プロフェッショナル すべ歌詞編集の流儀
この記事は、「Imitate Advent Calendar 2025」に参加しています。
あとタイトルは、NHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」模倣です。
はじめに
どうも、自分で「プロフェッショナル」とか名乗ってるあさぎ色25号です。でもこうやって名乗ることにもある程度正当性はあると思うんです。というのも、私は今まですべ歌詞の編集を2500回以上行っているからです。参考までに、以下の編集者の中の人は全て私です。編集回数を足してみてください。
全て1998の所為です。
全て2197の所為です。
全て1789の所為です。
というわけでこっからは、すべ歌詞編集に関する私のこだわり、考えなどをざっくばらんに話していきたいと思います。この記事の内容は、以下の記事を大いに参考にしています。
1. 私の編集環境
1.1 基本情報
使用OS:Windows 11
使用ブラウザ:Brave
広告ブロック機能を備えたブラウザです。
1.2 使用拡張機能
以下二つはChromeの拡張機能ですが、Braveでも使用可能です。
YouTube Anywhere Remote
YouTubeのタブを選択していない状態でも、ショートカットキーでYouTubeを操作できるようにします。操作の内容としては、再生/停止、5秒巻き戻し/早送り、再生速度の変更などがあります。ショートカットキーの割り当ては比較的自由に決められます。参考までに、私の場合:
再生/停止:Ctrl + k
5秒巻き戻し:Ctrl + j
5秒早送り:Ctrl + l
再生速度を上げる:Ctrl + ↑
再生速度を下げる:Ctrl + ↓
Outside YouTube Player Bar
YouTubeの再生バーを動画の外側に表示します。それだけです。でも後述するように、これが意外と便利なんですよ。
YouTube™ の複数選択
YouTubeの再生リストを管理するのに便利です。特に、曲を探す過程でよく使っています。
1.3 編集時に時折参考にするサイト
漢字辞典オンライン
歌詞を文字起こししていて、分からない漢字が出てきたときに使います。結構適当に検索しても欲しい漢字が出てくるので凄い。
文字化けテスター
編集の最中に、文字化けを解読する必要性に迫られたときに使います。
各種文字コード表
「文字化けテスター」と併用します。
2.曲探し
私が曲探しのときに参考にしているサイトをいくつか挙げておきます。
YouTube
上のチャンネルは私の別名義で、その名の通り、再生リストを集めて管理するために作ったものです。動画数が1000本を超える再生リストを20個以上揃えているので、ここ見れば大抵のYouTube上の界隈曲は見つかると思います。
あと、この方は、扱う曲数はあまり多くないけど、選曲が鋭いです。私の名義ではありません。
ニコニコ動画
こちら、すべあな界隈の人は少ないですが、xx界隈の人たちは結構投稿しています。特にタグ検索できるところが便利です。いわゆる「界隈曲」に当たるタグは、「界隈曲」、「xx兄貴リスペクト」、「海鮮市場」、「2号兄貴リスペクト」、「全てあなたの所為です。」などです。
bilibili動画
主にYouTubeからの転載が多いです。YouTube上で削除された動画を探す時に使っています。界隈曲の情報を知るという意味で特に参考になるアカウントをいくつか挙げておきます。(敬称略)
・imitate_archives
・雨喙Beak_In_Rain
・KecayHn
・生き別れになる
・磁子
また、オリジナルの曲を投稿しているユーザーの方もある程度いらっしゃいます。
Vocaloid Database
