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デザインコンペで入賞するまでの1年半と、応募したアイデアを振り返る

note社員のアドベントカレンダー、Day4はデザイナーの鮎がお届けします。テーマは仕事にかかわらなくても良い、とのことだったので、最近一番嬉しかったことを書きます!

デザインコンペに応募を初めて1年半、最近念願の賞をいただくことができました!

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いえーい!

友人の鹿島理佳子(以降かしこちゃん)さんとのペアで、中村勇吾さんの審査賞をいただきました。かしこちゃんとはペア出場累計4回目の相棒。仲良しのパワフルデザイナーです。

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受賞したのはこちらの「気配灯」という作品です。
親と離れて都内で暮らす私たちの視点で、大切な人との「つながり」を、インテリアとしてちょうど良い距離感で生活に取り入れるアイデアです。

元気で暮らしているか気になるけれど、毎日連絡を取り合うのはなんだかちがう。そんな人と、うっすらとした気配でつながり合う壁掛けの明かりです。明かりは対になっていて、一方の近くを通ると、もう一方がゆらめきます。離れて暮らす大切な人と、絶妙な距離感でつながるしるしの提案です。

提出した模型は3Dプリント、カメラ、モニター、ラズパイを用いて、実際に動くものを提出しました。電子工作もPythonもお互い初めてで、書店で入門本を買うところから始めました。

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明らかに異質。ごつい

審査員賞をくださった中村勇吾さんからはこんなコメントをいただきました。

「絶妙な距離感のあるつながりを、ぼんやりしたイメージだけで表現する手つきが理に適っていると感じました。インテリアとしてもちょうどいい存在感の出し方だと思います。あとモックアップが力作で、ちゃんと動くものを作り込んでいるところに気合いを感じました」

サイトより

「気合いを感じました」嬉しいです!
私もかしこちゃんも気合いたっぷり人間で、今回もやれるだけやろう!とフルパワーを尽くしたのでそこを褒めていただけるのはとっても嬉しいです。

また、強すぎず、薄すぎない「気配」という存在感の実現も何度も議論して調整した部分なので、報われた気持ちです。初めての技術ばかりでしたが、AIに聞きながら突貫で間に合わせられました。本当に頑張ってよかったです。

今回は応募を始めてから1年半、今までコンペ制作でどんなことをやっていたのか、どんなアイデアを出したのかまとめたいと思います。

はじめに。なんでこんなことやってるの?

コンペに出しても入賞しないと賞金はもらえませんし、仕事以外に時間を確保して製作をしないといけません。現に、私はコンペ期間はほぼ休みなく製作をしています。

なぜそうまでしてコンペをやるのか。コンペを出す人々それぞれに理由があると思いますが、私の理由は主に「クリエイティブの筋トレがしたい」というものです。

コンペに出すと、商業的な目的のある仕事のデザインとは違う考え方をしたり、やったことのない技術を使うことができます。まるで、普段使っていない筋肉を使っているような感覚。

普段オンスクリーン上のUIやグラフィックデザインをメインにしているので、総合的なクリエイティブ能力の維持、向上をできるこのような機会はありがたいです。

またコンペではペアで切磋琢磨しながらアイデアを本質的に研ぎ澄ませ、スピード感高く制作していく必要があります。そんなフローも自分の最高時速、飛距離を上げられる点で、学べるところがあります。

17th SHACHIHATA New Product Design Competition

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なんかつくって応募しようくらいのノリ

元々友達だったかしこちゃんとはなにか作ってみたいなと前から思っていて、コンペのインタビュー記事を見つけて送ったことをきっかけに、制作が始まりました。
二人ともオンスクリーンの主にUIをメインにするデザイナーですが、同じ武蔵美卒で油絵学科とデザイン学科という少し違う専門性のあるコンビです。

この時は「可視化するしるし」というテーマの年で、全部で4案に絞って提出しました。

靴底の島

踵のソールがすり減っているのをみて、人それぞれあるソールの削れ方でそれぞれの地層が出来上がったら面白いんじゃないか?という癖や無意識の可視化のアイデア。正直これが大本命でした。面白いと思ったのですが、今思うと荒削りかも。

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画像の作成には合成やAI生成などいろいろ試しましたが、最終的には油絵学科卒のかしこちゃんがiPadでゴリゴリに靴底を描いていました。パワー!

