いじめ後遺症 15年前のトラウマに苦悩する当事者「夢の中に出てくる」「された側は一生ものの傷」専門医「傷は消せないが上書きならできる」
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■専門医が語る後遺症の理由「心の傷はデリートできない」
井出院長は、いじめ後遺症は「過去の出来事」ではなく「今現在苦しんでいる」症状だと強調する。後遺症は心の傷ついた反応だが、「体の警報システムがおかしくなって、体の症状に出る」という点が特徴的だ。医療業界では、いじめ後遺症を数カ月や数年「じわじわと心に傷を受けていった」出来事も原因に含まれる「複雑性PTSD」と呼ぶようになってきた。 症状のタイムラグについて「体験の前と後で人生が変わってるはず」だと指摘。症状が出る前も、「生きづらさを、(いじめを受けた)あの時以来ずっと抱えていることはほぼ間違いない」とし、「年月が経つと全然消えないばかりか、段々悪くなることもある」「一生涯影響を及ぼし続けることが間違いなくある。これは確信を持って言える」と断言し、その深刻さを訴えた。
■治療法と当事者の願い 傷を癒すのは「寄り添い」
井出院長は、いじめの後遺症は「治るし、治っている人がたくさんいる」と述べる。しかし、心の傷そのものを治すことに関して薬の役割は「非常に少ない」という。薬はパニックなどの症状を抑える役割であり、「心の傷そのもの(への対応)には、基本的に薬ではない」。 心の傷を癒すのは、「他の人が本気でしっかりやってくれる」寄り添いだという。被害者が最も辛いのは「誰からもわかってもらえない」ことであり、寄り添いがあることで「こう感じていていいんだ」「嫌なことに反応してる自分はおかしいわけじゃないんだ」と腑に落ちる。この心の傷は「デリートはできないけど、オーバーライトできる(上書きできる)」ようになり、生きづらさを克服できるという。 でぃーさんは、自身の体験から「その時だけの悪ふざけで(いじめた側の)本人たちは終わるけど、された側は一生ものの傷」だと訴える。さらに、「傷といっても心の傷だから人から見えないが、それぐらい大変なことと捉えてほしい」と、社会全体の理解を求めた。 人間関係においても「過去に辛いことがあった人を、すごく腫れ物に触るような感じになるのもよくない」と述べ、周囲に過剰な配慮は求めない。しかし、もし現在苦しむ人がいれば、親や担任の先生に言いづらかった自身の経験を踏まえ、「話しやすい人には誰にでも話せばよかった」と、一人で抱え込まないことの重要性を強調した。 いじめは「いじめっ子・いじめられっ子から、加害者・被害者と呼び方や扱いが変わってきている」として、これを「いい傾向」だと評価。苦しむ人々に向けて「大げさと思わずに」誰かに話すことで「少しは楽になるんじゃないかな」とメッセージを伝えた。 またEXIT・兼近大樹は、加害者側の問題も解決しなければ、今後もいじめの被害者、さらには後遺症に悩む人々も減らないと訴える。「海外だといじめている側が治療を受けることもあるが、日本は被害者ムーブがすごく得をするところがある」とし、「そのせいで加害者側が、まるで自分が何かされたかのように正当化していじめに及ぶことがすごく多い」と指摘。さらには「苦しんでいる人たちを守るよりも、加害者側をどうにかするという考え方が、全然何も進んでいない」と添えていた。 (『ABEMA Prime』より)
ABEMA TIMES編集部
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