有罪と無罪、官製談合で異例の判決 識者「検察側が立証尽くさず」
宮崎県串間市の設計業務の入札をめぐり、官製談合防止法違反などの罪に問われた元副市長の福添忠義被告(82)に対し、宮崎地裁(設楽大輔裁判長)は10日、無罪(求刑懲役1年6カ月)とする判決を言い渡した。検察側が共謀の根拠とした業者側の証言は「信用できない」とした。
事件では元副市長と業者側3人の計4人が起訴され、審理が分けられた業者側は同じ罪で有罪判決が確定している。官製談合事件の構図が崩れることになる。
約8カ月勾留された元副市長は初公判から無罪を主張。この日、報道陣の取材に「主張を理解していただきうれしく思う」と述べた。宮崎地検は「判決内容を精査し、上級庁と協議の上、適切に対応したい」とのコメントを出した。
リストは「存在しない、が自然」
起訴状では、福添元副市長は2023年4月に行われた市消防庁舎の設計業務委託の指名競争入札で、親交のあった会社役員や久米設計九州支社長(いずれも当時)ら業者側と共謀し、久米設計に落札させるために同社に有利な指名業者の選定案を市職員に作らせるなどし、公正な入札を妨害したとされていた。
公判で主な争点となったのは久米設計側が作成したとされた指名業者案のリスト。検察側は業者側の証言などを根拠にリストが存在し、これをもとに元副市長が選定案を作らせたと主張した。
しかし、判決では業者側の証言は非常にあいまいなどとして「信用できない」とし、客観的な証拠もないとして「リストはなかったと考える方が自然」と判断した。「(業者側が)自己の刑事責任を軽くするために被告が主導した官製談合であるかのような供述をしたり、そうした見立てを有する捜査機関に迎合的な供述をしたりする動機があることも否定できない」と指摘した。
元副市長の動機も見当たらず
公判では証人として出廷した…