ゲイ専用車両とは何だったのか?
本記事は、ねそ Advent Calendar 2025 に参加しています。
https://adventar.org/calendars/12497
今回は、今Xで話題沸騰中の「ゲイ専用車両」について考察していきたいと思います。
ゲイ専用車両って何?
そもそも「ゲイ専用車両」とは、X上で投稿されたあるポストをきっかけに生まれた話題です。
https://x.com/xxxxmilkyway/status/1989752328413729074?s=46&t=Zfk6Q2EnHACo-cE1o9Tfyw
この二枚の漫画は、「ゲイ専用車両」という、現実には存在しないはずの空間を舞台にしています。しかし、その描写はどこか現実よりも現実的で、独特の風刺が効いている漫画になっています。
ゲイ専用車両に乗り込んだ男性たちは、挨拶し合い、写真を撮ってSNSに上げ、「人生勝ち組〜」「話題のホモ電車のったよ〜w」と浮かれています。
一見、自分たちが安心して振る舞えるホームを手に入れた嬉しさが描かれているように見えます。
しかし、その雰囲気は長く続きません。
車両に、細身でどことなく雰囲気の違う青年が乗り込んでくるところから、物語はガラッと方向を変えます。青年が席に座ると、周囲の男性たちは途端に冷たい視線を向け始めます。
「なにあのほっそいの、即身成仏?」
「需要ないのが乗ってどーすんの」
「あんな三軍と一緒に見られたくなーい」
といった、本人にギリギリ聞こえるような声で悪意のあるコメントが続きます。
ここでは、自分たちの空間を守ろうとする気持ちが、排他的な態度に変わる瞬間が描かれています。
青年はいたたまれなくなり、しばらくして車両を降りていきます。その後、男性たちは「降りてった♪ウケるw」「害虫駆除たのし〜☆」と、まるでゲーム感覚のように語り合います。
排除そのものが、ひとつの娯楽のように扱われている点が、この漫画の核となる部分です。
Xでの反応と広がった議論について
この漫画が投稿されると、X上ではさまざまな意見が飛び交いました。
添付した画像にもありますが、多くのユーザーがこの作品に対して強い感情を示しており、反応は決して一様ではありませんでした。
中には、
「ゲイコミュニティの中に存在する格差や、マイノリティ同士で起きる排他的な空気をよく描けている」
といった鋭い指摘もあり、作品のテーマ性に気づいた人たちからは深い共感や問題提起が見られました。
一方で、最初は「ほのぼの系の漫画かな?」と思って見に来たものの、実際には予想以上に胸に刺さる内容だったという声も多く、
「思わず泣いてしまった」
「読んでいてかなりつらかった」
といった感想も寄せられていました。
投稿は瞬く間に拡散され、数百万回の表示数を記録し、引用ポストも急増しました。
そして極めつけは、なんと X JAPAN のToshl さんまでもが反応していたことです。
Toshl さんは短いコメントながらも、かなり辛辣な評価を残しており、その意外性から多くのユーザーが驚きを隠せませんでした。
大物アーティストまでも巻き込んでしまうあたり、この作品がどれだけ広い範囲に届き、強い意見を引き出したのかがよくわかる出来事でした。
別のシチュエーションを考えてみる
ここまで、ゲイ専用車両についてさまざまな角度から解説してきました。
では、このような悲しい出来事を生まないためには、どうすればよかったのでしょうか。
その手がかりのひとつは、できるだけ多くのシチュエーションを想像し、丁寧に考察してみることだと思われます。
まず、車両に入ってきたのが細い青年ではなく、先に座っている2人とよく似た雰囲気や体型をしたゲイの男性だった場合、状況はどう変わっていたでしょうか。
同じような見た目の「仲間」が入ってきたとき、この車両の空気がどのように揺れ動くのかを考えてみることは、ゲイ専用車両という場が抱える問題点や、人間関係の微妙なバランスを見つめ直すうえで、ひとつの重要な手がかりになるはずです。
なんと、本来なら「仲間が来た!」と歓迎されてもよさそうなのに、なぜか2人は前と同じように冷たい視線を向け、そっけない態度を取ってしましました。
これは、相手が同じタイプだからこそ起きる微妙な心理が働いているためです。
見た目が似ていると、自分と比べられるような気がしてしまったり、今の2人だけの空気が崩れてしまう不安が生まれたりします。いわば、「仲間」よりも「ライバル」に近く見えてしまう瞬間です。
つまり、冷たさの理由は嫌悪ではなく、むしろ似すぎていることによる距離なのです。
このパターンは、コミュニティ内部で起きる微妙な関係性のズレを描いた、もうひとつのリアルなバージョンと言えます。
では、もうひとつ別のパターンを考えてみましょう。
今回は、いわゆる「柔道系」の雰囲気をもつ男性に車両へ入ってきてもらうことにします。
そして、このパターンを検証するにあたって、ある人物にご登場いただきました。
ゆとりすたいるのダーマスさんです。
それではこの方に車両へ入っていただきます。どうなるでしょう?
