高市早苗首相（2025年10月撮影）

　高市早苗首相は9日の衆院予算委員会で、物価高対策の一環で「おこめ券」の活用を提唱する鈴木憲和農相について「農水大臣が大好きなおこめ券」と指摘するひと幕があった。 【写真】おこめ券が大好きな農林水産大臣 　立憲民主党の山岡達丸議員との質疑で述べた。 　国から各自治体に配布される「重点支援地方交付金」の活用案の一環として、鈴木農相は「おこめ券」配布を提唱している。高市首相は、同交付金について「日本は基本的に地方自治を尊重する。重点支援地方交付金というのは、地方公共団体がそれぞれ地域の現状に合わせて使っていただけるお金」とした上で、「自治体によってはクーポンかもしれないし、電子マネーポイントかもしれない。また、農水大臣が大好きなおこめ券かもしれない。いろんなやり方があるかもしれない」と、おこめ券に言及。「それぞれ地域の実情に応じて取り組んでいただけるよう、予算を組ませていただいた」と述べた。 　一方、山岡氏は、おこめ券について「印刷や郵送コスト、さまざま余計にかかるといわれているが、不可解なのは（鈴木農相が）非常にそこ（おこめ券）にこだわる姿勢を見せておられること」と指摘。「農家もお米をつくっている方だけではなく、麦も大豆も野菜も、果樹や酪農、畜産の方もおられる。消費者にとっては、高いのはお米だけではなく、食料品全体が高騰している。お米だけということに非常に固執するのは、別の政策目的が混ざっているのではないかと疑ってしまうような、アンバランスなのではないか」と、鈴木農相の対応を疑問視。鈴木農相は「私が何か、コメだけにこだわっているのでは全くない。この場で正式に申し上げたい」と反論し、「おこめ券の配布だけでなく、電子クーポンやプレミアム商品券、地域ポイント、食料品の現物給付など、各自治体でできるだけ負担感が少なく、すみやかな実施がはかられる方法を選択し、進められることを期待している」と訴えた。 　これに対し、山岡氏は「お米だけにこだわっているわけではないというお話があったが、総理から『おこめ券が大好きな農林水産大臣』というご紹介があった。総理のおっしゃる通りなんですが」と皮肉を交え「私は、農相のさまざまや記者会見を見ていると、やはり非常に（おこめ券）にご執心であられるように見える」と述べ、高市首相の表現に“賛同”するように、鈴木農相の対応に疑問を呈した。