助けを求める瞬間は、いつだって居心地が悪いものです。私はこれまで、多くの人に支援をお願いしてきました。

ライアン・ホリデーアダム・グラントには、私の著書のプロモーションを助けてもらいましたし、クリフ・ケネディには、パロアルトでのTEDxトークの質を高めてもらいました。

また、ジェレマイア・ビショップには、サイクリストとして成長させてもらい、NASCARのマイク・フォーディには、父とのレース場での1日を忘れられないものにしてもらいました。

それでも、私は極端なまでに自立心が強く、何でも1人でやろうとしがちです。1人でやるのが好きだから、と自分に言い聞かせていますが、本当のところは、助けを求めることで「劣っている」と思われたくないという気持ちがあるからです。

しかし、科学はそうではないと示しています。

【この記事のポイント】

  • 人は助けを求められると、要求した側を「有能で信頼できる人物」と認識する傾向があることが、科学的に証明されている
  • Apple共同創業者のスティーブ・ジョブズは、助けを求める意欲こそが「行動する人」と「夢想家」を分ける成功の鍵だと述べている
  • 支援を求める行為は、相手の自尊心を高め、協調性を生み出し、結果として自身の目標達成の可能性を飛躍的に高める

助けを求める姿勢が「結果」につながる

学術誌『Management Science』に掲載された研究によると、助けを求めることは、助けを求められた相手から見たときに、その人の有能さの評価を高める可能性があることがわかったのです。

特に、そのタスクが難しい場合、この効果は顕著に出ます。

なぜそうなるのでしょうか。1つは、助けを求めることで、他人にどう見られるかよりも結果を重視している姿勢が伝わるからです。

ですが、もう1つの大きな理由として、人に助けを求めることは、相手の自尊心を高めるという側面があります。

誰かに支援を依頼するということは、その人のスキル、知識、経験を評価している証拠で、敬意を暗に示すことになるわけです。また、自ら心を開き、弱さを見せる意思があるため、信頼の表明にもなります。

支援を求められた人は、あなたの人生に変化をもたらす機会を与えられたことに、少し興奮を覚えるかもしれません。どれほど冷めて見えたり、皮肉屋に見えたりする人でも、誰かの役に立つということは皆がよろこんで行うことだからです。

このことは、研究でも裏付けられています。2013年の研究では、向社会的な行動(他者の利益を考慮した行動)は直感的なものであり、人は通常、親切な行為をしたあとに幸福感を感じることが示されています。

助けを求めることで、相手は「自分は有能だ」と感じ、同時にあなたに対しても「この人は有能だ」と感じるようになります。結果的に、あなたが達成しようとしていることの成功確率も高まるのです。

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ジョブズが語る「行動する人」と「夢想家」の違い

助けを求める意欲は成功の予測因子であると感じていた、スティーブ・ジョブズの言葉に耳を傾けてみましょう。彼はかつて、こう語っています。

助けを求めて、断られたことは一度もありませんでした。私は12歳のときにビル・ヒューレットに電話をしました。「こんにちは、スティーブ・ジョブズです。12歳で高校生です。周波数カウンターをつくりたいのですが、何か予備の部品を分けていただけないでしょうか」と尋ねました。彼は笑い、私に予備部品をくれ、その年の夏にはヒューレット・パッカードでの仕事まで与えてくれました。私は天にも昇る気持ちでした。


私が電話をかけて、断ったり、電話を切ったりした人は1人もいません。私はただお願いしただけです。そして、私に助けを求めてくる人に対しては、その恩義に報いようとできる限り応えるようにしています。ほとんどの人は、電話をかけようとしません。ほとんどの人は、助けを求めないのです。それが、ときに「何かを実行する人」と「ただ夢見ている人」を分けるものなのです。

ジョブズは、助けを求める意欲が成功の予測因子であると感じていました。

なぜなら、支援を求めることで、単に夢を見るだけでなく、それを実行に移すことが容易になるからです。

たしかに、自力でできることもあります。1人で起業することも、新しい製品を1人でつくり出すことも可能です。すべての役割を担い、自分の夢を叶えることもできるでしょう。

間違いなく時間がかかり、結果もそれほどすばらしくないかもしれませんが、不可能ではありません。

しかし、おそらくそうすべきではないのです。なぜなら、誰も真に価値あることを1人では成し遂げられないからです。

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著者紹介:Jeff Haden

キーノートスピーカー、ゴーストライター、LinkedInトップボイス、Inc.の寄稿編集者。『The Motivation Myth: How High Achievers Really Set Themselves Up to Win』の著者。

Source: Kennedyspeech, Linkedin, Management Science, Sage journals, sciencedirect

Originally published by Inc. [原文

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