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大阪医科薬科大学教授による不正行為(適切な研究データ保管義務違反)の認定について

【基本情報】

番号

2025-05

不正行為の種別

適切な研究データ保管義務違反

不正事案名

大阪医科薬科大学教授による不正行為(適切な研究データ保管義務違反)の認定について

不正事案の研究分野

消化器内科学

調査委員会を設置した機関

大阪医科薬科大学

不正行為に関与した者等の所属機関、部局等、職名

大阪医科薬科大学 医学部 教授

不正行為と認定された研究が行われた機関

大阪医科薬科大学

不正行為と認定された研究が行われた研究期間

令和4年度~令和6年度

告発受理日

令和6年11月26日

本調査の期間

令和7年1月22日~令和7年4月21日

不服申立てに対する再調査の期間

報告受理日

令和7年8月4日

不正行為が行われた経費名称

科学研究費助成事業

 

【不正事案の概要等】

◆不正事案の概要

1.告発内容及び調査結果の概要
 令和6年11月、医学部基礎医学系教授を責任著者とする論文について、出版後の論文を議論するウェブサイト「PubPeer」上で疑義を指摘されているとする内部通報を受け、予備調査の結果を受けて本調査を行うこととした。
 本調査の結果、論文2編において不正行為(適切な研究データ保管義務違反)が行われたと認定した。

2.本調査の体制、調査方法、調査結果等について
(1)調査委員会による調査体制
  6名(内部委員3名、外部委員3名)
 
(2)調査の方法等
 1)調査対象
  ア)調査対象者:大阪医科薬科大学 医学部 教授
                          その他共著者7名
  イ)調査対象論文:3編(海外の学術誌:平成29年、令和2年、令和6年)

 2)調査方法
    本調査委員会において、調査対象者本人へ対面調査を実施し、具体的にPubPeerで指摘されている点から研究不正の有無について調査を実施。
 
(3)本事案に対する調査委員会の調査結果を踏まえた結論
 (結論)
   1)認定した不正行為の種別
    適切な研究データ保管義務違反
   2)「不正行為に関与した者」として認定した者
    大阪医科薬科大学 医学部 教授
  
 (認定理由)
  Pubpeerで指摘された画像・グラフの重複や記載不備については、実験ノート等記録(証拠)が一部不存在であったが、スライド資料や測定データにより特定不正行為の疑義を覆す根拠を確認することができ、結果や結論を改ざんする意図は認められないため、捏造・改ざん等の特定不正行為には該当しないと判断した。
  ただし、一部において実験ノートや生データを紛失していたことは重大な過失があり、大学の規程に基づき、不正行為(適切な研究データ保管義務違反)に該当すると認定した。
 
3.認定した不正行為に直接関連する経費の支出について
 科学研究費助成事業による研究成果であるが、不正行為を認定した論文の作成過程において、直接関係する経費の支出は認められなかった。

◆研究機関が行った措置

1.論文の取下げ
 対象論文のうち1編については、著者ら自らすでに雑誌出版社へ修正を申し出済みであり、残りの1編について、雑誌出版社へ修正を申し出るよう勧告する予定。
 
2.被認定者に対する大学の対応(処分等)
 教授に対して、研究データを適切に保管し同様のことを二度と起こさないようにとして、副学長及び医学部長より厳重注意を行った。

◆発生要因及び再発防止策

1.発生要因
 責任著者と他の研究者とのコミュニケーションが十分とれておらず、研究データの教室での保管を徹底していない等、責任著者を筆頭として研究体制の未熟さが目立った。
 責任著者らは保管義務を認識していたが、実験ノートの管理が不十分で一部「大阪医科薬科大学研究資料等の保存に関するガイドライン」を遵守できていなかった。
 実験ノートの記載方法に統一性がなく、わかりやすさに個人差があり、ナンバリングやデータ添付が不十分なものも存在した。
 研究者間の関係が良好でなく、退職者が実験ノートを直接渡さず放置するなど、責任著者の指導・管理が不十分だった。
 
2.再発防止策
 画像処理・統計・研究データの保管・論文投稿時の留意事項等をまとめ、日本医療研究開発機構から発行された「適正な画像処理方法~雑誌の投稿規定の解説~(第2版)」などの資料とともに、全学的に教育研修会を実施する。
 研究データの保存の重要性について全学的な教育研修も併せて実施し、アセスメントを行い、現在整備を進めている研究データマネジメントシステムを整備状況に応じて運用し、実験ノートやデータの保管体制を検討する。
 毎年実施している「研究実施届」(研究者が意図せず研究にかかるルールを逸脱しないよう、アンケート形式にて確認)について、適切なデータ処理、適切な画像処理についてのさらなる教育のため、内容を見直す。
 研究倫理教育に際して課す小テストの基準点を60点から80点に見直す。

 

◆配分機関が行った措置

 特定不正行為が認定されていないため、研究者に対する措置は講じない。

お問合せ先

科学技術・学術政策局参事官(研究環境担当)付

研究公正推進室
電話番号:03-6734-3874
メールアドレス:jinken@mext.go.jp

(科学技術・学術政策局参事官(研究環境担当)付研究公正推進室)