ボーカロイドの曲全般のデータベースですが、結構界隈曲の記述も充実しています。いわゆる「界隈曲」に相当するタグは、「ころんば風」「すべあな風」です。
Wayback Machine
削除された動画のアーカイブを探す時に重宝します。
MW Metadata
Wayback Machineと併用。
X(旧Twitter)
曲探しというより、むしろ投稿された曲についての作者自身の言及をみるときに役に立ちます。
3. 実際の編集のやりかた(あさぎ流)
まず、歌詞を文字起こししている最中の再現画像を貼っておきます。
まず、左半分は、Windowsのデフォルトのメモ帳です。色々試してみた結果、結局これが一番使いやすいと気づきました。最初からすべ歌詞の編集画面に入力しないのは、不具合になどより編集が反映されない場合を考慮してのことです。
右半分は、文字起こしする曲を実際に流している様子です。ここで、先ほど紹介した二つの拡張機能が活きてきます。
まず、YouTube Anywhere Remoteをオンにしておくことで、左画面で歌詞を入力しながら、ストレスなく右のYouTubeの動きを調整することができます。これにより、一行一行再生/停止を繰り返しながら丁寧に入力していくことができます。タイピングがあまり速くない私にとってはありがたいことです。他にも、間奏は早送りすることが多いです。
また、Outside YouTube Player Barにより、映像の下部にある文字でも、読みやすくなります。
YouTube以外のサイトではこれらの拡張機能は働きませんが、編集のスタイルは、YouTubeの場合と基本的に同じです。
歌詞の文字起こしが終わったら、実際にすべ歌詞の編集画面に移動し、タイトル、URL、歌詞などをペーストしていきます。
ここが簡単に終われば良いのですが…実際のところは結構悩むことも多いです。その悩みについて次の章で話します。
4. 登録するときの悩み
4.1 曲名
うん。大抵の場合は、プラットフォーム上でのタイトルでいいでしょう。ただし、悩んだケースがいくつかあるので、それを適当に並べていきます。
まず、タイトルが空白で、しかもコピーできない場合。どうやってそのタイトルをつけて投稿したんだろう。
まあこの曲の場合は、概要欄にあったタイトルらしきものを曲名としました。スペースを曲名としても良かったかも。
他にも、どこまでをタイトルとするかの問題もあります。区別の都合上、ちょっと長めに曲名をとったこともある。
4.2 模倣
何を模倣/オマージュしたかの判断は非常に難しい。どの程度寄せれば模倣になるのかも曖昧ですし。私の場合は、歌詞中の語句の引用くらいでは、模倣とはしない方針をとっています。構成、曲調などがある程度似ているものを模倣と考えています。
4.3 歌詞
歌詞の形式については、なるべくMVに沿う様にする、というのが公式の見解です。
一方で、MVでは改行されていても、歌詞としてまとめる際には改行を除きたくなる場合があって、それが悩みどころです。
「信頼への懐疑」- Kamphirundo
上の画像で全角スペースで表現された箇所は、実際のMVでは改行されています。しかし、歌詞としてまとめる際に改行してしまうと、このカタマリがあまりにも縦長になってしまいます。また、曲中のこの部分での韻の踏み方を尊重したいこともあって、改行しないこととしました。(あと、映像上で歌詞が切り替わるところと改行するところを区別したいのもある)
歌詞の書き方のこだわりについては、一番最初に挙げたnoteでじっくり説明しているので、それを是非ご覧ください。
最近こだわっているのは、模倣元と模倣先で形式を揃えることです。
例として、「ヤツメ穴」とそれのリスペクト「ザクロ停留所」を挙げておきます。
