ベトナムのバイク「脱ガソリン」、シェア8割のホンダに打撃…政府が電動二輪普及を主導
【バンコク=井戸田崇志、ハノイ=竹内駿平】東南アジア第2位の二輪市場のベトナムで、政府が電動二輪の普及に向けた取り組みを打ち出している。ベトナムはホンダの牙城で、販売シェア(占有率)は8割を占める。ただ、ホンダは現在、ガソリン車の二輪が主力のため、販売に影響が出ている。 【写真】ホンダ「スーパーカブ」など4車種発表…排気量110cc、原付き免許で運転可
自国の新興メーカー支援策
ベトナム政府は今年7月、2026年7月から、首都ハノイの中心部で化石燃料で走る二輪の走行を禁止すると発表した。大気汚染対策を理由に掲げており、まずは時間帯を限って禁止する方向だ。30年までに対象の地域を段階的に拡大するほか、南部の大都市ホーチミンでも同様の規制が実施される可能性もある。
この動きを巡っては、ベトナム最大の財閥ビングループの傘下企業で、17年設立の電気自動車(EV)の新興メーカー「ビンファスト」に対する事実上の支援策との見方がある。同社は電動二輪事業も手がけているためだ。
ベトナムは通勤などの主要な交通手段が二輪で、業界団体がまとめた24年の二輪販売台数は前年比5・5%増の265・3万台だった。日本の7倍以上、東南アジアでは首位のインドネシアに次ぐ規模だ。
ホンダは24年にベトナムで214万台を販売し、シェアは他社を圧倒する。しかし、ベトナム政府の方針発表の影響は徐々に出ており、8月と9月の販売台数はそれぞれ前年同月から1割以上減少した。10月は2・8%増だったが、11月は再び減少して5・6%減となった。
一方、ビンファストの今年1~9月の電動二輪の出荷台数は、前年同期の約6倍の23・5万台に急増した。電動二輪は10車種以上あり、最低価格は日本円で10万円前後から用意していることも消費者の支持につながったとみられる。
ホンダ「電動化に向けた準備を進める」
ホンダもベトナムで電動二輪を販売するが、1車種にとどまり、最低価格もビンファストより高い。ホンダは「電動化に向けた準備を進める」(貝原典也副社長)と電動二輪の商品群を拡充し、ビンファストに対抗する方針だ。