【ポケモン】人生を安価で decide…エンジョイエンジョイね【転生掲示板】 作:ユフたんマン
アンカーという男は私にとっての初めての壁と呼べる存在であった。
自分で言うのもあれだけれど私は優秀だ。それも小さな頃から。
バトルも、勉強も、運動も、料理も大抵の事は軽くこなせてしまう。そんな私を近所の子供も大人も煽てに煽てあげた。
そんな環境で育てられた私は当然ながらダーテングのように鼻が伸びきっていた。
私は他の人達と違う、特別なんだと。
そんな鼻が折られたのはアンカーのやつがキタカミに訪れた時だった。
余所者が嫌いだった私は難癖をつけ勝負を仕掛けるもすぐさま簡単に返り討ちに。
こんな経験は初めてだった。
その後は何とか平静を装ってはいたが、1人になった布団の中で絶対に次は私が勝ってやると屈辱に身を震わせた。
まぁそれはすぐにアンカーの馬鹿のせいで心配に変わったんだけど…
常にあいつは私の前に行く。私がキタカミでポケモンを育てている中、世界でもトップクラスの難易度を誇るセキエイリーグを完全制覇、果てにはマスター道場という元チャンピオンが経営している道場で免許皆伝を成し遂げる。
感化された私もレッドさんやグリーンさんに教えを乞い、シンオウリーグを殿堂入りするもそれは後追いでしかない。
入学してからもそうだ。あいつはすぐにブルベリーグを制覇し、僅か1週間でチャンピオンになった。
その時の私はまだランキング3桁、あいつとの大きな差を見せつけられる。
長々と語ったが結局私があいつに、アンカーに抱く思いはたった一つのシンプルな思い。勝ちたいという闘争心のみ。
私はあいつを負かせてやりたい、超えたい。私という存在を理解らせてやりたい。
私にとってあいつは壁だ。鬼が山よりも高く聳え立つ大きな大きな壁であり、超えるべき目標だ。
誰よりも先に、私があいつを超えてやるわ。
私はあいつのライバルなのだから。
だから私はアンカーのやつがガラルのジムチャレンジを追うためにチャンピオン権限を使い休んでいるこの1ヶ月、寝る間も惜しみ吐く程ポケモンを調べあげ、鍛え上げた。
セキエイリーグの戦闘記録も調べ尽くし、あいつが帰ってくる前日に四天王も全て倒し切った。
帰ってきたアンカーをエアームドタクシーの乗り場で仁王立ちで出迎える。
今日、私はあいつを超えてやる!
「おかえりなさいアンカー。いきなりだけどチャンピオンチャレンジよ。受けて立ちなさい」
「あー、すまんゼイユ…受けたい気持ちはやまやまなんだが1ヶ月休んでたから先生たちに色々と手続きがあるんだ。明後日まで待っててくれねーか?」
私はズッコケた。
▽▽▽
2日後、約束通りアンカーとのバトルが始まる。相手の場のポケモンはランターンとゲッコウガ。
ゼイユの場はミロカロスとサーナイト。
「(よしッ!読み通りッ!!)」
サーナイトの特性トレースが発動。これによりサーナイトの特性はランターンの特性、蓄電へと上書きされる。
「波乗り展開!」
「させないでミロカロスッ!封印!」
ミロカロスの封印が展開されかけていたランターンの波乗りを防ぐ。
「よし!ハマった!」
ゼイユの作戦、それはランターンの完全封殺コンボ。展開される波乗りにほぼほぼ必中の雷、そしてタイプ相性無視の放電。もっともアンカーの手持ちで厄介なポケモンがランターンだ。
過去の戦闘データからゲッコウガの次に初手に出す割合が高い。それ故の初手ランターンの一点読みによる封殺コンボ。
蓄電で電気技の無効化、封印による波乗りの無効化。
ランターンを抑えなければまず勝ち目は無い、そう考えたゼイユが考え抜いた秘策であった。
「(考えたな…ランターンを戻してもいいがゼイユもそれは対策済みだろう…)」
ランターンを戻せばゼイユもランターン対策の2匹を手持ちに戻すだろう。ランターンを繰り出せばまたこの2匹を出してくる。そうしてしまうとイタチごっこになりかねない。
それに…
「(それを正面から打ち破るのがチャンピオンだよな!)」
アンカーが動く。
「ランターンはSET!ゲッコウガは距離を詰めろッ!」
「らん!」
「コウガァ!」
「こっちも行くわよ!サーナイト、ムーンフォース!ミロカロスはハイドロポンプで援護よ!」
ゲッコウガが一陣の風となり、目にも止まらぬ速さでサーナイトへと接近、すれ違いざまに水の小太刀で一閃。
その斬撃に顔を歪ませるもサーナイトは周辺を薙ぎ払うようにムーンフォースをブッ放す。
ゴリゴリと地面はえぐり取られ、サーナイトを中心とした渦巻きのような跡が刻まれる。
だが既にゲッコウガはいない。瞬時にその場から離脱。サーナイトから大きく距離を取り、ムーンフォースを余裕を持って回避。ついでとばかりに放たれたミロカロスのハイドロポンプも容易く小太刀で斬り裂く。
その後方ではランターンの雷がチャージ、雷撃を身に纏いバチバチとその身体をスパークさせる。
「ランターン、放てッ!」
ゲッコウガは首を傾ければ、そこをスレスレに雷が通過。サーナイトの脇をすり抜け背後のミロカロスへと迫る。
だがそれはミロカロスに届くことは無かった。
「テレポートか…!完全に対策してきたな?」
「もちろんよ…!あんたに勝つ為なら何だってしてやるわ!泣いて謝っても許してあげないわよ!覚悟しなさい!」
