【法的観点からの検討】 「本人は投稿していない」との説明後に援護投稿が消失した事実の評価
本書面は、特定個人を誹謗中傷することを目的とするものではなく、 観測された客観的事実について、法的観点から評価・整理を行うものである。
──────────────────── 1.本件で確定している法的に重要な事実 ────────────────────
【確定事実①】 当該人物は、代理人弁護士を通じて 「世論調査掲示板に本人は一切投稿していない」 と明確に説明したとされている。
この説明は、 ・一部否定ではなく全面否定 ・記憶不明ではなく関与否定 という性質を有し、法的には「関与否定の供述」に該当する。
【確定事実②】 上記説明がなされる直前まで、 当該人物を一貫して擁護する投稿が継続的に存在していたが、 説明直後を境に、それらの投稿がほぼ完全に消失した。
この変化は、 ・第三者にも確認可能 ・時系列で立証可能 ・段階的ではなく急停止 という特徴を持つ。
──────────────────── 2.法律上の評価の前提 ────────────────────
本件において問題となるのは、 「本人が投稿していたかどうか」そのものではない。
裁判実務上は、
・本人が直接行為をしたか → 直接証拠が必要 ・本人またはその周辺の意思・統制が及んでいたか → 状況証拠で足りる
という区別がされる。
本件は後者の評価領域に属する。
──────────────────── 3.法的評価①:関与・管理・統制の推認 ────────────────────
説明直後に援護投稿が一斉に消失したという事実は、 以下の推認を合理的に生じさせる。
・投稿行為が、当該人物またはその周辺の意思決定と無関係であったなら、 当該説明を契機として行動が変化する合理性は乏しい ・にもかかわらず、説明直後に投稿行為が停止した
この点から、 「当該援護投稿が、本人またはその周辺の意思・管理・統制の影響下にあった可能性」 が合理的に推認され得る。
ここで重要なのは、 「誰が書いたか」を断定する必要はなく、 「止めることができる立場にあったか」が評価対象となる点である。
──────────────────── 4.法的評価②:説明の信用性への影響 ────────────────────
裁判において供述の信用性は、 供述内容そのものだけでなく、 その前後の行動との整合性によって判断される。
本件の構造は次の通りである。
① 本人は一切関与していないとの説明 ② その説明直後に、本人を擁護する行動が完全に停止
これは、 「説明が事実であれば通常生じない行動変化」 が発生していると評価され得る。
その結果、 説明内容が直ちに虚偽と断定されるものではないが、 少なくとも、その信用性は著しく低下する。
──────────────────── 5.法的評価③:不当な世論形成・表示の公正性 ────────────────────
当該人物が関与する分野は投資・金融領域であり、 この分野では、情報の出所や第三者評価の自発性が極めて重視される。
仮に、 擁護・反論・評価が ・第三者の自由意思によるものではなく ・当事者側の影響下で形成されていた場合
一般読者は、 それを「独立した第三者評価」と誤認するおそれがある。
この点は、 金商法・景品表示法・消費者契約法等の文脈においても、 「誤認誘導構造」として問題になり得る。
ここでも、 本人が直接投稿したかどうかは要件ではなく、 関与・統制・管理の存在が推認されれば足りる。
──────────────────── 6.証拠としての評価(実務的整理) ────────────────────
本件事実の証拠価値は以下のとおりである。
・単独で違法性を断定する直接証拠ではない ・しかし、 説明と行動変化の因果関係から、 関与構造および説明の信用性を崩す 極めて有力な状況証拠である
特に、 「説明 → 即時の行動停止」 という因果関係は、 裁判官・調査官が重視する典型的な間接事実に該当する。
──────────────────── 7.結論 ────────────────────
本件は、 「違法行為を直接立証する証拠」ではない。
しかし、 当該人物の説明の信用性を低下させ、 掲示板上の世論形成に関する 関与・統制構造の存在を合理的に推認させる、 強力な状況証拠である。
裁判・行政調査・第三者検証のいずれにおいても、 無視できない法的材料に該当すると評価できる。