理は計算問題が中心で、ファイナンスという分野を扱います。以下それぞれの詳細を記載します。
経営管理(理論)
経営学の第1問で出題されます。50点満点で、基本的には語句や数字の記載、記号選択がメイン。50字程度の記述が何問か出ます。
大学受験でいう社会みたいな科目で、とにかく様々な単語を覚える必要があります。マズローの欲求階層とか、消費者行動論、マーケティングとか、色んな内容を広く浅くというイメージです。範囲がかなり広いですが、基本的にほぼ語句問題です。ですので、キーワードを覚えているか覚えていないかだけで決着がつきます。正直めちゃくちゃ楽です。極論、試験直前1週間前までノー勉でもなんとかなります。実際、模試や答練でも平均点は高くなりがちですので、あまり差がつきません。
ただ・・、範囲が膨大すぎるゆえに、予備校で扱っていない内容も本試験では、結構出ます。では、対策は無意味なのかというとそうでもありません。典型的なキーワードも何問かは出ますが、受験生が皆対策しているので、取りこぼしたら致命傷です。誰も知らない問題は誰も解けない代わりに、知ってる問題は皆知ってる、そんなイメージを持ちました。財務とかでは、典型問題でも、できない人も一定数います。文章を暗記するというのは結構大変なんですよね。しかし、経営理論はキーワードを覚えてさえいればいいので、誰でも知ってれば解けてしまいます。なので予備校のA・B論点は最低でも必ず覚えておきましょう。
~こうしていれば良かったな~
経営理論は負担が軽かったので、休憩がてら定期的にやっておりました。しかし、毎日やる必要はなかったと反省してます。直前に詰め込むにとどめておき、普段は他科目を優先してやるべきだと反省しています。
財務管理(ファイナンス)
近年のファイナンス分野は、25問出題され、50点満点です。記述問題はなく全て客観採点可能です。素点も1問2点でしょう。
特徴としては文系が死ぬ科目。個人的に、理解しようとした場合の純粋な科目としての難易度は1番高いと感じました。
一方で、範囲がめちゃくちゃ狭いです。本当に財務のテキスト1~2冊程度。
そして、計算問題は、典型問題と現場思考型の問題の2つでますが、典型問題を確実に取れるようにすれば死にません。ちなみに、思考型の問題は地頭の良い方は割と解ける気がしました。(なお私は全く解けません・・・)
当然典型問題の中にも、理解するには難しい分野もあるのですが、下書きを駆使すれば、理解してなくても解けてしまう問題もあります。
ということで、特に58生は時間もないので、反復しまくって徹底的に下書きをマスターすることで、典型問題を確実に取るのがベストでしょう。
ただ・・・ただですね、最近の財務管理はロト6と化しています。
どういうことかというと、計算問題より理論問題の方が多くなっているのですが、この理論問題がめちゃくちゃ難しいです。5~6個の選択肢の中から「合っているものを全部選べ」という問題が10問程度出題されるのですが、ほぼすべて埋没レベルの難易度ということです。選択肢から1個選ぶだけなら運任せ・・・もできるかもしれませんが、「全部選べ」は運要素が排除されてしまいます。個人的にファイナンスの理論って全科目でもトップクラスの難易度だと思ってまして、それが大量に出てしまううお手上げ。
腰を据えて理論をマスターする余裕なんて58生にはないですから、解けそうな理論問題はなんとか正答する・・・が現実的でしょう。
(筆者は令和7年で「全部選べ問題は」11問中1問しか取れませんでした・・・)
~こうしていれば良かったな~
無理にでも時間をかけて理論の理解をすべきでした・・・・
【最後に】
論文式試験は、科目によっては短答と求められる水準に大きな差は無いかもしれませんが、記述式であることや、科目数が多く3日間の長丁場であること、また合格素点が短答式の半分程度であることを鑑みても、短答より遥かに難しいです。ですので、様々なテクニック云々より、まず「折れない心」が最も大事であることを強調しておきます。
この記事を見た方が一人でも多く合格できることを願います。
PS.58はマジで地獄だから、できるだけ12短で受かってください。
【おまけ】~一日のスケジュール~
平日(あくまで一例)
5:00~5:30 起床・朝飯等
5:30~9:00 管理・財務
9:00~12:00 仕事
12:00~13:00 昼飯+勉強(監査論 or 経営学)
13:00~17:00 仕事
17:00~18:00 勉強(企業法)
18:00~18:30 夕飯
18:30~20:00 租税法①
20:00~20:30 風呂等
20:30~22:00 租税法②
22:00~23:00 仕事or勉強
