【基本情報】
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番号 |
2025-03 |
不正行為の種別 |
二重投稿 |
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不正事案名 |
中京大学講師による不正行為(二重投稿)の認定について |
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不正事案の研究分野 |
データサイエンス |
調査委員会を設置した機関 |
中京大学 |
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不正行為に関与した者等の所属機関、部局等、職名 |
中京大学 心理学部 講師 |
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不正行為と認定された研究が行われた機関 |
中京大学 |
不正行為と認定された研究が行われた研究期間 |
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告発受理日 |
令和6年2月13日 |
本調査の期間 |
令和6年6月5日~令和7年3月4日 |
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不服申立てに対する再調査の期間 |
- |
報告受理日 |
令和7年6月30日 |
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不正行為が行われた経費名称 |
科学研究費助成事業 |
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【不正事案の概要等】
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◆不正事案の概要 |
1.告発内容及び調査結果の概要 令和6年2月に告発があり、事案の内容が明示され、不正とする科学的な合理性のある理由が示されているため、告発を受理し、予備調査を経て調査委員会を設置した。 本調査の結果、論文2編において不正行為(二重投稿)が行われたと認定した。 2.本調査の体制、調査方法、調査結果等について (1)調査委員会による調査体制 7名(内部委員3名、外部委員4名) (2)調査の方法等 1)調査対象 ア)調査対象者:中京大学 心理学部 講師 福井大学 工学系部門 教授 イ)調査対象論文:5組10編(先行論文と後行論文で1組とする)(後行論文は国内の学術誌3編、海外の学術誌2編:2010年、2018年、2020年、2022年) 2)調査方法 調査対象論文の書面調査を実施し、論文の内容、記述の一致率、図表の一致度、引用の有無について確認・分析を行った。また剽窃チェックソフトを使用し、調査対象論文と一致率の高い論文について調査を実施した。投稿先となった学術雑誌等の投稿規程を確認し二重投稿が禁止されていることを確認した。被告発者および調査対象共著者に対してヒアリングを実施し、共同研究に至った経緯等確認した。 (3)本事案に対する調査委員会の調査結果を踏まえた結論 (結論) 1)認定した不正行為の種別 二重投稿 2)「不正行為に関与した者」として認定した者 中京大学 心理学部 講師 3)「不正行為に関与していないものの、不正行為のあった研究に係る論文等の責任を負う著者」として認定した者 福井大学 工学系部門 教授 (認定理由) 先行論文と後行論文各1編を1組とする2組において、後行論文のabstractは先行論文のそれに対する一致率が極めて高い。また、後行論文において掲載されている図表がほぼ先行論文と一致していることからすると、後行論文に、先行論文と本質的に異なると言えるほどの新規性があると認めることはできない。加えて、後行論文の刊行にあたり、先行論文の研究成果に関する適切な引用が一切されていない。このため、後行論文の投稿は先行論文との関係で二重投稿にあたり、研究者の行動規範及び社会通念に照らして、研究倫理からの逸脱がはなはだしい不正行為にあたるものと認定した。 共著者は、後行論文において責任著者に含まれておらず、被告発者に対して指導・監督する立場ではない一方で、当該論文の内容及び投稿を把握していたと認められ、後行論文において、著者として、本来果たすべき必要な確認を怠ったことにより二重投稿を防ぐことができなかったものと判断した。 3.認定した不正行為に直接関連する経費の支出について 不正行為を認定した論文2編について、以下の支出があった。 ・科学研究費助成事業 110,000円(論文掲載料) |
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◆研究機関が行った措置 |
1.論文の取下げ等 二重投稿が認定された論文2編のうち、1編は既に被告発者による取下げがなされている。残る1編については、既に被告発者による取下げ手続きが開始されていることから、事務局より速やかな手続き完了を促すとともに、確実に取下げがなされることを事務局にて確認することとした。 2.被認定者に対する大学の対応(処分等) 最高管理責任者より不正行為への関与が認められた被告発者に対して厳重に注意し、今後このような行為を繰り返さないよう強く指導した。 3.競争的研究費等の執行停止等の措置 所属機関で管理する研究費の執行を一時停止した。 |
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◆発生要因及び再発防止策 |
1.発生要因 被告発者は二重投稿が不正行為であることなどは理解していた。一方で、被告発者は後行論文について主観的には新規性があると認識していたものの、abstractがほぼ先行論文と一致し、また、図表が一致しているなど、研究活動不正に対する知識との間に乖離が見られた。またこれらの論文に対して適切な引用がなされていないことなどから、研究活動不正に対する具体的な知識が不足するとともに当事者意識が欠如していたことが原因と考えられる。 2.再発防止策 研究活動不正を身近な問題と考え、当事者意識をもって不正防止に努められるよう、研究倫理委員会を通じて本事案を学内で共有する。 研究倫理委員会が作成した、既存の研究倫理ガイドについて、ホームページ上で共有するとともに、毎年度、研究倫理委員会を通じて学内に周知することにより、研究活動不正に対する意識向上を図る。 現在研究費不正に関する周知を行っている外部研究費の公募説明会や研究費執行説明会において研究活動不正に関する周知を行う。 |
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◆配分機関が行った措置 |
特定不正行為は認定されていないため、研究者に対する競争的資金への申請及び参加資格の制限は行わない。なお、科学研究費助成事業について、不正行為と直接的に因果関係が認められる経費の支出があったため、資金配分機関である日本学術振興会において、経費の返還手続を行う。 |
研究公正推進室
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