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評価されない損な役回りから抜け出すには

どーも、西村です。

今回は、『評価されない損な役回りから抜け出すには』というテーマで話を掘り下げていきたいと思います。
  

朝、オフィスの自動ドアをくぐる瞬間に、ふと心の中でため息が漏れる。

今日もまた、自分ばかりが細かい調整や段取りに追われることになるんだろうな・・・。
  

表には見えないけれど、誰かがやらなければいけない役目。

けれど、それをやったからといって誰に褒められるわけでもない。

むしろ、やって当然のように扱われる。

そんな日々が積み重なると、自分がまるで「便利な道具」のように感じられてきて、虚しさや怒り、そしてなにより“報われなさ”が心の奥底に残っていくものです。
  

あなたのような人がいるからこそ、組織や人間関係は円滑にまわっている部分もあるでしょう。

ですが、それでも。

“損な役回り”を引き受け続けたまま、生きていく必要はありません。
  

私がこれまで関わってきたクライアントの中にも、まさにこの「損な役回り」から抜け出せず、苦しんでいた方がいました。

その方は30代後半の女性で、事務職として10年以上同じ職場で働き続けていました。

日々の業務は丁寧で、正確で、周囲のサポートも欠かさない。

新人の教育、急な欠勤時のフォロー、取引先のトラブル対応、気づけば“頼りにされる人”になっていました。
  

けれど、それは同時に“都合のいい人”にもなっていたのです。

いくら努力しても、評価されるのは営業部の成果を上げた人や、表立ってプロジェクトを動かした人。

「私は縁の下の力持ちでいいんです」と笑っていた彼女でしたが、心の奥では「本当は、私も認められたい」と叫んでいました。
  

ではなぜ、「損な役回り」から抜け出せなくなってしまうのでしょうか?
  

損な役回りにハマる人には、いくつかの共通点があります。

1つは、「いい人でいなければならない」という思い込み。

2つ目は、「波風を立てたくない」という調和志向。

そして3つ目は、「誰かに喜ばれることで、自分の存在価値を感じている」こと。
  

こうした背景には、幼少期の家庭環境や、学生時代の人間関係のパターンが影響していることもあります。

たとえば、親に「手のかからない良い子」として扱われていた人は、“自分の感情を抑えて周囲を優先する”ことが当たり前になってしまっていたりします。

その結果、「評価される」ことよりも「嫌われない」ことが最優先になってしまっているのです。
  

損な役回りをしている人の多くは、「ちゃんと見てくれている人はきっといる」と信じて頑張ります。

けれど現実は、残念ながらその期待が裏切られることの方が多い。

なぜなら、多くの人は、目に見える成果しか評価しません。

そして、あまりにも“できる人”に見えるあなたは、助けを求めても「大丈夫そう」と誤解されてしまうのです。
  

そうして心がすり減っていく。

真面目で優しい人ほど、限界まで声を上げずに耐えてしまう。

だからこそ、あなたがまずやるべきことは、評価されないまま燃え尽きてしまう前に、

「自分が何をやってきたか」
「それがどれほど価値のあることか」

を、自分自身で言葉にしてあげることです。
  

具体的には、自分を“労働力”ではなく“存在”として扱い直してみましょう。

私が以前カウンセリングした男性は、「報連相のしやすい空気づくり」や「上司の機嫌を察して部下に伝える役割」など、誰も意識していない細やかな気配りを日常的に行っていました。

けれど、彼自身がそれを「当たり前の仕事のうち」と考えていたため、一切評価に反映されていなかったのです。
  

私は彼に言いました。

「あなたがやっていることは、ただの雑務ではなく、“組織にとっての潤滑油”です。それをやめたら、チームがギスギスし、成果にも影響が出る。それは“価値”なんです。言語化しましょう」

と。
  

そこから彼は、自分のやっていることを「見えない貢献」として整理し、定期的に上司との面談で伝えるようにしました。

すると半年後には、評価面談で「周囲からの信頼が厚い」とフィードバックされ、ようやく昇格の対象に入りました。
  

では、今の「損な役回り」から抜け出すには、何から始めればいいのでしょうか?
  

それは、「私は“損な役回り”を選び続けている」という自覚を持つことです。

多くの人は、“役回りを押しつけられている”と感じていますが、実は「NO」と言わなかったことが“YES”のサインとして扱われてきていることは少なくありません。

だから、「今までは頼まれたからやっていたけど、これからは優先順位を考えて対応します」と、一度でいいので伝えてみる。

それだけでも、あなたの“立場”は少しずつ変わっていきます。
  

大切なのは、「いい人をやめる」のではなく、「都合のいい人をやめる」ということです。

優しさを捨てる必要はありません。

「本当はやりたくないけど…」と感じている自分の心を、置き去りにしないことです。
  

あなたのその優しさも、気配りも、調整力も、本当はもっと“正当に評価されていい力”です。

でもそれは、あなたが自分の力を「力だ」と認めたとき、初めて他人も認めてくれるようになるものです。
  

最後に。

こんな問いをあなたに贈ります。

「あなたが、誰にも頼られなくなったとしたら、それでもあなたには価値があると思えますか?」
  

もし「それでも、ある」と思えるなら、あなたはきっともう、“損な役回り”の呪縛から抜け出せるはずです。

そして、もし「まだそう思えない…」と感じたとしても、大丈夫です。

あなたの価値は、今も確かに、あなたの中にあるのですから。
  

一歩ずつでいい。

“見えない仕事”を、“見える言葉”にしてあげましょう。

あなたが自分を大切にすることから、すべてが変わっていきます。

そうすることで、もう決して「損な生き方」をし続けなくてよくなっていくはずです。
  

それでは、今回はこの辺で。

最後まで読んでくださりありがとうございました。

  

P.S.

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評価されない損な役回りから抜け出すには|西村敏の哲学note
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