【ポケモン】人生を安価で decide…エンジョイエンジョイね【転生掲示板】   作:ユフたんマン

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【閑話】防犯

暗い。辺り一面が闇に包まれている。

草木も眠る丑三つ時、二人の男がマスター道場へと忍び込んでいた。

 

「手筈通りでやるぞ」

「おう」

 

小声で囁きあった二人は別行動を開始する。

 

一人はすぐさまコソコソととある一室に向かう。

目的はこの道場に住むアンカーのポケモン。

現代では絶滅したと言われていたイダイトウととある地方では伝説と呼ばれるウーラオスを狙っての行動であった。

その男達はポケモンハンター。違法にポケモンを捕まえ、盗み、金に変える国際シンジケートの一員である。

男は順調に廊下を渡り歩き、手持ちのマニューラと共に首尾よくアンカーの部屋へと侵入することに成功する。

ベットには膨らみがあり、寝息が聞こえる。遠目でじっくりと観察しながら慎重に近づく。

枕元にあるアンカーのモンスターボール。

 

マニューラが手を伸ばしたと同時に…

 

「(よし!いける!)」

 

ガシッとその腕が掴まれる。

 

「チッ!!起きたか!マニュー…ラぁ?」

 

いやいやと暴れるマニューラの両手両足を掴み、銃のように構え、口元を男の方へ向けて…

 

「…こおりのつぶて」

 

高速で両手両足をシェイク。不機嫌そうな顔を隠しもしないで男を睨みつけている。

 

「ウミャミャミャミャミャミャッ!!」

「ぐあーッ!!?」

 

そのシェイクされる振動で口からこおりのつぶてが零れ出る。それがマシンガンのように撃ち出され男に襲いかかった。

 

まともに食らった男は気を失いバタリと倒れ伏す。それを見届けたアンカーはベチャッとマニューラを地面に放り投げた。

 

「みゃぁ!みぃみゃぁー!みゃあーー!」

 

主人が気絶し、頭を抑えどうしようと泣くマニューラ。

アンカーはガシガシと面倒くさそうに頭を搔いてスマホロトムを耳に当てる。電話先は警察。

 

「みゃ!!」

 

意識が逸れた瞬間、好機と見たマニューラがシャドークローでアンカーに飛びかかる。

 

「うるさい」

 

またしても腕を掴まれる。抵抗しても振りほどけず宙ぶらりんの状態でアンカーに凄まれ涙目になる。

 

「…みゃぁ」

「眠いんだよ手間取らせんな」

「…みゃぁ」

 

震えながらも悲しげな声で鳴き、腕を開放されたと同時に男の横に正座する。冷や汗で顔を濡らし、ションボリとしてもう既に抵抗の意思すら見せない。

 

 

 

 

 

そしてもう一人は…

 

「くそ!なんだよこれ!」

 

男の身体に纏わり付くのは細い蜘蛛の糸。動く度に次々と蜘蛛の糸が絡まりつく。

 

「キリキザン!切り裂け!」

「ザンッ!」

 

男に纏わりつく糸を切断するキリキザン。だがしかし、状況は更に悪化する。

 

「ぐぅ!締め付けが強くなりやがった…!!何してやがる出来損ない!」

「ザ…」

 

再度切り裂こうと動くキリキザンであったが、人の気配を感じ戦闘態勢に移る。

暗闇の中から現れたのはクララだった。

 

「キャハ!ロープマジック成功ォ!糸が切断されても大丈夫なように細工してるから切っても無駄だよォ?先輩に教えて貰ったこのトリック凄ォい!バトルにも使えそう!」

「舐めやがってこのアマ!!キリキザン!辻斬り!」

 

キリキザンがクララに襲いかかるが、クララの横合いから放たれた拳がキリキザンを強襲する。

 

「エビワラー!インファイト!」

 

マッハパンチからのインファイト。不意からの弱点である格闘技。これにはキリキザンも堪らず戦闘不能となり、目をグルグルと回す。

 