あと、歌詞を書くときの悩みとして大きいものは、言語の壁です。私自身は日本語ネイティブであり、英語にもある程度の理解はあるので、これら2言語の歌詞は問題なく書くことができます。ただ、BiliBili動画とかを覗けば分かる通り、中国語の界隈曲も結構な数存在しています。これらの歌詞を読み取って文字起こしすることが出来ないのは少し残念です。字幕や歌詞コメなどがあればいいのですが…。
5. 書いてて楽しかった曲
ここからは、実際に私が歌詞を文字起こしして楽しかった曲をいくつか挙げていきます。
「檠」- 破壊を創造する。
ひらがなの歌詞と和漢混交の歌詞が併記されているのがまず面白かったです。あと、4:06あたりから、計4つの歌詞が同時に流れる部分は、表現に苦労しましたね。
「大洪水」- ゾンビクズ
物語がはっきり感じられたのと、単純に文体が私の好みだったというのもあります。
「五千兆言絶句」- 虚数解。
ヒラギノ角ゴシックから唐突にフォントが変わるところとか面白かったです。歌詞の言葉選びも素敵ですし。あと、歌詞を書くためだけに
_人人人人人人人人人_
> 胴 体 着 陸 <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄
の吹き出しをネットで探したのもいい思い出です。参考までに、私はスペシャルデザインには一切関わっていません。
「鶴は」- Teyuwてゅゎ
全体を通して徹底した七五調で、ことわざや慣用表現の使い方も巧みです。あと、この曲、同作者さんの「千鳥は」と見比べても楽しいです。これらの曲の比較から、1セクションごとに1ヶ月の経過を追うような物語の構成になっていることも分かります。
「😄^💧」- 全てあなた様のお陰です。笑
歌詞もアレンジも素敵でしたし、何より、歌詞に使われている漢字がめちゃくちゃ難しかったです。先述の「漢字辞典オンライン」だのネット検索だの色々使って、1時間くらいかかってやっと完成しました。
「幕を下ろそう、パレードへ」- 海茶
この曲の歌詞編集で特にこだわったのは、レファレンス元の2曲「サワーチェリーが輝いたから」「弦楽少女は諦めを知らずに」と、形式を完全にそろえることです。特にこの曲、2曲の歌詞の音を互い違いに1曲の歌詞に組み込んでいるのが素敵です。これらを見比べるのを簡単にするためにも、統一性を重視しました。
ついでに言うと、冒頭のドイツ語の語りは、私が編集したものではありません。ドイツ語読めないので…。それ以外の歌詞は私が公式の歌詞カードを参考に文字起こししたものです。冒頭の語りが書き足されたことによって生じた行数の変更については、レファレンス元の2曲の体裁を少し変えることで帳尻を合わせておきました。
6. ざっくばらん
ここでとりあえず自分が最初の方に書いた文章から引用を。
というわけでこっからは、すべ歌詞編集に関する私のこだわり、考えなどをざっくばらんに話していきたいと思います。
ここまで、論文というには雑な形式すぎて、ざっくばらんというには丁寧な形式すぎる文章を書いてきました。というわけでこっからは、めっちゃ適当な構成で書いていこうと思います。読み飛ばしたい人は、「7. あなたにとってプロフェッショナルとは?」の項目までどうぞ。
まず、概要欄とかに曲の歌詞を載せてくれる人。本当にありがとう。歌詞編集するうえですごく楽です。ただし、たとえ作者が書いた歌詞であっても正確性は疑う必要があると思っています。結構誤字脱字は普通にありますし、MVと表記が一致していないことは多いです。まあ、ちょっと体裁をいじればそのまますべ歌詞の記事になるものが多いので実際に助かっていますが。
歌詞を書いてて思うのが、「しまいました」っていう歌詞多くね?っていうことです。「しまいまし」の部分が回文になっていて、入力していて気持ちいいんですよね。実際にどのくらい使われているのか調べてみました。
下3つは、2025/11/30のデータ。
すべ歌詞のインストを除いた全曲数:6012
