- 1◆uorq7ead4s25/11/15(土) 19:53:15
- 2◆uorq7ead4s25/11/15(土) 20:07:04
最初のスレ
【閲覧注意・🎲・⚓️】キヴォトスの殺し屋|あにまん掲示板初スレ立てですので、お手柔らかにお願いしますキヴォトスにて殺しを稼業とする、とある生徒について🎲や⚓️で決めていきます設定がある程度固まりましたら、SSも投稿していきたいと思います以下、基本設定と注意…bbs.animanch.com前スレ
【閲覧注意・🎲・⚓️】キヴォトスの殺し屋 #2|あにまん掲示板キヴォトスにて殺しを稼業とする生徒、救済ヒジリの物語を綴るスレです。以下、基本設定と注意事項です・ダイスもしくは安価で、殺しの依頼人と標的、依頼の成功、失敗を決め、SSを書いていきます・物語の都合上、…bbs.animanch.com前スレまでの簡単なあらすじ
殺し屋キュウサイとして活動していた救災ヒジリは、かつての依頼人であるユイと出会い、絆を育み、ついに自らの罪と向き合う決意をし、矯正局にて死刑を執行されていた。
しかし、矯正局から突如出されたヒジリは、岩櫃アユムから自身が死刑に架された以降も、『殺し屋キュウサイ』による事件が発生していることを知り、キヴォトスから『殺し屋キュウサイ』を消す依頼を受けるのであった。
- 3◆uorq7ead4s25/11/15(土) 20:10:17
救災(きゅうさい)ヒジリ ステータス
身長dice1d40=29 (29) + 140 = 169
攻撃dice1d100=52 (52)
防御dice1d100=89 (89)
HPdice1d100=94 (94)
持久力dice1d100=2 (2)
機動力dice1d100=73 (73)
知能dice1d100=48 (48)
事務dice1d100=88 (88)
政治dice1d100=15 (15)
髪の色dice1d8=6 (6)
1 茶 2金 3白 4青 5緑 6赤 7紫 8黒
目の色dice1d8=7 (7)
1 茶 2金 3白 4青 5緑 6赤 7紫 8黒
髪の長さdice1d100=85 (85)
低いほど短く、大きいほど長い
体型dice1d100=96 (96)
低いほど平坦、大きいほど凹凸あり
以下、依頼3回ごとに変動するステータス
依頼成功率:59
殺しに対する態度(小さいほど拒否感あり、大きいほど殺しに悦を感じる):56
- 4◆uorq7ead4s25/11/15(土) 20:24:46
武装
SMG、SRの2つ
過去の依頼履歴
1度目の依頼 依頼人:モブ 標的;合歓垣フブキ(成功)
2度目の依頼 依頼人:モブ 標的:某企業の社長(モブ)(失敗)
3度目の依頼 依頼人:梅花園生 標的:麻薬売買グループ構成員(モブ)(失敗)
4度目の依頼 依頼人:モブ 標的:暴力団組長(モブ)(成功)
5度目の依頼 依頼人:モブ 標的:桑上カホ(失敗)
6度目の依頼 依頼人:岩櫃アユム 標的:天雨アコ(成功)
7度目の依頼 依頼人:ケイ 標的:秋泉モミジ(成功)
8度目の依頼 依頼人:モブ 標的:別の殺し屋(モブ)(成功)
9度目の依頼 依頼人:モブ 標的:依頼人の友人(成功)
10度目の依頼 依頼人:モブ 標的:ヒロミ(失敗)
11度目の依頼 依頼人:モブ 標的:勇美カエデ(成功)
12度目の依頼 依頼人:ユイ 標的:11度目の依頼の依頼人(成功)
13度目の依頼 依頼人:モブ 標的:暴力団員(モブ)(成功) - 5◆uorq7ead4s25/11/15(土) 21:22:26
登場人物
救災ヒジリ
本作の主人公であり、『殺し屋キュウサイ』として様々な依頼をこなしていた。
性格は明るめで、依頼人から殺し屋とは思えない、と言われることもしばしあるが、その腕前は確か。
かつて私立丘の頭高校という学校に通っていたが、業績の悪化により廃校。
以来唯一の親友である来栖アキと共に生きていたが、仲違いしてしまい、殺してしまう。
それからガン・スミス(後述)に拾われ、殺し屋キュウサイとして活動することに。
自らが苦しまなければ、アキは許してくれない、という考えから、どんどん殺し屋の仕事に、裏社会に染まって行ったが、ユイとの出会い、再会によって、過去の自分の罪と向き合うことを決め、矯正局にて死罪を執行されていた。
彼女が矯正局に収監されたことにより、殺し屋キュウサイの事件は幕を下ろす、はずだったが……。
ガン・スミス
金さえ払えばどんな情報でも、武器でも、薬品でも提供する武器商人の『大人』
見た目は阿修羅のように複数ある腕、古めかしいスーツに、何より目を引くのは顔の部位の映った無数のディスプレイのついた顔と真ん中にある拡声器……と許容しがたい。
関西弁で話し、一見気さくそうなふるまいをするものの、掴みどころのない謎多き人物。
ユイ
『12度目の依頼』の依頼人。
霊感があり、死んだ幽霊の姿を見ることができたり、場合によっては言葉を聞くこともできる。
ヒジリと同じく、友人と仲違いをしたまま永遠の別れを迎えることとなってしまい、そのことを後悔している。
ヒジリとの出会いを通じ、彼女に罪と向き合う勇気を与え、明日を生きようと思える希望を与えた。 - 6◆uorq7ead4s25/11/15(土) 21:27:22
SSの内容について
ダイスを振り、『殺し屋キュウサイ』の標的となる生徒・人物を決めます。
ヒジリの殺しの判定(現在の値は『59』)によって、『標的を護衛することができるか』を判定してきます。
標的の護衛に成功した場合、シャーレの追跡ダイスの値が1d10ずつ増加していき、100になった、超えた時点で黒幕との直接対決となります。
なお、現時点でのシャーレの追跡ダイスの値は『44』です。
また、殺しの判定ダイス時、判定値ちょうどで成功するものの致命的なトラブル、100で致命的失敗となり、ヒジリには酷い目に遭ってもらいます。
お願い事項
・回線の影響からか、よくホスト規制にあってしまいます。保守のご協力をお願いします。
・気紛れにはなるかもしれませんが、また安価を取ったうえでのSSを書こうと思っています。その際は安価へのご協力をお願いします。 - 7◆uorq7ead4s25/11/15(土) 21:55:44
それでは、前回のスレで今回の内容は決めておりましたので、SS投稿いたします。
ヒジリが退院したその日、またしてもアユムが迎えに来ていた。
車に乗り込み暫く沈黙が続いていた。
ヒジリ(……気まずいな。でも、岩櫃アユムさんも、その……私のせいでこんな風に変わってしまったわけだし……私から話せることは、ないよね)
アユム「救災ヒジリさん」
ヒジリ「あ、ひゃいっ!」
ヒジリ(か、噛んじゃった……)
アユム「……おほん。この移動中に詳しい情報と、これから貴女に所属してもらうチームについて、お話しします」
ヒジリ「……はい!って、チーム、ですか?」
アユム「一つは貴女自身が逃げてしまわないための監視として、そしてもう一つは、殺し屋キュウサイの対策を行うためのチームです」
ヒジリ「そう、ですか。……それで、どんな人がいるんです?」
アユム「ハッカー一名、プロファイラー一名、そして貴女もよくご存じの方が一名」
ヒジリ「あ、そういう話じゃなくて……」
アユム「貴女にこれ以上の情報を私から言う義理はありますか?」
ヒジリ「その……なんでもないです」
こうして、ヒジリは余計に気まずくなった雰囲気の車内で、暫くの間揺られていることとなった。
着いた先はシャーレのオフィス。
出迎えてくれたのは先生であった。
以前よりは体調が回復したのか、一人で立てるようになっていた。
先生"アユム、お疲れ様。ヒジリ……殺し屋キュウサイを連れてきてくれてありがとう"
アユム「出迎え有難うございます、先生。ですが私は、あくまでも調停室長としての、やるべきことをやっただけです。……救災ヒジリさんの後の案内は、お願いします」
先生"うん、わかったよ。……この前みたいに、仕事のし過ぎで体を壊さないでね"
アユム「……善処します」
ヒジリ「その……お久しぶりですね、先生」
先生"……裁判以来だね。君に聞きたいことはたくさんあるけれど……まずは私についてきて"
ヒジリ「……はい」
先生に連れられ、シャーレのオフィスへと入る。
当番、の生徒に鋭く睨みつけられた気がしたが、ヒジリはそのまま目を伏せることにした。 - 8◆uorq7ead4s25/11/15(土) 22:16:26
先生"皆、集まってくれてありがとう。このチームの要、元殺し屋キュウサイのヒジリを連れてきたよ"
ヒジリ「あ、ど、どうもー……元殺し屋キュウサイの、救災ヒジリ、でーす……わー……」
しーん、とした雰囲気の中、目線を向けてきた生徒が二人いた。
ヒナ「……まさかあれだけの期間飲まず食わずで、本当に生きているとは。……流石のしぶとさね」
ミレニアム生「あー、久しぶりっすね、ハルちゃん。生きてて……よかったって言ったら駄目だっけ」
ヒジリ「空崎、ヒナさんに……そっちは、確かこの前の依頼の……」
クミコ「どもー。改めて、高橋クミコでーす」
ヒジリ「クミコって……本名だったんだ」
クミコ「まぁ意外とああいう偽名ってさ、偽名だって思って使おうとするとボロが出るしねー。だからあえて本名使ったって感じ。まぁ仮に本名がバレても、ウチには72通りの……」
ヒナ「……本当に自由ね、貴女。ミレニアムじゃなくて、ゲヘナでも上手くやれそう」
クミコ「お墨付きはいただいたけどさ、ウチ戦いとかまるっきり無理なんで。つーわけで、実働部隊はヒナちゃんとヒジリちゃんね」
ヒジリ「えっと、空崎ヒナ、さん……風紀委員会のお仕事は……」
ヒナ「……誰かさんのお陰で、風紀委員会は当分暇よ。私がいなくても、十分に回るくらいには。それと、私のことはヒナでいいわ。いちいち聞いているのもめんどくさいもの」
ヒジリ「……」
ヒナ「アコの件はアコの件よ……。今は殺し屋キュウサイを消すことに集中しましょう。アコの件は……その後にでも決着をつけるとしましょう」
ヒジリ「わかりました……。約束、ですね。そ……ヒナ」
ヒナ「えぇ、改めてよろしく。ヒジリ」
ヒジリ「……そういえば、岩櫃アユムさんからは、チームメンバーは4人だって聞いていたんですけど……」
クミコ「今ちょうど外に出て……戻ってきたみたいだね」
廊下から駆けてくる音が聞こえる。どうやら走っているようだ。
ユイ「……ヒジリさん!」
廊下からドアを開き、そのままヒジリに抱き着くユイの姿が、そこにあった。
ヒジリ「ユイ……ユイさん……!?な、なんで……」
ユイ「私の霊感能力を生かして、事件現場のプロファイリングをやっていたんです……。やっと、やっと会えた……」
ユイはそのまま感極まって涙を流してしまい、ヒジリも涙を流す。
ヒジリ「ユイ……私も……うれしい……」 - 9◆uorq7ead4s25/11/15(土) 22:43:00
ユイ「改めまして、陸奥ユイです。……これからもよろしくお願いします、ヒジリさん」
ヒジリ「はい……ユイさん。よろしくお願いしますね」
先生"一通りの自己紹介が終わったみたいだね。皆仲良く出来そうで、私は嬉しいよ"
ユイ「あ、そうだ先生。現場の検証と、次の殺し屋キュウサイのターゲットが分かりました」
先生"流石ユイだね。……それで、標的は誰なんだい?"
今まで穏やかだった先生の顔が、いつかヒジリと対峙した時のような鋭いものに変わる。
クミコ「にしてもすっごいね―ユイちゃん。死者とお話しできるのもそうだけどさ、そこから推論立てして色々と当てちゃうんだからさ」
ユイ「いや……そんな。クミコさんが色々と情報収集してくれたり、ヒナさんが動いてくれるから、私も活躍できるんです。えと、そうじゃなくって……次のターゲットは、彼です」
そのスケッチに描かれていたのは、若い獣人であった。
犬種でいえば、土佐犬であろうか。
そして、この顔にヒジリは見覚えがあった。厳密には本人ではなかったが、似た顔の面影を持った人物を知っていた。
ヒジリ「……この人、確か犬雄会の」
ヒナ「犬雄会というと、以前までブラックマーケットで幅を利かせていた暴力団じゃない。……貴女も確か、関与していたわよね」
ヒジリ「はい。……犬雄会の会長さん。私が毒殺した彼に、似ている気がします」
クミコ「ふぅーん。犬雄会、会長っと。……なるほどねー。そりゃ似てるわけだ」
ヒナ「……もう調べがついたの?」
クミコ「事件現場周辺の監視カメラをハックして見てたらさ、やたらスジモンが多くてさー、キヴォトスでブイブイ言わせてた暴力団とかマフィアの情報収集してたんよねー。そしたらさ、見てよコレ」
クミコがパソコンの画面に映したのは、スケッチに描かれていた獣人であった。
クミコ「犬雄会のじいさんの隠し子っぽいよ、コイツ。色々とプラプラして問題ばかり起こしてたから、じいさんからはとっくに勘当されてたみたいだけど」
ヒナ「勘当されてるなら……狙われる理由がないようにも思えるけど」
ヒジリ「そうでもないですよ。……あの業界、思ったより昔ながらの血縁とか重視しますから。ましてや、犬雄会の会長の隠し子、って言ったら、混乱しているブラックマーケットの流通を牛耳る神輿にするにはもってこい、じゃないですか?」 - 10◆uorq7ead4s25/11/15(土) 23:26:58
ヒナ「……殺される理由はわかったわ。次はどう殺してくるか、ね。ユイ、今回の事件現場の殺.害方法は何?」
ユイ「今回の凶器は刃物ですね。背後から何度も突かれて、そのまま……」
ヒジリ「刃物、ですか……どんな刃物か、わかりますか?」
ユイ「……どんな刃物、までかは。凶器自体は、もう廃棄されてしまったかもしれませんし……」
ヒナ「どこか心辺りでもあるの?」
ヒジリ「……いいえ、ただちょっと気になっただけです」
クミコ「うーん、いろんなところのカメラハックしてるけど、凶器らしきものが捨てられたようなのは写ってないなぁ……」
ヒナ「……どちらにしろ、今回も依頼対象の護衛をするまでね。ヒジリ、行くわよ」
ヒジリ「えっ、わ、わかりました」
こうして、ヒジリとヒナは現場、もとい今回の標的のところへと向かうのだった。
標的「えぇー?んなこと言われて押しかけられてもよぉ、俺っちは困るっての!しかもアンタ、ゲヘナの風紀委員長じゃん!……アンタと一緒にいたら、仲間に何思われるかわかんねぇよ!」
ヒナ「呆れたわね……。このままだと、本当に殺されるわよ?」
標的「知るかよ!あぁ、ヤクも切れてきやがった……」
ヒジリ「あの……私じゃ、駄目ですか?」
標的「んー?……ふーん、姉ちゃんいい身体してんじゃん。こっちのちんちくりんとは違ってな」
ヒナ「誰が……」
標的「ひぃっ!……やだなぁ、ジョークだよジョーク……」
ヒジリ「ヒナ……ここは私に任せてもらえませんか?依頼人さんもこう言っていることですし、それに……」
ヒジリは小さくヒナに耳打ちする。
ヒジリ「今回の事件は、殺し屋キュウサイだけが標的を狙う、ということは考えにくいんです」
ヒナ「……どういう意味?」
ヒジリ「簡単です。殺し屋キュウサイ以外のサブプランも用意して、確実に消す。私も殺し屋キュウサイとして活動していた時、幾つかサブプロットを考えるときがありましたから。……殺し屋キュウサイが単体で襲ってきたときは私が、数の暴力で訴えてきたときはヒナが。……それでお願いします」
ヒナ「……任されたわ」 - 11二次元好きの匿名さん25/11/16(日) 09:05:12
保守
- 12◆uorq7ead4s25/11/16(日) 10:29:15
うわああああん!また寝落ちしちゃいました!やっぱりてっぺん近くになると駄目ですー!
