【独自】郵便局の懲罰自転車「内部通報後に暴力や暴言」 元局員が日本郵便を提訴「年休消化中にも昼夜問わず出勤促された」
自転車での配達を強要され内部通報したところ、上司や同僚から暴力や暴言を受けたとして埼玉県の郵便局に勤務していた50代の男性が、日本郵便に約3400万円の損害賠償を求めて東京地裁に提訴したことが分かった。自転車配達の強要を巡って同社が提訴されたのは初めて。提訴は11月28日付。(宮崎拓朗) 【写真】男性が上司から受け取ったメール 訴状によると、男性は2019年、バイクで郵便配達中に転倒事故を起こして鎖骨や足の骨を折った。翌年6月に配達現場に復帰したところ、明確な理由もなく自転車での配達を指示された。毎日の走行距離が約50キロに及んだため、バイクの使用を求めたが、上司は「安全運転強化月間だから」と認めなかった。
男性は社内の内部通報窓口に相談。社内調査の結果、21年3月からバイクの使用が認められた。その後、上司や同僚から尻を蹴られたり、鉄製のカートをぶつけられたり、「ぶち殺す」「窓から突き落とす」といった暴言を受けたりするようになったという。 22年6月に再び内部通報したが、対応した弁護士らによる外部専門チームは「パワハラはなかった」と結論づけた。その後もいじめが続いたため、男性は約3年前に退職。退職前の年休消化中にも、上司から昼夜を問わず数十回にわたって電話やメール、電報で出勤を促され、医療機関でうつ病と診断された。
西日本新聞