そのうち、歌詞に「しまいました」を含むもの:157
そのうち、歌詞に「しまいまし」を含むもの:162
つまり、全体のうち、歌詞に「しまいました」を含む曲の割合は2.6%くらいだった、ということになります。あんま多くない。
すべ歌詞の歌詞検索は、特定の語句がどのような文脈でどれくらい使われているのか調べるのに便利です。また、暇なときに適当な語句を検索してみるだけでも面白いです。
せっかくなのでクイズをしましょう。下の画像は、ある単語を検索した結果です。「界隈曲の種類」や「ネタ曲」の絞り込みはしていません。どんな単語で検索したか当ててみてください。
あと、歌詞を書いてて時々困るのが、読みにくい文字で書かれている場合です。あえてめちゃくちゃ解像度を落としたりするのもたまに見ます。それに加え、音声の面でも不明瞭だったので結局歌詞が分からなかったのもいくつか存在します。結果として「下書き」や「作成途中」になっているわけです。いやあ悔しい。ほかにも、ドットのフォントだと、たまに漢字が識別しにくい場合もあります。最近はあまりありませんが、ドットフォント(特に美咲フォント)を見慣れていない頃はよくありました。漢字一文字に時間を取られるのも多かったですね。
文字化け、暗号。歌詞を書いていると、どうしても解読する必要に迫られるときがあります。オリジナルの文字体系を歌詞表示に用いている曲もいくつかあって、それを解読するのは骨が折れます。でも、それは確かに楽しいことです。あと、文字化け解読も深みにハマると、ナマの文字コード表をじっと眺めたりすることになります。そこまで来ると、「縺ヲ縺阪→繝シ」みたいなのがキーボードで入力できたりして、これぞオタクって感じがして楽しいです。でそれで気取って新手の文字化け暗号を作ってX(旧Twitter)に投稿したら、なぜか1000バズしてしまって、嬉しいけどどう反応していいか分かりません。
逆に、文字化けを起こすことで解読できる暗号
— あさぎ色25号@界隈人 (@asagiiro25gou) November 15, 2025
下の文字化け結果からひらがなだけを抜き出すと、「すぐかえるよ」となる。 pic.twitter.com/NjnUS6aPav
長い間歌詞を書いてきて、特に思い入れのある言葉は、「鏡」です。鏡って、特に界隈曲の中では、私たち自身を象徴するものとして書かれてることがあります。あるいは、鏡の中の世界は現実に比べて何かが変わっていたり、鏡はある種の「真実」を映し出したり。(似非科学の話をしているわけではなく、創作的表現の中での話です。)ともかく、時と場合によって色々な意味を持ちうる、面白い言葉だと思います。
こっから先は、「鏡(かがみ)」を含む引用を適当に並べていきます。全て私が編集した記事からの引用です。どれも名作なので、実際にURLから全文を読んでいただきたい。
やいの やいの
似た色や形に
石を投げつける
言葉が 歪みが
鏡の向こうまで
好きというこの気持ちのドジだった
もう次の音が消えていく
鏡が泣いていた
https://lyrics.imicomweb.com/songs/1061/
人は何故生きるのか
鏡の前の人に問いかけたら
ならば何故死なぬのか
鏡の前の人に問い返され
ぼくは何故生きるのか
鏡の中のぼくに尋ねたら
そんなことは知らんと
鏡から手が伸びて刺されました
https://lyrics.imicomweb.com/songs/1181/
鏡の中の世界などという
眉唾の噂もありますが
流石に信じ難く
御伽に思う
それならば
どれだけ良かったでしょう
事実 二度と戻れないのです
壁から壁へと抜け
消えてゆくのです
https://lyrics.imicomweb.com/songs/1299/
しずく みなも ゆらり みずうみ
のぞきこむ わたしの めは どこに?
