高市早苗内閣が発足して50日が経過した。外交面ではトランプ米大統領と信頼関係を結び、国内では積極財政を示す18兆円の補正予算の成立を急ぐ。政策実現に注力する高市氏だが、高い内閣支持率ゆえに解散するのではないかとの見方も根強い。果たして年末年始の解散はあり得るのか。

 政権発足当初はいわゆるご祝儀で高い支持率であってもその後低下するのが通例であるが、高市政権では50日経過時点でも異例に高い内閣支持率をキープしている。いずれ支持率は下がるから、高いうちに解散という部外者の発想が出てくるのだろう。

 正直に言って解散の時期は高市氏しか分からない。もし高市氏が第三者に漏らしたり、察知されたりするようであれば、首相失格にもなりかねない。そのくらい解散というのは首相の専管事項・権限である。

 ただし、官房長官の立場なら、解散に伴う諸事務があるのでと分かることがある。もちろん官房長官がそれを口外することはない。漏らしたらすぐに更迭だ。

 その上で、解散の一般論としていえば、憲法69条か7条に基づくものがある。69条は「衆議院で不信任の決議案を可決し、又は信任の決議案を否決したとき」なので、自民と維新が割れない限り考えにくい。となると、7条に基づき国民に信を問うための解散となる。国民に信を問うためには、国会開催中で大問題が起こったというのが通例である。

 今臨時国会の会期末は12月17日。大問題というからには、臨時国会を延長してでも議論しても、なおかつ結論が得られない場合だろう。

 今国会においては5日に国会提出された衆院議員定数削減法案は会期内の成立が難しい。もし解散というのであれば、この法案の是非を国民に問うのであろう。この法案は実質的に衆院の小選挙区で25議席、比例区で20議席削減なので自民党の一部にも反対があり、野党も反対だ。野党は企業・団体献金見直し3法案が先だという。つまり、政治家の数とカネについて、国会は二分されている。

 今国会が延長されると、解散の公算が大きくなる。しかし、解散は首相の専管権限なので、高市氏だけが決めることができる。政治家の数とカネについて、与党は同時に議論しよう、野党はカネが先だという。これで国民の信を問い、与党が勝てると確信したら、今臨時国会の会期を延長し年末年始の解散の可能性は残されている。

(たかはし・よういち=嘉悦大教授)

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