ジメっとマーク

洗濯物が乾いたかどうかわかりにくいので、目で見て可視化できたら良いのに、と思って作ったアイデア。実体験に根付いているアイデアですが、本質的でないというか、ただのお役立ちアイテムになってしまった。

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画像作りの中で、3DCGを使って作れるのでは?と思いBlenderをちょっと始めてみました。初めてのツールでうまくいくはずもなく1日で断念。

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この半年後、Blenderにどハマりしてコンペに使えるレベルになるのはまた別のお話。

「  」の足跡

「可視化」を考えていた時、必要なものの可視化も面白いけれど、ないものを可視化してみても不思議な感覚になって面白いのでは、と考えたアイデア。

砂場のおもちゃで、フラミンゴやシマウマ、恐竜などここにいないはずの動物のスタンプができるという物です。

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面白いと思ったのですが…モックも精度が良くなかったのと、もっと振り切って研ぎ澄ませないとダメですね。

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実際に公園で撮影しました。徹夜明け8時。

成人からの日

ぶっ飛んだアイデアと、現実的なアイデアとそれぞれ幅を持って提出してみようとなり、現実的なアイデア側で提出したアイデア。私が成人式の時に記念品として印鑑をもらっていたので、それを可視化によりもっと記念な何かにできないかと考えました。

成人式からの日にちを数え、大人として過ごした時間をカウントするというもの。

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結果は「成人からの日」1点が最終審査に進みました。この4点の中で成人からの日が通過するのかというところも驚きでした。

最終審査の中で模型を作っていくうちに実現可能性の点で厳しい部分がいくつかあったので、覚悟はしていましたが結果は落選。

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一緒に行っていた韓国旅行先で急遽資料を作らないといけなくなり、ショッパーに書いたもの

しかし、最終審査に進んだことで得るものもありました。3Dプリンターを購入し、使えるようになりました!

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また、初めて模型制作をしたことで、クオリティを上げることの難しさや、進め方の肌感覚を得ることができました。悔しさを胸にリベンジを誓います。

KOKUYO DESIGN AWARD 2024

次に、コクヨのデザインコンペにも応募してみました。テーマは「Prototype」。最終にも残っていないのでサクッと行きます。

回る季節

季節飾りをそれぞれ、いろんなものを用意するのではなくて、キューブをはめ替えてこれ一つで完結させられないかというアイデア。

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しみ笑い

シミが取れなかった時、捨てるのではなくてワッペンで福笑いのようにしみ自体も楽しめるのでは、というアイデア。

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どちらも箸にも棒にも引っかかりませんでした。クオリティは上がっていると思ったのですが…

 GMO DESIGN AWARD

私たちの本職であるデジタルプロダクトデザイン領域でもコンペに出てみることにしました。今までリアルプロダクト系に続けて出たので、本職あたりの慣れた分野の作品作りを挟んでスムーズな作品作りのフローを磨きたくなりました。

テーマは「AI×笑顔と感動の創造」。この辺りから、現実的なアイデアと飛躍したアイデアをそれぞれ出すようになります。

日当たりソムリエ

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私たちは2人とも、植物を10鉢以上育てている植物好きなので、AIによって初心者でも部屋の日当たりをAIが解析して、合った植物を選べるサービスを作れないか?という視点で考えたものです。

AIによって解析が進んだり、実際の購買まで続く動線の滑らかさをアピールしたかったので、プロトタイプをリッチに作り込みました。新規のUIデザインをできるのは楽しいですね。

時空スナップ

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こちらは飛躍した方のアイデア。AIによって、残っていない場所の過去の風景も補完できるのではないか、と考えて、撮った写真と位置情報から、数十年前の風景を予測して書き出すアイデアを提案しました。

インスタントチェキをモチーフにしているので、UIデザインはスキューモーフィズム的な、あえて逆行したデザインにしています。この辺の立体感は特にかしこちゃんがこだわって最後まで調整を続けてくれました。

結果はそれぞれ入賞でしたが優秀賞はもらえませんでした。また大賞は該当なしということで、悔いが残ります。

ここで一度入賞はいただいているのですが、本職であるUI系のコンペであることから、やはりプロダクト系のコンペで入賞したい!という気持ちが高まりました。

MIDTOWN DESIGN AWARD 2025

こちらのコンペは次に記載するシャチハタ18thコンペと期間が若干かぶっていたので、今まで一緒に出ていたかしこちゃんとは別の友人、みわこと出ました。

みわことはこのコンペ中に売り物も作ってみたい!と盛り上がり、3Dプリントでこんな活動もやっています。

テーマは「THE NEXT EXPERIENCE」。計5案出しました。

ちょこ酒

以前断念したBlenderの勉強を続けていて、3DCGがモックの制作に本格的に使えるレベルになってきました。それからそれっぽい日本酒のラベルのデザインもしてみました。楽しかったです。

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架空の日本酒たち

日本酒が好きでいろんな日本酒を飲んでみたいけど、あまりお酒に強くないので瓶で買うのに躊躇する自分のジレンマから、おちょこサイズの日本酒を提案したものです。

これは通るかなと思ったんだけどな〜!!どこか商品化されませんか。お声掛けお待ちしております!