「ないで かがみ へきぎょくの そのに たてる」
わたしの れいく
https://lyrics.imicomweb.com/songs/1035/
妙に聳える幹の
側に住む狐の祠その先にあるのは
諦観を鏡に映す池の淵
黄昏過ぎて夜の淵
深淵淀みの 温かい欲望満ち足る
https://lyrics.imicomweb.com/songs/1070/
あれ。せっかくなので、もう一つ思い入れのある言葉として、「錆び」を。「錆び」。本来、金属の変質について使う言葉です。一方私は、この言葉から、見られることなく長く放っておかれた静寂のような物を感じます。あるいは、その末に本来の機能を忘れて/失ってしまった何か。
↑何か急に詩的になってる。まあ、引用を見ていけば分かると思うので、私が編集した記事から並べていきます。
錆びていた闇の中で、束ねた、
赤い水を掬っては落として、
啜り泣いた。
君を信じていたのに、
二度と許しやしない。
https://lyrics.imicomweb.com/songs/5982/
錆びたカメラを脇に抱え
ざらついたラジオを流しながら
二人笑い合う日々を
クモヒトデのうまる砂の上で
君に見えない空の色を
私に聴こえない波の音を
二人確かめ合うため
クモヒトデのうまる砂の上で
https://lyrics.imicomweb.com/songs/1010/
街のはずれにある公園に
書見台が置いてありました
鉄が赤く錆びて朽ちていて
日焼けした本が置いてあった
https://lyrics.imicomweb.com/songs/1022/
無くし物は(無くした物は)
二度と戻らない(二度と戻らな)
だけどいつかまた
必ず無くします
鉄の鎖もすぐ錆びれ
湯水の如く流れてく
今度の行き先
どこでしょう?
道に迷う
https://lyrics.imicomweb.com/songs/1135/
ひびく のいず の なか
おもいで は きえていき
ひどく ざらつき みみざわり な
おんがく を かなで ました
さびた からだ の なか
おもいで を したためて
にど と とどかない あのころ の
おもいで を なぞり ました
おもいで を なぞり ました
おもいで と なき ました
https://lyrics.imicomweb.com/songs/319/
今この時点で7000文字以上書いていることに気が付きました。こうなったら、もう、10000字とか書きたくなっちゃいますよね。そうすれば、私が今まで書いてきた中で最長のnoteになるかと思う。
一般に、「歌詞が好き」と「伴奏が好き」は比例しません。
と言いたいところなのですが、どうも、伴奏が歌詞の評価に影響を与えているような気がしてなりません。それを防ぐためには、まず、曲を聴く前に、すべ歌詞(もしくは他のサイト)で歌詞を見るのがいいのでしょうか。実際のところ、私が今まで登録してきた曲の中には、伴奏は個人的に気に入らないが歌詞は素晴らしいものもいくつかあります。そんな曲に関しては、本音「まず歌詞から見て、興味があれば曲を聴く」というのを勧めたくなります。ただ、そうすると、「初めて曲を聴いて、そこで歌詞に出会う」という特別な経験が失われてしまうので、悩みどころです。
上の話題で、私はあたかも、「歌詞と曲が合わさって音楽が成り立っている」というような言い方をしました。これは本当なのでしょうか。これについて考える度に私の頭によぎる事があります。それは、歌詞だけ登録されたまま、曲のURLの所在が不明な曲のことです。これについては、いくつかの要因が考えられます。
①歌詞を登録して後からURLを追加する予定だったが、動画が削除されたので、URLが分からなくなった。
②"作者"自身が、動画が無いにも関わらず歌詞を登録し、それをもって(音楽)表現とした。
②のパターンでは、もはや音は無くても、文字情報だけでも、「音楽」と見做していることとなります。それは、楽譜自体が音楽であるという、現代音楽的な考え方も想起させます。
あるいは、小杉武久さん作曲の「革命のための音楽」も想起させます。(いい感じのソースが見つからなかった)
せっかくなんで、模倣してみます?
