Hyperliquidオンチェーン分析入門
仮想通貨botter Advent Calendar 2025の10日目の記事です。
こんにちはむじネコです。
皆さん今年一年の取引はいかがだったでしょうか?
今年はBTCを始めとする主要コインは、途中ATHの期間がありつつも、12月現在では年初とそう変わらない、なんとも微妙な年だったように思います。
盛り上がったのはなんといってもPerpDEXの台頭でしょう。
昨年のHyperliquidの流れから続き、夏ごろからAster、Lighter、edgeX、Pacificaといった次世代PerpDEXの話題が広まり、まさに今ポイント稼ぎシーズンの佳境を迎えているというところ。"ネクリキ"の合言葉を胸に、各位様々な方法でポイ活に勤しんでいると思います。Aevoとかdydxどうなったとかは言ってはいけない。
個人的にはまだHyperliquid1強の印象は否めず、商品設計、流動性、UI/UX、施策など優れた点が数多くあります。常にワクワクさせるような将来に向けた開発にコミットしていることも魅力ですね。
また、DEXらしくオンチェーンにすべての取引情報が刻まれており、誰でもそれを参照できる、というのも大きな魅力です。というかexplorerすら存在しないPerpDEXは逆になんなん…
DEXといえばオンチェーン分析。今回のnoteではHyperliquidを使う際に使えるサイト、ツール、使い方などを、僕が知ってる範囲で解説してみたいと思います。
できること
そもそもオンチェーン分析ってなにができるのでしょう?
botter的に言うと、CEXのAPIにおけるGETメソッド、つまり情報取得系のAPIであれば、自分のアカウントだけでなく他人のアカウントに関しても見ることができるという特徴があります。
すなわち
資産情報
ポジション情報
現在の注文情報
過去の約定履歴
といった、普通CEXでは当たり前に秘匿されている他人の情報を見れてしまいます。一応ウォレットアドレスを知らなければ本人とは紐づかないのですが、
自分で公開している
著名トレーダーとして話題になっている
ツイートやスクショを丹念にストーキングするとわかってしまう。
つまり今これを読んでいるあなた
などの理由で明らかになることもあります。
また、強い人のアドレスだと把握できたならば、匿名のままでも参考にする上では問題ないと思います。
使い方
・Hyperliquid
公式情報。Explorer、Leaderboard、約定履歴あたりを見ることがあります。
・Explorer
全ての基本となるオンチェーン情報。
流れてくるログ自体は早すぎて人の目で追えるものではないですが、トランザクションハッシュや、ユーザーのアドレスなどで検索すると、その詳しいアクティビティを見ることができます。
…とは言っても外部にもっと便利なツールが続々とリリースされていることもあり、今となってはこれを単独で使うことはほぼないかもしれません。
・Leaderboard
資金量、利益額、ROI、取引金額の上位アドレスをランキングで表示でき、期間指定も多少ながらできるので、強いアドレスを探すのに適しています。
何もアイディアがない状態からは、とりあえず強そうなアドレスを片っ端から深堀して、爆益や安定した損益を実現している人はどのように行っているか?と考えてみるのが面白いかもしれません。
・約定履歴
画面上に流れてくるTradesLogには、Explorerへのリンクがついています。
異常な取引があったときなど、取引履歴からたどることで、誰が取引を行ったのか(User)知ることができます。取引の詳細についてはユーザーアドレスからさらに深堀りすることができますが、それについては後述のHypurrcanなどを使うと良いと思います。
・Hypurrcan
有志が作った超便利サイト。
Hyperliquid全体のFees、Auction、TWAP情報などがまとまったダッシュボード。ステーキングやSTATS情報など。
詳しくは公式でも紹介ツイートがあるので、読んでみるとよいと思います。
🧵 Introducing Hypurrscan: An HyperLiquid L1 Explorer
— HypurrScan (@HypurrScan) August 21, 2024
1/ What is Hypurrscan?https://t.co/U1Ys8pChsK is an explorer for HyperLiquid L1, offering tools to track auction prices, TWAPs, transaction history and token-specific data all in one place.
