アイヌ遺骨収集・保管のあり方に問題 人類学、考古学の両学会が謝罪
定塚遼 大滝哲彰
アイヌ民族の遺骨を巡り、過去の研究において、収集や保管のあり方、研究成果の共有などに問題があったとして、日本人類学会と日本考古学協会は15日、謝罪声明を出した。
日本人類学会の声明は、過去に盗掘など適正な手続きを踏まずに遺骨を収集した事例があったことに言及し、「心を痛めてこられたアイヌの方々に心よりお詫(わ)び申し上げます」と謝罪した。同日の会見で、日本人類学会の海部陽介会長は「けじめをつけるべき部分がやっぱりある」などと語った。
国内では19世紀以降、東京大や北海道大など12大学の研究者が、アイヌ民族の遺骨を集めていたが、アイヌ民族からは「盗掘だった」という批判の声が強かった。2019年に札幌医科大学が、「今日の研究倫理の観点から適切とは言えないものもある」として、日本の大学で初めて謝罪。今年10月には、東大も先住民族の尊厳を傷つけたとして謝罪した。
研究を進めてきた3学会のう…