「新曲を投稿し、5年後にもう一曲の新曲を投稿する。」
以上の文章を「楽譜」として発表すれば、それも音楽と見做されるのでしょうか?どんどん音楽の定義が曖昧になっていきますね。
最近は、「界隈曲」の定義がどんどん曖昧になってきています。いや、昔から曖昧だったというのが正しいのかもしれません。したがって、何をすべ歌詞に登録すればいいのかも不明瞭です。私としては、作者本人がそう言えば界隈曲という方針をとっています。(ただし、見るからに界隈曲である場合、本人が言及してなくても認めることがあります。)
本当に判断が難しいです。特に〇〇さんとか〇〇〇さんとか〇〇さんとか〇〇〇さんとかが新曲を投稿したとき。(尊厳のため、伏字にしています。)彼ら、「界隈曲を作る」というよりむしろ、「曲を作ったらそれが無意識のうちに界隈曲になっている」状態ですから、意図的にやってるのか無意識なのか判断できないのです。
〇〇さんといえば。あの方、ボカコレで1位取ったり、その他メディアに取り上げられたり、凄い勢いですよね。そもそもあの方が新人だということ自体、疑う価値が大いにありますが。あの方、界隈全体を対象にとった思考実験を実現したように見えるんですよね。最も影響力の強い形で、最も模倣しにくい動画を投稿したらどうなるかっていう。結果として、「#界隈曲」はさらに多様化して、ほとんど界隈っ気を感じれられないような曲も増えてきたような気がします。今や、「#界隈曲」は、どんな曲でも受け入れる、ときに宣伝方法ともなりうるタグなのです。私自身も、その流れに乗じています。
「#界隈曲」の自由さには、「どうせxx本人は見ていないだろう」という思想も関連しているように思えるんですよね。実際xx界隈は現在、出入りのハードルが非常に低くなっています。実際、YouTubeの再生リスト「xxxxリスペクト全集?」を編集していますが、最近の新曲のうち20~25%くらいは界隈曲初投稿って感じがします。そしてその半分くらいは二度と戻ってこない感じ。
思考実験といえば。逆に「どうせすべあな本人は見ていないだろう」思想が根付くためには、どのような出来事が考えられるでしょうか。もしK²の歌詞が「安心をしてください、居なくならないでしょう。」ではなく「放っといてください、去ろうぜ。」だったら。すべあな界隈も出入りのハードルが非常に低くなって、曲調も多様化していたのではないでしょうか。
むしろそれくらいの感覚が気楽でいいと思うんです。ハードルをめちゃくちゃ低くすることで、色んなジャンルに慣れたボカロP/DTMerさんが気まぐれで界隈曲を作ってくれるのを待つ。実際そういう人たちの方が新人より素敵な曲を作る感じがしますし。界隈は副業でいいし、気が向いたときでいい。
以上を読んでくれた方には、私が界隈に対して急進的な思想を持っていることが分かると思います。ここまで読んでる人はほとんどいないだろうという考えのもとで、このように本音が書けたわけです。私がすべ歌詞やxxxxリスペクト全集?に収録した曲についても、左寄りな選曲傾向があることに留意してください。「左寄り」というのは、なるべく多くを界隈曲に含めようとする姿勢のことです(対義語としては、「右寄り」や「保守的」)。しかし、私は収録曲を選ぶ際に、自分の趣味は反映させていません。「界隈曲」と判断できる曲については、クオリティ、再現度に関わらず収録しています。
うだうだ界隈曲の定義について考えていたら疲れました。もうめんどくさいので、本人に直接聞いて判断出来たら楽なんだろーなと思います。しかし、「界隈曲ですか?」は、人によっては「パクリですか?」と捉えてしまうので、非常に失礼にあたります。どうすればいいのでしょうか。失礼にならずに質問する方法をさっき(2025/12/06,午前5時)見つけたので、実際にしたコメントを載せておきます。
後日談。(2025/12/07)昨日のコメントに、本人からの返信が届きました。期待を超える素敵な返信でした。それに基づいて、安心して界隈曲でないと判断できました。
先ほど私は、「曲を作ったらそれが無意識のうちに界隈曲になっている」という表現をしました。これについて補足すると、私はそれが悪いことだとは思っていません。彼らは長い経験の中で、界隈の影響を強く受けながら自らの作風を手に入れたと言えると思います。「影響を受ける」というのは一種の才能であると考えています。私は2017年くらいには既にxx氏の曲を知っており、そのころから好んで聞いていました。しかし、私のチャンネルの曲を聞くと分かる通り、私はそれにほとんど影響を受けていません。一方で、界隈曲をほとんど聞かないのに、作る曲は似ている人も時々見かけます(そういう人の曲をすべ歌詞に登録するかは迷う)。
