Post

Conversation

【自分がワークになったつもりで設計しよう】 産業機械設計に30年携わってきましたが、「搬送」は実に奥が深いです。図面上は完璧でも、実機ではワークに傷がついたり暴れたりすることがある。これは設計者が無意識にワークへ「無理」を強いているからです。 これを防ぐため、私は「自分がワークになって機械の中を通る」脳内シミュレーションを行います。 例えばガイド。「幅が狭くて腕が擦れて痛くないか?」「高さが膝の位置で、つまずいて転ばないか?」「乗り継ぎ部の隙間で足を取られないか?」 物理現象(摩擦・衝撃)を身体感覚(痛み・恐怖)に翻訳するのです。「痛そう」な場所は実際に傷の発生源になり、「転びそう」な場所はジャムの原因になります。 「自分ならこんな道は通りたくない」。そう感じたら設計変更のサインです。自分がスムーズに心地よく通れるルートこそ、ワークにも負荷の少ない「優しい設計」となります。 数値計算も重要ですが、最終的な品質を担保するのは、こうした設計者の「想像力」だと私は考えています。
Image