ホロライブ「清掃員事件」の真実
この記事では、ホロライブの配信中に発言された『清掃員』に関する誤解を解説する。
結論から言うと、一連の会話に差別的だと断定できる言葉は存在しない。この記事は、発言の日本語としての意味と、より自然な解釈を考えたものだ。よって、他人の意図を断定、または否定するものではないし、内容を保証するものでもない。ぜひ、ご自身で事実確認をし、実際に何があったのかを客観的に見返すきっかけにしてくれると嬉しい。
これから説明する解釈にはそれぞれ根拠がある。しかし、それらを説明しようとすると冗長になるため、本文では省略する。詳細な説明は別記事で行い、そのURLを記載することとする。
元配信アーカイブ
会話の流れを確認する為の動画
切り抜き動画の文字お越し
青列にはブラック企業ネタの文脈における解釈を、赤列には差別だと誤解された解釈を記載している。私が差別ではないとする根拠は、赤列を見て頂けると分かるかと思う。問題となった発言単体では差別だとする解釈が出来るようにも見えるが、赤列は前後の文脈で見ると会話が成立していない。つまり、赤列の解釈は間違えている可能性がある。一方で青列の会話は文脈がブラック企業ネタで一貫しており矛盾も無いように思える。
※文字お越しの表はフリー素材とします。SNSのレスバや擁護などご自由にご利用ください。
「やだな、 自分の子供に語った後、パパ何やってるの?と聞かれて清掃員だよって答えるの」について
この発言を差別的だと考えた方も多いだろう。 しかし、この発言は素直に「清掃員と言うのが嫌だ」と解釈できない。その理由は「語った後」にある。「語った後」は状況を限定する意味を持っている。逆に言えば語った後以外では清掃員と言うのが嫌ではないと解釈できる。
また、「語った後」直前には「パパが作った線路なんだよと自慢できます」とあることから、語った後とは自慢の事だろう。つまり「線路を作ったと自慢した手前、清掃員だと言うのが嫌だ」と言っている。
では、なぜ自慢した後に「清掃員」と言うと嫌なのか?それは清掃員が線路を作らないからであり、嫌なのは子供に嘘を付くことである。
「これで課長とか主任とかだったらヤバイぞ」について
前提として、ホロライブの慣例では宝鐘マリンの役職として副社長等の役員級が妥当であり、この発言も「副社長が妥当」という前提ありきの発言である。
ここで言う”ヤバイ”の意味を誤解している方も多いが、文脈から考えるに「副社長であるはずの宝鐘マリンが課長とか主任だとすると、ブラック企業かもしれないから面接・入社したらヤバイ」のヤバイである。このヤバイの意味がわかる発言があるので下の動画を見て欲しい。
この部分は悪質な切り抜き動画ではカットされている、切り抜きを見た人間が「ヤバイ」の意味を誤解するのも当然だ。しかし、元配信アーカイブでこの場面から続けてみていて誤解する人間も少ないだろう。
ヤバイの意味を裏付ける文脈詳細
慣例から考える宝鐘マリンの役職詳細
「20年やって清掃員」について
まず、この言葉は日本語として不完全である。「誰が? どこで? 何を?」といった基本的な情報が欠けており、単独では意味が明確ではない。日常会話では省略が多く見られるが、発言の前後の流れを考慮する必要がある。
今回の会話では「上司に20年ほど勤務している宝鐘さんもいます」という発言があることから、「宝鐘マリンがAKUKIN建設で20年働き、その結果、清掃員だった」という意味で解釈できる。
前述のとおり、宝鐘マリンはホロライブの慣例では副社長が妥当である。比較対象が副社長である時点で、多くの役職は相対的に"低い"と見なされるだろう。例えば、比較対象が「一般的な平均」や「私たち(発言者自身)」であれば、見下しているという批判も妥当かもしれない。しかし、今回の文脈にはそのような要素は見当たらない。
また、一連の会話の主題は、AKUKIN建設への面接・入社の打診である。その中で「ブラック企業かも?」というネタ振りがあり、この発言が「AKUKIN建設がブラック企業である」という結論を強調するオチとなっている。フリと伏線を回収する場面であり、それによって笑いが生まれたのだろう。
なお、宝鐘マリンは17歳(公式設定)である。
勤続20年?というネタであった。
「想像の範囲を超えてきたな」について
5期生の質問は「役職は何ですか?」である。上記の話から考えるに、想像の範囲とは「社長~平社員」の役職であったと思われる。その答えが”清掃員”と役職ですらなかった為に「想像の範囲(役職)を超えてきた」となる。
「子供も察する」について
ここで「子供も察する」とは、何を察することを指しているのか?
「察する」とは、「何かを見聞きした結果、明言されていないことを推測する」という意味の言葉だ。そのため、「察する」に対応する「何か」が会話の中に存在しなければ、この表現は成立しない。
会話を振り返ると、「清掃員だと察する」や「清掃員の地位が低いと察する」につながる明確な発言はなく、日本語として適切とは言えない。この説明だけでは直感的に納得しづらいかもしれませんが、詳しく説明された内容を読めば理解できると思う。詳細については、下記のリンクを参照してほしい。
会話の流れを考慮すると、ここで「察する」対象は「ブラック企業だと察する」が適切だと考えられる。会話の中心は、AKUKIN建設への面接の誘いに対し、「ブラック企業かもしれない」というネタが展開されていることである。つまり、「宝鐘マリンは副社長のはずが、清掃員だった」という事実が明かされることで、「この会社はブラック企業なのでは?」と子供でも察する、という解釈が妥当である。
本来の会話の流れ
会話は、3名(5期生)を湊あくあ(2期生)がAKUKIN建設の面接に勧誘している場面で、話の中心は面接と入社、待遇などについてだ。
また、アクキン建設はブラック企業というネタはホロライブ界隈では有名である。そのため、5期生はまともな企業なのか?と疑っている。当然、5期生もこのネタを理解している為、湊あくあのブラック企業という持ちネタに合わせて会話を進めている事がわかる。
何故、誤解する方が多いのか?