よく使うのはアドレスを検索しての情報でしょうか。
例えばHLPのアドレスで検索すると、
保有しているポジション
現在の注文
保有している資産(HLPはなにも持ってないですね)
などを見ることができます。何をやっているかまるわかりですね。
こういった情報を見ながら、このアドレスはどのようなトレードをやっているのだろうか?と考察していくのが、オンチェーン分析の基本になると思います。
・coinglass
クリプト界隈では昔から知られる市場データまとめサイト。以前はBybtという名前でBybitと紛らわしかった。
Hyperliquid関連のまとめ情報ページが追加されており、かなり有用な情報が掲載されています。
主に見るのは、Liquidation Mapと大口ポジション情報ですね。
・Liquidation Map
Liquidation Mapでは、ポジションおよび証拠金に応じたリアルな清算価格とサイズが表示されます。
清算を見るツールにはLiquidation Heatmapというものもありますが、これは実際の清算ラインを示すわけではありません。
詳細ロジックは不明なものの、OIが増えたタイミングでその価格の上下一定間隔に清算想定ポジションを増やす、というようなものかと思います。
その点、HyperliquidのLiquidation Mapでは、アドレスごとの証拠金やポジション量に対するリアルな数字として表示されているので、実態が見えます。Hyperliquidがどれだけ市場全体のセンチメントを表せるかは微妙なところですが、昨今のPerpDEXはCEXに比べても存在感を増してきましたので、押さえておくに越したことはないと思います。
・大口ポジション情報
Hyperliquid上でポジションを保有している大口の内容を見ることができます。
ソート、フィルタ機能もあるので、ポジション量・清算価格でソートしたり、symbolでフィルタしたりと、自分の見たい情報に応じた表示の仕方を工夫するとよいでしょう。
・HyperDash
coinglassで清算価格やポジション量を見るのと同じような機能を持つサイト。
最近pvp.tradeに買収されたアナウンスがあり、登録制になっていました。
Today, PVP is announcing our acquisition of Hyperdash (@hypurrdash) — the leading analytics product on Hyperliquid.
— pvp.trade (@pvp_dot_trade) November 18, 2025
Over the past few months, we’ve rebuilt it to power the best trading experience onchain and give perps traders real edge.
Hyperdash V2 gives you detailed insights… pic.twitter.com/07OOXBqCUM
これまでのレガシー版にも(12月5日現在)まだアクセスすることはできます。新しい方はまだ僕が触れていないので、ここではレガシー版を用いて解説します。
coinglassは便利ですが、
・大口ポジション(1Mドル以上)のアドレスしか表示されない
・そのため草コインの場合はごく少数のアドレスしか見えない
という欠点があります。
また。そもそも草すぎる銘柄は選択肢にすらなく、表示できません。
例えばmelaniaコインはcoinglassでポジション・清算マップともに表示することができません。そういう場合にはHyperDash頼りになります。
HyperDash独自の機能もあり、チャートに重ねて表示するのは見やすく好きです。清算サイズに応じた清算ラインの色の強弱の見え方が変わったり、Min Size(赤丸)によって色の度合いを調整したり、清算ラインにポインタを当てると実際の価格やサイズ、アドレスが表示されるのもいいですね。
清算ラインをクリックすると、そのままそのアドレスの詳細ページに飛ぶこともできます。
ただ、HyperDashは今のところ頻繁に落ちる傾向にあり、その点は使いづらさを感じます。(僕の環境だけか?)
