地域医療を支える病院の廃院の差し止めを求めて、職員らが意見書を提出しました。

 申立書などによりますと、京都市中京区にある「京都新町病院」は「京都逓信病院」が前身で、回復期の高齢者を対象に医療を提供してきました。

 しかし、運営する医療法人は今年10月、経営状況の悪化などを理由に廃院する方針を職員に通知。職員らは十分な説明なしに、地域医療を奪うことになると訴えていました。

 いまも病院を利用する地元の人々は。

 (病院の利用者 70代)「びっくりしました。困りますね。せっかく慣れてきたところなのに、新しいところに行くのは絶対嫌だなと思っています」
 (病院の利用者 70代)「ここで2回助けてもらったんです。ずっと来たかったんですけど」

 11月、職員らは廃院の差し止めを求める仮処分を京都地裁に申し立てていましたが、12月15日、あらためて職員や地域住民の声を集めた意見書を提出しました。

 (京都新町病院 森下治代看護部長)「病院を簡単になくすのは地域医療に貢献できなくなるので、理事長に考えを改めていただければと思います」

 病院を運営する医療法人は「廃院は経営上の判断であり、患者さま、地域の皆さまのことを第一に考えながら手続きを進めてまいりたい」とコメントしています。