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トランプが解放した3つのパワー

トランプはこれまでアメリカが封印してきた3つのパワーを解放した、と思ったので備忘録としてメモしておく。
特に1と2はすでにこれまで各国に甚大な影響と被害を与えており、これを政府のコントロール下においたことは大きなパワーになる。今後、アメリカのハイブリッド脅威は強大になるだろう。
制裁でAWS停止とかしゃれにならない。イーロン・マスクが日本の右派カルト政党を支援するのも悪夢だ。

1.プラットフォームのパワー

SNS、クラウド、クレジットカード決済、EC(Amazonなど)などのプラットフォームは米企業の寡占状態にある。これらのもたらす各国企業や政府への影響、弊害や事故による被害は甚大だった。これまでは米政府は規制する方向で対処してきたが、政府のコントロール下におくことで、今後はこれらを利用して他国に影響力を行使できるようになった。SNSによる世論誘導はもちろん、経済制裁と並行してクラウドの停止などの脅しをかけることができる。経営者や担当者個人を狙って決済やECの利用を停止することもできる。
特定の国へのサービスを「サイバー攻撃によって一時的に問題が発生」という口実で停止することもできる。
また、今後の暗号通貨は米市場を中心に展開することになるだろう。

2.反主流派のパワー

陰謀論、極右、白人至上主義はアメリカから各国に広がっており、深刻な影響を与えていた。バイデン政権発足時、米国国内の最大の脅威は白人至上主義だった。しかし、彼らの多くはトランプ支持者であり、今後はトランプの意向を反映して活動する可能性が高い。2021年1月6日の連邦議事堂襲撃事件で有罪となった全員を恩赦としたことで、トランプ支持の反主流派には「選択的法執行」が行われることが示唆された。

3.グローバルサウスのパワー

多くのグローバルサウスの国々にとっては民主主義的価値観の押しつけがアメリカとの関係強化の障害となっていた。時には経済制裁などにつながる危惧すらあった。しかし、トランプがDEIを廃止し、性別を2つに限定するなど非民主主義的価値観を称揚したことでつきやいやすくなった。トランプ当選直後の各国の反応に如実に表れている。グローバルサウスの多くがトランプには好意的なのだ。

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2025年1月15日に公開されたEuropean Council on Foreign Relations (ECFR) の調査結果「Alone in a Trumpian world: The EU and global public opinion after the US elections」( https://ecfr.eu/publication/alone-in-a-trumpian-world-the-eu-and-global-public-opinion-after-the-us-elections/ )では、グローバルサウスを中心とした世界各国がトランプを歓迎していることがシメされている。

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European Council on Foreign Relations (ECFR) 「Alone in a Trumpian world: The EU and global public opinion after the US elections」( https://ecfr.eu/publication/alone-in-a-trumpian-world-the-eu-and-global-public-opinion-after-the-us-elections/ )
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European Council on Foreign Relations (ECFR) 「Alone in a Trumpian world: The EU and global public opinion after the US elections」( https://ecfr.eu/publication/alone-in-a-trumpian-world-the-eu-and-global-public-opinion-after-the-us-elections/ )
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European Council on Foreign Relations (ECFR) 「Alone in a Trumpian world: The EU and global public opinion after the US elections」( https://ecfr.eu/publication/alone-in-a-trumpian-world-the-eu-and-global-public-opinion-after-the-us-elections/ )

【2025年1月24日追記】背景にあるもの

・国際秩序の再構築

あえて語弊のある言い方をすると、これまで国際秩序とともにあったアメリカは世界の多数派である権威主義国を基盤とした国際秩序の再構築に乗り出した、という表現も可能だ。かつて権威主義国の民主化を進めたように、民主主義国の権威主義化を進めようとしている。これによって下記が達成できる。
テック・オリガルヒの求める規制なきビジネスの実現
規制なき研究、実験による科学技術の発展の加速(社会に影響を与えるSNSや、大きな危険を伴う宇宙開発、脳インプラントなど)
監視・誘導型スマート社会

・監視・誘導型スマート社会への移行

監視・誘導型スマート社会とは中国型スマート社会に他ならない。政府の主導する治安優先であり、これまでの米国型は企業が主導する経済性・利便性優先だった。しかし、今後の世界情勢を鑑みると前者の方が合っており、普及しているのも前者である。しかし、旧来の民主主義を標榜していては前者は導入できない。
新しいトランプ体制に移行することで前者への移行が可能となった。ちなみに、グーグルは以前からやりたくて仕方がなかった。2度売ろうとして2度とも民主主義的価値観に邪魔された。もう邪魔するものはない。


実はこれらはロシアの真似とも言える

イーロン・マスクがEUでやっている極右政党支援は、堂々とやっているだけでロシアがやっていることと本質的には同じ

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ロシアとイーロン・マスクが干渉する今度のドイツ選挙は、2016年の米大統領選と並ぶ象徴的な事件になりそうだ。


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広義の文筆家。小説家。明治大学サイバーセキュリティ研究所客員研究員。新領域安全保障研究所 UNVEIL。 https://ichida-kazuki.com 連絡先 https://ichida-kazuki.com/post/650695238157058048/
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