韓鶴子総裁の金庫に280億ウォン! 「宣教資金」か「政治ロビー資金」か
昨日(13日)、韓国の朝刊は一斉に韓国統一教会による与野党議員への金品供与疑惑を一面で扱っていた。
韓国では政界スキャンダルをニクソン大統領が失脚した1974年の「ウォーターゲート事件」や100人以上の米議員を買収した在米韓国人ロビイスト、朴東宣(米国名:トンソン・パク)氏の「コリアゲート事件」に倣って「〇〇ゲート」と呼称しているが、現在、世間を騒がせている与野党議員への献金による「統一教会」の政界工作も「統一教ゲート」と名付けられている。
尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権の崩壊以来、存亡の危機に立たされていた野党「国民の力」は教団に連座している議員は与党「共に民主党」のほうが多いことが判明するや攻勢をかけ、「民主党ゲート」と呼び、これまで反対していた特別検察官の制度を逆に導入し、真相を徹底的に究明するよう求めている。
教団との「不適切な関係」が取り沙汰されている議員は明らかにされただけでもすでに二桁に上っている。
与党では前議員の田載秀(チョン・ジェス)海洋水産部長官、李在明(イ・ジェミョン)大統領の側近の林鍾聲(イム・ジョンソン)前議員、鄭東泳(チョン・ドンヨン)統一部長官、城南市長時代から李大統領の再側近だったチョン・ジンサン前党代表室政務調整室らの名前が上がっている。
田載秀海洋水産部長官は2018年9月に教団の聖地である「天正宮」を訪れ、韓鶴子(ハン・ハッチャ)総裁に会い、現金4千万ウォン(日本円で約426万円)とカルティエとブルガリの時計を受け取ったとされ、林鍾聲前議員も2020年の総選挙前に数千万ウォンを受け取った容疑を掛けられている
一方、野党では権性東(チョン・ソンドン)議員が2022年2月と3月に「天正宮」で韓総裁と会い、1億ウォンが入った買い物袋を受け取った疑いで逮捕、起訴されている。また金奎煥(キム・ギュファン)元議員は2019年に教団の日本での勢力拡張に協力する名目で数千万ウォンの現金を受け取った容疑を掛けられている。
「金建希特別検察チーム」(特検)から捜査を引き継いだ国家警察庁特別捜査チームは金品を授受した議員に政治資金法違反容疑もしくは収賄容疑の適応を検討している。
教団の政界に対するロビー活動は主に教団元No.2の尹英鎬(ユン・ヨンホ)前世界本部長の供述に基づいているが、この他にも2022年大統領選挙当時、李在明候補陣営で選対平和繁栄委員長を担っていた李鍾奭(イ・ジョンソク)現国家情報院長と文在寅政権時の盧英敏(ノ・ヨンミン)大統領室長や金炫鐘(キム・ヒョンジョン)国家安保室第1次長、「国民の力」の重鎮議員、羅卿瑗(ナ・ギョンウォン)議員らの名前も挙がっているが、現在のところ、鄭東泳統一部長官も含めて金銭授受はなかったようだ。
政治資金法違反と請託禁止法違反容疑などで懲役4年を求刑された尹英鎬前世界本部長は韓総裁の指示に従い、「軍資金」は教団から捻出されていたと供述しているが、今年7月18日に「特検」が京畿道加平にある「天正宮」を家宅捜査した際に韓総裁の個人金庫からドルや円を含め現金280億ウォン(日本円で約29億8千万円)を発見していた。
具体的には衣室の金庫から韓国ウォンで30億ウォン(約3億1866万円)と日本円2億円、さらに寝室の金庫から30億ウォンと1310万ドルが発見されている。ウォンの中には韓国銀行が発行した5千万ウォン官封束も3束含まれていたそうだ。資金は統一教会の会計とは別途管理されていたが、教団は「特検」に韓総裁の宣教や布教活動のための「宣教資金」「特別活動費」と説明している。
「特検」は現金が与野党の政治家へのロビー資金の可能性を疑ったものの「金権希容疑」とは直接的関係がないことから当時現金を押収せず、正式な捜査を開始しなかった。
しかし、「特検」から捜査を引き継いだ国家警察庁特別捜査チームは贈賄および政治資金法違反容疑ですでに田載秀、林鍾聲、金奎煥の3人の出国を禁止し、強制捜査を開始すると同時に韓総裁の資金の形成経緯、保管理由、使途についても調査する方針である。
なお、「特検」は一連の教団への家宅捜査で文在寅政権時代の教団の旧正月の贈り物リストを押収していたが、リストには盧英敏(ノ・ヨンミン)大統領室長らに交じって潘基文(パン・ギムン)前国連事務総長や金鍊鐵(キム・ヨンチョル)元統一部長官らの名前も含まれていた。