【ポケモン】人生を安価で decide…エンジョイエンジョイね【転生掲示板】 作:ユフたんマン
広大な自然が広がるガラル地方のワイルドエリア。
多種多様なポケモンが生息し、目まぐるしく変わる天候が美しくも恐ろしい危険地帯。
そんなワイルドエリアでガラルに生まれた新たなる英雄、そして新チャンピオンであるユウリは自転車に乗り大きな湖を横断していた。
「はい、じゃあ今からげきりんの湖の陸地が霧なのでフェアリータイプのポケモンを捕まえていきたいと思いまーす、わー!」
:げきりんの湖って危険地帯じゃなかったっけ?
:なんでポケモン使わず自転車で渡ってんの?
:チャンピオンだから大丈夫だろ
:こう見えて無敗のダンデ下したチャンピオンだぞ忘れんな
:ピンクだね
「げきりんの湖付近で出会えるフェアリータイプのポケモンはサーナイトやブリムオンあたりかな?」
ユウリはスマホロトムに身振り手振り片手運転で話し掛ける。
「トゲキッスとかいるといいなー。
鎧島の海も自転車で渡れたから大丈夫大丈夫!」
:何が大丈夫なんですか?
:あそこ海難事故率トップのサメハダーがうようよいるんですがそれは…
ユウリにカマスジョーやギャラドスが襲いかかるも、上空に待機していたアーマーガアが難なく撃退し、げきりんの湖対岸へと自転車を乗り上げる。
「よぅし、じゃあ探索かい「あれ?チャンピオンじゃん」うっひゃあ!!」
:なになに!?
:誰!?誰なの!?怖いよぉ!?
:うほっ、いい男!
ザパンッ!とユウリ背後、湖の中から飛び出したのは白と黒の髪の海パン野郎。水も滴るいい男。顔にはプライバシー保護の為にロトムによって自動でモザイク処理がなされているためブーメラン水着を穿いたモザイク男となり犯罪者臭がより香ばしくなっている。
「海ってでっけえんだぜ!」
「ここ湖ですけどッ…!」
:マジレス草
:えっっっ
:なんでワイルドエリアで泳いでんの?
:海パン野郎だから普通だろ
:全国の海パン野郎に謝れ
:この鍛え上げられた肉体美…その筋肉は我が友アンカーではないか?
:スケベすぎる…!
:海パン野郎だがこんな危険な場所で泳がないぞ
:手で目を隠してるけど指の隙間から筋肉watchしてるのバレバレ、かわいいかわいいね
「ななな…っ!?なんでこんな場所で泳いでるんですか!?危ないですよ!?」
「大丈夫大丈夫、ここのポケモンは人懐っこいからな」
「ギャシャーッ!!」
「あ!?危ないッ!!」
突如水面から飛び出してきたギャラドスが大きな牙を男に突き立てる。
ユウリはすぐさまボールに手をかけるも男に制止される。
「ほら、懐っこいだろ?すげぇじゃれついて来るんだよなここのギャラドス」
「えぇ…」
ギャラドスは男の腕に食らいつき、ビッタンビッタンと暴れのたうち回るが、男はその場から一切動かない。それどころかヨシヨシと反対側の手で顔を撫でる始末。
「そろそろ離れてなっと!」
男が力強く腕を振り抜くとギャラドスはそのまますっぽ抜け湖へと投げ飛ばされた。その光景にユウリも配信の視聴者達も皆ドン引きである。残当。
「…ところでここでは何を?」
ユウリは流した。
「いやぁ、俺ここでミロカロス捕まえるまで帰れま10してんだよな」
「ミロカロス…それって確か雨の日じゃ…」
「そう、だが水の中にはいるだろ?多分」
困惑するユウリの隣で、水に濡れストレートヘアーになっていた髪をタオルで水気を取る。
そして水気が抜けた髪は黒髪が天に向けそびえ立ち、白髪が雲のように揺蕩う。普段通りの髪型に戻った彼の名は…
「え!?待って待って…!?えっ!?嘘ぉ!?」
:は?
:何でガラルにいるんだよ!
