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ENTP・INTPの良いとこ?悪いとこ?『知性化』に直面したい

 防衛機制というのをご存じでしょうか。これは心理学のすごく基本的概念らしいんだけれど、このうち『知性化』というのに自分が当てはまっているとのこと。
 素人ながらに勉強したらわかりみが深かったので、アウトプットしてみます。

防衛機制って?

 素人な僕と一緒に防衛機制について齧ってみよう。Wikipedia曰く、防衛機制とは以下のように定義されるとのこと。

 防衛機制は、受け入れがたい状況、または潜在的な危険な状況に晒された時に、それによる不安を軽減しようとする無意識的な心理的メカニズムである。

Wikipedia先生

 つまり、現実世界からストレスという衝撃を受けた時の、心の対応というか衝撃吸収法というか、それらの癖みたいな物だ。目をそらしたり、言い訳したり、強がったり、バネにしたり。
 つまり、別に病気とかではなく当然に誰もがする心の反応である。

 一口に防衛機制と言っても、それらはいろいろなタイプがあって、病的なものから望ましい物までたくさんある。
 特に、心の成熟具合によっていくつか段階があり、
 未熟な防衛機制→神経症的防衛機制→成熟した防衛機制
 というふうに、分類がされている。

 「未熟な防衛」は子供がやるようなことだ。例えばこんなものだ。

  • 退行:幼い発達段階に戻る。親に叱られたときにわがままを言って、困らせて要求をのませる事で、問題を目の前から遠ざける

 次に、多くの大人が使うのが、「神経症的防衛」とのことだ。これは日常生活で使う上では問題ないのだが、無意識に認知を歪ませており、使いすぎたり使い方を誤ったりすると、自他に悪影響を及ぼしうるらしい。例えば、

  • 抑圧:辛い現実を心の片隅に追いやり、見なかったことにして平静を取り戻すこと。一旦目の前から問題はなくなり行動力を取り戻せるが、無意識に問題が積み上げられていく。感情を無暗にため込んでしまう。

  • 合理化:何か嫌なことがあったときに、もっともらしい理由をつけて、それが問題のない事であると自分を丸め込む。意識上では前向きになれるが、真の欲求から目をそらし、認知を歪める。嫌味、強がりっぽい。

 成熟した防衛機制とは、辛い現実をモチベーションに昇華させる望ましい心理的反応だ。(ただ、今回の話とはずれるので触れない。)

知性化とは?

 こんな中で、僕は知性化の防衛機制が強いらしい。知性化とはこんな感じだ。

  • 知性化:問題が起こったときに、自分の感情の問題として認知せずに、一般的な現象として認知する。客観的な立場から論理的に物事を分析し、論理の問題として心の中で片を付ける事。

 知性化については、この動画が一番詳しく説明してくれているように思えたので、よかったら並行で聞いてみてほしい。

 実際に知性化は、様々な場面でプラスに働く。トラブルを感情的に片づけずに、誰でも納得できる論理の問題として対処する。だから、問題や課題の言語化には必須だし、相手と論理による話し合いができるようになる。仕事をする上はとても自然な反応だ。
 また、知的向上にもプラスの働きをする。主観的にならずにあくまで論理的に問題を片づけていく、というスタンスは科学的に世界をとらえ、拡張していくことには必要不可欠なスタンスだ。
 これらは、世界の知性による一般化とでも言えるかなと思う。世界を主観で終始させず、客観的に一般化することで、理解を深めてく精神性だ。

 さて、これは成熟具合としてはどの段階の防衛機制だろうか。僕は、「成熟した防衛機制」でしょ!と確信しており、少しワクワクしていた。

 しかし、これは「神経症的防衛機制」とのことだった。
 (つまり、良い面と悪い面を併せ持つため、やりすぎると自他に問題を引き起こすということ。)
 僕はこれを聞いたときに、知性化のどこに問題があるんだ?って疑問すぎたし、それで批判されるとしたら、ちょっとむっとした。僕の人生の大半は知性化によって成り立っているといっても過言ではなかったからだ。しぬほど多用している。
 故に、その問題点には心の底から無自覚であった。

