上野動物園(東京都台東区)の双子のジャイアントパンダ、雄シャオシャオと雌レイレイが来年1月下旬に中国へ返還となることを15日、都が発表した。最終観覧は1月25日となる

現在、国内唯一のパンダだったシャオシャオとレイレイだが、所有権は中国にあり、返還期限が来年2月に迫っていた。返還が期限の1カ月前となることについて、都の担当者は「もともと余裕を持たせてスケジュールを組んでおり、検疫の施設の空き状況からその日程となった」と説明。日本で飼育されているパンダが0となるが、新たなパンダについて、同担当者は「以前から継続して希望は出している」とした上で、先方の窓口となっている中国野生動物保護協会から「正式な回答、反応がない状況」と説明した。

また、高市早苗首相の台湾有事をめぐる発言による日中関係の悪化で新たな貸与が厳しい見通しであることも伝えられているが、都の担当者は、返還の前倒しや交渉への影響は否定。同担当者は「問題が顕在化する前から、1月末の返還は視野に入れていた」とし、発言の交渉へのついても「特別な影響があるとは考えていない」とした。

返還に伴い、観覧方法も変更。12月16~21日はシャオシャオの自由観覧を中止し、2頭の観覧場所を複数に区切り、係員の誘導に従って、1分程度で観覧する方式となる。休園日をはさんだ12月23日以降の観覧は、事前のインターネット申し込みで、予約した人のみとなる。12月23日から来年1月12日までには先着順で、予約は、希望日の1週間前の正午から(初回は16日正午)。また来年1月14以降の観覧は、抽選で当選した人のみとなる。

1回の最大申込人数は大人(中学生以上)2人。小学生以下は、1グループにつき最大3人が同行者として同行可能。小学生以下のみでの観覧はできない。26日まで各日4800人(30分400人)、27日以降は各日4400人の観覧を予定している。

1人での複数アカウントでの申し込みは禁止。また観覧の権利や発行される「二次元コード」について、都は「譲渡や転売、営利目的で観覧同行者を募り観覧権利を販売する行為などは固く禁止します。発覚した場合には観覧をお断りします」とした。

検疫に伴い、12月27日以降は室内展示のみとなる。

今回の返還で、1972年、日中国交正常化を記念して、上野動物園に雌ランランと雄カンカンが来日して以来、初めて日本からパンダを姿を消すことになる。今年6月には、和歌山県白浜町の「アドベンチャーワールド」にいた4頭が中国に返還されていた。