:イッシュの学校通ってるはずでは?
:旅行?
:そりゃギャラドスくらい投げ飛ばせるわな
:やっぱり人間じゃねぇ!
「ア、アア、アンカーさん!!?」
世界に名を轟かせた男、ポケモンバトルのニューウェーブ、アンカーであった。
「俺のこと知ってんの?いやぁ、チャンピオンに知られてるってのは嬉しいぜ」
「ファ…ファファッ…ファンですッ!ずっと動画見てますッ!登録もしてます!」
「マジか、サインいる?それと同い年だしタメでいいぞ。俺もタメだし」
「いえ!それでもです!それにアンカーさんは先輩なので!」
「あー、そういえばマスター道場に最近入門したって聞いたな」
ユウリから差し出された色紙にスラスラと3匹の龍が縺れ合うようなサインを書いたアンカーはスマホロトムをユウリに差し出す。
「俺にもサイン書いてくれよ、スマホカバーに」
「もちろん!」
そうして受け取ったスマホロトムを裏返すとユウリは顎を外しかけた。
「こ、これ…!!?」
:元チャンピオンのマスタード、ピオニー、シロナにジムリーダーのナツメとクララのサイン、これの価値やばくね?
:国宝級だろ
:更にここにユウリのまで加わるのか…
:幾らだ?金なら幾らでも出すから譲ってくれ!
「なんて言うか…ここにサイン書くの凄い恐れ多い……ところでアンカーさんは何を?」
アンカーはユウリが呆然としている間にガサガサと近くにあったテントの中を漁っていた。そこから引きずり出したのは大きな鍋と、その中に入っている調理用具一式。簡易テーブルを設置し、そこに食料を置いていく。
「そろそろ飯の時間だからカレーをな。食うか?」
「食べますッ!!」
「お、おう…」
即答、返答のあまりの速さにアンカーは面食らうも、そういうのも嫌いじゃないと調理を始める。
ズガガガガガッ!!とげきりんの湖に響き渡る音。余りにも速い包丁さばき、私じゃなきゃ見逃しちゃうねとアンカーの近くから覗き込む。
「わ、私も何かお手伝いすることは…」
「なら野生ポケモンが近寄ってくるからそれの対処頼むッ!」
「了解です!」
それなら得意分野だとフンスと鼻から息を出し、モンスターボールを構えた。
待つこと数十分程。
突如風に乗り流されてきた香りがユウリの鼻腔を擽る。
「うう〜〜ん、この香りたまんな〜〜い!香ばしいスパイスの香りが食欲を唆る!」
スゥーと鼻で深呼吸。それを数回続けた。
「この匂いはじゃがいもオボンとマゴのみとマトマかな?一見甘いのと辛いのは合わないように思うけどそれは素人の考え。割合をしっかり考えて混ぜればそれはもうまるでエースバーンとインテレオンのちかい技の連携の如く美しく溶け合い美味しくなる。それにさっき机に置いてあったのはあらびきヴルスト、ヴルスト乗せカレーかな?それってヴルスト乗せカレーだね、好き好き大好き。いいね、王道を行く王道、こういうのでいいんだよこういうので。最近はホイップ入れたりキョダイパウダーを振りかけたりと変わり種が多いけどやっぱりこういう普通なものが1番美味しいんだよね」
鼻呼吸に全集中したことにより、ユウリの嗅覚はウインディすら凌駕する程に研ぎ澄まされる。だからこそ気付いた。スゥーッとまた鼻で深呼吸したと同時に、バッと何事かとユウリは勢いよく振り返る。
「(────……カレーの匂いが…消えた…?まさか!嘘でしょありえない…カレーは匂いが強い料理だ…!例え蓋をしたとしても完全に匂いをシャットアウトすることは不可能…ッ!それにアンカーさんは蓋をしていない…一体あの鍋の中で何が起こったと言うの…!!)」
そしてアンカーが両手でハートを作り、真心を込める。
そこからまるでピンクのレーザーのようなハート型の光線が鍋に注ぎ込まれ、爆発する。
「おあがりよ!」
「こ、これは…」
ゴトリと目の前に置かれたカレーを凝視する。
違和感、匂いがしない。
それをカレーと言うにはあまりにも透き通っていた。香りはなく、それは正に水であった。
:水じゃねぇか!