また、清算マップに関しては更新が遅い印象があり、リアルタイムで情報を追っていると、すでにポジション解消された清算ラインがマップ上はまだ残っているのを見かけました。
清算マップは清算が溜まっている位置を知るのに使い、リアルタイムでそのポジションが残っているのかは別の方法で監視した方が良いと思います。(後述のtradeXYZなど)
・tradeXYZ
HIP-3の先駆けとして各種Equitiesを上場している取引所。
とはいえEquitiesがHyperliquid公式でも取引できるようになった今、わざわざこちらでトレードする意味あるか?というのは思いますが…
他人のトレード画面を表示できるGhost Modeは便利です。
表示しただけで、他人の取引状況がビジュアルにわかりますね。
以前のやり方は、Rabbyのwatch-only addressに参照したいアドレスを登録する…というのが一般的だったと思うのですが、いちいち登録したり、監視したいアドレスが多くなると探すのが面倒、みたいな欠点がありました。Rabbyってそうやって使うもんでもなさそうだしなぁ。
一方Ghost Modeの場合、とりあえずURL直接打ち込むだけでお気軽に表示可能。URL形式がわかりやすいので、そのまま別アドレスや別コイン監視にも使えますね。
URL形式
https://app.trade.xyz/trade?market=HYPE/USDC&ghost=0xfefefefefefefefefefefefefefefefefefefefe
Ghost Modeではwatchlistも使えるので、アドレス管理もしやすいです。
・Hypurrscan API
前述のhypurrscanが提供しているAPI群。
APIドキュメントですが、API Playgroundとしても使えます。
おそらくオンチェーン情報を集約した独自データにアクセスできるものと思われます。
・トークンホルダーおよびその時刻スナップショット
・TWAP一覧
・ステーキングキューの累積
など、通常のHyperliquid APIでは提供しえない、アカウント横断的情報
を取得できるのが便利です。
ドキュメントの説明が不足していることもあり、どこまで活用できるかは未知数ですが、少なくともHypurrscanのチームが作ったものであるため、ある程度信頼して割り切って使うことがあります。
・Twitter関連
オンチェーンアクティビティで、目立ったものがあればツイートしてくれるアカウントがいくつかあります。
最も信頼性の高いのはMLMでしょうか。
$PURR (Hyperliquid Strategies Inc) just moved all their in-kind HYPE contributions to Hypercore, fully exposing every wallet.
— MLM (@mlmabc) December 3, 2025
In total, 12M HYPE ($411M) was bridged from HyperEVM to Hypercore across 32 wallets, and they already began staking the HYPE, transferring a total of…
Lookonchainもいいと思います。
こちらはHyperliquidだけでなく他チェーンのアクティビティも手広くツイートしていることが多い印象。
Machi(@machibigbrother) is finally catching a break — up $3.1M in the past 2 days, cutting his total loss from $21.28M → $18.18M.
— Lookonchain (@lookonchain) December 4, 2025
Current positions:
• 9,889 $ETH($31.72M)
Liq price: $2,948.86
• 155,000 $HYPE($5.58M)
Liq price:: $18.98https://t.co/SgRbjekq2N pic.twitter.com/fvuhCjwpHj
MLMにdisられていたりしますが笑、情報の解釈に問題あれど、事実ベースで知らなかったアドレスのアクティビティを知れる、という点では少なくとも有用だと思います。
I think most of you who have been following me know this by now, but I still see a lot of posts on the timeline from accounts like @lookonchain and @arkham - which are engagement farming - saying Abraxas is down $100M on this wallet and $50M on that wallet shorting the market.… pic.twitter.com/O3lWZ5WKCr
— MLM (@mlmabc) August 11, 2025
各種discordコミュニティでは、オンチェーン監視が趣味の人(異常中年男性)がそういった情報を共有してくれていることもあるので、探してみても面白いかもしれません。
おわりに
自分がよく使うサービスについてある程度まとめてみましたが、個人でひっそり公開されているサイトや情報などもあります。
そういったものは開発者の方の許可を確認するまでには至らず、紹介はしなかったですが、まだまだ多くのサービス、ツールがあると思います。各種コミュニティやアカウントをフォローしていると、そういうものに出会ったりするかもしれないですね。
今回はHyperliquid周りのサービスについての紹介ですが、今後PerpDEXが広まるのであれば、他のPerpDEXでも真似してこういったサービスが拡充してほしいところ。
Lighterにはそういったものができ始めているのを感じていますが、そもそもHyperliquidに比べて見れる範囲が少ない(認証しないと取れない情報が多いため、他人の情報を取得するのにそもそも限度がある)こともあり、どこまで作られるかは未知数。願わくばオープンなDEXが増えてほしいですね。今のままだとハイリキ一強継続かなぁ・・・


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