ヒナに周辺の警護を任せ、ヒジリはその場に残った。
標的「いやぁ可愛い姉ちゃん。俺っちとお茶でも……」
ヒジリ「それはどうも。でも……」
自分の尻に伸びていた手をつねりながら、ヒジリは殺しをしていた時の笑顔で、標的に笑いかける。
ヒジリ「私、こういうのは嫌いなんで、ね?」
標的「ひ、ひいいいっ!」
ヒジリ「すいませんね。私、これでも前まで殺し屋キュウサイって呼ばれてたんですよ。あんまり貴方がそういう態度ばっかり取ると……ね?」
標的「わ、わわ悪かったよ!アンタみたいな子が殺し屋キュウサイだなんて、思わなかったんだ!」
ヒジリ「あー……そうですか」
殺し屋をしていた時と似たような台詞を言われたヒジリは、ほんのちょっぴりショックだった。
標的「そんで、なんで俺っち狙われてんの?色々と悪いことはしてるつもりだけどよ、タマまで取られるいわれはねぇよ」
ヒジリ「……貴方、犬雄会の会長の」
標的「あー、その話かよ畜生!あのクソ爺がくたばったときはやったぜとか思ったけどよ、なんで今になって……」
ヒジリ「それでその、会長さんは……私が殺しました」
標的「えっ、そうなの!?マジかよアンタが!いやーアンタには感謝してるよ!あの爺、いつもネチネチ文句ばっか言って頭来てたんだよ!なーんだなーんだ!」
ヒジリ「その……実の父親なのに……」
標的「実の父親だろうが何だろうが、関係ねぇよそんなの。アンタ、名は?」
ヒジリ「ヒジリって言います」
標的「俺っちはなぁ、あのクソ爺が勝手に産んでくれたおかげでよぉ、今まで散々苦労してきたんだわ。妾の子って言ってわかるかなぁ。そのせいでよぉ。ヒジリちゃんさぁ、アンタまで俺に説教垂れるつもりか?」
ヒジリ「……その」
標的「まぁあのクソ爺、俺っち以外にも恨みを持ってたわけだし、ヒジリちゃんが殺さなくても誰かが殺してただろ」
ヒジリ「……そうですか」
標的「つーわけだ。ヒジリちゃん、ベッドは向こうだぜ?」
ヒジリ「殺しますよ?」
標的「じ、ジョークよジョーク!じゃあ俺っち向こうでキめてくるから、ゆっくりしててくれ」
ヒジリ「ゆっくりしようにも、私の仕事は貴方の護衛なんですけど……」 - 13◆uorq7ead4s25/11/16(日) 10:31:05
それから数日、ヒジリはセクハラされながらも標的の護衛を行った。
標的には当面自宅から出ないようにし、外へ出る用事もすべてヒジリが行った。
しかし、ヒジリの護衛は(大体標的のせいで)困難を極めた。
時には、シャワーを覗かれ。
標的「ダイナミックエントリー!」
ヒジリ「何してるんです?」
標的「って、アレ?脱いで、ない……」
ヒジリ「ちゃんと洗濯物かご見てたんですか?そもそも、私がシャワー浴びる前にあんなニヤニヤしてたらバレバレです」
標的「あっ、そうっすかー……」
ヒジリ「それじゃ」
標的「ぎゃあああああっ!!!!」
時には、寝込みを襲われ。
ヒジリ「すぅ……すぅ……」
標的「ヒジリちゃーん、今日寒いんだよなぁ。俺っち凍えて死んじまうよぉ……だから……俺っちをその人肌で温めてー!」
ヒジリ「何阿保なこと言ってるんです?」
標的「な、何故……折角睡眠薬まで……」
ヒジリ「睡眠薬まで飲ませたのに、ですか?……最低ですね、貴方。それに私、仮にも殺し屋キュウサイって呼ばれてたんですよ?こうした毒を混ぜられることも、多少はありましたし、その時の対処法も知ってるんですよ」
標的「……あは、あはは……それじゃ、グッドナイ……」
ヒジリ「そうですね。依頼人さん、よく寝れるといいですね」
こうして放ったヒジリの拳骨は、標的の頭を的確にとらえ、そのまま気絶してしまった。
ヒジリ「全く……本物の殺し屋キュウサイに殺されちゃう前に、私が殺しちゃいそうだよ。ホント……」 - 14二次元好きの匿名さん25/11/16(日) 14:55:19
うーんこの
- 15◆uorq7ead4s25/11/16(日) 16:53:28
そんなある日。
標的「悪い、ヒジリちゃん。今日だけはこの部屋から出てってくんない?」
ヒジリ「と言いますと……これの件ですか?」
ヒジリが取り出したのは白い粉が入った袋だった。
標的「あ、それ俺っちの……」
ヒジリ「説教かもですけど……これってそんなにいいものなんですかね。……使っても、辛いだけなのに」
標的「そりゃ悪いものしか使ってねぇからじゃねぇのー?何ならコイツキめてみる?」
ヒジリ「いえ結構です。……やめた方がいいですよ、きっと」
標的「……アンタまでそういうこと言うのかよ」
ヒジリ「きっとですけど……貴方の父親であるあの人も、できれば裏の世界に来てほしくなかったんじゃないんですかね……。妾の子だからこそ、自分とは全く別の生き方を……」
標的「知るかよ。……勝手に産んで、勝手に生き方決められて、俺の意志なんてどこにもない。そんな奴が、今更俺の人生につべこべ言うんじゃねぇ!……出てけ。とっとと出てけ!」
ヒジリ「……すいません。少し言いすぎました。……冷静になったらまた呼んでください」
そしてヒジリは部屋を出て、扉にヒジリはもたれかかる。
ヒジリ「……はぁ。繊細なところに踏み込んじゃったか……」 - 16◆uorq7ead4s25/11/16(日) 17:01:57
標的「……行ったか。まぁ大丈夫だ。俺っちだって、何の備えもしてないわけじゃない。もし殺し屋が来たら……」
戸棚から、大口径のマグナムリボルバーを取り出す。
標的「こいつでドカンだ。……見てろよあのアマ、俺っちがなんもできないと思いやがって」
長い時間が経った。
標的が待てど待てども、一向に殺し屋が来る気配はなかった。
標的「……大丈夫じゃないか?今日に限って、ひょっとしたら来ないんじゃないか?」
そう思うと、標的の肩の力がすっと抜けていく。
時間は流れ、日はうっすらと落ちてきていた。
標的「あー、なんかバカみたい。キめるかー」
そう、標的が席を立った時だった。
バスルームから、水の垂れる音が聞こえてきた。
標的「あれ?……さてはヒジリちゃん、ちゃんと蛇口ひねりきってなかったな?」
標的が何も考えなしにバスルームへと向かうと。
「標的みーっけ。んじゃ、殺そっか」
ヒジリ「……というか、妙ですね。これだけ長い時間待っても、売人らしき姿が全然来ない……」
不審に思ったヒジリは踵を返し、扉を開けようとするが、鍵がかかっている。
ヒジリ「……やられた!」
手に持ったSRを至近距離で撃ち、ドアの蝶番を破壊する。
ヒジリ「標的さん!」
標的「あ、あああ……」
「なーんだ、バレちゃったか―」
その殺し屋は、拳銃を構えヘイローが浮いていた。
殺し屋キュウサイ「初めまして、初代さん。ってわけで、邪魔しないで貰える?」
ヒジリ「動かないで……!」
殺し屋キュウサイ「どーだろうねー。私が引き金を引くのが早いのか、それとも初代さんの引き金の方が早いか……でも……銃口震えちゃってるよ?そんなので撃てるの?」
ヒジリ「確かに……確かに貴女に引き金を引きたくない自分がいます。それでも……」
殺し屋キュウサイ「それでも、なに?そんなことを言っても、引けない引き金になんて、意味はないって話、わかる?」
ヒジリ「……それでも、私は前に進みます。たとえ、この引き金が何より重くても……」 - 17◆uorq7ead4s25/11/16(日) 17:08:30
ヒジリ「そうと、決めたから……!」
引き金が引かれ、二つの銃声が鳴る。
殺し屋キュウサイ「……んな。バカな……」
先に崩れたのは殺し屋キュウサイの方だった。
標的に向けて放たれた弾丸は、方向がずれ体をかすっていた。
標的「ひ、ひ、ひぇえええええっ!!!!
ヒジリ「……大丈夫でしたか、標的さん」
標的「……俺っち、助かったのか?」
そう言いかけた時だった。部屋の窓ガラスが銃弾ではじけ飛んでいく。
ヒジリ「危ない……!」
咄嗟にヒジリは標的に覆いかぶさり、銃弾から守る。
標的「うああああああっ助けてくれ!」
ヒジリ「言われなくても……いっつ!……助けてるじゃないですか!」
どれだけ撃ち込まれたのだろうか。部屋の中は滅茶苦茶になっていた。
標的「止まった……のか?」
ヒジリ「……あ、ヒナ?……やっぱりそうでしたか。有難うございます。どうやら、もう大丈夫みたいですね、標的さん」
さて、とヒジリは殺し屋キュウサイの体をまさぐり、手がかりがないかを探した。
ヒジリ「……やっぱり、このナイフだったか」
ヒジリが探し出したナイフは、以前の依頼でヒジリに突き立てられた、特殊な形状のナイフだった。
ヒジリ「新しい殺し屋キュウサイを作っているのは……やっぱりスミスさんだったんだ。……あの人を止めない限り、殺し屋キュウサイは」
ひと段落した後で、ヒジリは簡単な報告を終え、標的の自宅の片づけを手伝っていた。
標的「なぁ……俺っち、ヤク止めるわ。こんなことに巻き込まれるのは、もうごめんだ……」
ヒジリ「それでいいんじゃないんですか?きっと、お父さんもそれを望んでますよ」
標的「そっか……。そうだったら、いいな……」
一通りの片づけが終わり、ほぼ何もない部屋だけが残されていた。
ヒジリ「それじゃ、私はこの辺りで。こんなことは忘れちゃうのがいいんですよ」
標的「そうだな。……あ、最後に一ついいヒジリちゃん?」
ヒジリ「ん?なんです?」
標的「庇ってくれた時みたいにさー、むぎゅーってハグしてくんない?そうすりゃいい感じに、今日のこと忘れられそう……」
ヒジリ「はぁ……貴方って本当に……懲りない人ですね」 - 18◆uorq7ead4s25/11/16(日) 17:10:50
というわけで、長くなりましたが今回のSSは以上です。
いやぁ、一度ペースを崩すと、なかなか復帰しずらいですね……
今回の依頼は成功となりますので、 dice1d10=3 (3) 分だけ、追跡ダイスが向上します。
- 19二次元好きの匿名さん25/11/17(月) 01:06:27
えへへ…保守させていただきますね…
- 20◆uorq7ead4s25/11/17(月) 07:33:54
- 21二次元好きの匿名さん25/11/17(月) 16:47:01
あちゃあ
- 22二次元好きの匿名さん25/11/17(月) 18:46:52
ようやく岩櫃アユムにもフォローが入ったと思いきや、そう来たか…
前スレの時点では救災ヒジリが殉職するまで1人戦い続けるボスラッシュ形式と予想していたんだけど、まさか第12話の協力者達とチームを組んで臨むとは…
ただ、今後“殺し屋キュウサイ”が複数人出てきた時や再登場した時にややこしくなりそうだから、(初代キュウサイこと救災ヒジリはそのまま「ヒジリ」でいいとして)それ以外は「住民1」「通行人1」のように数字を追加してはどうだろうか(例えば先日投稿したエピソードで襲ってきた敵の場合、厳密には二代目じゃないとしても「キュウサイ2」とする感じ)。量産品や模造品の象徴にもできるし、名前を与えられていないキャラクターはどの道これまでの話と同様に没個性的で替えが効く消耗品の如き扱いをされるだろうし。 - 23二次元好きの匿名さん25/11/18(火) 00:31:45
このレスは削除されています
- 24◆uorq7ead4s25/11/18(火) 08:37:12
- 25二次元好きの匿名さん25/11/18(火) 18:25:44
信頼してくれる仲間と出会えたのがターニングポイントなのかねぇ
……ガンスミス()?あいつは雇用主だろ - 26◆uorq7ead4s25/11/18(火) 21:33:39
こんばんは、SS更新の時間です。
ヒジリ「……というわけです。押収品の中にあった、このナイフの出所を突き止めてほしいんです」
ユイ「これが……ヒジリの言うガン・スミスという大人の提供している品、なんですか?」
ヒジリ「これだけじゃないんですけどね。……以前天雨アコさんの仕事をした際に、ヒナに使った睡眠ガス、アレもスミスさんから購入したものです」
クミコ「独特な形状してるから見つかるかなーって思ったけど……残念ながらネットの海には転がってなかったや。ディープウェブとかにも潜ってみてるけど、手ごたえなーし」
ヒナ「このナイフを解析したところ、どうやら私達の神秘そのものに対して傷を与える代物らしいわ。ガン・スミス、一体何者なの……?」
ヒジリ「だからあの時、すんなり刃が通ったんだ……」
クミコ「以前、ヘイロー破壊爆弾なるものが一部ブラックマーケットで流れてたらしいっすけど、原理としてはそれと同じらしいっすね。……具体的にどうやっているのかまではわかんないけど」
ヒナ「かつてのコネクションを辿れはしないの?」
ヒジリ「辿りたいところですけど、スミスさんとの連絡って毎回方法を変えているんです。……だから地道に殺し屋キュウサイの事件を追うしか、方法はなさそうです」
ユイ「どちらにしても……殺し屋キュウサイだけじゃなくて、こんな危険なものがキヴォトスで流通してしまったら……」
ヒナ「文字通り、キヴォトスは崩壊するでしょうね……。一刻も早く、ガン・スミスを捕えないと……」
クミコ「というわけで、ユイちゃんが死者と交信して手に入れた情報をもとに、今日も元気に殺し屋キュウサイー、追っかけていきましょっかー」
ヒジリ「……そうですね。今できることはそれしかないありませんから」
クミコ「つーわけで、ヒナちゃんはこっちの人の護衛をお願い。それで、ヒジリちゃんはこっちね」
ヒジリ「はい。……この人って」
クミコ「ん?お知り合い?」
ヒジリが見せられた写真には、以前ヒジリが標的とした、恰幅のある高級そうなスーツを着こなしたロボットが写されていた。
ヒジリ「……以前、私が殺し損ねた人です」 - 27◆uorq7ead4s25/11/18(火) 21:35:11
かくしてヒジリは、彼の経営している会社のオフィスへやってきた。
今回の護衛対象でありかつての標的であった彼の名は、オオトモと言った。
オオトモ「救災ヒジリ……まさか君が僕を守りに来るだなんてね」
ヒジリ「はい。……寝首を掻いたりはしないので、ご安心ください」
オオトモ「そうか。……一つ聞きたいことがあるんだが、以前君は僕を殺そうとしただろう?その時の依頼人について、教えてくれ」
ヒジリ「例え殺し屋を辞めても……それは守秘義務に反しますので、お伝え出来ません」
オオトモ「……大方察しはついているんだ。……彼、なんだろう?」
オオトモが渡してきた写真は、オオトモとかつての依頼人が仲睦まじく笑顔で語らい合っていた、あの写真だった。
……ヒジリがあの時、オオトモを撃ち抜けなかった理由でもあった。
ヒジリ「黙秘権を使わせてもらいます」
オオトモ「……沈黙は時に何よりも雄弁だよ、ヒジリ君」
ヒジリ「……どう解釈していただいても結構です」
オオトモ「仮に、依頼人が彼……ツネガキであったなら。……どうか彼に会わせてもらえないだろうか」
ヒジリ「ですから、依頼人のことはお伝え出来ません。……それが、決まりなんです」
オオトモ「頑なだね、君も。……ツネガキもそうだった。そんな頑ななところを、僕もきっと、好いていたはずだったんだがね……。話が反れてすまないね、それで僕はどうすればいい?」
ヒジリ「では、こちらに……」
そうしてオオトモは用意されていたセーフハウスへと案内された。
ヒジリ「ここで殺し屋キュウサイが捕縛されるまで、暫く過ごしてもらいます。勿論、業務に差し支えないようにはさせていただきますし、万が一外出する場合には私が行きます」
オオトモ「そうか。ヒジリ君、色々と手間をかけるが、済まないね……」
ここまで来て、ヒジリには一つの違和感があった。
かつて、依頼人もといツネガキから聞いていた話では、彼は事業を乗っ取り、傍に追いやり、そして恋人まで奪ったという有様だったからだ。
その姿と、今ヒジリが見ているオオトモの姿は、乖離していた。
ヒジリ(うーん、どっちが本当の話、なんだろうな……) - 28二次元好きの匿名さん25/11/19(水) 01:11:20
保守
- 29◆uorq7ead4s25/11/19(水) 07:27:52
昨晩は色々と大変でしたね……
今からSS更新します
セーフハウスで過ごすこと数日、殺し屋キュウサイの足取りは未だ掴めない。
クミコ「だめー。全然殺し屋らしき影も見えないやー。ヒジリちゃーん、長丁場だろうけどがんばー」
ヒジリ「……わかりました。クミコさんも引き続き監視をお願いします」
クミコ「うぃー。……あー、妖怪MAX切れちゃった。ちょっとだけ席外すねー」
代わりに監視おねがーい、という声が遠く聞こえた後に、通信は途切れた。
ヒジリ「……とのことです。まだまだ辛いかもしれませんが、耐えてください」
オオトモ「大丈夫だよ、ヒジリ君。意外とこのセーフハウスというのも快適なものだね。業務にも差し支えはないし、強いて言うなら社員の顔を見て挨拶できないことが、唯一物足りない、ところかな?」
ヒジリ「あの……水を差すようで申し訳ないんですけど……オオトモさんって、恋人とかいらっしゃるんですか?多分、顔を合わせることすらできないと思うんですけど……」
オオトモ「恋人?いいや、ぼくに恋人はいないよ。……仲の良かった女の子ならいたけどね」
ヒジリ「と、言いますと?」
オオトモ「ボクとツネガキには、共通のガールフレンドがいたんだ。後になってツネガキと付き合うと言ったときはビックリしたけどね。……思えば、ツネガキがおかしくなってしまったのは、その辺りからだったかもしれないな」
ヒジリ「ツネガキさんが、おかしくですか……」
オオトモ「……話せば、長くなるんだがね。僕とツネガキはずっと二人で、この会社を大きくしてきた。うち、ベンチャー企業でね、立ち上げた当初は辛かったんだ。……部屋の畳を齧って飢えを凌いでいた時もあったな。その時からツネガキとは、一緒に仕事をしていたんだ」
ヒジリ「ずっと、一緒にお仕事されてたんですね」
オオトモ「あぁ。ツネガキとは、ずっと一緒だったさ。辛い時も苦しい時も、時折訪れた小さな幸せも、ずっと二人で味わってきたんだ。……それで、なんとか軌道に乗り始めた時に、ツネガキはガールフレンドに告白してね」
ヒジリ「とても、幸せな日々だったんですね」
オオトモ「……切っ掛けは些細なことだったんだ。……会社の規模を大きくするか、それともこのままで行くか、ということで揉めてしまってね。ツネガキは仕事に一生懸命だった。でも一生懸命であるが故に、自分にも、他人にも厳しかったんだ……」 - 30◆uorq7ead4s25/11/19(水) 07:29:13
オオトモ「次第にツネガキのやり方は理解されなくなってきた。朴も部下達にフォローを入れたり、ツネガキと話をしたけれど、それでも人は離れていく一方だった。……離れた部下たちは全員穆の下についた。ツネガキからしてみれば、撲が彼を追いやったように見えても仕方がなかっただろうね」
ヒジリ「それじゃ、オオトモさんは……」
オオトモ「……やはりなんだね。ヒジリ君」
つい、話を聞き入っていたヒジリは、口を滑らせてしまう。
以前だったら、絶対に口外はしていなかっただろう。
それだけ、他人と距離を置いていたからだ。
……しかし、良くも悪くもユイとの出会いによって、罪に向き合ったことによって、ヒジリの心に変化が起きていたのだ。
ヒジリ「……その」
オオトモ「……やがてツネガキはうちを辞めた。最後にツネガキと出会ったのは、例のガールフレンドとツネガキの件で相談していた時だったんだ。突然だったよ。墨達の姿を見つけて、酷い顔だった……。何も言わずに立ち去ってしまって……牧は必死に追いかけたけど、駄目だったんだ……」
ヒジリ「そう、だったんですね……」
オオトモ「ツネガキがどこにいるか、話してくれる気になったかい?」
ヒジリ「……黙秘権、使わせてください」
オオトモ「頼む……!もう一度、もう一度ツネガキと一緒に仕事がしたいんだ!……あの時の楽しかった日々には戻れないかもしれない、それでも、睦には彼が……ツネガキが必要なんだ!」
ヒジリ「……っ」
言えなかった。
私が殺し屋としての守秘義務を守ろうとしたからじゃない。
彼自身が、罪の重さに耐えきれなかったこと……。
彼自身が、自ら死を選んでしまったこと……。
彼自身の死が、オオトモさんへと繋がってしまうこと……
言えない。
言ってしまったらきっと。
オオトモさんも、後を追ってしまいそうな気がして……
私とアキと同じ、ほんの少しのすれ違いのせいで…… - 31◆uorq7ead4s25/11/19(水) 07:31:19
場所は移って――――
クミコ「そういえばさ、このセーフハウスの発注書、何故か二通あるんだけど、どうして?」
ユイ「セーフハウスの発注書が二通?というかここ、ヒジリが今行ってるところじゃないですか?」
クミコ「んー、確かにそうだね……。あれ、よく見たらこれ、ほんの少しだけど、間取りが違う?」
ユイ「本当ですね。……ここに僅かですけど、スペースが」
クミコ「照合してみたら、ちょうど人が一人隠れられるスペースが……これって……!クソっ、セーフハウスの段階から、殺し屋キュウサイに乗せられてたってことか!」
ユイ「ヒジリが……ヒジリが危ない!」
クミコ「チクショーが……ジャミングまでしてやがる……。ヒジリちゃんに通信すら届かないよコレ……」
ユイ「至急現場に人を向かわせましょう!」
クミコ「もう手配してる!ヒナちゃんは……ダメか、今交戦中!」
ユイ「そんな……ヒジリ、どうか無事でいて!」 - 32◆uorq7ead4s25/11/19(水) 07:32:44
ヒジリ「オオトモ、さん……?ちょっと、力が、強いですよ……?」
オオトモ「出せ……ツネガキはどこだ!出せ、出せぇぇぇぇぇ!!!」
ヒジリ「……どうしたんですかオオトモさん!しっかり、しっかりしてください!」
ヒジリが勢い余ってオオトモを突き飛ばしてしまうと、オオトモの顔面のディスプレイが割れる。
普通のロボットであれば、そこで前が見えなくなって動けなくなるはずであったが、オオトモはヒジリに向かって来る。
オオトモ「#!?@KF#$KQ!<!GGDFQW!」
ヒジリ「……正気じゃない!クミコさん!クミコさん!応答して下さ……ぐっ!あっ!」
オオトモの伸びた手がヒジリの首元を締め付ける。
ヒジリ「や、めて……はな……して!」
「お楽しみのようですね、先輩」
ヒジリ「お、お前は……!」
キュウサイ2「お初にお目にかかります。わたくし殺し屋キュウサイを名乗らせていただいている殺し屋で御座います。この度はこのオオトモ様を暗殺するとともに、邪魔な連邦生徒会の狗を片付ける、という依頼を仰せつかっております」
ヒジリ「……すべて、お前……が!」
キュウサイ2「えぇ。このセーフハウス自体が特殊なハッキング用の電波を流しておりまして、じわじわ、じわじわと見えないレベルでオオトモ様をハッキングさせていだきました。時間はかかりましたが、オオトモ様のハッキングが終わりました今、貴女に残されているのはこのまま頸椎を折られて死ぬか、オオトモ様を殺して生きながらえるか、のどちらかで御座います」
ヒジリ「……ふざ、けるな……!」
ヒジリがSMGを取り出そうとするが、取り出そうとした手ごと、銃弾で撃ち抜かれる。
ヒジリ「がっ……!うっ……!」
キュウサイ2「無駄です。第三の選択肢であるわたくしを倒す、という選択肢はもうないのです」
ヒジリの首がミシミシと音を立てていく。
息を吸うのが億劫になり、視界がややぼやけてくる。
ヒジリ「かっ……あっ……」
キュウサイ2「……どうやらこのまま殺されることをお望みのようですね。それでは、わたくしはこれにて失礼いたします」
そうして、キュウサイ2は姿を消した……。
ヒジリ「ま……て……」
ヒジリ(……そんな、駄目だ。意識が朦朧としてきちゃった……。本当に死ぬときって、こんなにあっけないんだ) - 33◆uorq7ead4s25/11/19(水) 07:34:03
プツン、と何かが切れる音がする。
首にかかった力が、ほんの少しだけ緩んでいく。
ヒジリ「……ごほっ、げほっ!げほっ!」
オオトモ「……ひ……じり……くん……」
ヒジリ「……オオトモさん、オオトモさん!」
オオトモ「……うしろの……たなに……ないふが……ある……それで……」
ヒジリ「……嫌だ、そんなことできません!」
オオトモ「このまま……だと……木、……きみ……ころ……す……。……きみ……いき……て……」
ヒジリ「……やるしか、ないの?」
また、人を殺すの?
