劇場版『わたなれ』の止まらぬ快進撃 中村カンナらキャスト陣の“ハマり役”をファン絶賛
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『わたなれ』中村カンナが演じる“ネオ陰キャ主人公”
ここ数年、“陰キャ”という属性を持つ女性主人公がちょっとしたブームになっている。古くは『私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!』のもこっちから始まり、『ひとりぼっちの○○生活』の一里ぼっち、『私に天使が舞い降りた!』の星野みやこなどなど。最近では『ぼっち・ざ・ろっく!』の後藤ひとりが記憶に新しく、また『機動戦士ガンダム 水星の魔女』のスレッタも陰キャ女性主人公の系譜と言えるかもしれない。 そしてこれらの陰キャ主人公たちを演じてきた声優は、ことごとく“ハマり役”と言われてきた。たとえば後藤ひとりことぼっちちゃんを演じた青山吉能は、あまりに陰キャ演技が堂に入り過ぎていて、同じような境遇を持つぼっち経験者にちょっとしたダメージを与えたほど。ともすれば“ヒロインとしてのかわいらしさ”からはかけ離れてしまうようなギリギリのラインを攻めた演技で、人々に衝撃を与えた。 しかし『わたなれ』の主人公であるれな子も間違いなく陰キャ主人公の系譜ではあるのだが、これまでの陰キャ主人公とは若干事情が異なっている。というのもれな子は、高校デビューして陰キャを隠している陰キャなのだ。 つまりれな子を演じるには、“陽キャっぽく振る舞う陰キャ”というフィルターを1枚噛ませてセリフを言わなくてはいけないことになる。これがれな子というキャラクターが持つ特殊性であり、ともすれば普通に明るい陽キャ女子の演技になってしまいがち。しかし中村は見事に“元陰キャが演じる陽キャ”という難しい役を演じ切っており、そのことが原作ファンに刺さって「れな子本人」と言われるほど評価されたのだろう。 具体的にはツッコミのセリフで思わず早口になったり、紫陽花のかわいらしさに圧倒されて若干“キモさ”がにじみ出てしまったりするシーンが思い浮かぶ。普通に明るく話している場面でも、“元陰キャ”ということを絶妙に感じさせる中村の演技が、れな子をれな子たらしめている。 また別の視点も付け加えておくと、百合ハーレムの主人公ならではの感情表現もかなりの完成度。最初は真唯に流されて交際しているだけだったところから、徐々にヒロインたちとのスキンシップに積極的になっていく……というれな子の欲望の移り変わりを見事に演じている。内心興奮が抑えきれなくなったときの上擦った声などは、一流のコメディ声優といった風格だ。 劇場上映版『わたしが恋人になれるわけないじゃん、ムリムリ!(※ムリじゃなかった!?)~ネクストシャイン!~』はTVアニメ版に続く第13話~第17話の特別編集版で、12月11日まで上映が行われる予定だ。ぜひ劇場まで足を運んで、これまでの陰キャ主人公とはひと味違う、ネオ陰キャ主人公の演技を味わってほしい。
キットゥン希美
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