:はいおつかれ解散解散
:これ合成?いやライブだし…
:この人のカレー光り輝いてたりオーロラ出してたり現実味が無いんだよね。ユウリちゃんには正直な感想を言って欲しい
:チャンピオンはカレーガチ勢だから忖度は絶対しないぞ
「(けど!!)」
スプーンで掬う。まるで水のように透き通っており、カレー特有のトロミすらない。
だが…
「この視覚と嗅覚から得られる情報はこれはカレーじゃないと言っている。けど…私の魂がこれはカレーだと肯定してるッ!!」
パクッと口放り込む。
「何…これ…!!?」
口内にカレーを入れたと同時に、大爆発するカレーの強烈な香り。凄まじい勢いで充満し、口内を蹂躙するそれは正に香りのマルマイン!
「んぅうううっ!!」
それを不意に喰らったユウリは悶えながらも更にスプーンを進める。
「これは…!!なんなの!!ピリピリと突き刺すような辛味、けれどそれを程よくサーナイトの抱擁のように包み込んでまろやかにする甘み!正反対の味が絡み合い生み出されるハーモニー!これはマトマのみやマゴのみで出る味じゃない!
もしやこれって…!!聞いたことがあります!確かパルデア地方で眉唾物扱いされている伝説のスパイス!秘伝スパイスではッ!?ありとあらゆるスパイスを使用したカレーを食べてきた私だからこそ分かるッ!この深く、体の奥底から漲る力に、鮮烈でコクのある複雑な味!いっそ暴力的に思える豊潤な香り!こんなもの!秘伝スパイス以外存在しない!」
「御明答!俺が使用したスパイスは場所は言わないが命懸けの戦いをした森の奥地に存在した辛スパイスと甘スパイス!傷付いたポケモンの傷を癒し、更には膨大な力を与える非常に強力な滋養効果を持つ伝説の秘伝スパイスをふんだんに使用している!」
「はぁぁぁあんっ!!」
刹那、ユウリの服が弾け飛ぶ。
:見せられないよ!
:おいロトムモザイク剥がせ!
:えっっっ
:カレー食べた…だけだよね?
:それカレーなの?
:パルデア民なのにそんなスパイス知らない…
:なんで服が破れるんだ!?
「なんちゅう…なんちゅうカレーを食べさせくださったんですか…これに比べるとこれまで食べてきたカレーなんてコイキング以下や…!!」
アンカーがあらかじめ用意していた大きなバスタオルをユウリのエースバーンが肌を隠すように掛ける。それに包まりながら、そのままオボンのみを噛み砕く。
「あっふ!」
ビッグバン!オボンのみの果汁がユウリの口内に染み付いたカレーを押し流す。ピリリと刺すような辛味が一瞬で緩和され口内が、味覚がリセットされる。
ということはまたしても…
「♡♡〜〜〜ッ!!」
セカンドインパクト!まるでガルーラのおやこあいの如くユウリの舌をグロウパンチ。またしてもユウリの味覚は絶頂を迎え、激しく喘声を上げながらビクビクと悶える。これ以上配信で醜態を晒さない為に口を抑えるも、隙間から喘声が漏れ出る。
ヴルストを齧ると肉汁がプチュっと溢れ出す。ワタワタとこぼさないように咥え、ゆっくりと味わうように咀嚼する。
「淡白だけど…肉の旨みが最大限に引き出されてる…とっても肉厚でジューシーで、このあっさりとしたカレーに良く合う…それに凄く…大きいです…食べ応えがあります…ハフ」
「そのヴルストは出来損ないだ、食べられなくないし美味いがまだまだ改良の余地がある」
「向上心の塊だ……あっ」
カツンとスプーンが皿の底にぶつかる。夢中になり気づかなかったがいつの間にかカレーを全て食べきっていたようだ。
あっという間に無くなったカレーにユウリは寥々たる面持ちで空になった皿を見つめている。
「チャンピオン」
「…はい」
「おかわりもあるぞ」
「えっ、おかわりしてもいいんですか!?」
「遠慮するな、好きなだけ食え…」
アンカーはキラキラとした目で自身を見つめるユウリにニヤリと口角を上げる。
:あっ
:これ不味いのでは…
:これホントに美味しいの?
