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日本社会の行方について(Part.2)

みなさんこんにちは!CoffeeHouseです!前回に引き続き日本社会の未来について、議論を展開していきます。今回は、独自の概念、「虚業」についてです!
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(前回の記事はこちら

3.    虚業

3.1.定義
まず虚業が何なのかを説明しよう。我々は、利益をイノベーションや設備投資や賃上げ(人手不足を恐れて最近一部の大企業がようやく賃上げしているが)に使わず、オーナーがほぼ全て持っていく産業を虚業と言い、そういう傾向にある企業の状態を虚業化と名付けた。例えば広告、SNS、コンサル、マスコミ、不動産、金融業(虚業の象徴)などが虚業に該当し、先進国の企業は一部を除いて虚業化しているということだ。

3.2.社会への影響
まず1つ目だが、企業の成長に繋がらない。設備投資をしないため資本が貯蓄されず、再投資が進まなかったり企業が貯蓄を保証に債券を発行できなかったりしてしまう。そうなるとバブル崩壊以来続いている内部留保の傾向が強くなり、コロナ渦以後の日本企業も同様と言える。さらに、内部留保の傾向が強くなると企業は保守的となり、新たな試みは拒否される。すなわち、成長性がなく、衰退するだけの現状維持が行われ、その先に待つのは「崩壊」だけだ。
2つ目は人材についての問題だ。大企業がよくリストラを行うのを、読者は見聞きしたことがあるだろう。この原因を説明していく。
では話を戻そう。虚業は生産手段を持たないため、労働者を失うことを最も恐れる。そのため虚業は賃金がかなり高く、以前官公庁や国内大企業に就職していた高学歴は国内の虚業化している大企業や外資虚業に就職する。しかし前提で触れたように社会は短絡的な利益を追求することに加え、もともと虚業は長期的に利益を追求できないため、安定しない。虚業は支出のほとんど全部を人件費占めるため、利益を得られなかった場合は労働者を解雇するようになる。高い賃金を求めて高学歴が就職するため、人には基本的に困らない。外資はともかく近年は日本企業でも最近早期退職 [読売新聞, 2024]や追い出し部屋のようにあらゆる手段を用いて解雇しようとする姿勢が見られる [HRプロ編集部, 2025]。衰退という名の現状維持をし、短絡的な利益を求めて損してリストラし、無理やり決算表を黒字にして株主を喜ばせる。それに振り回される人々は生理的欲求や安全の欲求が満たされるだろうか?高学歴を含むほとんどの人がこう言ったことに振り回されるようになる。これでは治安悪化・税収の不安定など社会が不安定になり、このような傾向が日に日に強くなっている日本社会がどうなるか予想することは容易い。しかし社会は自己責任と言ってこれらを一蹴する。
3つ目は産業構造への影響があることだ。現代において改革のような新たな試みは一部の分野を除いて不可能に近く、課題があっても後回しにされ、現状維持が行われる。先述のように虚業が台頭すると資金も人材も虚業に吸われ、経営が非常に困難となる。すると第一次・第二次産業は次々と倒産し、衰退していく [山下, 2011]。第一次産業があるからこそ第二次産業があり、第三次産業がある。しかし虚業はこの構造を無視し、経済の基盤を破壊している (総務省統計局, 2020)。読者も去年米不足という前代未聞の出来事を経験しただろう。根本的な解決を誰も行う気がないため、今後もこれと同等の、いや、これより酷いことが発生すると考えられる。

3.3.虚業が普及している原因
原因は新自由主義だが、その経緯はアメリカを語らずして説明することはできないだろう。アメリカではスタグフレーション後に新自由主義政策が行われ、現在世界中の国が採用しているが、その中に金融自由化があった。グラス・スティーガル法が廃止された (Office of the Comptroller, 1999)ことで緊急のあらゆる規制が廃止され、制約を受けず、付加価値が付かなくても利益を上げられ、かつ利益は人件費以外自由に使える金融業が流行し、こうして似たような産業構造の虚業の台頭が始まった。
これがどのように日本に悪影響を与えているか、その経緯を説明しよう。東京に政府機関が集中しているのは明治時代からだが、近衛文麿の国家総動員法によって企業までもが集まった。これは政財界が東京という司令部から地方の生産拠点を動かせるためであり、戦後の日本も東京が司令部、地方は生産拠点だった(後述)。その後産業の空洞化によって地方には次第に何も無くなるが、東京は第三次産業が残っていた。するとほぼ同時期に新自由主義政策が始まり、プラザ合意もあってバブルが始まった。バブルでは土地を転売するだけでビルなどの建物も増えるわけではないため(地方ではリゾートマンションや旅館が建てられるという副産物を得られた)、ここに、日本では史上初の実態のないものに無意味な価値が付く虚業が始まったのである。さらにバブル崩壊後は新自由主義政策が推進されたことでさらに不況が大きくなり、金融ビッグバンのように金融規制緩和が行われた。金融ビッグバン [大蔵省, 1996]は必要だったが、同時に虚業の台頭をさらに促進したのであった。しかし虚業は、関係者にとっては莫大な「既得権益」を生み出しうる、美味しい産業だ。世界的に新自由主義の限界が認められる状況(世界金融危機などの深刻な状況を思い浮かべてほしい)にもかかわらず新自由主義が続けられているのにはこういった背景があるのだ。

<参考文献>

早期・希望退職を募集する大手企業続出、3年ぶりに1万人超の可能性…黒字のうちに構造改革か. (2024). 読売新聞.

Hrプロ編集部. (2025, June 5). 上場企業の「早期退職募集」が前年比2倍に急増――パナソニックHDなど黒字・大手にも構造改革の波. 経営プロ. https://www.hrpro.co.jp/keiei/articles/news/3598

山下一仁. (2011). 農業ビッグバンの経済学. 独立行政法人経済産業研究所.

総務省統計局. (2020). 産業(3部門)別就業人口および割合:1920~2020年. 総務省統計局.

Office of the comptroller. (1999, November 12). The Repeal of Glass-Steagall and the Advent of Broad Banking. Office of the Comptroller. http://www.occ.treas.gov/ftp/workpaper/wp2000-5.pdf

大蔵省. (1996, November). 金融システム改革(日本版ビッグバン)とは. 大蔵省. https://www.fsa.go.jp/p_mof/big-bang/bb1.htm



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