また、知らない誰かを不幸にするの?
だというのに、どうして私の頭はこんなに冷静に、彼の殺し方を探っているの……?
オオトモ「ツ……ね……がきも……きっと……きみだか……ら……しごと……」
ヒジリ「……私に、人を殺す資格なんか、もうないんです」
オオトモ「……僕のぶんまで……いき……て……ツネガキ……と……みてる……」
この人は。あぁ、全て悟っていたんだ……。
その上で……私の口から、真実を聞きたかったんだ……。
怪我した手とは反対の手で、戸棚を開き、ナイフを首元の赤いコードへと当てる。
……手のコードを切れば、もしかしたらとは思ったけれど、いつオオトモさんがおかしくなってもおかしくない今、確実な方法は、やっぱりこれしか、ないみたいだった。
ヒジリ「……ツネガキさんは、私にオオトモさんを殺す依頼をして……自らの罪の重さに耐えきれず……自ら……死を……」
オオトモ「やは……りか……。ツネガキ……らしい……な……」
ゆっくりと、刃を押入れ、コードから火花が見えたのと同時に、首にかかっていた力が、抜けていくのを感じる。
目の前で、私に喋りかけていたロボットは。
瓦落多となって、もう動かない。
私が、また。人を、殺した……。
どんっ!とドアが突き破られる音と共に、ヴァルキューレの生徒たちが突入していく。
喧騒の中、私はただ、力なくへたり込むことしかできなかった。
どうして。……どうして。
「どうして……こんなことになってしまったの……」
幾ら涙を流しても。答えなんて、返ってこなかった。 - 34◆uorq7ead4s25/11/19(水) 07:38:43
- 35二次元好きの匿名さん25/11/19(水) 16:08:05
…これまでの話(>>4)の要素を取り入れたアイディアも無くはないけど…ダイス次第で望んだ通りの結果にならない可能性もある以上…迂闊な事は言えない…
…うーん…
- 36二次元好きの匿名さん25/11/20(木) 00:55:22
- 37二次元好きの匿名さん25/11/20(木) 07:26:31
- 38二次元好きの匿名さん25/11/20(木) 07:43:06
- 39◆uorq7ead4s25/11/20(木) 08:07:51
安価どうもです
ではダイスを……と言いたいところですが、成長点の話をすっかり忘れていました
ですのでまず成長点から
・殺しに対する態度(小さいほど拒否反応大、大きいほど無沈着、ないしは悦を感じるレベル)
現在の値(56)
増加?減少?(1d2:1で増加、2で減少)
dice1d2=2 (2)
dice1d10=6 (6)
・依頼の成功率(増加のみ)
現在の値(59)
dice1d10=10 (10)
- 40◆uorq7ead4s25/11/20(木) 08:09:25
その上で今回の護衛は?(69以下で成功、ただし69ちょうどで成功するものの致命的なトラブル、100で致命的失敗)
dice1d100=32 (32)
- 41二次元好きの匿名さん25/11/20(木) 08:27:37
ヨシ!
- 42二次元好きの匿名さん25/11/20(木) 13:50:15
……そういえば、逃げ果せた“殺し屋キュウサイ”を「キュウサイ2」とするなら、犬雄会会長の隠し子を殺し損ねて捕縛された“殺し屋キュウサイ”は「キュウサイ1」になるのか?
- 43二次元好きの匿名さん25/11/20(木) 19:22:00
- 44スレ主25/11/20(木) 19:59:06
オオトモさんの一人称がずっと「ぼく」と読む漢字だったのって、ハッキングされてたからなのか
- 45二次元好きの匿名さん25/11/20(木) 22:33:13
- 46二次元好きの匿名さん25/11/21(金) 07:03:17
どうなるんでしょう…
- 47◆uorq7ead4s25/11/21(金) 11:49:18
こんにちは
今日仕事がやばくて更新できなそうです、すいません - 48二次元好きの匿名さん25/11/21(金) 20:08:18
一応保守
- 49二次元好きの匿名さん25/11/22(土) 02:25:31
保守
- 50二次元好きの匿名さん25/11/22(土) 09:41:42
- 51◆uorq7ead4s25/11/22(土) 10:36:35
- 52◆uorq7ead4s25/11/22(土) 10:39:24
- 53◆uorq7ead4s25/11/22(土) 18:33:07
こんばんは。それではSS更新始めます。
ヒジリがオオトモの護衛にあたっていた一方で、ヒナは母校であるゲヘナにいた。
風紀委員1「おかえりなさい、ヒナ委員長!」
ヒナ「お疲れ様ね。風紀委員の活動はどう?」
風紀委員2「はい、何とか私達でも対処できるようになってます!……その、ヒナ委員長には今は別の仕事もあるのに、ご足労いただいてすいません」
ヒナ「今回の護衛任務の対象がたまたまゲヘナにいたから、ついでに貴女達の様子を見に来ただけよ」
風紀委員1「そう、でしたか……。あの、殺し屋キュウサイの件の方は、どうなんですか?」
ヒナ「……ようやくほんの少しだけ、黒幕のことがわかった、というだけね。それまでは殺し屋キュウサイの起こす事件を一つ一つ解決していかないといけない、そんなところね」
風紀委員2「向こうも、大変そうですね……」
ヒナ「やることが多いのは嫌だけど、誰かがやらないといけないなら、私がやる。それだけよ」
風紀委員1「……ヒナ委員長らしいですね。いつかまた、一緒に風紀委員として活動できると、信じてます」
ヒナ「……そうね。私もまた風紀委員として、活動できる日が戻ってくるといいわね。ゲヘナ(ここ)は騒がしいところだけど、それはそれで静かだと……調子が狂ってしまうもの」
それはそれとして、とヒナは話を切り替える。
ヒナ「このスケッチの子に見覚えはある?」
風紀委員2「えーっと……確かこの前捕縛した、温泉開発部の子だったような」
ヒナ「……確か、地下水があるとかでイブキの遊んでいた砂場にボーリング調査をしようとしていた件だったかしら。なんというか、温泉開発部は相変わらずね」
風紀委員1「はい、その時は巡回中の風紀委員が見つけて事なきを得ましたが……というかヒナ委員長、ご存じだったんですか?」
ヒナ「一旦はゲヘナを離れているけれど、ゲヘナで起きている事件については逐一チェックしているわ。どうしても気になってしまって」
風紀委員2「……さすがヒナ委員長だな。おほん、そうじゃなくって。この子はその時の実行犯、名前を榊原マイといいます」
ヒナ「榊原、マキナ……。わかったわ。今彼女はどこにいるの?」
風紀委員1「反省部屋ですね。そこで温泉開発部の助けを日々求めています」 - 54◆uorq7ead4s25/11/22(土) 20:28:52
反省部屋。
その名通り、とは言わないが差す光の少ない独房に、一人の小柄な少女が息を荒げていた。
マキナ「おおおおおおっメグ先輩!カスミ先輩!そして神よぉ!!!どうして私ばかりに、私ばかりに試練をお与えになるのですか!!よりにもよって、空崎ヒナとは!」
ヒナ「……あの、マキナ。今日は貴女を説教したりとか、そういう目的でここを訪れたわけではないの」
マキナ「説教ではないのなら……まさか、私を人質にして温泉開発部を……我々の楽園を壊すというのか!否、それだけは、それだけは断じて否!私の意地と矜持にかけ、なんとしても……口は割らんぞ、空崎ヒナ!」
ヒナ(……そうは言っているけど、実際の尋問の際にはすぐに情報を吐いちゃってたらしいわね。それに、なんというか……濃いわね、色々と。まともに相手をしたほうが、面倒くさいわね……)
ヒナ「……単刀直入に言うわ。貴女は今、殺し屋キュウサイの標的となっている」
マキナ「な、な、なんですとー!!!!何故に、何故に無辜の民を……おぉ、殺し屋キュウサイよ、噂には聞いていたが、なんという悪辣外道の類か!!」
ヒナ「……冷静に私の質問にだけ答えて。面倒なのは嫌いなの」
ちょっと面倒になったヒナは、ちょっと強めに出ることにした。
マキナ「ぴっ……そ、その……私に殺し屋キュウサイに命を狙われる覚えはないのだが」
ヒナ「温泉開発部であるのなら、恨みはたくさん買っていそうではあるけれどね……」
マキナ「うむ?そういえばこの前温泉開発の一環としてとある空き地の調査をしていたところ、変なものを見つけたのでありまする」
ヒナ「変なもの?」
マキナ「そうだ!奇天烈なる形をした、トランシーバーであったぞ!」
ヒナ「そのトランシーバーは、今どこに?」
マキナ「うーむ、珍しいものだったから私の家に宝物として保管しておる!」
ヒナ「……わかったわ。ひとまず、話を付けてくるわ」
マキナ「はっ……!そうやって私を見たことも聞いたこともない拷問にかけるつもりなのだな!だが、私は屈さんぞ!」
数分後、風紀委員を連れたヒナが反省部屋へと戻ってきた。
ヒナ「……貴女は釈放よ。その代わり、件のトランシーバーとやらを見させてもらうわ」
マキナ「おぉ!空崎ヒナにも善心の心の一つや二つ、持ち合わせがあったのだな!」 - 55二次元好きの匿名さん25/11/23(日) 00:19:52
保守
- 56◆uorq7ead4s25/11/23(日) 04:48:46
マキナの自宅には、様々な珍品が置いてあった。
ナスの地上絵のジグソーパズル、水晶のペロロ像、よくわからないただの石ころなど……。
マキナ「これが、お探しの物品である!」
ヒナ「……見たところ、ただのトランシーバーのようだけど?」
マキナ「否!こうして送信ボタンを押すと……」
ヒナ「押すと?……何も起こらないけれど」
マキナは得意げに送信ボタンを押すが、何も起こらない。
マキナ「あ、あれー?な、何も聞こえないでありまする……」
ヒナ「何も聞こえない?前までは何か聞こえていたの?」
マキナ「うむ!何の意味かは分からんがなんらかしらの数字が聞こえてきたのだ!」
ヒナ「数字、ね。……その話、本当なの?もしも」
マキナ「噓なんてついていないでありまする!私、嘘だけはぜったいに、ぜーったいについたことはないのである!」
ヒナ「で、その数字は何だったのか覚えているの?」
マキナ「えーっと……0、1、0、2、0、0、0、4、8、2、6、7であったぞ。どういった意味かは全く分からなかったがな!」
ヒナ「……でも、どうやら貴女が狙われるとするなら、そのいかにも怪しい数字が原因でしょうね。ちょっと待ってなさい」
ヒナはオオトモの護衛中であったヒジリへと電話をかけ、この謎の数字の正体に迫ることにした。
ヒジリ「はーい、こちらヒジリです。どうしたんですか、ヒナ」
ヒナ「ヒジリ?そちらの方は順調?」
ヒジリ「今のところ殺し屋キュウサイの手がかりはありませんね。護衛対象……オオトモさんは今のところ無事ですけど」
ヒナ「そう。何もないならそれに越したことはないわ。それより、貴女送信ボタンを押すと変な数字が聞こえてくるトランシーバーに心当たりってある?」
ヒジリ「変な数字、ですか。それってどんな数字なんです?」
ヒナ「0、1、0、2、0、0、0、4、8、2、6、7……ね」
ヒジリ「0、1、0、2、0、0、0、4、8、2……もしかしたらヒナ、それとんでもない大当たりかもしれませんね」
ヒナ「どういう意味かしら?」
ヒジリ「以前、スミスさんとのやり取りをする方法は毎回違う、という話はしたかと思います。やり取りの仕方は毎回変わりますけど、最終的にはスミスさんとの直接的なやり取りに繋がる座標を連携されることになるんです」 - 57◆uorq7ead4s25/11/23(日) 05:06:13
ヒナ「それって……!」
ヒジリ「はい。恐らくそのトランシーバーは、殺し屋キュウサイがスミスさんとのやり取りをするうえで使用するトランシーバーです。……ということは、今回ヒナが護衛する対象って」
ヒナ「どうやらそういうことみたい。口封じ、が今回の動機ね」
マキナ「くくっくく口封じ!?私はそんな悪いことをした覚えはありませぬ!どういうことであるか空崎ヒナ!!」
ヒナ「……ちょっと貴女は黙ってなさい。狙われる動機はわかったわ。そしてヒジリ。……貴女だったらどうやって口封じをするのかしら?」
ヒジリ「私だったら、どうしていたか、ですか……。私なら、まずはどれだけ情報が流れてしまっているか、ということを確認する為にも、まず拉致するかと思います。情報を聞き出せたらバレないように殺して、スミスさんに死体を処理してもらう……こんなところでしょうか」
ヒナ「そのあたりの話がすぐに出るあたり、貴女もやっぱり只者ではないわね。……とりあえず分かったわ。こちらで手を打ってみる」
ヒジリ「はい。そっちはお任せします」
そして電話は切れた。
マキナ「わ、私は一体どうなるのでありまするか!?や、やややはりあの殺し屋キュウサイに生きたまま肝を啜られるので……?」
ヒナ「さぁ、少なくとも私の知っている殺し屋キュウサイは、そんな悪趣味なことをしたがるような子ではないけど、今貴女を狙っているのはどうか、わからないわね」
マキナ「お、お慈悲、お慈悲を!!」
ヒナ「……言われなくても助けるわ。それにしても、どうしましょうか」
マキナ「い、いい言っておくが、私は正直すっごく弱いぞ!どちらかと言えば掘るよりも温泉のデザインとかそっちの方が私の専門で……」
ふと、マキナの部屋にかかっていた制服に目が移る。
ヒナ「……マキナ。ちょっと立ってもらえる?」
マキナ「え?どういう意味でありまするか?」
立ち上がったマキナの身長は、ほぼほぼヒナと同じくらいであった。
ヒナ「作戦を思いついたわ。少し貴女にも協力してもらう」 - 58◆uorq7ead4s25/11/23(日) 09:40:53
キュウサイ38「……いた」
マキナ「……」
キュウサイ38にとって、これはとんでもない失敗であった。
殺しの仕事には成功したものの、武器商人ガン・スミスとのやり取りの一環で使用していたトランシーバーを紛失してしまったのだ。
当然、このままではガン・スミスとの信用を失うのは勿論、下手をすればガン・スミスに消されてしまう。
幸い、前の仕事で使用していた睡眠薬とヘイロー破壊用の弾丸は残っている。
キュウサイ38「……やるしかない」
あのニット帽を被った小柄な生徒がトランシーバーを拾った、という情報は何とか手に入れた。
後は何とかして殺さないと……!
仕掛けるポイントは、この先の曲がり角。
……来た!
曲がり角からスッと現れ、睡眠薬をうなじに突き刺す。
マキナ「うっ……」
キュウサイ38「やった!よし、後は……」
目星をつけていた場所へと、この子を運ぶだけだ。
――――――
キュウサイ38「……おい、起きろ」
キュウサイ38は、マキナを椅子に拘束して、ぺしぺしと叩いていた。
キュウサイ38「おかしいな……もう少ししたら起きるはずなのに……」
起きろー、と声をかけるものの、マキナはスンとも言わない。
キュウサイ38「おーきーろっ!」
椅子を強めに蹴り飛ばそうとした瞬間だった。突如として椅子に縛っていたはずのマキナが逆にキュウサイ38の鳩尾を蹴りつけた。
キュウサイ38「……がはっ!」
マキナ「やれやれ……寝ているふりもそろそろいいかしらね」
キュウサイ38「な、なんで……拘束したはずじゃ……」
マキナ「拘束?貴女が私の寝たふりに騙されて、じっくり待っていた時間で解くのは簡単よ」
キュウサイ「そ、そんな!」
マキナ「それに第一、私は貴女の探している生徒とは違うわ」
ニット帽と、偽装用のマスクを剥ぎ取ると、そこに立っていたのは空崎ヒナであった。 - 59◆uorq7ead4s25/11/23(日) 10:02:23
マキナ「囮作戦、でありますか?」
ヒナ「えぇ。今から私のツテで貴女の偽装用マスクを作るわ。そして、私はわざと殺し屋キュウサイに誘拐される」
マキナ「えぇぇぇえっ!?い、幾ら空崎ヒナでも、そ、それは危ないのでは……?」
ヒナ「私のことなら大丈夫よ。殺し屋キュウサイの手口なら、よくわかっているし」
ヒナは風紀委員、そして自分の古巣である諜報部へと、至急連絡した。
そして、今に至る。
キュウサイ38「どうしてだ……どうして睡眠薬が効いてない!」
ヒナ「どうしてかはわからないわ。でも、私を本気で眠らせるつもりなら、もう少し量を増やすべきだったわね」
キュウサイ38「こ、このっ……!た、例え空崎ヒナでも、丸腰なら!」
ヒナ「丸腰なら、何なの?」
キュウサイ38「な、舐めるな!この銃にはヘイローを破壊する効果のある弾丸が入って……」
と話そうとしたキュウサイ38の視界からヒナが消え、次の瞬間には視界がぐるりと回り、地面に組み伏せられていた。
ヒナ「貴女の長い説明を聞くのにも飽きたわ。丸腰で戦わなければならない状況なんて、私には幾らでもあったわ」
そうしているうちに、風紀委員がキュウサイ38の隠れ家へと押し寄せる。
風紀委員1「ヒナ委員長、ご無事ですか!」
ヒナ「えぇ。マキナの様子は?」
風紀委員1「問題ありません。彼女の自宅周辺、及び自宅にも張らせていますが、異常はありません。それと……」
風紀委員はヒナに愛銃であるデストロイヤーを渡し、形勢は完全に決まった。
ヒナ「さて、私も丸腰じゃなくなったし、おまけに数的な有利もこちらの方が上よ。大人しく投降して頂戴」
キュウサイ38「う、うぐぅ……」
ヒナの言うように、形勢は完全に決まったはずだった。
そう、誰もが思っていた。しかし、たったの一瞬、空崎ヒナだけが、異常に気づく。
ヒナ「……皆気を付けて!」
そう言った瞬間には、部屋に入っていた風紀委員一同は全員気を失っていた。
そして、キュウサイ38に向けて銃弾が放たれるが、それをヒナは銃でガードする。
「おやおやぁ。流石空崎ヒナ、このキヴォトスでも五本の指に入る実力者ってだけはある」
初老に入ったであろう女性の声だった。
軽薄そうな口調とは違い、低く、そして氷のように鋭い声だった。 - 60◆uorq7ead4s25/11/23(日) 10:24:31
キュウサイ38「あ……ああぁ……ぜぜ、ぜ……零番」
キュウサイ38はまるで悪魔でも見たかのように顔面蒼白となり、震え出した。
声通りの初老の女性が、そこに立っていた。
片手には拳銃、そして銃の握られたその手は、鋼鉄製の義手になっていた。
零番「悪いけどねぇ、身内のことだ。そいつの身柄はこっちに渡してくれないかねぇ」
ヒナ「……断るわ。彼女には聞かなければならないことがあるし、それにこのままなら、貴女は彼女を殺すでしょう?」
零番「あんたにこの子を守る義理なんて、ないはずだけど?」
そう言うと再度発砲してくるが、再び弾き返す。
ヒナ「それでも、目の前で誰かが殺されそうになっているのを、黙ってみていられないのよ、私は……」
零番「そいつは……傑作だねぇ」
その言葉を皮切りに、ヒナと零番の戦いが始まった。
キュウサイ38の視点では、何が起きているのか全く分からなかった。
拳銃、そして機関銃の発砲音に、縦横無尽にこの部屋中を駆け巡る足音。
ヒナが銃床格闘をしているかと思ったら、次の瞬間には発砲する。
発砲した後隙に合わせて零番が照準を合わせるが、ヒナが足払いをして零番の体制を崩し、仰け反らせる。
逆に相手は思い切り仰け反り、ヒナの顔面への蹴りを狙うがヒナはそれを半身で交わして発砲する。
それを距離を開けて交わす零番……もはや言葉で許容するのが難しかった。
まるでどこかの漫画で見たような、戦っているのはわかるが具体的にどうやって戦っているかどうかがわからない、という状況であった。
(メタ有でわかりやすく言うとドラ〇ンボールのアレ)
零番「凄いねぇ。一個しか見えないよ」
ヒナ「……どうせ碌でもないことだろうけど、何のことか聞いてあげる」
零番「あんたの狙える急所さね」
ヒナ「聞かなければよかったわ」
そんなやり取りが、激戦の中で聞こえてくる。
零番「おや、ヒナお嬢ちゃん。電話が鳴っているみたいだよ。出ないのかい?」
ヒナ「出れると思っているの?絶対に何かしてくるでしょう、貴女」
零番「バレてんのかい。まぁ弾をぶち込むだけさ。いいだろ?」
ヒナ「よくないに、決まっているでしょう……!」 - 61二次元好きの匿名さん25/11/23(日) 10:53:44
あ、あぁぁぁぁー!?
