【ポケモン】人生を安価で decide…エンジョイエンジョイね【転生掲示板】   作:ユフたんマン

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前回に入れる予定だったため掲示板はありません


ベストウイッシュ

時は少し遡り、アンカーがオーガポンと1度別れた後の事。

鬼が山からダッシュで帰ったアンカーだが、待ち受けていたのは鬼と恐れられているオーガポンは何だったのかと思う程に恐ろしい顔をしたゼイユ。

ゼイユの背後にある部屋からブルブルと震えながらスグリがこちらの様子を伺っていた。

 

「こんな時間まで何処行ってたのかしら?」

「ちょっとお散歩に...おかしいなぁ〜書き置き置いてたはずなんだが...」

「今何時?」

「12時過ぎです...」

「もう一度聞くわ、何処に行ってたの?」

「いや、その...」

 

スッとゼイユが指を指す。そこにはアンカーの為に用意されたであろう朝食が並んでいた。

 

「次は無いわ。何処に行ってたの?」

「...鬼が山に行ってました」

 

余りの圧にアンカーは萎縮してしまう。あのガチグマと戦った時以上の威圧がアンカーに向けて放たれる。

 

「何をしに?」

「ちょっと気になったことがあって...」

「だからそれは何?」

「...うぅ」

 

アンカーはスグリに視線を送り助けてくれと懇願するもフルフルと可愛らしく首を振られる。アンカーが悪いから大人しく怒られて反省しろとでも言うかのように顔を引っ込めてしまった。

 

「言えないの?わざわざ私が珍しく手伝って準備した朝食を冷まして、ちょっとといいながらこんな時間に帰ってきたのに」

「この子と遊んでました...」

 

とうとうゼイユが放つ圧に耐えきれなくなったアンカーは観念したかのように懐からボールを取り出す。

 

ポンッと開閉音と共に、キラリと光る。

 

「わう!」

 

ポチエナが姿を現した。ただ通常のポチエナと違い、光を反射するキラリとした金毛のポチエナ。

ご主人を虐めるなと間に入って威嚇する。

 

「わや...ゴホンッ...この子...もしかして色違い!?」

 

ゼイユから放たれていた圧が瞬時に発散される。

それを察したスグリは部屋から飛び出てポチエナに近寄る。

 

「わやめんこいべ!」

 

さわさわとスグリが頭を撫でるとポチエナは気持ち良さそうに喉を鳴らす。

 

「綺麗な金毛ね...もしかしてこの子と遊んでたの?」

 

コクンコクンと振り子のように頭を縦に振る。

嘘は言ってない。

 

「わう!」

「人懐っこいわねこの子、ちょっと褒めたらすぐベロベロ手を舐めてきたわよ!」

 

わやーっとゼイユが撫でくりまわすと嬉しそうにひっくり返って腹を見せるポチエナ。

先程まで威嚇してた勇敢なポチエナは既にゼイユの指使いに陥落し、すっかり服従ポーズ。

そんなポチエナを撫で回しながら正座したままのアンカーに声をかける。

 

「この子どうしたの?色違いなんて私初めて見たわ」

「歩いてたら偶然見かけてな、つい衝動的にボールを投げて捕まえてきた」

「ポチエナって群れで行動するわよね...そんな簡単に捕まえられるってことは...」

「残酷だが...色違いの野生ポケモンならよくあることだな」

「ねーちゃんずるっこ!オレももっと撫でたい!」

「うるさい!今は私の番だからちょっと待ってなさい!」

 

ポチエナの放つアニマルセラピーに癒されるゼイユにチャンスと見たアンカーが畳み掛ける。

 

「ほら、昨日助けてくれたお礼をするって言っただろ?俺って水タイプ専門だし、ゼイユにどうかなって...」

「この子を私に...?」

「そうそう可愛いだろ?ゼイユにも似てるし」

「そうかしら...ちなみに何処が?」

「チョロいとこ」

 

ガッ

 

「前が見えねぇ」

 

悪口を言ったわけでは無いのにと言い訳がましく呟くもゼイユには届かない。

余所者に最初は当たりはキツいが直ぐに何やかんや絆されるゼイユと、褒められただけで直ぐに威嚇していた相手に腹を見せるポチエナ。アンカーからしたらどちらもチョロかった。

 

「いや、でも悪いわ色違いのポチエナなんて...助けたといっても運んだだけで特に大した事してないわよ」

「それでも助けてくれたことには変わらないだろう?運ばれてなかった朝まで誰にも気づかれず倒れてたかもしれないし、野生のポケモンに襲われていたかもしれなかった。助けられたのは本当だし凄く感謝している」

 

スッと人差し指を天に向ける。

 

