知らないと損する一般選抜の多様化 得意科目が「4倍」に【大学職員座談会・前編】

2025/12/16

■連載:大学職員座談会

大学受験で「年内入試」が増えているとはいえ、難関大学を中心に依然としてメインになっているのが一般選抜です。ただ、一般選抜も試験方式が多様化し、保護者世代の頃とは大きく変わっています。そこで今回は関東学院大学、千葉工業大学、関西大学の入試業務担当者に、一般選抜の様子を聞きました。まずは一般選抜に広がる、驚きの方式についてです。【前編】(聞き手=朝日新聞「Thinkキャンパス」平岡妙子編集長、写真=関西大学の一般選抜当日の風景、関西大学提供)

「共通テスト利用」が拡大

——入試を担当する皆さんの主な業務と、一般選抜で特徴的な入試方法を教えてください。

 関東学院大学  学生募集に関する様々な業務に関わっており、主に高校との折衝などを担当しています。一般選抜の大きな特徴は2つあり、一つは1回の受験で「均等配点型」「科目重視型」「英語外部試験利用型」「共通テスト併用型」という4区分で合否判定できる制度があることです。2つ目は、共通テスト利用入試の後期日程で、合格者全員が入学金と初年度授業料の免除を受けられる「5科目スカラシップ型」を設けていることです。

千葉工業大学 入試広報部で試験のシステム運用や、大学案内、募集要項、動画の制作などを行っています。本学も大きな特徴は2つあります。一つは一般選抜の試験前日まで出願できること。2つ目は、共通テスト利用入試の受験料が全額免除となっているということです。そうしたこともあり、ありがたいことに2025年度の一般選抜では志願者数が16万2005人と、全国1位になりました。

関西大学 入試広報部門で広報に特化した業務を行っています。本学も25年度入試ではビジネスデータサイエンス学部を開設したこともあり志願者が増え、特に増えたのが共通テスト利用入試でした。共通テスト利用入試も多様な方式があり、科目数も6科目型から2科目型まであります。また、最高得点科目が素点の4倍になる方式もあります。多くの受け方を選べるところが特徴かと思います。

高学力層の生徒がほしい

オープンキャンパスの説明ガイダンスには積極的に参加することが望ましい(写真=関東学院大学提供)

——3大学とも、いろいろな入試方法がありますね。もう少し詳しく教えていただけますか。

関東学院大学 一般選抜前期日程では「均等配点型」「科目重視型」「英語外部試験利用型」「共通テスト併用型」と4方式があります。「均等配点型」はその名の通り、3科目の配点が同じもので、これが受験必須の方式で、検定料は3万5千円です。他の3方式は「均等配点型」との併願が可能で、「科目重視型」のみプラス1万円かかりますが、他の2つは追加費用をかけずに併願が可能です

科目重視型は、特定科目だけ点数を倍にするというものです。理系学部だと、例えば数学だけを倍にする、または文系学部ですと最高得点だった科目を倍にする、というものもあります。これにより、均等配点型で不合格だった生徒が、科目重視型で逆転することもあり、最も多く併願されています

——共通テスト利用入試の後期日程の「5科目スカラシップ型」はどんなものですか。

関東学院大学 こちらは国公立大学の前期日程の合格発表が出た後くらいから出願が始まり、共通テストの成績のみで合否判定します。国立大学に挑戦した受験生のセーフティーネットとなることを目的に設計しましたが、本学としても国公立大学に挑戦するような学力水準の方にはぜひ来ていただきたいので、入学金と初年度授業料免除という特典を設けています。これにより高学力層も入ってきていますし、「元々この方式が狙いでした」と話す入学者も一定数います。

——その特典は大きいですね。千葉工業大学はいかがですか。

 千葉工業大学 本学では「共通テスト利用入試(前期)」「5教科基準点型入学試験(共通テスト利用)」「大学独自入試」で、試験前日まで出願を受け付けています。他大学はもう出願を締め切っているという時にも申し込める、最後のよりどころ的な存在になればと考えて設定しました。それも大事なことだと思っています。

共通テスト利用入試の検定料免除は21年度入試から、コロナ禍で経済的に逼迫(ひっぱく)してしまった家庭のことを考慮して始めました。検定料無料ということで、国公立大学を目指しているような、より高学力層も受けてくれて受験者層が広がりました。ただ、受験者数が大幅に増え、高学力層も多く含まれるとなると、歩留まり(合格者のうち入学する数)がかなり読みにくくなるので、そこは毎年、本当に苦労しています。

大学の公式キャラクター「チバニー」に迎えられるオープンキャンパスの参加者(写真=千葉工業大学提供)

——入学者数は大学の経営にも直結するので、それは確かに大変でしょうね。関西大学はいかがですか。

関西大学 共通テスト利用入試の中にも、個別学力試験と共通テストを併用する「共通テスト利用入試〈併用〉」と、共通テストの得点のみで判定する「共通テスト利用入試〈前期・後期〉」があり、そのそれぞれにいろいろな方式があります。例えば、「共通テスト利用入試〈前期・後期〉」の中にある「ベスト3科目傾斜配点方式」は、指定する科目を受けてさえいれば、全科目を200点満点に換算した上、得点が高かった3科目が採用される方式で、最も得点の高かった1科目はさらにその倍にするというものです。つまり素点に対して4倍の点数がつきます

試験当日に問題を選べる方式も

——素点の4倍ですか。3科目で800点満点になるということですね。これは得意科目がある生徒は利用すると有利になりますね。多様化した方式を知らないと、損しますね。

 関西大学 一般入試において特徴的なのが理工系3学部で導入している理科設問選択方式です。理科の3科目(物理・化学・生物)のうち2科目を事前に選び、当日は各科目の大問3題、計6題の中から、問題を読んでみてから好きなものを4問(日程によっては3問)選び、解いてもらうというものです。

千葉工業大学 それって問題冊子や答案用紙はどうなっているんですか。

関西大学 科目パターンごとに、その2科目の問題と解答用紙を配るようにしていて、解く問題数が4問か3問かは受験日によって分かれています。3問の日を選べば実質1科目、例えば物理だけで受験できます。問題を見てから、自分が得意な分野が出ていたら、それを選んで解答すればいいということです。

千葉工業大学 なるほど。それは複雑で、なかなかシステム泣かせですね(笑)。

関西大学  そうなんですよ。私は広報課でよかったと思っています(笑)。入試方法はかなり複雑ではありますが、得意科目だけで勝負できる方式や、その得点を最大限伸ばせる方式もあるので、ぜひ早い段階から調べて見つけてもらえたらと思います。

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(文=小元佳津江)

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【写真】マスコットキャラクター「チバニー」が参加者に手を振る姿(千葉工業大学)

オープンキャンパスの説明ガイダンスには積極的に参加することが望ましい(写真=関東学院大学提供)
オープンキャンパスの説明ガイダンスには積極的に参加することが望ましい(写真=関東学院大学提供)

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