>>38出したものだけど、想像以上にいいキャラにして貰えて興奮が止まらないです。
- 62◆uorq7ead4s25/11/23(日) 11:23:53
戦いは膠着状態に陥っていた。
だが、ヒナには直感があった。
ヒナ(このままだと、私は負ける……。この部屋に仮に防衛線のようなものがあるとするならば、少しずつだけど、押されている……。何より殺し屋キュウサイを庇いながらだと、限界が……!)
零番「おやぁ、少し顔に陰りが出たねぇ。そいつはよくない、相手に悟られちまったら、そこをつかれるもんだよ?」
ヒナ「えぇ。……否定はしないわ。でも、それならまだ私は退く気がないことぐらい、わかるでしょう?」
零番「はっ、売り文句に買い文句、とはよく言ったものさね」
再び戟が飛び交う。
弾が、拳が、蹴が、ありとあらゆる手を使い尽くしても、『互角』以上になれなかった。
激戦が始まって数十分は経つというのに、零番は息切れを全く見せない。
ヒナ(全く……。底が知れないわね)
ヒナ「……っ!」
零番「戦いの年期が違うのさ。あんたもそりゃあ、ゲヘナとかいうとんでもないところで戦い続けていただろうけどねぇ、あたしは外の世界で、あんたよりも長いことこんな風な戦いを続けているのさね」
ヒナ「それが……何なの」
零番「あたしにとって言葉とは相手に切り込むためのナイフ。相手の動揺を誘い、そこから切り崩していくのさ……!」
零番が放った一発の弾丸が、ヒナの眉間へと向かっていく。咄嗟に防御したヒナであったが、そのせいで視界がほんの一瞬遮られる。
零番「ほら、さっきより余裕がなくなったせいで、こうなっちまうのさ」
いつの間にかもう片方の手にも拳銃が握られており、そこから弾丸が放たれる。
ヒナはそれに気付き躱そうとするが、間に合わないと悟る。
ヒナ「……ぐぅっ!」
だから。翼を思い切り伸ばし、翼に着弾させることで弾丸の勢いを殺し、致命傷になることを防いだ。
零番「ほぉ……躱せないとわかって、敢えて問題ないところを撃たせた、か。やるねぇ。実はあたしの二丁目を見た奴はそうそういなくてねぇ。ゲヘナ最強の風紀委員は、そう簡単にはやられてくれないか」
ヒナ「そう……それは光栄ね」
零番「でも、いつまで続くかねぇ。もしかしたら、流れ弾がその未熟者に当たっちまうかもしれないねぇ」
ヒナ「そうね……いつまで続くのかしらね」 - 63◆uorq7ead4s25/11/23(日) 11:50:38
そう、ヒナが話した時だった。
カンカンカンカン、と何度も跳弾し、一発の弾丸が部屋へと侵入する。
零番は見切ってはいたものの、避けれない位置にいた。否、ヒナに誘導されていた。
先程のヒナと同様、致命傷を避けるべく鋼鉄製の義手でガードするが、その反動で義手が吹き飛んでしまう。
零番「……!なるほど、一杯食わされちまったか」
そう言うと、ヒナは余裕を取り戻したかのように、電話を取る。
ヒナ「……流石ね、イオリ。何なら、腕をさらに上げたわね」
イオリ「……おほん。委員長、大丈夫ですか?」
ヒナ「えぇ。……15分、予定通りね」
イオリ「何かあったときの為の保険、って聞いてはいましたけど、効果があったみたいでよかった」
ヒナ「そのまま私が空けた穴に対して狙撃して頂戴。まぁ、決着はもうついたみたいだけど」
そう言い、ヒナは電話を切る。
零番「二対一とは卑怯じゃないかい?」
ヒナ「なんとでも言いなさい。戦術だけじゃなくて戦略も見越した上で、私は動いただけよ」
零番「いやぁ、二対一に加えて片手を吹き飛ばされたんじゃあ、このまま戦っても不利だねぇ。仕方ない、その未熟者の身柄はくれてやるよ。まぁ、喋れることなんてなんもないだろうけどね」
ヒナ「……待ちなさい、零番!」
零番「待てと言われて待つ馬鹿がどこにいるのさ?それじゃあね。また会うことがないことを願うけど……その時こそは殺させてもらう」
零番はスモークグレネードを炊き、何処かへ行方をくらませてしまった。
ヒナ「……勝てた、というわけでもないわね」
キュウサイ38「あぁぁぁぁぁ……」
ヒナ「……安心しなさい、一旦は貴女は助かった」
キュウサイ38「……私は殺し屋キュウサイなんだぞ、どうして、人殺しなのに」
ヒナ「どうして、かしらね。でもやっぱり、目の前で誰かが殺されそうになっているのを、放っておけなかった、からだと思うわ」
キュウサイ「あぁ……あぁ……」
そのままキュウサイ38は涙を流す。
事件は一件落着、であったがヒナの心には、零番との戦いがこびりついていた。
ヒナ(……恐らく、零番にはまだ奥の手がある。次会った時には……絶対に勝つ) - 64◆uorq7ead4s25/11/23(日) 11:53:41
SSは以上となります。
ヒジリではなく、ヒナ視点での話を書きました。
零番は、ブルアカには存在しないつよつよババアを書きたかったので書きました。
思いの外好評でよかったです。
では、今回の依頼の成功報酬として dice1d10=2 (2) 分だけ、追跡ダイスが向上します。
なお、現在の値は47です。
- 65◆uorq7ead4s25/11/23(日) 11:57:06
- 66◆uorq7ead4s25/11/23(日) 11:59:42
そういえば致命的失敗(ファンブル)は決めてましたけど決定的成功(クリティカル)はどうしましょうか……
シャーレの追跡ダイスに+10の下駄を履かせる、とかにしますか - 67二次元好きの匿名さん25/11/23(日) 17:18:04
何かガン・スミスや零番に繋がるような致命的な痕跡でも見つかった、みたいな感じかな?
- 68二次元好きの匿名さん25/11/23(日) 22:27:29
保守 楽しみ
- 69二次元好きの匿名さん25/11/24(月) 00:41:05
- 70◆uorq7ead4s25/11/24(月) 09:14:41
榊原マキナは完全に独自です(マイは誤字です……)
口調は別界隈のとあるキャラクターをパク……もとい参考にしております
今考えているプロットだと、完全勝利とは言えないような勝ち方になるかなぁとは思います
ただしその分、得られる情報のリターンが大きい、とは言っておきます
- 71二次元好きの匿名さん25/11/24(月) 17:54:38
難しそうってことは分かった
- 72◆uorq7ead4s25/11/24(月) 19:09:53
こんばんは。まだ書き途中なところありますが、SS投稿します。
オオトモの護衛失敗、そしてオオトモを直接殺/害した容疑で、ヒジリは再びヴァルキューレへと拘束されていた。
コノカ「いやぁ、案外早かったすねぇ、殺し屋キュウサイさん。いや、今はヒジリさんと呼ぶべきっすかね」
ヒジリ「……私は」
コノカ「申し訳ないっすけど、あなたもう助からないっすよ。一応今のあなたの扱いは、ヴァルキューレ上では仮釈放としている。そんな中でまた人殺しなんてやったんすから……地獄に堕ちて然るべきなんじゃないんすか?」
ヒジリ「確かに……私の罪は消えませんし、オオトモさんを直接殺/害したのは私です……。ですが、今回の件は殺し屋キュウサイが……!」
コノカ「だから何だ。狼少年の話を知らないあなたではないはずっすよ。そうなるってこと、わかんないっすか?」
ヒジリ「……それでも」
コノカ「それでも……?何だっつってんだ!薄汚ねぇ人殺しの屑が!」
コノカの丁寧口調が剥がれ、ヒジリに一発張り手が飛ぶ。
当然だ。コノカ、ひいてはヴァルキューレの全員が、未だに合歓垣フブキの件を許せているわけではないのだから。
しかも、一度目を瞑ってやったというのに、再犯をしたのだから、怒り心頭となるのも無理はなかった。
コノカ「テメェのせいで何人死んだと思ってやがる!」
ヒジリ「……犠牲者全員のことを忘れたことなんて、一度もありません」
コノカ「だったら、なんで殺したんだよ!いいから吐きやがれ!」
ヒジリ「……ですから」
カンナ「……コノカ、その辺りで止めてやれ」
コノカ「姉御っ……!でも……!」
カンナ「今シャーレから正式な情報提供があった。被害者のオオトモさんはハッキングによって操られていた」
コノカ「……っ」
カンナ「冷静になれ、副局長。……以降の取り調べは私が行う」
普段の良い警官、悪い警官の立場が入れ替わっていた。
コノカ「少し、頭冷やしてくるっす……」
カンナ「行ってこい。……では、救災ヒジリ。取り調べを続けさせてもらう」
シャーレからの情報提供、並びにヒジリからの証言が一致していたことから、ヒジリは変わらず仮釈放の身分となった。
カンナ「取り調べは以上だ」
ヒジリ「……すいませんでした」
カンナ「……だが、もう少しお前にはここにいてもらう」
ヒジリ「どういう意味、ですか?」 - 73◆uorq7ead4s25/11/24(月) 19:16:16
カンナ「シャーレからの情報提供の際に、シャーレからお前に対して一つ命令が下っている」
ヒジリ「……護衛任務ですね。どなたですか?」
カンナ「はぁ……。先程お前の頬をぶった、私の部下だ」
ヒジリ「……」
カンナ「気まずいのはわかるが、仕事だろう。……今度こそ、守り切れ」
ヒジリ「はい……」
かくして、ヴァルキューレのデスクにて、仏頂面のコノカとヒジリが向き合っていた。
コノカ「あなたの護衛なんていらないっす」
カンナ「……まぁそう言うな。殺し屋としての知識が、我々には疎い。とにかく今は少しでも、殺し屋キュウサイの対抗策がある方がいい」
コノカ「わかったっすよ……」
ヒジリ「……とはいえ、ここはヴァルキューレです。相手もすぐには手出しが出来ないはずです」
コノカ「そりゃ言われなくても分かっているっての。あたしもノコノコのヴァルキューレの外に出るつもりはないっす。……あ、そうだ。折角なんで取り調べ手伝ってもらってもいいっすか?」
ヒジリ「取り調べ、ですか?」
コノカ「現在、殺し屋キュウサイを名乗る殺し屋を2人逮捕出来ているっす。元殺し屋の視点から、尋問してもらえれば、こっちも楽になるかなーなんて」
ヒジリ「私にできることなら、お手伝いします」
コノカ「決まりっすね……とりあえず、護衛依頼が終わるまでは、お互い仲良くしましょっか」
ヒジリ「……そうですね」 - 74◆uorq7ead4s25/11/24(月) 19:30:14
こうして、ヒジリとコノカによる、殺し屋キュウサイの尋問が始まった。
まず最初に会ったキュウサイは、先ほど連行されたばかりの、やや気弱そうなキュウサイだった。
ヒジリ「あーっと、初めまして、になるんですかね。私のことは……ヒジリって呼んでください」
キュウサイ38「私は……空崎ヒナに……助けられたんだ。……どっちみちもう死んだも同然の命、少しは役立ちたい」
ヒジリ「……ありがとうございます。まずどうしてキュウサイになったんですか?」
キュウサイ38「生活に困ってたんだ……家もないし、銃弾も満足に買えなかった……。そんな時だったんだ。あの武器商人と出会ったのは……」
ヒジリ「ガン・スミスさんですね……。……今までどれくらいの依頼を?」
キュウサイ38「一度だけ……。その依頼でガン・スミスとのやり取りに使ってたトランシーバーを無くして、そしたら今度は零番に消されそうになって……」
そこまで言い出すとキュウサイ38は泣き出してしまった。
ヒジリ「……私は、多くの人を殺してきました。だからこそ、言えるんです。もう貴女は人を殺すべきじゃない。……きっと、別の生き方を貴女なら探せるはずです」
キュウサイ38「……そっか。私でも、まだやり直せるかな……?」
ヒジリ「……確証なんて、誰にも持てやしないけど、きっと」
キュウサイ38「うぐっ……ひっ……ぐっ……」
最後の一言は、半分自分自身に言い聞かせていた。
コノカ「……傷の舐め合いはほどほどにしていただいて、何かわかったこと、あるんすか?」
ヒジリ「えぇ。……この人はほとんど何も知らない、ということがわかりました。ハナからスミスさんはこの人に期待していなかったみたいです」
コノカ「この子が言ってた、零番って誰です?」
ヒジリ「私の……いえ、私達の殺し屋としての師匠、とでも言えばいいのでしょうか……。少なくとも、私が知っている以上、一番最強の殺し屋……それが零番です」
コノカ「最強の殺し屋っすか……。チープな言い回しっすけど、却って説得力があるというか、なんというか……」
ヒジリ「零番はキヴォトスの外から来た大人、というのを前に聞いたことがあります。……それにしても、零番が表に出てくるようになったということは」
コノカ「何か違和感でも?」
ヒジリ「普段の零番の仕事は、スミスさんの護衛なんです」 - 75◆uorq7ead4s25/11/24(月) 19:34:56
ヒジリ「だというのに、何人も弟子をいきなり取り始めるって……私の時もそんなに弟子を取っているようには見えなかったけど」
コノカ「ガン・スミスの目的が、殺し屋キュウサイを増やすこと自体なら、納得いくんじゃないっすか?」
ヒジリ「……確かに、それなら納得がいきます。殺しの依頼って、受ける方も実行する方もお金が動きますからね……」
コノカ「つまり……ガン・スミスの目的はあくまでも金稼ぎって言いたいんすか?」
ヒジリ「納得はできますけどね。あの人はお金稼ぎのことばかり考えてましたから……」
コノカ「たかがお金を稼ぐためだけに……これだけのことを?」
ヒジリ「あくまで推測ですが……そしてスミスさんはまだ満足していないと思います」
コノカ「……理解できないっすね。理解したくもない……」
ヒジリ「同感です。……私が言えた義理はないかもしれませんが」
コノカ「はぁ……じゃあ次行きましょっか」
次に向かった先は、以前ヒジリが対峙した殺し屋キュウサイだった。
キュウサイ24「んー?どうしましたー?せんぱーい?」
ヒジリ「……なんか調子狂うな」
コノカ「この子、ずっとこんな調子でヘラヘラしているんすよね。反省してる素振りの一つもしないんすよ……」
キュウサイ24「そりゃーどうもー。それで、先輩は何の御用で?」
ヒジリ「色々と情報を聞き出そう、と思っています」
キュウサイ24「そんなもん、ほぼヴァルキューレに喋った通りだってーの。これ以上叩いても埃の一つも出ませんよー」
ヒジリ「まず、殺し屋キュウサイ……どうして貴女は殺し屋に?」
キュウサイ24「その質問、もう何回目って感じなんだけど。調書読んで、じゃダメなの?」
ヒジリ「貴女の口から、聞かせてください」
キュウサイ24「全くめんどくさいなー。より稼げる仕事って聞いてみたら、殺し屋だった、以上」
ヒジリ「……それだけ?」
キュウサイ24「それだけも何もないよ。第一、殺し屋だろうがヘルメット団だろうが、そんなにやること変わらないんだっての。邪魔でうるさい奴は銃で片付ける。キヴォトス(ここ)では当たり前のことでしょ?」
ヒジリ「でも……それで命を奪うってことを、貴女は」
キュウサイ24「理解してますかーって?知らないよそんなの。私は私が食っていくだけで精一杯なんだ」 - 76◆uorq7ead4s25/11/24(月) 19:44:18
ヒジリ「……いいえ、貴女はしっかりと向き合うべきです。殺したことによる罪と、罪から目を背けていることに」
キュウサイ24「何?それで私は清廉潔白ですー、なんて言うつもりなの?人殺し」
ヒジリ「同じ人殺しだからこそ……貴女にはこれ以上闇へと堕ちてほしくない。それだけです」
キュウサイ24「だったら、私のことをずーっと面倒見るって言うわけ?見れないよね、当然。結局生きてる以上は、自分が第一でないといけないんだよ」
ヒジリ「……それでも、私は手を差し伸べることを続けると思います」
キュウサイ24「バッカみたい。そんなことして殺されたらどうするの?」
ヒジリ「……私も、まだ答えを探している最中なので答えられません」
キュウサイ24「結論出てないのに、そういうこと言うと信用無くすよ」
ヒジリ「でもそれでも、私が受けたぬくもりは、きっと真実だから。その真実だけは、裏切りたくないんです」
自分でも何を言っているのかよくわかんなくなっていた。
……だけど、何か言わないといけない、ということだけはわかった。
この先、仮にこの子が殺し屋を辞めた時、少しでも真っ直ぐ立っていられるようにしたいと思うのは、きっと私のエゴだろうけど。
その為に、今は一つでも声を投げかけたかった。
キュウサイ24「……言ってることよくわかんなーい。哲学者か何かにでもなるつもりなの?」
ヒジリ「……私も罪を乗り越えたいから。罪を乗り越えた先の未来を、見たいから……」
キュウサイ24「はぁ……埒あかなーい。このまま自分語りされるのもウザいし、いーよ」
ヒジリ「協力、感謝します……」
キュウサイ24「基本的なことは知ってるだろうから話さないよ。でも、先輩が抜けた後の殺し屋キュウサイの体制については、ある程度教えてあげる。先輩が捕まった後、あちこちの殺し屋に、ガン・スミスのおっさんは声かけてさ、自分たちのことを殺し屋キュウサイって名乗れ、その代わり武器を提供するって話らしいよ」
ヒジリ「らしいっていうのは?」
キュウサイ24「又聞きだから知らないっての。そんで、キュウサイって名乗らせた殺し屋については、それぞれ番号が割り振られてんのよ。私の場合は24って具合にね。んで、番号が一桁の奴らは、もれなくやばい奴らって聞くね。……噂によれば、厄介さは七囚人にすら並ぶんだとか」 - 77◆uorq7ead4s25/11/24(月) 19:49:16
キュウサイ24「そのうちの一人、キュウサイの3番については、私はよく知ってるよ。……何せ、元上司だからね」
ヒジリ「ヘルメット団の、ですか?」
キュウサイ24「妙なとこ鋭いな……。3番は滅茶苦茶強かった。だけど、ヘルメット団からは頼りにされなかった。なんでだと思う?」
ヒジリ「……情報が少ないので、何とも」
キュウサイ24「性格がクソだったのさ。人を痛めつけることしか考えていない、生粋のサディスト。おまけに自分の欲求に忠実だから、あちこちに敵は作る。だから、ヘルメット団からは追放された。殺し屋キュウサイの話を聞いたのも、3番からだったよ」
ヒジリ「つまり一桁台の殺し屋キュウサイたちは、それだけの強敵ってことなんですね……」
キュウサイ24「そういうこと。私が知ってる情報はこのくらい」
ヒジリ「ありがとうございます」
キュウサイ24「あ、そうだ。3番はとんでもないサディストではあったけど、卑怯な真似とかは嫌いな質だったね。だから常に真正面から勝負を……」
ビーッ!!!ビーッ!!!ビーッ!!!