「天啓もある、この子に相応しいのはゼイユしかいない...と。実際相性もかなり良さそうだしどうだ?無理にとは言わないが...」

「......そこまで言うのなら仕方ないわね。ポチエナ、私の所に来る?アンカーじゃなくて私でもいい?」

「わう!」

 

元気な返事にアンカーは一緒にカレー食った仲じゃん、ちょっとぐらい躊躇いとかないんか?とちょっとだけ傷ついた。

 

「そう、じゃあポチエナ、これからよろしくね」

「何だか押し付けた感じになってすまんな。どうしても俺と一緒に居ると危険に巻き込まれる」

「その突拍子もない行動を無くせばもう少し危険も減ると思うのだけど」

「天啓だ、無理だな」

 

ガハハと笑うアンカーにゼイユは呆れたとため息を吐く。

 

「ねーちゃんポチエナ貰ったんか?いいなー、オレもポケモンと一緒になりたいべ」

 

羨ましがるスグリ見たアンカーはちょいちょいとユキノシタを手招きして耳元で囁く。

それにユキノシタはOKのサインを送り許可の意を伝える。

 

「良ければスグリもこの子を貰ってくれないか?」

 

もう1つのボールから出てきたのはオタチ。オタチは初対面のスグリに警戒してアンカーの背に隠れてしまう。

 

「この子はポチエナを心配していたみたいでな、せっかくだから一緒に捕まえて来たんだ。だから出来ればポチエナの近くにいて欲しいんだ。スグリ、この子を引き取ってくれるか?」

「う、うん!オレで良かったら...!」

 

スグリは恐る恐るオタチに手を伸ばす。それに恐る恐る、オタチも近づいて行き、手を取りあった。

 

「ガハハ!こっちも似た者同士だな!」

「ありがとうにーちゃん!オレ、オタチとこれからけっぱるからな!」

 

嬉しそうに笑うスグリに微笑ましそうに笑い返すアンカー。

 

「まぁアンカーがこんな時間に帰ってきた理由は分かったわ」

「ああ!」

 

ダンッ!!

 

弾けたような音が耳元でなる。ゼイユの右腕がアンカーの背後の壁に突き立っている。所謂壁ドンの体勢。

 

思わずアンカーとユキノシタの喉からヒュッとか細い音が鳴る。

 

「今安心したわよね?」

「な、なんの事やら...」

「まだ隠し事...してるわね?」

 

ゼイユがクイッとアンカーの顎を持ち上げる。灰色の瞳と金色の瞳が交差する。

まるでアーボックに睨まれたコラッタのようにピクリとも動けない。

その光景を見たスグリとユキノシタはヒェエ!とその場から逃げ去った。

 

「目が泳いでる、嘘が下手ね」

「そんなこと...」

「これ以上隠し事するなら...このまま顎を砕いてやるわよ!!」

 

突如ガルルッ!と剥き出しになるゼイユの犬歯。先日の事を思い出したアンカーは顔を真っ青にする。

 

「お、鬼が山でぽにおと遊んでました...!!」

「ふーん...早く全部ゲロっちゃった方が楽になるわよ」

「ほ、本当だって、恐れ穴で一緒にカレー食べたし...」

「私の朝食を食べずにカレーを食べたぁ?」

「グゴゲゲゲ...!?」

「冷静に考えて朝からカレーってキツくない?」

「ガラルは3食カレーとかザラだから...」

「うわっ...」

 

顎をミシミシと鳴らされている最中にも関わらず、果敢にもスグリが2人の前に飛び出てきた。

 

「にーちゃん!!恐れ穴でポケモンに会ったんか!!?」

あっあお(会ったぞ)

「多分それ鬼様だべ!!きっとそうだ、今すぐ行くべ!!」

おうああ(そうかな)...おうあお(そうかも)...」

「喋らないで、振動が気持ち悪いわ」

ひふひん(りふじん)!!?」

 

ギリギリと絞められる顎。こうしてゼイユから制裁を受けたアンカーは、スグリに連れられて数時間ぶりにオーガポンと再会したのであった。

 

残っていた冷めてしまった朝食はアンカーが全部食べた。本人曰く冷めてても美味かったとのこと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▽▽▽

 

「もう行くのね」

「また遊びに来て欲しいべ」

 

最終日、キタカミの里から去るアンカーを見送りにゼイユとスグリはバス停まで来ていた。

 

「ああ、実家にも顔を出さないとな」

 

アンカーが持っている紙袋の中にはキタカミの里の名物である餅が大量に詰め込まれていた。

 

