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「年末の候」はいつからいつまで?正しい使用時期とビジネス例文・マナー

「年末の候」はいつからいつまで?正しい使用時期とビジネス例文・マナー 仕事・ビジネス

「年末の候(ねんまつのこう)」という言葉、いざ手紙やビジネスメールで使おうとすると「具体的にいつからいつまで使っていいの?」と迷ってしまうことはありませんか。

結論からお伝えすると、「年末の候」を使うのに最適な時期は、12月中旬から12月28日頃までです。

年の瀬が迫り、誰もが慌ただしく過ごしている時期に、相手の体調や繁栄を気遣うための言葉として使われます。ただ、ビジネスシーンや目上の方に対しては、より適切な言い換え表現が存在する場合もあります。

この記事では、「年末の候」の正しい意味と使用時期、そのまま使える例文、そして似た意味を持つ他の時候の挨拶との使い分けについて、分かりやすく解説します。

「年末の候」の意味と読み方

「年末の候」は、「ねんまつのこう」と読みます。

文字通り「今年も終わりが近づいてきた季節になりましたね」という意味を持つ、冬の時候の挨拶です。

時候の挨拶には「漢語調(〇〇の候)」と「口語調(~な季節となりました)」の2種類がありますが、「年末の候」は漢語調にあたります。一般的に漢語調はビジネスや格式高い場面で好まれますが、「年末」という言葉自体が非常に日常的な言葉であるため、やや柔らかい印象を与える表現と言えます。

そのため、親しい間柄のビジネスパートナーや、知人への手紙などで「師走の候」では少し堅苦しいと感じる場合に使うと効果的です。相手に季節の移ろいを感じさせつつ、忙しい時期を共有する共感のニュアンスを含めることができます。

一方で、非常に格式高い式典の案内状や、一度も面識のない相手への送付状としては、後述する「歳末の候」や「師走の候」の方が無難なケースもあります。相手との距離感に合わせて選ぶのがポイントです。

【いつからいつまで?】年末の候を使う正しい時期

「年末」という言葉が含まれているため、12月に入ればすぐ使えそうに思えますが、実は適切な期間は限られています。

具体的には、12月中旬(15日頃)から、仕事納めとなる12月28日頃までに使用するのが一般的です。カレンダー上の「年末」の感覚に合わせるのがマナーとなります。

12月上旬(1日~10日頃)は、まだ「師走に入ったばかり」という感覚が強いため、「師走の候」や「寒冷の候」を使うのが適しています。まだ新年の準備に追われている感じが出ていない時期に「年末」と言うと、少し気が早い印象を与えてしまうためです。

また、12月30日や31日も使えますが、この時期に届く手紙やメールは、相手が休業に入っている可能性が高いです。ビジネスメールであれば、相手の最終営業日までに届くよう配慮しましょう。年賀状の準備などで郵便事情も遅れがちな時期ですので、郵送の場合は余裕を持って投函することをおすすめします。

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補足:使用時期の幅について

時候の挨拶の使用時期には、慣習的にある程度の幅があります。

本記事では、最も違和感のない期間として「12月中旬から12月28日頃まで」とご紹介しましたが、これはあくまで目安の一つです。

実際には、その年のカレンダーや相手との関係性によって、もう少し柔軟に使用されることもあります。「絶対にこの期間でなければマナー違反!」と神経質になりすぎる必要はありません。相手の手元に届いたときに「年末らしいな」と感じてもらえるかどうかが一番のポイントですよ。

「年末の候」と使い分けたい12月の時候の挨拶【比較表】

12月には「年末の候」以外にも、似たような時期に使える挨拶がいくつかあります。

微妙なニュアンスや使用時期の違いを理解しておくと、より洗練された文章になります。以下の比較表を参考に、状況に合わせて使い分けてみてください。

時候の挨拶読み方使用時期の目安特徴・ニュアンス
年末の候ねんまつのこう12月中旬~28日頃年の瀬の慌ただしさと、終わりゆく年を惜しむ気持ち。やや一般的で使いやすい。
歳末の候さいまつのこう12月下旬「年末の候」よりも改まった印象。ビジネス文書や公的な挨拶状に最適。
師走の候しわすのこう12月全般12月であればいつでも使える最もポピュラーな表現。迷ったらこれを使うのが無難。
冬至の候とうじのこう12月22日頃~二十四節気の「冬至」以降に使う。季節感を強調したい場合に適している。
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ビジネスシーンで最も失敗がないのは「師走の候」ですが、12月後半の切迫感や、一年を締めくくる挨拶としては「歳末の候」や「年末の候」が季節感にマッチします。

特に目上の方へ送る正式な書状では、「歳末の候(歳晩の候)」を選ぶと、より教養を感じさせる文章になります。

ビジネス・個人別「年末の候」を使った例文集

ここからは、実際にそのまま使える例文を紹介します。

時候の挨拶は、文頭の「頭語(拝啓など)」に続けて書くのが基本です。

ビジネスシーンでの例文

ビジネスでは、相手の会社の繁栄を祝う言葉へと繋げるのが定型です。

【書き出し】

  • 拝啓 年末の候、貴社におかれましては益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。
  • 拝啓 年末の候、貴社ますますご隆盛のこととお慶び申し上げます。
  • 拝啓 年末の候、平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。

【結び】

結びの言葉では、来年への期待や、年末の多忙さを気遣う言葉を入れます。

  • 年末ご多忙の折ではございますが、貴社の更なるご発展を心よりお祈り申し上げます。敬具
  • 本年中のご愛顧に心より御礼申し上げますとともに、来年も変わらぬご指導ご鞭撻のほどお願い申し上げます。敬具
  • 来年も本年同様のご愛顧を賜りますよう、お願い申し上げます。どうぞよいお年をお迎えください。敬具

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個人・親しい間柄での例文

個人宛ての場合は、相手の健康や安否を気遣う内容にします。少し表現を崩しても構いません。

【書き出し】

  • 拝啓 年末の候、〇〇様におかれましては、いよいよご清祥のこととお慶び申し上げます。
  • 拝啓 年末の候、ご家族の皆様にはお変わりなくお過ごしのことと存じます。
  • (少し柔らかく)カレンダーも最後の一枚となりましたが、いかがお過ごしでしょうか。

【結び】

  • 寒さ厳しき折、くれぐれもご自愛ください。来年も素晴らしい年となりますようお祈り申し上げます。敬具
  • ご家族皆様で、どうぞ穏やかな新年をお迎えください。敬具
  • 年末の慌ただしい時期ですが、風邪など召されませぬようご自愛ください。敬具

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まとめ

「年末の候」について解説しました。

使用時期やマナーのポイントを振り返っておきましょう。

  • 時期: 12月中旬から12月28日頃までがベスト。
  • 意味: 年の終わりが近づいたことを表す挨拶。
  • 使い分け: 全般なら「師走の候」、より改まるなら「歳末の候」。
  • 構成: 「拝啓 + 年末の候 + 相手の安否を気遣う言葉」が基本。

年末は、一年間の感謝を伝え、来年への関係を繋ぐ大切なタイミングです。

形式にとらわれすぎる必要はありませんが、正しい時期と言葉を選ぶことで、相手に「しっかりした人だ」「季節感を大切にする人だ」という好印象を与えることができます。

ぜひ、今年最後の挨拶状やメールに「年末の候」を活用して、気持ちよく一年を締めくくってください。

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