昇香

メモに書き殴り、くしゃくしゃっとやって捨てる!という行為を、整理のプロセスとして使えないかと考えたアイデア。これもいい線だと思ったのですが…

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文字はみわこの手書き

この辺りは、生成AIを作品画像にうまく組み込めないかと思い、みわこが試行錯誤してくれました。結局自分たちの手でやることも多いです。

色探し

二人で街を歩いていて、色を探して遊ぶNEXT EXPERIENCEがあってもいいよね、となりカラーパレットを持ち歩けるアイデアを作ってみました。

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カラーパレットは絵の具のパレットをモチーフにしています。

人参盆栽

にんじんのへたを育てる遊びにハマっていて、これをただの野菜の切れ端から、盆栽のように見て愛でる物にできないか、と考えたアイデアです。

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人参のへたって、水につけておくと綺麗な葉っぱが出てくるんですよね。このアイデアは落ちてしまいましたが、綺麗なので何か別のアイデアにも使ってみたいです。

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スマホのすみか

スマホ中毒な節があるので、スマホを常にそばに置いておくのではなくて、どこか居場所を作るのはどうか?というアイデアです。
形は本を模してみましたが、シンプルすぎた割に用途が限定的で、伸び代アイデアですね。

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結果は全て落選。ちょこ酒と昇香は結構手応えあったのですが…

18th SHACHIHATA New Product Design Competition

そして今回応募した、こちらのコンペです。去年の雪辱を胸にかしこちゃんと応募しました。

実際は4案応募したのですが、2案はまだブラッシュアップして再応募したいので2案のみ紹介します。

折れ紙

包み紙で包むって意外と難しいよね、という会話から、どんな形でもサマになる、あらかじめ折れ線のついた紙を提案しました。

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8時間ぶっ通しで紙を折り続けました。

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気配灯

そして最後に、今回賞をいただいた気配灯です。プレボはこんな感じで、ぼんやりとした、強すぎないけど確かに感じる存在感を重視してビジュアルを作りました。

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最終審査に進み、提出した模型はこちら。外装や機構は3Dプリントで作っています。去年購入してから3Dモデリングの腕も上げてきました。

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中にはカメラ2台、モニター2台、ラズパイ2台、スイッチ2つ、電源関係を備えており、みちみちです。

万が一の時に分解できるよう、赤い部分はかんぬきのような構造になっていて、輸送に耐える固定をしつつも全ての機器を取り外せるようになっています。

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全ての配線を収めるのに苦労した

動くとこんな感じです。展示会場で試してもらえるよう、1/5スケールにした作品を実際に動くようにしました。

実際に自分たちが設営できるわけではなく、担当者の方に設営してもらう形式です。ほぼインスタレーション作品を送りつけているような物なので、会場で実際に動いているのか、審査の日はヒヤヒヤしていました。

Pythonもカメラを扱うのも電子工作も初ですが、どんな存在感、印象で気配を描きたいのかイメージをAIに相談したり、強度の保てる模型構造を提案したり、背景が映らないようにするために前フレームとの差分を取るのはどうか?とAIに提案したり、素人なりになんとか進めました。時代にも感謝。

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始めてカメラの映像が映ったとき
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始めてアウトラインを抽出できたとき
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背景を除去し、色付けをして気配の像になってきたところ

最初はソフトもハードも二人でやっていましたが、途中から時間が足りないことに気づいてからざっくり担当分けが固まり、こちらのソフトウェアの仕上げをかしこちゃん、ハードウェアの仕上げを私がやることで完成まで走り抜きました。おつかれ!

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表彰式では、大学時代の主任教授だった原研哉さんや、審査員賞をくださった中村勇吾さんをはじめ、審査員の皆さんの講評をお聞きした後、個別に話す機会もいただけて作品についてや制作についてなど、色々とお聞きすることができました。

他の受賞者の皆さんともお話ができました。正直なところ今年の他の受賞者の作品はどれもクオリティが高く、自分の順位には納得しかありません。皆さんの作り方やプロトタイプの仕上げ方、コンペ活動などをお聞きできたのもとてもありがたい時間でした。

いただいた賞状には中村勇吾さんの印鑑が押されていました。もちろんとても光栄で嬉しかったのですが、次は審査員皆さんの印鑑が入った賞状をいただけるよう、来年も頑張りたいです。

まとめ

かしこちゃんとは来年も出よう!と話していて、インプットを始めています。来年への学びとしては、「もっと世の中を知ろう」と考えています。

結局、筋の良いアイデアというのは、自分自身の生活と気づきから生まれることが多くありました。
自分自身の生活を楽しく、多くの出会いと共に送ることと、その中で自分の感じた楽しさやもどかしさ、さまざまな感情とその原因を拾って言葉やアイデアにしていくことで、よりクオリティの高いアイデアを作っていきたいです。

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また、この活動の中でたくさんの技術に出会ったり、向き合うことができました。
・3Dプリント/モデリング
・3DCG
・Python
・写真
・Photoshopを用いた合成
・AI生成
・Figma
・工作
などなど

筋トレとして、ありがたい成果です。まだまだ齧っただけのものも多いですが、これからも新しい技術に臆せず学んでいきたいと思います。

最後に、一緒に制作してくれたかしこちゃんとみわこ、審査員の方々や運営事務局の皆さん、アドバイスや相談に乗ってくれた皆さん、こんな活動ができるくらいワークライフバランスの整った弊社note、人生経験を楽しく一緒に送ってくれる友人たちに感謝です。

来年も頑張ります!

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コメント

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めちゃ素敵〜

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デザインコンペで入賞するまでの1年半と、応募したアイデアを振り返る|鮎
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