「またいつか来るさ絶対に」

「本当でしょうね?」

「ホントホント」

「あ、そうだ。2人はブルーベリー学園に入学する予定なんだって?」

「そうだべ」

「なんで知ってるの?」

「いや、おじいさんに聞いてな。俺も入学するからその時は仲良くしてくれよ」

「そうね、考えておくわ」

 

少しの静寂。

 

「「えぇーーー!!?」」

「そんな驚かなくても」

「そりゃ驚くでしょ!!もっと早く言いなさいよ!」

「にーちゃんと同じ学校さ通えるんか...楽しみだべ」

 

怒るゼイユと嬉しそうに笑うスグリ。いつまでも対照的な姉弟だった。

 

「イッシュに来たら今度は俺が案内してやるよ」

「あんたガラル出身でしょ?付け焼き刃で案内しようとしてる?」

「言ってなかったか?俺はイッシュ出身だぞ?」

「嘘でしょ!?」

「じゃ、じゃあ管理人さんがガラルから来るって言ってたのはなんだべ!?」

「まぁガラルから来たからな。修行に行ってる。マスタードって知ってるか?」

 

そんな問いかけにゼイユは首を横に振るが、スグリは大きく頷いた。

 

「テレビで見た事あるべ!昔のガラルのチャンピオンだったはず!」

「よく知ってるな、偉いぞ」

 

にへへと笑うスグリ。可愛い。

 

「そこの門下生」

「チャンピオンの弟子!!?」

「だからあんなにつえーのかにーちゃん!」

「なる前から強かったがな」

 

ブロロロとバスの音が聞こえてきた。別れの時間が来てしまったようだ。

アンカーはリュックを背負い直し、再度2人に向き合う。

 

「2人と会えて楽しかった。また会おう」

「にーちゃぁぁん!!またなぁ!!」

「スグ、イッシュの人との別れの時はこう言うのよ。ベストウイッシュ、良い旅を!」

「べすとうぃっしゅ?」

「ベストウイッシュよ、イッシュじゃ別れの時によく使うみたい」

「そうなんか!べすとうぃっしゅ!!良い旅を!!」

「ガハハ!ベストウイッシュ!!スグリ!ゼイユ!」

 

別れを告げる3人。3人とも姿が見えなくなるまで手を振り続けた。

こうして1週間滞在したキタカミの里、たった1週間だったが凄まじく濃密な1週間だった。(4日は遭難)

 

「次は何をしようか」

 

バスに揺られながらボールを指先で回す。

目を瞑り意識を向けるのは脳内に浮かび上がる掲示板。

そこでまたアンカーは安価する。

これからもアンカーの安価は続く。続くったら続く。

 

 




アンカー
スカーレットならホワイトフォレスト、バイオレットならブラックシティ出身。特にその設定が生かされることもない。
普通に朝ご飯を用意してくれていたゼイユに罪悪感を感じていた。それはそれとしてガチグマ以上に怖かった。
ちなみにオーガポンも水タイプやんけ!と仲間にするか安価したところ見事手持ちにしないを踏んでしまった。


ゼイユ
ポチエナが手持ちに加わった。一瞬でポチエナを屈服させる魔性の指の持ち主。
せっかくだし朝ご飯作ってキタカミのご飯の味を噛み締めさせてやろうと思っていたらまさかの昼まで帰ってこず。結果ブチ切れた。本気で怒ると詰めるタイプ。流石のアンカーも気圧された。


スグリ
オタチが初めてのパートナーに。
これから毎日のようにオーガポンの元へ通い詰める。
いつかオレの仲間になって欲しいなぁなんて思いながら。


オーガポン
やったねぽにお、友達が増えたね。
大切な人と過ごした洞窟をスグリに「暗いしせまいし地面もゴツゴツ……こんなところでひとりで暮らしてたらかわいそう」的な発言をされてちょっとモヤっている。
大切な人が殺された時に、怒りのままに暴れ回った事を何度も何度もかっこいいかっこいいと言われてちょっとしんどい。
1番酷いのはアンカーが運命の人は5年後に来ると予言しちゃったのでオーガポンがスグリの手持ちに入らない事が確定してしまった。
けど遊ぶのは楽しいので全力でスグリと遊ぶ。


ポチエナ
生まれたばかりに醜いだの散々同族に貶された。そんな自分を救ってくれたアンカーと褒めてくれるゼイユにはハチャメチャに懐いている。


オタチ
ポチエナはオタチの天敵でもあるが、それでも生まれたてのポチエナが酷い扱いを受け、捨てられたのを見てずっと心配して様子を見ていたガチの聖ポケ。アンカーが来なければオタチがポチエナを連れていき一緒に生活する事になっていた。


ユキノシタ
怒れるゼイユを見て一言「祖母が祖母なら孫も孫じゃな...」



次回【クラクラァ】
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