伊東市長選 田久保真紀前市長が落選 学歴問題で失職…出直し選にSNSでアピールも
静岡県伊東市の田久保真紀前市長(55)が学歴を巡る問題で失職したことに伴う市長選の投開票が14日行われ、田久保氏が敗北した。国民民主党推薦の元市議杉本憲也氏(43)と自民党推薦の元職小野達也氏(62)が激しく競り合った。可能性が指摘された再選挙は回避された。選挙には過去最多の9人が立候補。学歴問題対応の是非や市政の立て直し策を主な争点に論戦を交わした。
5月の市長選で初当選した田久保氏は市広報誌で「東洋大卒」とプロフィルを紹介したが実際は除籍だった。市議会は説明責任を果たさず市政に混乱を招いたとして2度の不信任決議を可決。田久保氏は失職した。
出直し選に臨んだ田久保氏は「高卒」で出馬。7日の第一声で「もう一度私をあの場所(市長)に戻してください!」と力を込め、7日間の選挙戦で街頭演説を重ねて市民に訴え。SNSでは「#これで勝ち上がったら伝説」などのハッシュタグを用いてアピールしていた。
だが必死の訴えは市民には届かなかった。前回の市長選で田久保氏に投票したという70代女性は「一連の問題について市民への謝罪はなし。信じて一票を入れたのに裏切られた気持ちで今は顔を見るだけで腹が立つ」と怒り。今回は別の候補を支持したと明かした。
市選挙管理委員会によると、投票率は60・54%で、前回を10・89ポイント上回った。市内では投票を呼びかけるアナウンスが繰り返し放送され、注目の高さがうかがえた。
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