突如として、ヴァルキューレの署内に警報が鳴り響く。
「緊急警報!緊急警報!」
コノカ「い、一体何が起きたんすか!?」
ヴァルキューレ生1「わかりません!突如警備用ドローンが勝手に作動して……!うわぁっ!」
ヒジリ「まさか……!」
コノカ「心当たり、あるんすか?」
ヒジリ「えぇ。恐らくこの施設内の警備用ドローンは、すべてハッキングされています」
コノカ「はぁっ!?そんなこと不可能っすよ!」
ヒジリ「不可能じゃありません。スミスさんの手でヴァルキューレ内部に工作員をあらかじめ送っておいて、更には建屋内のロボットのハッキングを遠隔で行える人物がハッキングを行う……」
コノカ「……ちょうどあなたが取り逃がしたキュウサイと同じ手口!」
ヒジリ「ドローン達の狙いはコノカさんです。近くのヴァルキューレの生徒さんたちと合流して、ドローンの襲撃に備えましょう」 - 78◆uorq7ead4s25/11/24(月) 19:55:40
「あー!聞こえるかヴァルキューレの副局長!お前が大人しくこの放送室に来てくれるっつーんだったら、すぐにこのドローン共に襲わせるのは止める!わかったら……とっとと来んかい尻軽女!」
キュウサイ24「は、はは……3番の声だ。天下のヴァルキューレも、もうおしまいだ……。多分、私も殺されるんだろうな、ははは……」
ヒジリ「……えーっと、ニシさん!」
ニシ「ニシ……ってえ、何?私?」
ヒジリ「3番のことを一番知っているのは貴女です。どうか、協力していただけませんか?」
ニシ「はぁ……どちらにしろこのまま殺されるのは御免だし、やってやりますか」
こうしてヒジリ達は道中のドローンを撃退しながら、ヴァルキューレ生達と合流し、放送室へと向かう。
「緊急事態につき、隔壁を閉鎖します!繰り返します、緊急事態につき、隔壁を閉鎖します!」
しかし、敵のほうが上手だった。
小隊規模までいたヴァルキューレ生達と隔壁で遮断され、残されたのはヒジリ、コノカ、カンナとニシだけだった。
数の暴力、という手段は封じられた……。
カンナ「……大体、大方の事情は分かった。こちらでも確認したが、通信は途絶し、全てのシャッターが閉められている。まさか、ヴァルキューレがたった二人の犯罪者に占拠されてしまうなんてな、不甲斐ない……」
コノカ「当面、セキュリティーは強化しないといけなそうっすね、姉御……。しっかし、これからどうしたものか」
ヒジリ「何れにしろ、コノカさんが殺されるか、殺し屋キュウサイのどちらかを撃退しないと、この状況は変わらない……私が取り逃がした方のキュウサイは、どこにいるのかわからない……ここはやはり、放送室にいる3番を叩きに行くしかなさそうですね」
ニシ「え、いやいやいや!やめとけって!3番はマジで強いんだって!それこそ、ゲヘナの風紀委員長とか、正義実現委員会の委員長とか、C&Cの00とか連れてこないと相手にすらならないって!」
ヒジリ「それでも……戦わなければ、彼女に勝たなければ私達に未来はありません。どちらにしろ、ニシさんの証言が確かなら、一桁のキュウサイとも、いずれは戦わなくてはいけないようですし」 - 79◆uorq7ead4s25/11/24(月) 20:41:52
コノカ「とはいえ、無策で突っ込んでってもこのニシさんの言うように、3番にやられちゃうのがオチっす。どうにかして、策を講じたほうがいいっすね」
カンナ「何か、3番に弱点はないのか?」
ニシ「ンなこと言われても弱点らしい弱点なんてすぐには思いつきませんっての!」
ヒジリ「……ここはやっぱり、真正面からぶつかってみるしかないんじゃないんですか?」
ニシ「だから……!そんなことできるわけ……」
ヒジリ「私、体の頑丈さには自信があるんです。だから私の体を盾に、皆さんが攻撃する、というのはいかがでしょうか?」
コノカ「いや、その案が仮にうまくいったとして、ヒジリさんはどうなるんすか?きっと……」
ヒジリ「えぇ。死んじゃうかもしれませんね……だけど、今の状況を打開できる策といえば、このくらいしか思いつきません」
ニシ「やっぱり、いかれてるよ、先輩……あんた」
放送室の扉の前、ヒジリは握ったこぶしが震えていた。
コノカ「やっぱ怖いんじゃないんすか……」
ヒジリ「怖いですよ。……でも、誰も守れずに、死んでしまうことのほうが、今は怖いと、感じるんです。だから私、戦います……!」
カンナ「……いいんだな」
ヒジリ「はい。……覚悟は、できましたから」
ヒジリが戸を開ける。
その瞬間、ロケットランチャーを構えた3番が待ち構えていた。
3番「よぉ、待ってたぜ尻軽女ども!」
ロケットランチャーの弾頭をガードし、爆風を浴びながら前へ進むヒジリ。
3番「バラバラになっちまわないのかよ、つまんねぇな」
ヒジリ「……皆さん、お願いします!」
ヒジリの後ろに隠れた3人が、3番に向けて発砲を始める。
弾は命中するが、効いている気配がない。
3番「ははっ、後ろのお仲間のために、自分が盾になるってか。泣かせてくれるねぇーシクシク……。ならもっと泣かせてもらおうか!」
3番はロケットランチャーを投げ捨て、2丁のガトリングを乱射する。
後ろの、特にコノカには当たらないよう、必死にヒジリはガードする。
頬を切り、全身に弾丸がめり込み、床に血溜まりが出来ていく。
ヒジリの呻きが、後ろで隠れている3人に聞こえてくる。 - 80◆uorq7ead4s25/11/24(月) 20:45:51
コノカ「……ヒジリさん、もういいっす!例えあなたが元々殺し屋で……私たちの仲間を、フブキを殺したとしても……見ていられないっすよ!」
カンナ「……攻撃を続けろ、コノカ」
コノカ「局長まで……!」
カンナ「奴の覚悟を無駄にする気か!……奴は、奴なりに罪に向き合うと、とっくに覚悟を決めているんだ。……フブキの件は、私も忘れるつもりはない。だがな、今の奴、救災ヒジリが前を向き、更生の意思を示しているのなら……、その背中を押すのが我々ヴァルキューレではないのか?」
コノカ「はっ……!……はいっす。そうと決まれば……ヤツに一発でも多く弾丸をぶち込んでやるだけですね!」
ニシ「はぁ、ホントここには馬鹿しかいないのか?……って、ここまでついてきてる時点で、私も馬鹿だったか!」
歩き続ける。
例え血が流れようと。骨肉が砕けようと。
3番「いい加減さ……お前の苦しむ顔を見るのは飽きたんだけど!」
苦痛が身を苛もうと。苦痛しかない未来だとしても。
それでも私は。
3番「お前……どうして、どうしてオレに恐怖しない!どうしてそんな……どうしてそんな面をオレに見せるんだ!もっと苦しむ顔を見せやがれ!ほら、ほらとっとと、ほら!!」
ヒジリ「それでも私は、前ヘ進む!」
3番が一瞬、たじろぐ。
気づけば、ヒジリの歩いた後にはヒジリの髪のような赤い軌跡が描かれ、それは3番の目の前へと迫っていた。
コノカ「……ヒジリ!これを!」
コノカはヒジリに自分の銃を投げ渡す。
ヒジリ「……ありがとう、コノカさん」
3番「あんまり……調子に乗るな!!」
3番のスレッジハンマーと言わんばかりの拳が、ヒジリの腹部を突き上げる。
内臓が破裂したのか、ヒジリはたまらず吐血する。
ヒジリ「ごふっ……」
それでも、ヒジリの目は変わらない。 - 81◆uorq7ead4s25/11/24(月) 20:47:11
ゆっくりと、銃の引き金へ手を伸ばし。
ヒジリのヘイローが、より一段と輝き、ショットガンの撃鉄が起きる。
火花がはじけ飛び、弾丸が迫っていく。
3番「そんな銃、効かないんだっての!」
3番は片手でガードする。が、腕がそのまま吹き飛んでいく。
3番「……は?」
ヒジリはもう一発撃とうとしたが弾切れになっていた。
ショットガンのまだ排熱が済んでいないバレルを掴み、肉の焼ける匂いがする。
ヒジリ「やああああああっ!!!」
ショットガンの銃床が3番の胴を突き、大きく突き飛ばす。
3番「お前……本当何なんだよ!」
ヒジリ「私は……救災ヒジリ!殺し屋キュウサイをキヴォトスから殺す、殺し屋だぁあああっ!!」
2番「どうやら潮時のようで御座います。3番さん」
ヒジリが大きく振りかぶろうとしたとき、水を差すように機械音声が流れる。
あの時、オオトモをハッキングしたあのキュウサイと同じ声だった。
3番「……オレは、まだ負けてねぇぞ」
2番「いいえ。もう貴女は敗北しました。先輩の殺気に押され、我を失っております。ですので」
ドローンがふよふよと3番に近づき、弾丸を一発眉間にぶち込んだ。
2番「始末させていただきます。これ以上の情報漏洩は我々としても損失しかありませんので。では、ご機嫌よう」
それだけ言うと、ドローンは自壊した。
ヒジリ「……クソっ!クソっ、クソっ!くそっ……」
悔しさのあまり、地面に拳をたたきつけていたヒジリだったが、肉体の限界が来たのか、そのまま崩れてしまうのであった。 - 82◆uorq7ead4s25/11/24(月) 20:58:34
コノカ「やっぱり無茶しすぎっすよ、全治一週間だなんて。てか一週間で治るものなんですか?」
ヒジリ「あはは……でもこうしてコノカさんは無事……」
ユイ「ヒジリの馬鹿!もう無茶はしないでください!」
ヒジリ「ご、ごめんなさいユイ……」
ユイ「……私、本当に心配だったんですよ?オオトモさんの時から連絡が取れなくなって、本当に……!」
ヒジリ「ごめんなさい、ユイには怖い思い、させちゃいましたね……」
ユイ「ヒジリのほうが怖い目にあってたじゃん……痛かったし、苦しかったよね……」
コノカ「あー、ここ一応病室なんで、あんまり騒ぎすぎると、お医者さん怒っちゃいますよ?」
ヒジリ「……で、その。ニシさんも来てくれたの?」
マコ「てーかニシってネーミング安直すぎ。私マコって名前あるんだけど」
ヒジリ「……その、それもごめんなさい」
ユイ「……でも、ヒジリが助かってよかったです。それとヒジリに報告が一つあります」
ヒジリ「報告、ですか?」
ユイ「貴女が倒した3番、こと伊集院マナさんから、情報を聞き出すことに成功しました」 - 83◆uorq7ead4s25/11/24(月) 21:00:15
というわけで、本日のSSは以上です。
成功報酬として、dice1d10=6 (6) +10の分だけ、シャーレの追跡ダイス値が向上します。
現在の値は49です。
- 84◆uorq7ead4s25/11/24(月) 21:02:17
49+16で65ですね。
では今日は次の物語のダイスを振って終わりにします。
次の物語が終わったら、一旦幕間ということで護衛の話以外の話を安価交えてやりたいと思います。
護衛対象
1ならモブ、2ならネームド dice1d2=2 (2)
モブの場合(1:ロボット、2:獣人、3:生徒) dice1d3=2 (2)
ネームドの場合 dice1d200=147 (147)
護衛の成功・失敗(69以下で成功、ただし1で決定的成功、69ちょうどで成功するものの致命的なトラブル、100で致命的失敗)
dice1d100=16 (16)
- 85◆uorq7ead4s25/11/24(月) 21:03:36
ファッ!?
画像貼り忘れたけど、またコノカ!? - 86二次元好きの匿名さん25/11/24(月) 21:53:00
- 87二次元好きの匿名さん25/11/25(火) 06:55:00
……わーお。
- 88◆uorq7ead4s25/11/25(火) 09:51:27
- 89二次元好きの匿名さん25/11/25(火) 19:42:58
このレスは削除されています
- 90二次元好きの匿名さん25/11/25(火) 23:01:01
“殺し屋キュウサイ”のナンバリング、初登場順に番号を振るスタイルで提案したつもりだったけど、才能の優劣順と来たか…
これはこれで良い… - 91◆uorq7ead4s25/11/26(水) 07:30:08
保守を兼ねて
最近面白そうだな、と思ってたオリキャラスレが落ちてました、ちょっとショック……
保守したかったけどホスト規制のせいで……うごごご - 92二次元好きの匿名さん25/11/26(水) 13:49:10
- 93◆uorq7ead4s25/11/26(水) 17:08:27
- 94◆uorq7ead4s25/11/26(水) 17:26:29
といいつつ今日も仕事ピンチくさいので更新ダメそうです。
不出来な私をどうかなじってください……ハァハァ - 95◆uorq7ead4s25/11/26(水) 22:36:28
お仕事終わりました。
今日はホスト規制されてないので、SSの続き書きます。
ヒジリ「3番……マナさんから、ですか?」
ユイ「はい。なんでも『ムカつくあのクソアマ絶対ぶっ殺す!』とのことで、かなり好意的に情報を提供してくれました」
マコ「アイツらしいねー。プライドがやたら高いから」
ヒジリ「それで、彼女はなんと?」
ユイ「曰く、次に2番目が狙うなら、またコノカさんになる、とのことでした」
コノカ「って、またあたしすか!?」
マコ「私もその場にいたからマナのヤツから聞いたんだけど、あの2番、相当な完璧主義者らしいんだよね。だから一度逃した標的も、殺すまで狙い続けるんだってさ」
ヒジリ「普通なら、一度暗殺に失敗した相手は狙わないのが定石です。相手が警戒していますし、何より殺しの手がバレちゃってますから…」 - 96◆uorq7ead4s25/11/26(水) 23:03:13
ユイ「あと、2番の弱点らしいものも、教えてもらいました」
コノカ「弱点まで……!結構この情報大きいっすよ!」
ユイ「まず、2番の手口として、内部に工作員を送り込んで、最終的に機器をハッキングして、暗殺を行う、というのはご存知ですよね?」
ヒジリ「うん。その手口にオオトモさんも、今回のヴァルキューレでの件もやられたんだ……」
ユイ「彼女がハッキングの際に使用するのは、屋内に構築された小規模ネットワークらしいんです。だから、彼女は屋外やネットワークが構築されていない場所では、得意のハッキングを活かせない、というのが弱点らしいです」
ヒジリ「……なるほど。ですけど、あの2番が完璧主義者だと言うなら、きっとこの弱点にも気付いている、と考えたほうがよさそうですね」
コノカ「そうっすね……、3番だったマナさんよりも上、となるとそのぐらいのことはやってきそうっすね……うーん、単に山籠りしてやり過ごすって言うわけにはいかなそうっすね」 - 97◆uorq7ead4s25/11/27(木) 00:11:06
続きはまた明日で
眠気が限界…… - 98◆uorq7ead4s25/11/27(木) 08:59:35
おはようございます
続きはまた今晩に - 99二次元好きの匿名さん25/11/27(木) 17:47:00
保守
- 100◆uorq7ead4s25/11/27(木) 22:45:56
こんばんは。
遅くなりましたが、また更新していきます。
クミコ「……その話、ウチに案がある」
そうして病室に飛び込んできたのは、髪の毛を乱れさせ、濃い隈のできたクミコだった。
ユイ「クミコさん!今までどこに行ってたんですか!?」
マコ「誰こいつ、知り合い?」
ヒジリ「キュウサイ追跡チームでハッカーをやってもらってます。パソコン面で色々と詳しいことを知っています」
クミコ「心配かけてごめん、ちょっと古巣行ってた……」
ヒジリ「古巣って言うと、確かヴェリタスでしたっけ?」
クミコ「そ。……悔しいけど、ウチじゃあの殺し屋キュウサイには敵わない。だから、知恵を借りに行ったんだ」
ユイ「どなたに、ですか?」
クミコ「誰が呼んだか、超絶怒涛の病弱系ハッカー、だったか……」
と、クミコが話を続けようとしたときに、突如電話が。
クミコ「……あー、噂をすれば……もしもし?」
ヒマリ「超天才清楚系病弱美少女ハッカー、ですよ?」
クミコ「……聞いてた、今の?」
ヒマリ「えぇ。貴女のスマートフォンをほんのちょっぴり触らせてもらいましたので」
クミコ「ホント、抜け目ないよね……ヒマリ元部長」 - 101◆uorq7ead4s25/11/27(木) 23:16:39
クミコ「というわけで、こっからはヒマリ元部長にも話してもらうから、場所かえよっか。ヒジリちゃん、歩ける?」
ヒジリ「はい、まぁ松葉杖があれば……」
病室を後にし、病院の会議室を借りた一同は、ヒマリとの作戦会議に臨む。
ヒマリ「それでは皆様方、改めまして。私はミレニアムが生んだ至宝にして聡明なる……」
マコ「うわ、そういうのやめてくんない?話長ったらしいの、私嫌いなんですけどー」
ヒマリ「……おほん」
コノカ「あ、あのー、話続けてもらっていいっすか?」
クミコ「あー、気にしないで気にしないで。元部長がこんなんなのは前々からだから」
ヒマリ「……しょぼん」
クミコ「それ口に出して言っちゃう?……まぁいいや。とりあえず、ウチはこのヒマリ元部長に知恵を借りながら、色々と策を講じていたわけ。……ユイちゃんのお陰で弱点は分かったけど、それでもきっと何かしてくる」
ヒマリ「状況を聞いている限りですが、彼女はネットワークの構築及び、構築したネットワーク外からの通信接続を遮断する術に優れているようです。今までは屋内のネットワークのみのハッキングのみを実施していましたが、あの技量から言って、複数の屋内ネットワークを疑似的に一つのネットワークにすることで、屋外からの襲撃もきっと可能でしょう」
コノカ「やー、ヒジリさんの言うとおりになっちゃったすね……。それで、何か策はあるんですか?」
クミコ「……うん、色々と知恵をもらいながら考えたけどさ、ウチはやっぱりこの策しか思いつかなかったよ」
ヒマリ「ふふ。クミコさん、やはり貴女結構思い切りがいいですね」
クミコ「それ褒めてるの?けなしてるの?」
ヒマリ「ご想像にお任せします」
クミコ「……どっちでもいいや。それじゃ、作戦の概要を説明するね。この作戦が使えるのは、たぶんこれっきり。加えて、出来るのはヒジリちゃんが退院する一週間後の特定の時間だけ」
ヒジリ「……相当難しい作戦みたいですね」
ヒマリ「加えて言うなら、ほぼ丸腰の私たちとコノカさんを守りながら、皆さんには戦ってもらいます。ですがご安心を。この作戦の指揮は、先生が執りますので」
マコ「いや待ってよ。その言い方だと、ヒジリ先輩だけじゃなくてさ、私たちも戦うような口ぶりじゃない?しかも、なんでそこで先生が出てくるの?」
クミコ「それは……」 - 102◆uorq7ead4s25/11/27(木) 23:26:19
以降、クミコとヒマリによる作戦の説明が続く。
クミコ「……以上。なんか質問あるひとー」
ヒジリ「あの……」
クミコ「はーいヒジリちゃん、どうしたの?」
ヒジリ「これ……先ほどヒマリさんが言ったように、相当な賭けじゃないですか?」
クミコ「うん、そうだね。……先生と皆には頑張ってもらわないと、厳しい戦いにはなるかなと思ってるよ」
ユイ「それに、何なんですか、その……」
ヒマリ「えぇ。すぐに理解できないのはわかってます。いきなり一杯情報を脳に詰め込まれても、わかるのなんてほんの数パーセントですからね。ですが、皆さんに覚えておいてもらいたいことはシンプルです」
クミコ「この作戦の要点は一つ。ウチらとヴェリタスがハッキングするまで耐えて、耐えきったらウチらの勝ちってこと」
マコ「んまー、要は護衛する対象ってやつが増えたってことでしょ?加えて当日はシャーレの精鋭部隊も一緒に戦ってくれるってことなら、なんとかなるんじゃない?」
ヒジリ「はい。何とかなる……って思わないと、成功する作戦も成功しませんからね」
クミコ「他には……質問はなさそうだね。皆ごめん、ウチにはこれを思いつくのが精いっぱいだった。だから……ウチを信じて、と自信をもっては言えないけど……頑張っていこう」
