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プライバシー侵害認めず 最高裁、家裁調査官論文

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家裁調査官による論文の題材となった男性が、プライバシーを侵害されたとして退職した執筆者や掲載した出版社2社に損害賠償を求めた訴訟の上告審判決で、最高裁第2小法廷は9日、プライバシー侵害には当たらないと判断した。2社への請求を一部認めた二審東京高裁判決を破棄し、男性の請求を棄却した。

岡村和美裁判長は「家庭環境などの調査内容を公表することは原則として予定されていないが、男性を直接特定した部分はなく、配慮されている。掲載先は専門誌で、本人が特定されて具体的な被害が生じる可能性は低かった」と指摘した。

監督が不十分だった裁判所にも責任があるとして男性が国に賠償を求めた訴訟の判決も併せてあり、第2小法廷は、国に30万円の支払いを命じた二審東京高裁判決を破棄し、請求を棄却した。

いずれも裁判官4人全員一致の結論。草野耕一裁判官は、男性が未成年時に論文公表を知っていれば成長に悪影響を及ぼす可能性があったとして「今回の論文公表は少年の更生を図る法の趣旨に抵触する」との意見を述べた。〔共同〕

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