:ユウリはカレーに関してはガチのガチだぞ。カレーソムリエでもあるから滅茶苦茶評価は辛口
:でもそんなユウリちゃんがベタ褒めしてるこのアンカーのカレーって本物なのか…
:もしやいつもの投稿のやつCGでは無いのでは?
:非道な訓練が始まりそう…
「うめ、うめ、うめ、びゃあ゛ぁ゛゛ぁうまひぃ゛ぃぃ゛!」
カレーに脳を殺られ言語能力を著しく低下させたユウリに話し掛ける。
「無償でカレーを貰ったんだ、材料だってタダじゃない。お返しとして…これからすること…わかるよね?」
グッと握り拳を突き出して笑みを浮かべる。
「1つ問おう!カレーを振る舞われた代償には何が必要だと思うかね?そう、“恋バナ”だ!最近
「ふぇ!?は、はぁーー!?なんですかそれ!?別にゴニョゴニョとは…!!そんな!」
「わかる、わかるぞ。底抜けの明るさに困難に立ち向かい克服する芯の強さ!あとバトルの時に見せる普段の顔とのギャップ!」
「わかりますッ!!…は!?いや、違うんですこれは…!!」
「好きじゃないのか…?」
「いや、それは…ピーは大切で特別な…幼なじみです…けど…」
「ふ〜〜〜ん?もっと聞かせてくれよ!ガハハッ!キャンプカレー恋バナの幕開けだぁ!」
:ピーくんとは誰なんだー!?
:バレバレなんだよなぁ…
:いや、カレー女子会じゃ恋バナは定番なんだけどさぁ…
:一体何処のチャンピオンの弟なんだ…!?
「聞いてくださいよ!ピーったらこっちがどれだけアプローチしても…!」
「うーん、この純愛ぢから。あああ^^~~たまらねえよ~~ムゲン団とか存在してはいけない生き物だよマジで!」
:ムゲン団is何?
:距離感一気に縮まってて草
:これが恋バナの力ァ!
ついでにこの後滅茶苦茶バトルした。
アンカー
マスター道場に顔見せした帰りに安価。ミロカロスを捕まえるまで帰れま10を引いてしまい雨が降るまでキャンプ生活をしていた。
耐えきれなくなって「雨降ってなくても湖の中にゃいるやろ!」と湖に飛び込んだところにユウリと合流した。
ミロカロス♀ Lv50
描写なしでこの後捕まえられている。ナレ捕獲されたバスラオより可哀想。
ユウリ
作者の中では主人公勢の中でトップクラスぐらいの強さじゃなかろうかと考えている主人公。
今回は配信用のポケモン達だったためアンカーに敗北するも、本気パなら今のアンカーと同等か以上の実力。今後雪原等の追加コンテンツという伸び代も控えている恐ろしい子。
最終本気パはザシアン、ムゲンダイナ、ウーラオス、バドレックスとかいう最強クラスの禁伝準伝が加わる。何やこの厨パァ!!
エースバーンはホップから貰った卵が孵化した個体(ポケマス公式はユウ×ホプ推しと判明した)
ムゲン団
一昔前に流行ったホップがソニアと結ばれてBSSで脳を焼かれたユウリちゃん概念。知らない人はハーメルンでも投稿されているので面白いから見よう!
スマホロトム
プライバシー保護の匠。モザイクにピー音なんでもお任せ。流石、アンテナニョキニョキ洗脳スマホと落下防止機能が付いていない持ち辛そうなクソださスマホとは違うロトねぇ。
海パン野郎
ワイルドエリアにはいないが氷海でも渦巻きがよく発生する海域でもポケモンすら逆らえないほど海流の流れが速い海域でも幅広く分布しているやべー奴ら。