知性化の問題点

 知性化に問題なんて存在しないだろうと思う初感の一方で、その問題は学術的に分析済の事らしい。であれば一旦素直に聞くべきだと思ったし、そして確かに、それらは自分の経験を鑑みて納得できる部分が多かった。
 なので、上の動画のまとめ方に準拠しつつ、自分なりの解釈を含めてまとめてみる。

1.やりすぎると回避になる。

 問題に対してあくまで客観的な立場をとることは、主観的にフォーカスしないことであり、自分自身の感情の問題として正面からとらえないという事と表裏一体だ。
 これを貫いていると、目の前の問題は一般的な問題の一角であるため、自分自身の問題として直視しなくても良いのだ、というスタンスに繋がる。

 例えば、婚活で上手くいかなかったとしても、
「現代ではそもそも3割が離婚しているから」とか、「コンプライアンスの厳しい中で男女の関係は進展しにくいから」とか、「性格タイプ的に話の合う範囲が狭すぎるから」みたいな、一般的で客観的な問題の一角に落とし込み、無理やり安心させてしまう。

 別に、このスタンス自体は多くの場合は問題ないのだ。むしろ仕事や科学研究では望ましい態度だ。
 しかし、答えのない「自分の人としての問題」に向き合うに際しては、話が違ってくる。そこには問題の客観性がそもそも存在していないからだ。故に、論理的立場を崩して主観を受け入れない以上、自分の主観的問題は解決し得ない。本当は自分の心は家族が欲しいと思っているのに、客観的な問題として処理し、本心を意識しようとしないのであれば、問題からの、自分の心からの回避でしかないのだ。

 以前、無意識的に息が合わなくて違和感を感じていた相手と恋愛をしていた時も、「結婚の条件としては申し分ないし、相性が悪いと思うのも長期的には解消されうるから、現在の感覚は無視すべきだ」というような知性化をしていたように思う。
 これはまさしく、一般化する事による自分の本心に向き合うことへの回避だった。結果、ストレスを抱え込み爆発して、相手からすると意味不明なひどい別れ方をしてしまった。

 このように、「主観的な問題に対して客観的に対応しようとする」、「自分の心の動きを認めない」、「自分をレフェリーと考えプレーヤーにならない」、というのは、健全な心理や関係構築に問題を生じうるのだ。

2.感情や行動につながりにくくなる

 ENTPやINTPはアナーキストと言われるが、その原因は知性化の一面だと強く感じる。多くの問題は一般化、客観化を推し進めていけば、問題で無くなってしまうからだ。

 例えば僕が政治的な問題を考えると顕著だ。一般的な問題の指摘はいくらでもできるし、それに対して一時的には強い感情が湧いてくるのだが、あまりにも権力構造が強固すぎて、覆す道筋を論理的に考察しても、そんな道はふさがってるよなと考えてしまう。
 そういう時、僕は問題の一般化をさらに進める事でやるせない気持ちを収める。たとえば、
 「現代の日本が地獄だったとして、それは歴史上の日本と比べるとましな方だ。」「国が亡びるという事は古今東西で普通の事であり、気を病むだけ無駄だ。」「そもそも僕の思っている国家という価値観は、誰とも共有できていないのでは、僕だけが悩んでも無駄だ。」
 こんな風に考えて、自分の中で怒りや悲しみという感情が湧いてくることを否定するのだ。

 現状を一般化して肯定することは、問題をなかったことにする防御反応だが、それは(客観的なふりをしているが)逆に主観的な心を落ち着けるだけの慰みでしかなく、現実においてはへほどの役に立たない。
 ジャンヌダルクが知性化する女なら、「現在の状況でイングランドと戦うことは戦略的に無意味だ。」「イングランドに戦術的に負けたにせよ、地政学的に長期的には統治は回復するだろう」みたいに考えて行動しなかったはずだ。
 しかし、現実に世界は一般的でもなく客観的でもない感情に突き動かされうる。知性化はその事実から目を逸らし、リスクを冒さない言い訳に、行動をしない理由づけに使われてしまうのだ。