ユイ「はい。クミコさん、絶対に成功させましょうね」
クミコ「じゃあ皆、特にヒジリちゃんは作戦の日までにいっぱい休んでね。そして……」
クミコ「絶対に成功させよう。この『オペレーション・ケセド』を」 - 103◆uorq7ead4s25/11/27(木) 23:27:36
今日はここまで……
お仕事最近ハードモードだからきちいよぉ……
とりあえず明日には今回の話は完結できる、はず…… - 104◆uorq7ead4s25/11/28(金) 07:31:56
ほすう……
今日帰ったら絶対完走させる…… - 105二次元好きの匿名さん25/11/28(金) 16:46:13
ケセドかぁ
- 106◆uorq7ead4s25/11/28(金) 23:45:22
デカグラマトン。
セフィラの名を冠す、正体不明の超高性能AIであり、神命を予言せし「預言者」たち。
キヴォトスにおいては時折活性化し、生徒たちを脅かす脅威となっていた。
そこでシャーレは、デカグラマトンをはじめとした各種超常存在に対しての鎮圧作戦、人呼んで「総力戦と呼ばれる戦いを定期的に実施していた。
その中において、ケセドはミレニアム近郊に出現し、数多くのオートマタやドローンなどの兵力によって攻撃を実施っしていた。
そして、ケセドが活性化する兆候が、シャーレにて観測されたのが、数日前の出来事だった。
先生"やぁ皆。集まってくれてありがとう"
ミカ「やっほー先生っ~!お待たせ!私たちを呼んで、今日はどうしたの?」
セイア「全く、先生に会えるからと言って、今はそれ程はしゃぐべき時ではないと思うのだがね、私は」
ミカ「何もーセイアちゃん、相変わらずノリ悪いんだから。セイアちゃんは嬉しくないの?」
セイア「ミカ。何も私は先生に会うのが嬉しくないとは一言も言っていないのだがね。先の台詞というものは、その当人をよく理解して……」
モモイ「相変わらず難しい話しているよねーミドリ。でも、やっぱり二人とも仲良しだねー」
ミドリ「お姉ちゃん、明らかにアレ喧嘩する流れだよ?止めないの?」
モモイ「まぁ、喧嘩するほど仲が良いっていうし、大丈夫大丈夫!」
ミドリ「もう、お姉ちゃんたら……」
ミカ「あーもうセイアちゃんのわからずや!ひどいなホント!ミドリちゃんもそう思うよね!?」
ミドリ「あ、えっ。わ、私……?」
ミカ「ひっどい!さっきまでの話聞いてなかったのー!?」
先生"まぁミカ、落ち着いて。……今日集まってもらったのは他でもない、デカグラマトン鎮圧のための、総力戦を行うよ"
セイア「予知を見るまでもなく、この面子だったらそうだろうね。相手はまた、軍勢を操る慈悲の預言者かい?」
先生"うん。今回戦ってもらいたいのはケセドだ"
ミカ「あの機械工場、また行くの?先生のお願いなら断れないけど、あそこなんか油臭いんだよね……」
モモイ「また私たちがあの軍勢に向かって無双ゲームをすればいい感じ?」
先生"今回もみんなに頑張ってもらいたい。よろしく頼むよ" - 107二次元好きの匿名さん25/11/29(土) 00:46:27
このレスは削除されています
- 108◆uorq7ead4s25/11/29(土) 00:49:15
なんか誤字すごいな……すいません
ミドリ「はい、先生」
モモイ「今回も頑張っちゃうぞー!」
先生"それと、今回の総力戦では、彼女たちに後方支援をお願いしようと思っているんだ"
ささ、入って。という先生の声と共に、ヒジリとクミコ、そしてコノカが部屋へと入ってきた。
ミドリ「確かその人は……」
セイア「ほう……珍しい取り合わせだね。まさか、殺し屋キュウサイが今回は味方とは」
ミカ「ふぅーん」
ヒジリ「そ、その……、救災ヒジリといいます……よろしくお願いします」
皆様々な反応をするが、モモイを除く全員に共通していたのは『警戒』であった。
ミカ「ねぇ、先生のことを疑うわけじゃないけどさ……その子、本当に大丈夫?殺し屋キュウサイだよね、その子」
モモイ「殺し屋キュウサイ……ってえー!!あなた本当に殺し屋キュウサイなの!?……こう、もっと、デッドハザードに出てくるみたいな大男かと思ってた!」
ミドリ「お姉ちゃん……!」
ヒジリ「あ、あはは……よく言われます」
セイア「とはいえ、既に殺し屋そのものは引退した、と聞いているが、その実は如何なものかね……」
ヒジリ「ええと、話せば長くなるんで割愛しますけど……今は別の殺し屋キュウサイのたくらみを阻止するために活動しています。そして今回は……」
セイア「預言者との戦いの折に乱入してくる、と。そう睨んでいるのかい?」
ヒジリ「……そう思っていただければ」
先生"ヒジリ達には、殺し屋キュウサイの対策をとってもらう。ただ、みんなに意識してもらいたいのは、今回の一番の目標は、ケセドを鎮圧することじゃなくて、コノカを守り切ってもらいたいんだ"
ミカ「ねぇ先生、普通に考えたらいちいちケセドと戦う場に殺し屋キュウサイの標的を連れていくのはさ、逆に危なくない?」
クミコ「それが、そーも言ってられないんですよねこれが。今回の殺し屋キュウサイは凄腕のハッカー。おまけにキヴォトス全域にハッキングすらできるかもしれない可能性があるんすわ。だからどっちみちどこに逃げようと、危ないのは変わんないってわけなんすよ」
ミカ「そ。でもケセド相手だったら、余計に操れる兵力が増すんじゃない?だったら余計に危ないよ?」
クミコ「それも考慮済みです。寧ろ、今回の戦いでは殺し屋キュウサイにどれほど多くの存在を操らせるか、ということが肝になってくるんで」 - 109◆uorq7ead4s25/11/29(土) 00:52:55
- 110二次元好きの匿名さん25/11/29(土) 09:23:33
期待の保守
- 111◆uorq7ead4s25/11/29(土) 16:28:41
ミカ「それ、どういう意味?」
クミコ「言った通り。とにかくえー皆さんにはですねー、いつものようにケセドをボコボコにしてもらえればと思いますー」
セイア「説明もなしに協力してくれ、とは些か品位に欠けるね。ミカではないが反感を買う人間がいてもおかしくはない。その上で聞くが、何故理由を話さない?」
ヒジリ「まぁそれは……こっちにも事情があるってことで」
クミコ「そーゆ―ことです。まぁ理解してもらおうとは思ってないんで、すべてが終わったらウチを煮るなり焼くなりしてもらって―」
先生"私からも、お願い。この作戦に協力してもらいたい"
ミカ「……まぁ、先生がそこまで言うなら」
実は。この作戦の全貌を知っているのは、この場ではクミコだけであった。
ヒジリであっても、作戦で『何をしてもらいたいか』まではあの場で説明されたが『何故そのことが必要なのか』までは知らされていなかった。
その理由もあるにはあるのだが、今は伏せさせてもらう。 - 112◆uorq7ead4s25/11/29(土) 16:40:21
ミレニアム郊外。
閉鎖された工場地帯。
無数のオートマタ達が警備するこの場所に、シャーレの精鋭部隊4人は来ていた。
モモイ「えーっと……難しいことはわかんないけど、とりあえずこのヴァルキューレのコノカさんを守りながら、いつものようにケセドをやっつければいいってことでいいんだよね?」
先生"要約するとそうなるね"
モモイ「なら決まりだね!さっ、皆でケセドをやっつけに行こっ!」
セイア「君はどんな時でも相変わらずだね、モモイ。君のそういった点が美徳でもあり欠落でもあるのだから、私は大切にするべきだと思うよ」
モモイ「……?(宇宙猫状態)」
ミドリ「多分お姉ちゃん、何言われたのかよくわかってないと思います……すいません」
セイア「いいんだ。あくまでもこれは本筋とは関係のない余談、過ぎ去る時に置いていく」
ミカ「よくわからないこと言ってないで、行くよ!」
セイア「あぁ、ミカ。君はどうしてそう、余白というものを楽しもうとしないんだい?」
ミカ「と、り、あ、え、ず!いつものようにサポートお願い!」
ミドリ「そう言えば、先ほどブリーフィングに参加していた三人はどこへ?」
先生"コノカは私と一緒にヘリに乗ってもらっているよ。ヒジリとクミコには別行動をしてもらうよ。ただし、皆のサポートもしてもらうから安心して"
セイア「そうか……お手並み拝見、と言ったところだね。殺し屋キュウサイと、今回の作戦立案者、果たして、どのように駒を動かすのだろうね」
先生"それじゃあ……総力戦を開始するよ"
先生の言葉を口火に、オートマタと生徒たちの銃火が交わる。
が、戦って暫くしてみな違和感に気付く。
ミカ「あれ?なんかさー、今回の敵、皆弱くない?」
モモイ「なんかそうだね。いつもだったらもっと激しくこっちに撃ってくるはずなのに」
セイア「……成程。皆、先生の乗っているヘリを狙っているということか」
ミドリ「それって……お姉ちゃん、油断してないでとっととやっつけるよ!」
モモイ「え、どういう意味!?」
ミカ「要は皆あのヘリを狙っているからこっちに弾が飛んできていないってこと!モモイちゃん、急いでやっつけるよ!」
モモイ「えっ!大変だ!」 - 113◆uorq7ead4s25/11/29(土) 16:41:41
ミカ達シャーレ部隊の一行は一刻も早くオートマタを倒すべく、攻撃を開始する。
幸いなのは、一発でも銃弾を当てればオートマタのヘイトをこちらに向けることができた点だった。
先生"ヘリにホバードローンが向かってきている、モモイとミドリはそっちをお願い!"
ミドリ「了解先生!……それにしても、数が多い!私達今まであんなにたくさんの敵と戦ってきたっけ?」
ミカ「あーもう!ミドリちゃんの分を引き受けるの地味にめんどくさい!セイアちゃん、いつもの!」
セイア「飲食店のような言い回しで言われるのは些か癪だが……。頼んだよ、ミカ」
ミカ「合点承知の助!」
セイアのヘイローが輝きを増し、天から光がミカへと注がれる。
光を纏ったミカのヘイローがより一段と輝きを増し、大地にその強大な神秘が伝播する。
Quis_ut_Deusの銃口から、星と見まごう眩い光が、敵の軍勢を蹴散らし、爆発四散させる。
ミカ「おまけ、いっくよー!」
更に、天から無数の隕石を振り落とし、敵の第一波を文字通り塵に変えた。
ミカ「ふぅ。まずは第一波、突破かな」
セイア「……待てミカ!何か来る!」
同タイミングで一つ目の隔壁が開かれた瞬間、無数のロケットランチャーの弾頭がヘリに向かっていく。
ミカは当然弾頭を撃ち落とそうとするが、山のようにそびえるゴリアテに阻まれる。
ミカ「あーもう邪魔!モモイちゃん、ミドリちゃん!お願い!」
モモイ「まっかせてー!」
モモイのヘイローが輝き、無性にモモイは腹が立ってくる。
モモイ「うにぎゃあああああっ!私の生みの苦しみを知れえええっ!」」
ユニーク・アイデアを乱射し、いくつかの弾頭を墜落させる。
モモイ「ミドリ、行ける!?」
ミドリ「任せて、今ちょうど片付いたところ!」
呼応するかのようにミドリのヘイローが輝き、モモイが撃ち漏らした弾頭を的確に射抜いていく。 - 114◆uorq7ead4s25/11/29(土) 16:45:34
が、またも弾頭がヘリへと向かっていく。
二回、三回とやられると、幾分かは消耗してくる。
モモイ「あーもう!このままだとジリ貧だよ!」
ミドリ「確かに、ちょっときついかも……」
そしてついに、撃ち漏らしが出てしまう。
モモイ「そ、そんなぁ!」
ミドリ「先生、避けて!」
先生"ヒジリ、頼める?"
そう、先生が号令をかけると、銃声と共に向かってきていた弾頭が落とされる。
ミカ「あれって、確か殺し屋キュウサイの……!」
セイア「救援助かる。ところで、君たちは一体どこへ?」
ヒジリ「あー……私達も交戦中、そんなところです」
ヒジリ、そしてヒジリに守られる形でノートパソコンを操作するクミコは、無数のオートマタ達に囲まれていた。
クミコ「ごめんねヒジリちゃん。こうなっちゃうのはわかってたけど、少しでも狙いを分散させたかったからね」
ヒジリ「いいんですよ。クミコさんの作戦に乗るって言ったのは私なので。とにかく、この調子で完全に破壊はせずに無力化していけばいいんですね」
クミコ「そそ。向こうも向こうで、今ケセドと戦ってくれているから、ウチらも負けてらんないね」
ヒジリ「はい。……出来る限り、やってみます」
クミコ「……さて、ウチもそろそろ本腰入れますか!」
クミコがノートパソコンのエンターキーを押すと、どこからともなく現れたドローン達が、ヒジリ達を囲んでいたオートマタ達を攻撃する。
ヒジリ「クミコさん、貴女やっぱりすごいです!」
クミコ「伊達にハッカーやってないっての。惚れんなよ、なーんて」 - 115◆uorq7ead4s25/11/29(土) 17:15:39
一方で、最後の障壁を突破したシャーレ部隊は、ついにケセド本体へと辿り着いた。
そこには、無数のコードで強制的にケセドへと接続したキュウサイ2の姿だった。
キュウサイ2「シャーレの皆様、ご足労いただきありがとうございます」
ミカ「あれが、今回やっつける殺し屋キュウサイ……?」
モモイ「なんかすっごいゲームのラスボスみたい!ねぇミドリ、スティールマンシリーズとかに出てきそうじゃない、ああいうボスキャラ!」
ミドリ「お姉ちゃん、今まじめな場面だからちょっと静かにしてて……」
セイア「ほう。……デカグラマトンの慈悲の預言者ですら、君は飼いならしたとでも言うのかい?」
キュウサイ2「厳密には、こちらのデカグラマトン、通称ケセドと呼ばれる個体は、わたくしが『購入』させていただきました」
ミカ「購入……ってケセドを買ったの!?」
キュウサイ2「えぇ。何か不思議な点でも?」
セイア「噂には聞いていたが……本当に金さえ払えば何でも売るのだな、君達のパトロンは」
キュウサイ2「ではお喋りはこの辺りで終わらせてもらいます。後ははい。わたくしの行うことに目をつむって頂ければ、わたくしは何も貴女達に危害は加えません」
ミカ「生憎だけど、先生からヘリにいるコノカちゃんを守れってお願いされているの」
モモイ「そーだ!世界の半分をあげるって言われても、私達は貴女の邪魔をするから!」
キュウサイ2「左様でございますか。でしたら……精々足掻くことです」
オペレーションケセド、その本当の戦いが始まる。
--CHESED*KILLER's SAVIOR--
DECAGRAMMATON BOOLEAN=FALSE
キュウサイ2「行きなさい、わたくしの下僕達よ」
先生"おそらく殺し屋キュウサイに操られているとしても、ケセド自体の本質は大きくは変わっていない。まずは製造されたオートマタ達を破壊してくれ!"
ミカ「来るよ、皆!」
モモイ「ラストスパート、頑張っていこう!」
ミドリ「行こう、お姉ちゃん!」
セイア「いつもの調子なら……ミカ、君は来るときに備えていてくれ」
モモイ「それまでは」
ミドリ「私達がこの場を引き受けた!」 - 116◆uorq7ead4s25/11/29(土) 18:53:08
モモイとミドリの連携によって、オートマタやドローンの群れをなぎ倒していく。
キュウサイ2「見事な連携ですね。ですが……わたくしの下僕達はまだまだ、満足しておりませんよ」
ヘイローが輝き、新たに増産された軍団が、一行を取り囲む。
ミドリ「来たよお姉ちゃん!」
モモイ「アイアイサー!まだまだ行くよ!」
そこに、ヒジリとクミコも、大量のオートマタの群れを引き連れて合流する。
キュウサイ2「おや、これはこれは先輩」
ヒジリ「2番目のキュウサイ……!」
クミコ「ウチもいるってこと、忘れないでほしいんすけどー」
キュウサイ2「おや、貴女でしたか。先程からこちらにアクセスしようとしている不届き者でしたか。目障りですので、貴女にも消えてもらうことにしましょうか」
クミコ「えらく語気強くなーい?そんなにウチに勝てる自信でもあるんすか?」
キュウサイ2「そうですね、ではこんなのはどうでしょうか」
キュウサイ2が手をかざすと、クミコが護衛用として引き連れてきたオートマタ達はすんなりとハッキングされてしまう。
キュウサイ2「残念でしたね」
ミカ「え、ちょっと!逆に敵増やしてどうするの!」
クミコ「だったら……!」
ノートパソコンを操作し、さらにドローンを追加する。
キュウサイ2「学習しませんね、貴女も。そんなことをしても、わたくしの手駒が増えるだけです。おまけに、先程から試しているクラッキングも無意味です」 - 117◆uorq7ead4s25/11/29(土) 20:14:16
クミコが呼び出したドローン、オートマタ達によって敵は増える一方だった。
ミカ「どういう、つもり!?貴女、向こうのキュウサイとグルなんじゃないの?」
ヒジリ「……とにかく倒し続けてください!今は、クミコさんを信じて!」
ミカ「言っておくけど、元々信用なんて私はしてなかったよ!」
セイア「こんな時に諍いはやめてくれミカ!……とはいえこのまま敵の軍勢を増やされるのも考え物だ。クミコ、と言ったね。私達は……いつまで耐えればいい?」
クミコ「……まだ、耐えてもらいたいっす」
ミカ「はぁ……わかったよ」
モモイ「うぅーっ!もう本当にしつこい!」
ヒジリ「……わかりました」
一同の戦いは激化する。
キュウサイ2のヘイトは完全に此方を向いており、通常のドローンやオートマタに加えゴリアテや砲台など、攻撃は激化していく。
モモイ「はぁ……はぁ……また?」
ミドリ「でもそろそろなんじゃないかな……」
攻撃を続けていくと、突如としてケセドの動きが止まる。
キュウサイ2「……これは!」
セイア「……ミカ、頼むよ」
ミカ「うん……行くよ!」
セイアとミカのヘイローが輝き、再び大地に銀河のような神秘の奔流が迸る。
ミカ「いっけぇ!」
ミカの放った渾身の一撃が命中し、大爆発を起こす。
キュウサイ2「……ですが」
ケセドの前には大量のオートマタ達の残骸の山が築かれていた。
ミカ「……嘘!」
キュウサイ2「ケセドの権能を使わずとも、わたくしはハッキングができるのですよ」 - 118◆uorq7ead4s25/11/29(土) 21:28:09
それとほぼ同時刻、ケセドがグロッキーから復帰し、再度オートマタ軍団を製造する。
キュウサイ2「さて、戦いを続けましょうか……いつまで、耐えられますかね?」
キュウサイ2が薄っすらと笑みを浮かべ、なおも攻撃は苛烈さを増していく。
ヒジリ「くうっ……!」
キュウサイ2「あぁ、いい気分です。なんとも愉快です。このケセドという預言者とわたくしはとても相性が良いようですね。このままならキヴォトス全域ですら、わたくしの手中に……!」
ミドリ「数が……!減らない……!」
モモイ「流石にこの辺りで増援イベントとかないときついかな……」
ケセドの軍勢を減らし、何度グロッキーにしても、同じようにまたケセド本体への攻撃は阻まれる。
気付けば、あたりはオートマタやドローンの残骸だらけになっていた。
ミカ「ねぇ……セイアちゃん、私達、何回ケセドに攻撃した……?」
セイア「……5回から先は数えるのをやめてしまったよ」
キュウサイ2「ほほほほほほ……!わたくしにひれ伏しなさい、わたくしは殺し屋……いいえ、この都市の支配者たりうるものです!」
モモイ「はぁ……はぁ……ミドリ、これ」
ミドリ「これ、最後のマガジンじゃん……!お姉ちゃんが使いなよ!」
モモイ「ううん。きっとこういうときはミドリの正確な射撃が必要になる、そんな気がするの、私。だからミドリが使って」
キュウサイ2「いえいえ。申し訳ありませんが、もう貴女方の相手をするのには飽きてきました。ですので……今見つけたこのプログラムを実行してみたいと思います」
5
先生"……まずい、何か来る!"