これまで紹介した発言は多くの方に誤解されている。しかし、こうして見返してみると違和感を感じないだろうか?たとえ会話の背景を知らず、発言の意味が分からずとも「差別だ!」と断定するには情報不足な言葉ばかりである。しかし結果として多くの人間が差別だと認識してしまった。
例えば「差別的な会話をしている流れ」でこれらの言葉を口にしていれば、それは”見下した発言”として受け取るのが理解できる。しかし、実際の会話を見返してみるとそういった会話の流れは見当たらない。
会話の流れを捏造する切り抜き動画
誤解の原因は、「清掃員を嘲笑」というタイトル、そして動画内に流れる「差別だ」と決めつけるコメントである。つまり、例の悪質な切り抜き動画は、タイトルと編集によって「差別的な会話の流れ」を捏造している。
さらに、この切り抜き動画は画質が悪く、ゲーム内チャットの「子供に自慢できます」といった発言を読み取ることが困難だ。そのため、関連する「語った後」の流れを、動画内だけで正しく理解するのは難しい。加えて、前提となる会話そのものがカットされており、必要な説明もなされていない。本来の会話の流れを知るには、切り抜き動画だけでは不十分である。
また、この件に関しては、数名のインフルエンサーが事実であるかのように批判し、それをネタとして繰り返し取り上げてる。加えて、切り抜き動画や批判動画の数も多く、こうした状況が多くの人を認知バイアスへと誘導していると考えられる。
この裏付けとなる事象の一つとして、炎上当時から現在に至るまで、最も批判の矛先が向けられたのは雪花ラミィだ。しかし、「差別だ」と誤解された発言の中に、雪花ラミィのものは含まれていない。これは切り抜き動画のタイトルに"雪花ラミィ"の名前が使われていることが原因の事象である。その結果、大半の人は「誰が何を話していたのか」を正しく理解しないまま、「他人や切り抜き動画のタイトルが差別だと言っているから」という理由で、差別的な発言だと信じ込んでしまっている。
5期生による謝罪
「本人たちは差別発言を認め謝罪している」と仰る方もいるが、差別発言を認めてはいないので、謝罪の内容を確認して欲しい。
昨日の配信にて、一部の発言が誤解を与えてしまう形となってしまい大変申し訳ございませんでした。決して意図した発言ではなかったのですが、マネージャーからも注意を受け自身の至らなかった点を痛感しております。今度はより一層努力を重ねてまいりますので、今後ともよろしくお願いいたします。
— 獅白ぼたん♌ホロライブ 5/17からホロマート! (@shishirobotan) October 3, 2020
「意図した発言ではなかった」とある。これは謝罪の定型文だが、日本語本来の意味でいえば「差別発言はしていない」「見下す意図はない」という主張である。実際に発言とその日本語としての意味を見返し、差別発言が存在しない事を確認した今となって思えば、心からの主張であっただろうと思う。
最後に
最後まで読んでいただきありがとうございました。この炎上で配信者が失った信頼は、とてつもなく大きな物です。既に取り返しの付かない事ではあります。しかし、これを読んで誤解がとける方が、一人でもいれば幸いです。Vtuberを含め全ての職業、全ての人が正当に評価されることを願っております。



コメント
75当時Vtuberをあまり知らなかった私は面倒くさい状況は避けたい一心で適当に話を合わせつつVtuberというコンテンツからは距離を置こうと決めました。それから数年、友達のそのような傾向も落ち着いた頃、私は友達が見せてきた動画の背景情報に興味が出てきたこと、そして私が大好きなコンテンツにホロライブのメンバーが関わっているのを知ったことでとても興味がわき出てきました。私なりに調べた結果、友達ほどの悪評を持つことはなくむしろそのままVtuberの沼にハマっていきました。むしろ友達が最初に私に悪評を叩き込んでくれたおかげで最初のハードルが低くなりハマれたのかも知れません。お陰で私はホロライブをはじめとした、にじさんじ、ぶいすぽ、あおぎり、個人勢などVtuberそのものが大好きになりました。なのでいい思い出ではないのは確かですが、私にとってこの一件は忘れることのできないものです。
4年も前の出来事についての記事を私が調べて読んだのは、わざわざファンが集う切り抜き動画で「でも清掃員馬鹿にしてた」というコメントがありなんともやるせない気持ちになったからです。私はこの清掃員についてはっきりこの事件を調べた当初から差別発言をしているとは思っていませんでした。
この建設会社はブラックであるという前提の話、建設会社に社員として入って20年経つのに清掃員として働き建設の仕事に携われていない、自分の会社はすごいと子供に自慢した手前その仕事に携わっていないと言いたくないという内容だったと、つまりこの話は「清掃員が低い格の仕事」という内容ではなく「長い期間働きながらも会社本来の業務に一切携われていない」という内容だったと、そのように私は理解したからです。ただ「馬鹿にしている」と感じた人の考えを無理に変えようとは思いませんが、それでも好きな人に迷惑をかける真似はするのは違うだろうと、そうモヤモヤしてひがし様の記事を拝読しコメントさせていただいた次第でございます。これから世代も入れ替わっていく中で嫌いな人だけではく好きな人も、あらゆる立場の人間の立ち振る舞いが少しでもいいから改善されていってほしいと、そう切に願るばかりです。
長文本当に失礼しました。
きわめて個人的な興味なんですが、その友人にこの記事を紹介してどういう反応になるのか気になりますね。