23:00~24:00 自由時間or 仕事
24:00~5:00 睡眠or仕事(ミーティングある場合)
※ 残業や出張等で、この通りでないこともあります。あくまで、一般的なスケジュールです。
※ フルフレックス・リモート自由な環境のため、仕事の時間は柔軟に調整できました。出社する場合は通勤時間も理論の勉強に充てております。
休日(一例)
7:00~7:30 起床・朝食
7:30~8:30 管理(計算+理論)
8:30~9:30 連結総合問題(計算+理論)
9:30~10:15 財務個別計算
10:15~11:15 財務理論
11:15~12:00 監査論①
12:00~12:30 昼飯
12:30~13:30 監査論②
13:30~15:00 経営学(計算+理論)
15:00~15:30 休憩
15:30~17:00 企業法
17:00~18:00 法人税(計算)
18:00~18:30 夕飯
18:30~20:00 所得税・消費税
20:00~20:30 風呂
20:30~21:30 租税理論
21:30~22:30 その日足りなかったところ
22:30~24:00 自由時間
24:00~7:00 睡眠
仕事やご飯等以外のほぼ全ての時間勉強していました。まじで地獄でした。
また、1番頭が働く朝に計算をやり、1番頭が回らない夜に事務仕事を回しました。完全に勉強優先でした。 眠くて仕方ない時はエナドリで無理やり起きてました。時間確保のためには健康を犠牲にするしかなかったのです。
【おまけ2】~回転教材について~
短期合格する上では、教材に手を出しすぎず、選び抜いた教材を回転することが大事です。今私が改めて教材を選ぶなら、これだけにするってやつを書いてみます。私が使ってなかったやつも含まれますが(監査・租税)、ご了承ください。
財計 テキスト例題・連結は過去問
財理 渡辺レジュメのみ
管理 論対のみ
監査 松本レジュメのみ
租税 論対・個別問題集
企業 青木レジュメのみ
経営 速習レジュメのみ
共通 答練
課金必須じゃねぇか!と思われるかもしれません。ごめんなさい。ゲームでも有利に進めるには課金必須だし・・・
もし時間が取れるなら、財務と管理はコントレをお勧めします。特に財務。
本試験終了後~合格発表まで、念のために会計学だけは勉強継続していてその際にコントレを使用してみたのですが、非常に素晴らしい教材です。
本試験前にやってたら、かなりアドバンテージだったろうに・・と後悔しているぐらいです。ただ非常に重いので、短期合格する上では基本的に不要です。
【おまけ3】~心を折られた瞬間ランキング~
短期合格というと、要領が良いからだ、とか想起しがちですが、私自身全然そんなことないです。何度も何度も心を折られ、諦めようか撤退しようかと逡巡しました。しかし、「やられたらやり返す」というハンムラビメソッドに則り、不屈の精神で最後まで諦めなかったことが、結果につながったと思います。では、撤退してやるよこんな試験!となったランキングを記載します。
1位 連結
→個別問題集の同じ問題をマジで何回やっても解けない。10回ぐらいやってようやく解けるようになった時、諸々の会計処理の意味もわかってきて、ブレイクスルーが起きたが、途中で本気で撤退を決めかけた。
2位 標準原価計算のkg単位でデータを与えられるケース
→減損・仕損で出てきやすいですが、個数じゃなくてkgでデータを与えられると頭がバグを起こして、フリーズしました。私は文系で、算数や数学が得意ではなかったので、元々管理が得意ではなかったのですが、このkgの問題は、ごり押しで解けるようなものでもなく理解してないと解けなかったので、辛かったです。
3位 企業法(論文)
→短答終わってから、企業法の答練でE判定連発して、他がどんなに良くても足切りじゃん、と不貞腐れたのを覚えてます。「そもそも58なんて無理ゲーだし、今回は科目合格に切り替えてもよくない?」と弱気になっていました。



記事面白かったです。ありがとうございます! 本当にストイックですごいと思います! CPAで短答式対策中なのですが、短答・論文におけるコントレの必要性について、受験を振り返られた時…
ありがとうございます。 コントレ無くても合格は全然可能です。 時間に余裕があれば、上位合格を目指すために使ってみるのもありだと思います。
働きながら二千時間以上捻出 とんでもないですね 自分は通年で勉強やったなと思っても、実際に数字で見ると400時間すら届いたことがない ただただその集中力と忍耐力に敬服いたします
ありがとうございます!
まじで化け物だと思います 本当にすごいです
ありがとうございます😭