4
ミカ「まだ、まだ続くの!?」
セイア「どうやら、これで終わるらしい……」
3
ミドリ「このマガジン、使う必要なくなっちゃったね……」
モモイ「まだ、まだあきらちゃ駄目だよ!」
2
ヒジリ「……クミコさん!」
1
その瞬間、クミコはにやりと口角を上げるのだった。 - 119◆uorq7ead4s25/11/29(土) 21:50:04
クミコ「間に合った……!」
ケセドが赤い波動を放とうとするその瞬間、急に波動が止まる。
キュウサイ2「え……何が、何が起きたんですか?」
それだけではない。キュウサイ2の元でハッキングしていたすべての機器が、動作を停止した。
そして、キュウサイの目から、鼻から、耳から、ぽたぽたと血が垂れていくのであった。
クミコ「……皆さん、ありがとうございました。これでオペレーション・ケセドは成功目前っす」
ヒジリ「本当、ですか?」
ミドリ「え……?何が、何が起こったの?」
クミコ「……端的に言えば、このオペレーション・ケセドは、殺し屋キュウサイにDOS攻撃をして、ハッキングという機能を潰す為の作戦だったんすよ」
モモイ「どす攻撃?うーん……よくわかんないけど、どういうこと?」
ミドリ「あの、確かDOS攻撃って特定のサイトとかにいっぱいアクセスすることで、サイトとかを落としちゃう攻撃のこと、ですよね?」
クミコ「ご名答。だからウチはあえて大量のドローンやオートマタを連れてきて、ハッキングさせた」
ミカ「でもそんな回りくどいことしなくても、よかったんじゃない?」
セイア「それにも、何らかの理由があったんだろう?なぁ、クミコ」
クミコ「そうっすね。……これでチェックメイトっす」
クミコはヒマリへと電話をかけ、安堵した表情でヒマリと話し始めた。
クミコ「ヒマリ元部長」
ヒマリ「その声からすると……よく頑張りましたね、クミコさん」
クミコ「頑張ったのはウチじゃないっすよ。ここにいてくれてる皆のお陰……それより、事前に打ち合わせしたことは?」
ヒマリ「えぇ。予めキヴォトス全域に網を張っていましたので、今の瞬間付近に動作を停止したロボット、ドローンの回収に移ります。チーちゃん、すいませんがお手伝いをお願いします」
それだけ言うと、クミコは電話を切った。
クミコ「……今までの殺し屋キュウサイ、彼女の手口としてはまず相手の施設に内通者を送り込んで、施設に細工、そして最終的に施設内を丸ごとハッキングする、というものだったっす」
ヒジリ「えぇ……まさか」
クミコ「そう、内通者ではなく、何らかのロボットやドローンを予めハッキングさせておいて、そこで細工をさせるっていうのが、真実だったんすよ」 - 120◆uorq7ead4s25/11/29(土) 22:18:53
クミコ「だからウチと元部長は一緒に考えたんすよ。本当に殺し屋キュウサイを止めるならば、内通者となる可能性のあるロボットやドローンも止めないと意味がないってね。あ、皆に作戦を話せてなかったのも、これが原因っす。どこで聞かれているのか、本当にわかんなかったんで」
キュウサイ2「だから……わたくしにあれ程の数のドローンやオートマタをけしかけたのですか……」
クミコ「そう。しかも今はデカグラマトンのケセドが活性化する時期。ケセドの兵力を持ってすれば、一人暗殺するの何て楽ちん。だから、ウチらはあえて『アンタにケセドを買わせた』んすよ。だから案の定、アンタは油断したし、慢心した。何せ、ハッキングに関してはとんでもない自身と実力を持っていたわけっだし、ハッキング出来るものがあるなら、どんどんハッキングしてくれる、そう踏んだんすよ」
セイア「……だがそれは、我々の戦力がケセドの、いいや。殺し屋キュウサイの苛烈な猛攻に耐えられることを前提とした作戦ではないか?」
クミコ「そうっす。だから、この作戦はそこが賭けだったんすよ」
ヒジリ「とにかく耐えてって言われたから耐え続けてましたけど……本当に賭けじゃないですか!」
クミコ「まぁまぁ、お叱りなら後でいっぱい聞いてあげるから」
ミカ「でもやっぱり納得いかない!そんな大事なことなら、やっぱり教えてほしかった!」
セイア「まぁミカ。彼女もで真実を隠し続けながら、殺し屋キュウサイとだけでなく私達の疑心とも戦っていたんだ。感服するよ、高橋クミコ」
クミコ「……ありがとうっす。それはともかく、とっととあのキュウサイを拘束しないと」
すると、キュウサイ2が気付かないうちに体中に繋がれていたコードを引き抜き、銃をこちらに向けているのを、ミドリは気付いた。
キュウサイ2「くううううっ!わたくしの完璧な計画を前時代的な方法で……!」
ミドリ「……危ない!」
ミドリの銃がキュウサイ2の手を貫き、銃を叩き落とす。
モモイ「あっぶなーい……。折角ラスボスを倒したのにバットエンドとか、洒落にならないからね」
ミドリ「お姉ちゃんの言った通り、このマガジン、必要だったね」
キュウサイ2「はは……ははは……」
キュウサイ2はすべての目論見がご破算となり、虚ろな目でケラケラと笑い始めた。
ヒジリ「……仇は取りましたよ、オオトモさん」 - 121◆uorq7ead4s25/11/29(土) 22:23:01
というわけで、本日のSSは以上です。
色々と仕事と重なり、更新が遅れてしまい申し訳ありません……
成功報酬として、dice1d10=6 (6) の分だけ、シャーレの追跡ダイス値が向上します。
現在の値は65です。
また、次回SS分のダイスを振って、今日は寝ます。
- 122◆uorq7ead4s25/11/29(土) 22:51:51
あの激闘の翌日。
唐突にアユムに呼び出されたヒジリ達。
アユム「昨日はお疲れさまでした」
ユイ「昨日はお疲れ様です。私もヴェリタスの皆さんとロボットの回収作業をお手伝いしてましたけど、凄い戦いだったって聞いてます」
ヒジリ「……きつかったですけど、得られるものは多かったと思います。何より……」
クミコ「……だよねぇ。ヒジリちゃん的には、ようやくオオトモさんの件について決着をつけれた感じだもんね」
ヒナ「私も加勢しに行った方が良かったと思うのだけれど」
クミコ「ヒナちゃんにはシャーレに残ってもらいたかったからね」
ヒナ「案外、貴女ふざけているようでいて物事を考えているのね」
そうした雑談が数分間続いたうえで、アユムが咳ばらいを一つし、一同の視線がアユムに向く。
アユム「おほん。というわけで本題に入らせていただきます。先生から、皆さんに2日間ほど休暇を、という通達が来ています」
ヒジリ「休暇……ですか?その間殺し屋キュウサイは……」
アユム「問題ありません。現在貴女方が捕縛した殺し屋キュウサイ達に事情聴取を実施し、情報の収集中です。加えて、ここ一週間殺し屋キュウサイの動きが見えず、こちらとしても手掛かりがない状態です。今後のことも考え、今のタイミングで英気を養うというのが狙いです」
ヒジリ「で、でも……」
ヒナ「ヒジリ、むしろこれは命令としてとらえた方がいいわ。……その気持ちは私もわかるところがあるけれど」
クミコ「いーんじゃない?今までヒジリちゃん働きづめだったし、少しぐらい休んでも罰はあたんないよ」
ユイ「私も、もう休んだ方がいいと思います。この前のオペレーション・ケセドもヒジリ、退院したばっかりであんなに戦ってたじゃないですか」
ヒジリ「わかり……ました」
アユム「それでは」
アユムのその一言を皮切りに、それぞれが部屋から出ていった。
……ヒジリ一人を残して。
というのも、ヒジリは休日の楽しみ方、といったものをすっかり忘れてしまっていたのだ。
ヒジリ(うーん……困りましたね。2日間暇な時間を過ごす、というのもちょっともったいない気がしますし……)
ヒジリ「ここは dice1d4=1 (1) と >>125 をしましょうか」
1:ユイのところへ行く
2:クミコのところへ行く
3:ヒナのところへ行く
4:安価 >>126
- 123二次元好きの匿名さん25/11/30(日) 07:48:47
とにかくハッキングさせまくって本体を自爆させたのか、すごいな
- 124二次元好きの匿名さん25/11/30(日) 17:17:35
任せた
- 125二次元好きの匿名さん25/11/30(日) 23:56:52
アキが生きていた頃に一緒に遊んだことのある遊園地に行く
- 126二次元好きの匿名さん25/12/01(月) 09:10:34
保守
- 127二次元好きの匿名さん25/12/01(月) 18:40:44
保守
- 128◆uorq7ead4s25/12/01(月) 20:50:53
皆様保守ありがとうございます。
では再び続きを、と言いたいところですが、まだ全然内容を考えられてません、すいません……
いまさらながら、ヒジリが自分の思っている以上に湿度の高い女だということが分かったので、まぁそんな感じの話にしようかなと思います
二日にいっぺん、という更新ペース、最近守れてなくてすいません……よくわかりませんがなんか妙に疲れやすくなってて……
気長に待っていただければと思います - 129二次元好きの匿名さん25/12/02(火) 00:50:24
- 130◆uorq7ead4s25/12/02(火) 08:06:10
そう言って頂けると有り難いです。
一応、全体的なプロットは出来ました。
多分明日明後日には投稿できそうなペースではあります。 - 131◆uorq7ead4s25/12/02(火) 17:03:01
保守ですー
多分今晩あたりには冒頭あたりまでは投稿できそうです - 132二次元好きの匿名さん25/12/02(火) 23:24:06
夜保守
- 133◆uorq7ead4s25/12/03(水) 07:34:54
昨晩ホスト規制のせいで投稿できなかった……
今から投稿します
そうだ、と私は手を打つ。
ユイとあの場所へ、アキとの思い出のあるあの遊園地へと行ってみたい。
そう思って、モモトークを開いてメッセージを書き込む。
「明日よければ、一緒に遊園地に行きませんか?っと……」
ここまで打って、最後に押す送信ボタンが、なかなか押せなかった。
……ユイにも都合があると思うし、もしもユイが裏で私のことを嫌ってたら?
……そう思うと、送信ボタンを押すのがちょっと怖かった。
ふと、スマホから顔を上げて目をやると、目の前に蜘蛛が。
ん?蜘蛛……
「うわぁぁぁっ!ビックリした!」
虫とかはそんなに苦手じゃないけど、目の前にいきなり現れるとビックリする。
そのままカサカサと蜘蛛は何処かに消えていったのを見送ると、私は再びスマホに目をやる。
……先程送ろうとしたメッセージが、送信されていた。
驚いた拍子に、送信ボタンを押していたようだ……
「……やっちゃった」
押してしまったものは仕方ない。
ユイからの反応を待つしかない、と私は部屋を後にした。 - 134◆uorq7ead4s25/12/03(水) 07:37:59
「ユイから返事来ないなぁ……」
自室のベッドに突っ伏しながら、私はユイからの返事を待った。
もう気が気じゃなかった。
もしもユイと一緒に遊園地に行けたら、という気持ちと、もしもユイから断られてしまったら、という2つの気持ちがせめぎ合って、もう滅茶苦茶だった。
思えば、アキと一緒にいたころも、アキから色々と誘われることのほうが多かった。
私からこうして遊びに誘う、ということ自体が初めてだったかもしれない。
そうこうして悶えてる内に、気付けば日が傾いていた。
「……やっぱり嫌かな。まぁ、それもそっか」
ふと、スマホを眺める目が霞む。
もう眠ってしまおうかな、とスマホを放り投げようとしたそんな時、モモトークの通知音が。
「えーと……いいですね!明日予定空けておきますね……って」
よかった。
ユイと一緒に遊園地に行ける!
今迄のソワソワした気持ちが、また別のソワソワした気持ちで上書きされていく。
「すぐに……すぐに準備しないと!」
ユイと集合場所と時間を決めた後、私は明日の準備を始めた。
いつもアキとどんなルートで回っていただろう、あの遊園地はまだあるだろうか、そんな事を考えながら準備をしていたら、もう寝る時間になっていた。
「ユイと……遊園地!」
小さい頃、遠足の前の夜ってこんな感じだったな、なんて思いながら、私は瞼を閉じた。 - 135◆uorq7ead4s25/12/03(水) 07:40:17
翌日。
ユイと遊園地の最寄り駅で待ち合わせていた。
ユイ「お待たせしましたー。ヒジリ、待たせちゃってすいませんね」
ヒジリ「ううん、全く待ってないんで大丈夫ですよ」
……実は楽しみすぎて、30分前も前に着いていたのは内緒の話。
ヒジリ「来てくれてありがとうございます。ユイと遊園地に行けるの、楽しみにしてたんです!」
ユイ「もう、大袈裟ですよ、ヒジリ」
ヒジリ「大袈裟なんかじゃないです、私本当に楽しみにしてたんで!」
ユイ「ふふっ、変なの。遊園地に遊びに行くだけ……あ、すいません、失言でした……」
ヒジリ「いいんです。ユイはよく友達と遊園地に行くんですか?」
ユイ「そんなにしょっちゅう行っているわけじゃないですけどね。でも友達と予定が合えば、皆で一緒に遊びに行ったりすることもありますね」
ヒジリ「へぇー。……友達、たくさんいるんですね」
ユイ「たくさん、ってわけじゃないですけど、友達はいますね。以前ヒジリに依頼した時の子たちとも、友達になりましたし」
ヒジリ「あ、そう、なんですね……」
なんだろう、ちょっとだけ寂しい気持ちになった、気がした……。
ユイ「……ヒジリ?」
ヒジリ「あ、ど、どうしました?」
ユイ「どうしましたはこっちの台詞なんですけどー」
ヒジリ「あっ!ひょっとして私のこと茶化してますね!もう!」
ユイ「だって、前も言いましたけどヒジリ弄ると反応が可愛いんですもん。ついつい揶揄いたくなっちゃうんですよ♪」
ヒジリ「かわ……そんなこと言ってると」
ユイ「殺しちゃいますよ?」
ヒジリ「がおーっ!……って人の台詞取らないでください!」
ユイ「ふふふ……可笑しいの」
そんな風に、二人で話しながら遊園地へと向かった。 - 136◆uorq7ead4s25/12/03(水) 07:41:25
歩くこと数分、私達は遊園地に到着した。
遊園地は……その、言い方を選ばないと……
ユイ「……静か、ですね。お客さんもあんまり来てないみたいです」
ヒジリ「あれ……?前来ていた時はもうちょっと人が来てたと思ったんですけど……」
寂れてしまっていた……。
ユイ「ま、まぁ、アトラクションの待ち時間がないのはいいことですし、入りましょうヒジリ!」
ヒジリ「あ、はい!」
なんというか、ちょっと思ったのと違った……。違う形になってしまった……。
気を取り直して、遊園地のキャラクターたちに出迎えられ、私達は遊園地に入った。
ヒジリ「あのキャラクター、カール君って言うんですよ。ここの遊園地の代表的なキャラクターなんですけど、おっちょこちょいなところがあるんですよ」
懐かしいな。小さい頃、アキと一緒にカール君と記念撮影してもらったっけ。
ユイ「あ、そうなんですね。あっちのキャラクターはなんていうんですか?」
ヒジリ「あの子は確かローラン君ですね。人気が高くて、一時期やってた人気投票ではカール君を差し置いて一位になったこともあるんですよ!」
そうそう。ローラン君のぬいぐるみ、人気でなかなか買えなかったんだよな。
最後の一個がアキとの取り合いになって、それで……
ユイ「へぇ……。ヒジリ、ここのこと詳しいんですね」
ヒジリ「はい!よくアキと……アキと来ていたので」
ユイ「……アキさんと一緒に来てたんですね。どうりで楽しそうだなって思いました」
ヒジリ「そんなに、楽しそうでした?」
ユイ「はい。とっても生き生きしちゃって。あんなヒジリ久しぶりに見たような気がして」
ヒジリ「……そう、でした?」
ユイ「はい。ヒジリ、案内お願いしてもいいですか?折角ですし、アキさんとよく行ってたルートでお願いしてもいいですか?」
ヒジリ「……それじゃ、ついてきてくださいね!」
ユイに手を伸ばし、その手をユイが掴んでくれる。
ユイ「はい、ヒジリ!」
それからユイとあちこちを巡った。 - 137◆uorq7ead4s25/12/03(水) 07:43:13
ジェットコースター。
ユイ「ジェットコースター、ですか。あんまり私、乗りはしないんですけどね」
ヒジリ「ん?なら止めます?怖い、なら別にいいですけどー?」
ユイ「……そういうのじゃないです。いいです、乗ります」
ヒジリ「ふふん、なら行きましょっか」
数分後、私は後悔することになった。
そう、私も実は背伸びしていたけど、このジェットコースターに乗ったことなんてなかった。アキは好きだからよく乗ってたけど……。
だから。
ヒジリ「ひいいいやあああああああっ!!たすけてぇええええええっ!!!」
ユイ「あははははははっ!!!きゃーっ!!!」
降りたころには、私は魂が抜けたような、ポカーンとした表情を浮かべていたと、ユイは言ってた……。
お化け屋敷。
ヒジリ「あ、お化け屋敷。一緒に行きましょっか?」
ユイ「いいですけど、私に霊感があること忘れてません?そんなにお化けは怖がらないですよ?」
ヒジリ「まぁまぁ。行ってみたら意外とってこともありますし」
かくして、お化け屋敷の中に入ったけれど……なんというか、思ったよりチープだった。
小さい頃はここに入るのも怖くて怖くて仕方がなかったはずなのに……おかしいなぁ。
ヒジリ「……あれ、あそこ」
ユイ「そうですね、お化けが出てきそうですね」
案の定、お化けがわっ!と驚かせてきたけれど、そんなに怖くなかった……
お化け役のスタッフさんの、あの気まずい表情が忘れられない……
お化け屋敷から出た後、近くのベンチに腰掛けて、感想を言い合った。
感想というよりはちょっとした文句みたいな感じになっちゃったけど……
ユイ「にしても、ヒジリの後ろにいたお客さんはすごい怖がってましたね」
ヒジリ「あれ?私の後ろにお客さんなんていました?」
ユイ「はい。……中年の方だったかな。凄いビクビクしながら……」
ヒジリ「……というか足音は私とユイ、それからお化け役のスタッフさんの分ぐらいしか聞こえませんでしたけど。……ていうことはまさか」
ユイ「……幽霊もお化け屋敷が怖いんですね」
ヒジリ「ひぃっ……」 - 138◆uorq7ead4s25/12/03(水) 07:46:02
一旦ここまで。
露店の通り。
ヒジリ「ここのポップコーン、結構美味しいんですよ。私のお勧めは小倉トースト風味です!というわけで、小倉トースト風味を一つ」
ユイ「なら、私もその小倉トースト風味……あ、やっぱりイチゴ練乳味で」
ヒジリ「イチゴ練乳……いつの間にこんな味出来てたんだ」
ユイ「ヒジリも食べてみます?」
ヒジリ「はい。折角なんで、私の小倉トースト風味も」
ユイ「……じゃあ、はい、あーん」
ヒジリ「え、ええっ!?ちょっと、そ、そういうのはカップルとかがやるものじゃないんですか!?」
ユイ「え?普通に私は友達とかとよくしますよ?まさかヒジリ……恥ずかしいんです?」
ヒジリ「い、いや恥ずかしいですって!……第一誰に見られているかもわからないのに……」
私、きっと今顔真っ赤になってると思う……。
だって、そんな私の顔を見て、ユイがすごくニヤニヤしてるもの……!