「アハ!ありがとねェ、ボクシ先輩」

「そりゃあ先輩として後輩を守るのは当たり前だからな!それよりクララちゃん、今度一緒に出掛けない?」

「ごめェん、無理。調子乗らないで」

「ぐぅ!その可愛い顔に毒を吐かれるの癖になりそう…!」

「あ、あとその糸、私のアリアドスの毒の糸だからァ、早く降伏しないとじわじわ身体蝕んじゃうよォ?」

「ぐ…くそぉ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

警察に連行されるポケモンハンターを見送ってため息を吐く。

 

「今回で何度目だっけ?」

「5度目ですね…」

「眠い…!!眠すぎる…!!」

「アンカーちん荒れてるねぇ…マニューラに何したの?酷く怯えてたけど」

「ちょっとお灸を据えただけですよ」

「こ、こわ〜…」

 

アンカーの手持ちのウーラオスとイダイトウがメディアにて公開されてからこういった珍しいポケモンを狙うポケモンハンターや悪の組織の連中が後を絶たない。

 

「どうすれば減るんだろ…」

「あ、私にいい考えがあるよォ!」

 

クララから差し出されるスマホロトム。PokeTube、世界シェア1位の無料動画投稿サイトが映し出されていた。

再生されている動画は…

 

「ジムリーダーシャガのレスリング動画?」

「うぉ!ドラゴンポケモン投げ飛ばしてる…!?」

「なんかイッシュで悪の組織がいた時あったでしょォ?」

「プラズマ団だな、俺が小さい頃色々あって解体されたけど」

「プラズマ団の活動が活性化してた時期にこの動画出したらソウリュウシティの犯罪率が減ったんだって。プラズマ団がポケモンを投げ飛ばせるシャガさんを怖がって抑止力になってたみたい」

「ふーん、直接的じゃないけどこういうことが出来るぞっていう啓発動画ってわけねん、いいんじゃない?」

「俺そんなの出来ないっすよ?」

「は?お前がそれ言う?」

「アンカーちんは普段通りの修行風景を動画にすればいいよん」

「はぁ…」

「なんで先輩は自覚ないの…?」

 

 

 

 

 

 

 

【ウーラオスとスパーリング】 動画時間 2:42:30

 

ひたすらにウーラオスとスパーリングする動画。

 

コメント欄

『 嘘だろ?本当に人間?』

『 新種のポケモンでは?』

『 大体3時間ぶっ続けでスパーリングは草』

『 ウーラオス終盤ヘロヘロで草』

『 なんでポケモンの技を喰らってもピンピンしてるの?』

『 耐久値バグってて草』

『 アンカーくん最後まで息切れなし、怖い』

『 えぇ…(ドン引き)』

『 お前人間じゃねぇ!』

『 今ジム期間でなく時間が空いているのでお手合わせ願いたいのですがそちらに伺ってよろしいでしょうか?貴方から凄まじい武芸の魂を感じ取りました』

『 やはり今からでもリーグに来ないか?俺もワタルも皆君に触発されて鍛え直している!次相まみえた際は新たに鍛え抜いた格闘ポケモン達の力を示そう!ウー!ハー!』

『 アンカー氏、私とコラボしませんか?』

『 ずっと笑ってて怖い…』

『 この世界のバグ』

 

 

 

動画はバズって訪れる犯罪者が減り、代わりに入門者が増えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




マニューラ
元ドラゴン狩りの名手であり、今ではパオジアンの特性、技、ステータス共に完全下位互換。かつての栄光は何処へやら。
マニューラ使うくらいならパオジアンかオオニューラ使うよね?ってなる。
可哀想なマニューラ、ひとえにてめェが弱ェせいだが…
たまに禁伝環境に姿を現すが襷カウンター狙ってるの確定濃厚バレバレ。
ラスト一体のハチマキコライドンには無類の強さを発揮する。




アンカーのチャンネル
以降、登録者数が爆増したが特に投稿はしない。
たまにカレーを作る動画を投稿。オーロラが出るカレーや黄金に輝くカレー等を作るがCGを疑われる。
将来、新しく就任したとある地方のチャンピオンがこのチャンネルのファンだと公言しまた登録者数が爆増する。




次回【最終試練】
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