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事業停止後の技術を前提とする事前告知が行われていた2024年12月講演会

2024年12月に開催された講演会では、海外企業との協業を前提とする技術ストーリーに基づいた説明が行われていました。
本稿で扱う「リユーザブル・カーボンチップ」の技術ストーリーは、Teklium 単独の構想として語られてきたものではなく、Teklium 公式サイト上では **Nantero 等との「Carbon Alliance(戦略的提携)」を前提とした説明として位置付けられています。

※注記
Teklium はアメリカ法人です。深田萌絵氏およびジェイソン・ホー氏は、同社に関する講演・技術説明において、関係者として登壇・発信しています。

Tekliumは、NanteroおよびVisual Linkと戦略的提携を結び、カーボンナノチューブ(CNT)半導体技術の発展を目指しています。多層3D半導体とCNTに注力することで、ムーアの法則を凌駕する画期的な技術革新を実現し、スタンバイモード時でも消費電力を削減し、極限温度でも動作し、最長100年の寿命を実現します

https://teklium.com/carbonAlliance

また Teklium は、量子通信関連の技術について、「Nantero と開発する CNT チップ」**に組み込まれる趣旨の説明も掲載しています。

Tekliumは、2024年後半までにエミュレーションされた量子通信ソフトウェアを導入し、様々なセキュア通信ツールやサービスに統合する予定です。この技術は、Nanteroと共同で開発するTekliumのCNTチップに組み込まれ、性能とセキュリティの両方を向上させ、インターネット通信に革命をもたらす可能性があります。

https://teklium.com/revolutionary/quantum_communication

しかし、Nantero 社は講演会以前の時点で事業停止および資産売却が確認されています。
本稿では、12月の講演会とそれ以前の発信を時系列で整理し、この技術ストーリーの前提について検証します。

*以上の点から、本稿は特定の行為を断定するものではなく、
公開情報を基に技術ストーリーの前提を検証することを目的とします。


① 2024年12月

協業・技術背景としてNanteroが前提にされていた印象を与える構成だった
→ 聴衆には「既存の海外先端企業と組んでいる技術プロジェクト」という印象を与える構成だった)

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事前告知:2024年11月29日

2024年11月29日に公開された動画において、
深田萌絵は、12月4日に開催予定の「EQC 1 技術説明会」について説明を行っている。
同動画では、「リユーザブルチップ」について明確な定義説明が行われている。
[12:14]
リユーザブルチップとは、
中身を書き換えて繰り返し利用できる半導体チップであると説明。
[13:12]
その素材はシリコンではなくカーボンであり、製品寿命を何十年も長くすることができると説明。

さらに、同動画内で次のように告知している。
[16:52] EQC 1 技術説明会の告知
2024年12月4日に「EQC 1 量子通信エミュレート 防衛力向上と産業成長の未来」をテーマに、AI通信、自動運転、セキュリティ、リユーザブルチップについて話す予定
であると説明。

この時点で、リユーザブルチップは
12月4日の技術説明会で扱う主要テーマの一つとして事前告知されていた

https://youtu.be/-sWII9Q4a3M

② しかしその時点で

Nantero はすでに研究開発企業としての実体を失っていました

  • 英語版 Wikipedia では、
    「2024年半ば〜後半に Nantero は事業を停止し、設備はオークションで売却された」
    と明記されている。
    🔗 https://en.wikipedia.org/wiki/Nantero

  • 同項目では、

    • 事業停止(ceased operations)

    • 設備の清算オークション
      が事実として整理されており、
      2024年12月時点で“現役の研究開発企業”ではなかったことが確認できる。

→ つまり、
2024年12月の講演会で協業・技術背景として語られていた Nantero は、
Wikipedia 上でもすでに「事業停止済み」と整理された状態でした。


③ つまり

2024年12月の講演会時点では、
「協業先」として語られていた Nantero はすでに事実上破綻。

→ 時系列的に見ると、
「現役の協業先を前提とした技術ストーリー」は成立しない

🔗(Nantero破綻状況の総合整理)
https://fc2blog4gsa991s.blog.fc2.com/?q=nantero


④ さらに遡ると

同じ Nantero を前面に出した講演会が、
2024年7月にもすでに開催されていました。

  • 2024年7月:
    「Teklium × Nantero」「Carbon Alliance」
    「CNTカーボン半導体の共同開発」
    として講演会を開催

  • ただし、この時点でも
    Nantero 側からの公式提携リリースは確認できない

🔗 https://fc2blog4gsa991s.blog.fc2.com/blog-entry-321.html


⑤ 時系列を整理すると

20247月:
 Nanteroとの協業・共同開発を強調した講演会を開催
 (提携リリースはTeklium側のみ)
 🔗 https://fc2blog4gsa991s.blog.fc2.com/blog-entry-321.html

202489月:
 Nanteroが設備売却・事業停止に入り、事実上破綻
 🔗 https://fc2blog4gsa991s.blog.fc2.com/?q=nantero

202412月:
 すでに破綻していたNanteroを前提にしたかのような
 技術ストーリーで講演会を再び開催
 (EQC.oneイベント)

なお、Teklium公式サイトでは2024年10月15日付で、複数の関連技術ページが同時に公開(または更新)されていることが確認できます。
その中には「Nanteroと開発するCNTチップ」といった、Nanteroとの関係を前提とした説明を含むページも存在します。
https://teklium.com/revolutionary/quantum_communication


⑥ 自然に浮かぶ疑問

  • なぜ、破綻した企業との協業を前提とする説明が修正されなかったのか

  • なぜ、協業先の事業停止という重要事実に触れないまま講演会が継続されたのか

  • 技術内容が CNT → 量子通信エミュレーターへ短期間で切り替わっているのはなぜか

これらは、
技術開発を目的とした通常の企業活動では説明が難しい挙動です。


⑦ まとめ

2024年12月の講演会で協業を前提として語られていた Nantero は、
その以前(2024年8〜9月)にすでに事実上破綻していた。
さらに、その Nantero を掲げた講演会は同年7月にも開催されており、
時系列的に見て不自然な協業ストーリーの継続が確認できる。

以上

魚拓
Quantum Communication https://archive.md/qKvf8

Reusable Carbon Semiconductors https://archive.md/kC0ZB

The Carbon Alliance https://archive.md/F3VS5




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事業停止後の技術を前提とする事前告知が行われていた2024年12月講演会|広本
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