 行動には主観と責任が伴う。行動には「自分が何をしたいから」という自分の動機が伴っているべきだし、その結果、失敗して惨めな思いをしたとして、それを自分の選択の結果だ。問題の一般化が行動を阻害するのであれば、それは主観や責任から目を逸らす役割も果たしているのだと思う。

 それで目を逸らして満足しているだけなら可愛いのだが、一方で、自分の感情があってそのために行動ができる人を羨んでもいるのだ。そこに歪みがある。

3.知性化が過剰だと嫌味になる

 知性化は、上で述べたようにとても便利だし、問題があると意識しづらい。それ故に、知性化の多用には害がないと思っているし、むしろ感情に流されずに徹底的に知性化する事こそが大人として成熟していることなのだと考えている。

 それゆえに、知性化は知性へのプライドと表裏一体である。
 NTPはかなり若いうちに知性化を身につけると思うし、それによって自分なりの正しさを見つける人生だ。知性化ができる自分は大人だと思っているし、他の人と違って自分は賢い、というプライドを涵養しやすい環境だと思う。

 このプライドの高さが二次的な問題になりうる。
 自己肯定感に終始しているうちは健全なのだが、これが積み上がりすぎると、積み上げた自己肯定感を守るような反応が徐々に混じってくる。失敗を恐れ、安全圏に篭ろうとし始めるのだ。これは先ほどに述べた、行動をしない、無責任に繋がっている。
 一方で、心理的に引きこもってしまうと、徐々に自己肯定感がガス欠になっていく。行動せずに成功できないのだから。それでも、プライドが高いため、どうにかして自己肯定感をどこかから充足しようとする。この過程で、他者に対して知的攻撃性を向けるようになるのだ。

 2chのスレ民によくいるパターンだ。自分のプライドを満たしたいから、レスバで他者に嫌味を言う人たち。これが知性化と自己肯定感の枯渇した行き着く果てだろう。

 知性化とプライドの高さは表裏一体で、プライドの高さは攻撃性につながり、それと知性が組み合わさると嫌味になる。こんな構造だろう。

知性化と主観の両立

 といった感じなのだが、まさしく自分で思っていた自分の抱える問題だなと思った。実際、僕の最初の記事を思い出した。

 自分の心への直面、主観を受け入れること、知性を行動につなげること、自分の考えていた自分の課題がすごく当てはまる。自分が突き詰めたい課題は、意識上に自分の心が存在しないのに、自分の本心がどこかしらに存在しているらしい、という謎であった。それを考察するためにENTPを巻き込みながら色々記事を書いていたので、この知性化の問題というのは、すごくしっくりくる。

 難しいのは、この知性化という問題すら、知性化して一般的問題として取り込んでいそうなところだ。知性化という防衛規制が客観的にみて自分に当てはまっているな、と論理的に理解している自分がいる。主観的に受け入れているのか自分でよくわからない。主観的に事実取り入れたという実感に思い当たりがないから。であれば、堂々巡りだ。
 ‥まあ、即座に統合できるようなものでもないと思うから、どういうマインドセットで自分と向き合えば知性化と主観を上手く両立させられるのか、人生の課題なのだろう。引き続き考えてみたいと思う。


 ENTPやINTPの性格タイプの特徴に当てはまっているなと思ったため、勝手に巻き込みましたが、みなさんいかがでしょうか。心理学的には研究されている対象のようなので、思い当たりがあるもなら、学んでみると生きやすくなるかもしれません。


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コメント

1
ミシマ@26卒
ミシマ@26卒

自分の心への直面。
論理武装してても、自分の心は意外と矮小だったりします。(これは自信が未熟なだけかも笑)
人と議論を交わしていて
一旦譲歩した部分に本音があることが多いと自分で気づきました。
例えば、「これは一般論、傷つきたくないからこういう行動とか考え方をすると思うんだけど、、」
みたいな、人の恋愛相談に乗ってる時に講じた論で自分にもあてはまってるじゃん…と内心焦るみたいな具合です。
なんて自分の身が可愛いんだと情けなくなった覚えがあります。

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