ユイ「なーんにも変なことはしてませんよ?なのにヒジリ、すっごく照れちゃってる……かーわいっ」
ヒジリ「……っ!」
ちょっとムッとして、ユイの差し出したポップコーンをぱくっと食べてしまった。
ユイ「どうです?美味しい?」
ヒジリ「とっても美味しゅうございました!……はい、あーん」
さっきの仕返し、とばかりに私もユイにあーんをしてみるけど、ユイは何の抵抗もなくすんなりと食べてしまった。
ユイ「……確かにヒジリがお勧めするだけはありますね、小倉トースト風味」
ヒジリ「あ、あれ?」
ユイ「だから言ったじゃないですか。友達とかとよくするって」
……なんかよくわからないけど、敗北感を感じた。 - 139二次元好きの匿名さん25/12/03(水) 16:55:09
小倉トースト美味しいよね(現実逃避)
- 140◆uorq7ead4s25/12/03(水) 20:47:59
僕もそう思います。てなわけで続きです。
そして、メリーゴーランド。
木馬に揺られながら、私とユイは緩やかな時を過ごしていた。
ユイ「なんというか、こうしてゆったりとしているのも、いいものですね」
ヒジリ「小さい頃は、アキとこうしてメリーゴーランドによく乗ってたんです。思えば、アキが一番この遊園地で気に入ってたのが、メリーゴーランドだったと思います」
ユイ「意外ですね。話に聞いてるアキさんって、結構活発なイメージがありましたから」
ヒジリ「はい、アキはイメージ通り活発だったと思います。日頃から、私のことを振り回して、逆に私がアキを振り回したりして。でも、このメリーゴーランドの上とか、夕陽を2人で見ているときとかに、時折とてもしんみりした顔をするんです。……それがどうしてなのかは、今となってはわかりませんが」
ユイ「……本当に、ヒジリはアキさんのことが大好きなんですね」
ふと、ユイがそう言葉を漏らした。
……思えば、ここに来てからずっと私はアキとの思い出を辿っていた。
私はずっと、アキとまた行きたかった遊園地に来て……そして。
……違う。
そんなことは思ってない。
ユイをそんな風に思ったことなんて……
違う、違うの……。
私はただ、ただここを楽しみたかっただけ……。
「ヒジリ?」
ユイ「ヒジリ!」
ヒジリ「……あ、あれ?」
ユイ「メリーゴーランド、もう終わりですよ」
ヒジリ「そう、でしたか……」
ユイ「体調、優れないんですか?やっぱり、ジェットコースターで……」
ヒジリ「いえいえ、き、気にしなくても大丈夫ですよー!さ、次行きましょう!」
- 141◆uorq7ead4s25/12/03(水) 21:41:46
とは、言ってみたけれど……。
心の何処かから、またあの声が聞こえる。
カール君のライドで、コーヒーカップで、広場のパレードで……
止め処なく、溢れてくる……。
ユイ「ふぅ、一通り回って、あとはこの観覧車だけですね、ヒジリ」
ヒジリ「そう、ですね……いつも、アキ、とは……最後に観覧車に乗ってたんです」
ユイ「それじゃ、行きましょっか」
普通だったら私がエスコートするはずのその道を、ユイに手を引かれ歩いていく。
観覧車のゴンドラが、ゆっくりと上がっていく。
ユイ「……この遊園地、寂れてるって言いましたけど、いい遊園地ですね。観覧車から見る、ライトアップされた景色も綺麗で……」
アキも、そうだった。
1日遊園地で楽しかったよねって、二人で話しながら、指差す先にはライトアップされたカール君やローラン君の銅像があった。
二人で、笑っていた。
アキと、二人で。
……やめて。
私はそんなこと、思ってないの。
思っちゃ、いけないの!
「ユイは、アキの代わりなの?」
ヒジリ「……っ!」
……私は、ユイのことをなんだと思っていたのだろう。
アキの代替品?
私の罪を責め立てない、私なんかを見てくれる都合のいい人間?
そんなこと思ってもいないのに、頭の中に、ずっとそんな声が聞こえてくる。
自覚した途端、無視できなくなる。
私の……私の中から……私の中から出て行ってよ! - 142◆uorq7ead4s25/12/03(水) 22:02:20
ヒジリ「……ごめんなさい」
ユイの顔を見るのが怖かった。
ユイは私に慈悲を与えてくれた。
私に、救災ヒジリとしてもう一度立ち上がる機会と、色をくれた人。
……だというのに、私の心から聞こえてくる、あまりにも心無い言葉。
ユイ「ヒジリ、思っていることがあるなら、言ってください。……それが、友達でしょう?」
この表情には、覚えがあった。
あの時の夕焼けと、ユイの涙と、アキの言葉が脳裏に蘇る。
ヒジリ「わた、しは……」
あぁ、ちゃんと話せない。
言葉より先に涙が出てしまう。
ヒジリ「わた、し……ユイを……アキだと……違うのに……違うのに……ユイは悪くないのに……」
ユイ「……しょうがないですね。今はゆっくりと、泣いてください。不安なら、ほら」
涙でぼやけて見えにくかったけど、ユイの手が差し出されたのはわかった。
……震える手を弱弱しく握って。
ヒジリ「……ユイ」
それから、私は自分の思っていることを全部話した。
ちゃんと伝わったのかどうかわからないけど、心の中に浮かんだ言葉を、全て。
ユイ「……なーんだ。そんなことでしたか」
ヒジリ「そんな、こと?」
ユイ「そんなこと、ですよ。でも、残念ながら私はアキさんの代わりにはなれませんよ」
ヒジリ「ち、違う!……私はユイを、アキの代わりって……」
ユイ「アキさんはアキさん。私は私です。それでも、ヒジリ自身が納得できないのなら、こう言います」
ユイ「いつまでも女々しいこと言ってないで、前向け木偶の坊!」
ヒジリ「……へぇっ!?」
突然のユイの大きな声に、少しびっくりする。
ユイ、こんな声も出せたんだ……。
ユイ「そんなこと望んでないって、アキさんも言ってましたよね!ヒジリはもっと『自分は幸せになっていい』って思うべきなんです!」
ヒジリ「……は、はぁ」
ユイ「それに最近、知った言葉があるんです。罪を憎んで人を憎まず。今のヒジリはこれをスローガンにするべきです!」 - 143◆uorq7ead4s25/12/03(水) 22:28:00
罪を憎んで人を憎まず……。
なんだか、その言葉を聞いて、少し心が楽になった気がする……。
ユイ「……実はこれ、先生からの受け売り、ではあるんですけどね」
ヒジリ「先生、から?」
ユイ「色々なことを教えてくれるんですよ、先生は。……この言葉も、いつかヒジリにかけてあげてって、教わったんです」
ヒジリ「そう、でしたか……」
ユイ「皆、変わってきているんです。……後は、ヒジリがヒジリ自身を許してあげるだけです。勿論、罪と向き合った上で」
ヒジリ「なんか、難しいですね……」
ユイ「難しくてもなんでも、簡単に言えば前を向いてください!またビンタしますよ!」
ヒジリ「あ、あああ前を向きますから!」
ユイ「……よろしい!それじゃ、早速ですけどお互いに敬語、取りましょうか」
脈絡はなかったけど、私は言われるがままに敬語を取って話す。
ヒジリ「……えっと、こんな感じ?ユイ」
ユイ「うまいじゃん、ヒジリ」
ヒジリ「なんか歯がゆいな……誰かとこうやってため口で話すのも、久しぶりだから」
ユイ「でもこっちの方が友達っぽくない?」
ヒジリ「……そう、だね!」
ユイ「ようやく、笑ってくれたね」
……そっか、今の私、笑ってるんだ。
ヒジリ「……ねぇ、私、今とっても幸せなの。……だからかな。初めてこんなこと思ったの……。死ぬのが、怖い。今まで、自分のことを死んで当然だと思ってた。あれだけの罪を背負っちゃったからさ……でも、今は。ユイ、嫌だよ……私、ユイと離れたくないよ……もう誰も殺したくないし、死ぬところを見たくないよ……」
ユイ「……もう、泣き止んだのにまた泣き始めて。まるで赤ちゃんだね」
ヒジリ「茶化さないでよ……私……真剣に話しているのに……」
ユイ「……大丈夫、大丈夫だからね。きっと、前を向き続ける限り、ハッピーエンドは訪れてくれるよ」
ヒジリ「私、頑張るね……だからユイ……私から離れないでね……約束、だからね……」
ユイ「うん、約束するよ、ヒジリ……」
もしかしたら、本当に誰でもよかったのかもしれない。
……でも、それがアキで、ユイでよかった、今はそう思うことにした。
そうして、私の友達との一日は終わるのであった。 - 144◆uorq7ead4s25/12/03(水) 22:30:01
- 145二次元好きの匿名さん25/12/04(木) 07:05:41
獣人さんかぁ
- 146二次元好きの匿名さん25/12/04(木) 16:32:55
危なげなく成功
- 147二次元好きの匿名さん25/12/04(木) 16:34:03
そういや今まで登場してきた獣人が(犬雄会系暴力団云々を差し引いても)犬ばかりなのはなぜだろう?
- 148二次元好きの匿名さん25/12/05(金) 00:32:44
このレスは削除されています
- 149二次元好きの匿名さん25/12/05(金) 08:34:37
保守
- 150二次元好きの匿名さん25/12/05(金) 17:50:57
- 151◆uorq7ead4s25/12/05(金) 20:39:53
皆様こんばんは。
現状まだプロットすら出来てないので、今日は投稿できません、すいません…… - 152◆uorq7ead4s25/12/05(金) 22:05:24
- 153二次元好きの匿名さん25/12/06(土) 07:50:32
保守
- 154二次元好きの匿名さん25/12/06(土) 17:22:18
ごゆっくり
- 155◆uorq7ead4s25/12/06(土) 20:57:28
ようやくプロットらしいものが出来た……
今日明日で投稿します - 156◆uorq7ead4s25/12/06(土) 22:59:34
冒頭だけ書けたので
ヒジリ「皆さんおはようございます」
クミコ「うぃーっす。ヒジリちゃん、その様子だとよく休めたみたいだね」
ヒジリ「はい、お陰様でリフレッシュ出来ました」
ヒナ「それは何よりね。それよりクミコ、貴女しっかり休んだの?目の下に深い隈があるけれど……」
クミコ「いやぁ~、TSCってゲームご存じ?あれのRTAの練習してたら、いつの間にか朝になっちゃって」
ヒナ「ゲームは私も昨日少しやったけど……そんなゲーム知らないわ」
クミコ「知る人ぞ知る、ク.ソゲー界のレジェンド……ヒナちゃんもいかがで?」
ヒナ「……貴女、変わったゲームが好きなのね」
ユイ「おはようございます」
ヒジリ「おはよう、ユイ。昨日は楽しかったね」
クミコ「おやぁ?お二人さんとも、より仲良くなっちゃって。ウチに内緒で昨日は何してたのー?」
ユイ「そんな大したことじゃないですよ、ただのデートです」
ヒナ「えっ……!二人とも、そういう関係だったの……?」
ヒジリ「ちち、違いますよ!遊園地で遊んだだけです!ユイも、そういうこと言わないの!」
ユイ「ふふん、でも楽しかったのは事実だよね、ヒジリ?」
クミコ「あー、タメだ。思いの外ユイちゃん×ヒジリちゃんのカップリングは進んでいると見た……」
ヒジリ「クミコさんまで茶化さないでください!」
アユム「……皆さん、おはようございます」
アユムが室内に入ってくると、今までの空気が嘘のように鎮まる。
アユム「そのご様子ですと、しっかり静養なされたようで何よりです。これからも、殺し屋キュウサイを撲滅するべく、貴女達の活躍に期待する、と先生より言伝を預かっております」
クミコ「あいあい。言われなくてもわかってますよ、だ」
ヒナ「それで、殺し屋キュウサイについての情報は得られたの?」
アユム「はい。皆さん向けにこちらの資料をご用意しました。現時点でわかっている、殺し屋キュウサイの情報がこちらになります」
アユムが用意した資料には、39番目から10番目までのキュウサイの情報が書かれていた。
ヒナ「……随分とよくまとめられているわね。殺し方から、出没地域まで。流石、連邦生徒会と言ったところね」 - 157◆uorq7ead4s25/12/07(日) 08:36:27
マコ「それ作るの、私達も手伝ったからお礼の一つもいただきたいんですけどー?」
何故かペロロの人形を抱えたマコが部屋へと入ってきた。
ヒジリ「マコさん!おはようございます。そしてそれは、確かペロロ、でしたっけ?」
マコ「まー本来なら矯正局で先輩同様死罪になってもおかしくないところを、今は一応殺し屋キュウサイの捜査協力ってことで目溢ししてもらってっから、協力拒否何てできないんだけどね」
ヒナ「それにしても、貴女ペロロが好きだったのね。私も詳しくは知らないけど、ファンがいるって話は聞いたことがあるわ」
マコ「ペロロ?あーこのキモい鳥の人形?ないない、私のセンスじゃないっての」
ペロロ?「キモイ鳥で悪かったなぁマコぉ。絶対いつかひーこら泣かせてぶっ殺してやるから楽しみにしてやがれ」
突如、ペロロの人形から声が出てきた。
クミコ「えっ、何それ!呪いの人形!?」
ペロロ?「誰が呪いの人形だとオタク女……」
ヒジリ「……あのー、ひょっとしてですけど……3番目の殺し屋キュウサイこと、伊集院マナさんですか?」
マナ「……お、おう、そうだよ……。オレだよ」
ヒナ「急に大人しくなったわね。それにしても、3番目のキュウサイがこのペロロの人形なの?」
マナ「んな訳ねぇだろ。2番目のキュウサイに殺された後、そこのユイって尻軽女とか、他にも霊媒師?みたいなやつの力で、今このペロロちゃんの中に入っているってわけだよ」
マコ「そういうことで、今はコイツの重りは私がしてるってわけ」
マナ「てか、いい加減離しやがれマナ!」
ぽかぽかとペロロ人形……もといマナがマコを攻撃するが、人形の体ではノーダメージであった。
マコ「はいはいノーダメノーダメ。いい加減諦めたら、マナさーん?」
マナ「……絶対殺す」 - 158二次元好きの匿名さん25/12/07(日) 18:18:08
妖怪…付喪神的な?
- 159二次元好きの匿名さん25/12/08(月) 01:35:14
物騒なこと言うじゃん
- 160二次元好きの匿名さん25/12/08(月) 01:40:02
- 161二次元好きの匿名さん25/12/08(月) 08:22:43
保守
- 162二次元好きの匿名さん25/12/08(月) 17:50:12
待機
- 163◆uorq7ead4s25/12/08(月) 21:31:57
マコ「まー茶番はこの辺りにして、その資料の補足説明と今後の方針について、ちょっと話すね」
マナ「茶番言うな、喧嘩吹っ掛けたのはお前だろ」
マコはそんなマナの小言をガン無視し、話を続ける。
マコ「とりあえず私達で持っているキュウサイの情報を一通り整理して、わかりやすくまとめたのがそれね。各自読んでて、このキュウサイってどんな奴?ってのが知りたかったら聞いてねー。たださ……」
アユム「依然として殺し屋キュウサイの活動は未だ報告されていません」
ユイ「今まで犠牲者の方々の思念などから、次の殺し屋キュウサイの情報を探ってきましたが……逆に活動しないことで情報が得られないのは、ちょっと皮肉ですね」
マナ「当然と言えば当然だがな。キュウサイの中でも2番目と3番目の奴を無くしたんだ、誰だって安易に手を出したくないだろう」
ヒジリ「とはいえ、このまま鼬ごっこを繰り返すわけにもいきませんし、ここは……」
マコ「そ。これからはこっちが先手を打って、襲われそうな人のことを護衛するって感じ。地道だけども」 - 164◆uorq7ead4s25/12/08(月) 22:32:58
クミコ「そーは言ってもさ、手掛かりなんてゼロだよ?どーやって殺し屋キュウサイの標的を炙り出すのさ?」
マコ「私は十分な情報提供をしたよ。これ以上はわかんないから、後はアンタ達で考えて」
クミコ「なんという無責任……。まぁしゃーないか。今からまたキヴォトス全域に網張るわー」
ヒナ「……あの子達(風紀委員)の仕事量を増やしたくはなかったけれど、仕方ないわね。私は一旦ゲヘナに戻るわ」
ユイ「あの、私達はどうしましょうか……」
ヒジリ「……仕方ないや。ユイ、私達は自分たちの足で情報を得よっか」
ユイ「足で、ですか?」
ヒジリ「私の殺し屋時代に使っていたツテを使おう。なんだかんだで、情報が集まるからね」
ユイ「わかった。私はヒジリと一緒に情報収集に向かいます」
かくして、それぞれが情報収集へと向かった。
まず、ヒジリとユイが向かったのは、以前の依頼で情報収集をしていたバーであった。
ヒジリ「というわけで、まずはここからですね。私が以前、情報収集で使っていたバーです」
店主「おや、サリちゃん。君のおかげでここはすっかり平和になったよ、ありがとうね」
ヒジリ「店主さん、お久しぶりです。お元気そうで何よりです」
店主「そっちの子はお友達かい?」
ユイ「はい、ユ……」
ヒジリ「ユウキって言います」
ユイ「あ、はい、ユウキです」
ヒジリ(事前に偽名使ってって言ったよね?ユイらしいと言えばユイらしいけど……)
ユイ(ヒジリ、ごめん……)
店主「ユウキちゃんね。で、サリちゃんがここに来たってことは、色々と情報を得る為に来た、そんなところだよね?」
ヒジリ「はい」
店主「君が何のために情報をそこまで欲するのかは、敢えて深くは聞かないけど、そう話した以上は、また店の手伝いをやってもらうよ」
ヒジリ「……それは、そうです、よね」
ユイ「どうしたのひ……サリ。顔を赤くして」 - 165◆uorq7ead4s25/12/08(月) 23:14:35
というわけで、またもバニーに着替えたヒジリ。
しかも今回は、ユイまで一緒である。
客1「おやぁ?サリちゃんじゃないかい?久しぶりだねぇー!」
ヒジリ「あ、アハハどうも……」
客1「聞いたぜ、アンタがあのジャヴァを追っ払ってくれたんだってな、コイツは俺からの礼だ!」
またも谷間に札を突っ込まれるヒジリ。
ぐるぐる目になるヒジリと、犬のような唸り声を出すユイ。
ヒジリ「……ただの噂ですよ、というかお客さん、ここお触り厳禁です!」
ユイ「ヴゥー……ヴゥー……」
客1「はははっ!そっちの子は新人さんらしいが、初々しい感じがしていいねぇ!ほら君にも!」
ユイ「いりません!それよりヒジリにセクハラしないでください!気持ち悪いです!」
ヒジリ「ち、ちょちょっと!」
客1「いいねぇ!もじもじしてるサリちゃんとの凸凹コンビ感!」
ユイ「茶化していると本気で怒りますよ!」
ヒジリ「ユウキ、ちょっとバックヤード行くよ」
ユイ「で、でも……!」
いいから、とヒジリにズルズル引き摺られるユイ。
ユイ「ヒジリはあれでいいの!?明らかに胸触られてたよね!」
ヒジリ「あー、その……私はもう、慣れたから……ユイはその、極力抑えて、私とお客さんの話を聞いてもらえればいいから……」
ユイ「むー、ちょっと腑に落ちないけど、ヒジリが言うなら……。そういえば、ジャヴァ……って確かヒジリが殺した殺し屋だよね?」
ヒジリ「うん、以前私が依頼で。ここではあまり大きな声では言えないけど……。その時にもこのバーで情報収集したんだ」
ユイ「そういうこと……わかった。でも、ヒジリがあまりにも酷いことされていたら、その時は考えさせて」