2025/12/09
全て貴方の所為です。さんがAdvent Calendarに参加していることに気付きました。また、私と似た話題を持ち出していて、さらに驚きました。
前回の騒動のことで、既に彼からの好感度、信頼は地の底に落ちているでしょう。そのような状態だからこそ、何も包み隠すことなく話すことができると思っています。もし全て貴方の所為です。さん本人がこれを読んでいるのであれば、ここからの内容について、一切の悪意は無い事を約束します。
ふと思いました。音源はめちゃくちゃすべあなに寄せているのに、定型枠から大きく外れた模倣名義のチャンネルがあったらオモシレーんじゃね?と。
時期的に、ちょうど定型模倣が飽きられつつありオリジナリティの高い模倣(とんでもない矛盾)の波が大きくなっていた頃。
しかしやはり「これ模倣でやる必要はなくない?」というジレンマからは抜け出せず…どれも使用音源や編曲の方向性に独自性がありすぎました。
そんなわけで、「いかにも本家っぽい音源」「いかにも本家っぽいワードチョイス」「でも、ズラすところはズラす。」をテーマに制作を始めたわけです。
設定としては、"別の世界軸のすべあな"。チャンネル名の由来もそういうわけです(当時は今ほど数字が伸びるとは思っていなかったので、結果的に検索妨害みたいになってしまったのは今でも申し訳なく思っています。でも、全て○○○の所為です。の時点で…!)。
https://note.com/seidesu142/n/nbd3eb3bb3e77
まず、「これ模倣でやる必要はなくない?」という価値観について。結構前で述べた通り、私は界隈に対して急進的な思想を持っていると自覚しているので、この価値観については必ずしも同意できません。私は、「模倣」の名のもとでは、少しでも模倣しようという意思がある限りほぼ全ての作風が許されると考えています。
全て貴方の所為です。さん。「 」の100万再生おめでとうございます。あなたは既に、かなりの高みに立ってしましました。その自覚はお持ちでしょう。こうなれば、あなたがどんな曲を投稿しようとも、相当数の批判と称賛を受けることでしょう。あなたは今、「すべあな界隈に従う」存在ではなく、「すべあな界隈を従わせる」存在です。ですから、あなたは自分の思いのままに創作をし、投稿をすることができるのです。どうか可能性を忘れないでください。
最後に、『Trick you / Treat you』と「Imitate Advent Calendar 2025」という二つの企画において、あなたと共に参加できたことを嬉しく思います。本当にありがとうございました。
書くことが無くなってきたので、「プロフェッショナル 仕事の流儀」を模倣したセクションに入ります。
7. あなたにとってプロフェッショナルとは?
知りませんよ。私自身「プロフェッショナル」を最初の方で称しましたが、私は単なる拘りの強いオタクなのかもしれません。ただ、一般に「プロフェッショナル」と称される人々は、仕事を遂行していく中でそれぞれ独特の流儀を構築しているのだと思います。「独特の流儀」は、「拘りの強い」とも言い換えることが出来るのかもしれません。それは思考や行動に、一貫した道筋を与えるのだと思います。「道筋を構築する」これが、「プロフェッショナル」となるために必要なのだと思います。
なんかすごい偉そうな感じになっちゃったな。戻さないと。
ミラの鈺の卡と、
↑これ、自分でもセンスあると思う。
あと、この記事はImitate Advent Calendar 2025の中で文字数最大(12/13時点)となっております。文字数稼ぎのつもりはありませんが、書きたいことを書いていたらここまで伸びてしまいました。最後に締めの挨拶をするので、それによってこの記事は12024文字になります。
途轍もなく長いこの記事を、最後まで読んでくださりありがとうございました。


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