「怖いねぇ!」
蓄電をトレースしたサーナイトがミロカロスの目の前にテレポート。ランターンから放たれた雷を吸収しゲッコウガに斬られた傷が癒される。
「サーナイトッ!」
「サナッ!!」
次の瞬間、サーナイトのサイコパワーがゼイユと同調し、ゼイユの瞳にサーナイトのサイコパワーが宿る。
超能力者の共鳴を模倣したサーナイトとの擬似シンクロ。これによりゼイユとサーナイトの視界は共有される。
「ガンガン行くわよッ!サーナイト、テレポートッ!!」
「ゲッコウガッ!水の小太刀ッ!!」
サーナイトとゲッコウガ、両者が同時に動いた。
ゲッコウガの超スピード、サーナイトだけでは目で追うことすら難しい。しかしゼイユと視覚を共有することにより、第三視点からバトルコート全体を把握することが可能となった。そこから最適な場所を見つけ出し、足りない速度はテレポートで補い転移。
ゲッコウガの背後にテレポート、背中に押し付けるようにムーンフォースを炸裂させる。
「コウガァッ!?」
「まだだ!もっともっと速くッ!」
「コウ…ガァッ!!」
電光石火による速度の上乗せ、それはまさに神速をも凌ぐ、トリックルームによる時空の歪みすらも超越する超スピード。
それにサーナイトはテレポートで何とか死に物狂いで喰らいつく。
ゲッコウガの乱打をサーナイトはテレポートを駆使し回避、そのまま転移先からムーンフォースを放とうとするも、テレポートにより発生した僅かな空間の歪みに勘づいたゲッコウガが技を防ぎ水面蹴りを叩き込む。
「(まずいわね…ここまでしてゲッコウガ1匹に押され気味…!ミロカロスは技を封印で固定してるからゲッコウガ相手には有効打になり得ない…!どうするべきか…!)」
その時頭にサーナイトの念が流れ込む。
ゼイユは一瞬目を見開くも、グッと拳を握り込み覚悟を決める。
「いい顔だな…!だが、そろそろランターンを解放して貰うぜ!」
ランターンが再度、雷をその身に宿す。先程よりも膨大な雷撃を身に纏い、電磁浮遊により空を飛ぶ。
「やれ、放電ッ!!」
雷撃が、視界を焼き尽くすかのような極光がバトルフィールドを包み込む。タイプ相性すら無視する最強の放電がゼイユ達に襲いかかった。
「ッ…!!?よくやったわ!」
サーナイト、ミロカロス、共に健在。サーナイトは苦しそうにしているが蓄電によりほぼ無傷、ミロカロスは瀕死寸前だが、ゼイユを悲しませまいと持ち堪えたのだ。
「やられたらやり返すッ!倍返しよッ!!ミラーコートッ!!」
ミラーコート。それは受けた特殊技を倍にして相手に跳ね返すカウンター技。ミロカロスが残る気力を振り絞り雄叫びを上げる。ミロカロスの目の前に現れた光の壁が輝き凄まじいエネルギーを生み出され、そのまま放たれようとしたその時…
「力業・雷」
極太の雷が、ゴウッと爆音を轟かせ、ミロカロスを呑み込んだ。
「…は?」
違和感。真っ黒に焦げ付き戦闘不能となったミロカロスを呆然と見下ろしながらも、ゼイユの脳内は迅速に情報を纏めていく。そして辿り着いた答えは…
「さっきのが…最大出力の放電だと思ったか?違うな…あれは制御可能な出力の上限で放ったただの放電だ」
不敵に笑うアンカー。その前にはバチバチと帯電し浮遊するランターンとその影からドプリと這い出るゲッコウガ。
「仕切り直しだ」
まだ遠い。
サーナイト Lv72
トレーナーのためにブラックホールまで創るヤンデレポケモン。ゴヨウの戦い方を見てゼイユとの擬似シンクロを会得。視界を共有してテレポートで瞬間移動のように転移を繰り返し、気弾のようにムーンフォースをブッ放すドラゴンボールのような戦い方をする。サーナイトの優雅さは捨てました。
ミロカロス Lv73
耐久はピカイチ、波乗り封印型。
強化放電はギリギリ耐え切るも追撃の雷により瀕死。
ちなみに最後のミラーコートが決まっていたらランターンとゲッコウガが戦闘不能になっていた程には強力。まぁ撃たせるわけないんですけどね…
雷が力業だったのは通常の雷だとミラーコートにより生み出されたエネルギーに相殺される可能性があったため。
決してオーバーキルではない。
ゼイユ
1番強さの調整が難しい。当初の予定ではカキツバタと同等か下の予定だったが現在ではカキツバタの強さを超えてしまった。予定壊れりゅ〜!
今現在本気でアンカーに勝とうとしている生徒はゼイユのみ。
吐くほど努力して必死に怪物に喰らいついている。
ランターン Lv82
やはり1番書いてて扱いに困るポケモン。
当初はもうちょっとやられるはずだったのに結局力技で強引に突破しちゃった…一体どうやって戦わせればいいんだ…!!
こいつ対策のポケモンを考えることからバトルの全てが始まっている。
ゲッコウガ Lv75
こいつも扱いにくいポケモン。対応力が高いという設定を思いついてしまったが故に並の事では動じないポケモンへとなってしまった。初見のものでも今回の様に数度で対応出来てしまうまこーらみたいなやつ。
レベルがまだ低めなのが救い。
ユウリ&ホップ
ジムチャレンジの一年前には既にダンデからポケモンを譲渡済み。ゲームと違い一年前からポケモンを鍛えているという独自設定。