しかし、その結末は残念ながら変わりませんでした。
ダーマスさんが入ってきても、車内の2人は表情を曇らせ、細い青年のときとまったく同じように、冷たい視線を向けるだけの反応しか返してくれません。
どれほどタイプを変えても、どれほど層が近い人物を呼んでも、この車両の空気は微妙に張りつめたまま。
この結果は、ゲイ専用車両という空間が抱える問題の根深さを、改めて示しているようにも感じられます。
ダーマスさんも、どこか寂しそうな表情を浮かべており、その姿を見ると胸が痛みます。
せっかく協力していただいたのに、あのような冷たい対応を受けさせてしまったことに、こちらとしても申し訳ない気持ちでいっぱいです。
では、もうひとつ別のパターンを考えてみましょう。
今回は、車両に入ってもらう人物を思い切って大物有名人に設定してみることにしました。
そこで協力をお願いしたのが、ゲーム配信者として人気の高い高田健志さん です。
高田さんほどの知名度と存在感があれば、さすがに先ほどの2人も冷たい視線を向けることはないだろうとそんな期待を込めて、このパターンを試してみることにしました。
どのような反応が返ってくるのか、非常に興味深いところです。
なんと、冷たい視線を向けられるどころか、今回はさらに一歩進んで、2人のゲイがヒソヒソと悪口を言い始めてしまったのです。
高田さんが困惑した表情で座っている横で、
「なにあのほっそいの」「需要ないのが乗ってどーすんの」
といった心ない言葉が飛び交い、状況はむしろ悪化する形となりました。
結局、高田さんも耐えきれずに車両を降りてしまうという、なんとも切ない結末に。
大物有名人であっても態度は変わらず、むしろ悪意が露わになるこの結果からは、車内の空気そのものが既に歪んでしまっていることが伝わってきます。
高田健志さんには本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。
協力していただいたにもかかわらず、あのような心ない言葉を浴びせられ、困惑した表情を見せながら車両を後にする姿は、胸が痛むほどでした。
こうなると、もはや最終手段を試すほかありません。
今回は思い切って、車両そのものをシンメトリー(左右対称)にしてみることにしました。
車内を対称構造にすることで、これまでのように「2人のゲイと細い青年が一方的に向き合う」形ではなく、配置そのものが変化し、場の空気にも何らかの変化が生まれるはずです。
果たしてこの方法で、あの独特の緊張感や排他的な雰囲気が和らぐのでしょうか。
それでは、実際に試してみましょう。
これは……!
ついに成功と言えるのではないでしょうか。
車両全体をシンメトリーにしたことで、構図そのものが大きく変わり、最終的には細い青年だけが車両に残る形となりました。
これまでのように、彼が一方的に冷たい視線を向けられる状況は完全に消え去り、あの独特の緊張感もどこかへ消えていきました。
まさかの対称構造というアプローチで問題を回避できるとは思いませんでしたが、結果的にはもっとも平和な形に近づけたと言えそうです。
結果的に、このシンメトリー化によって車内の空気は大きく変わり、これまで冷たい視線を向けられていた細い青年だけでなく、大物有名人たちもすんなり入れるようになりました。
車両にはようやく平和が訪れ、誰もが肩身の狭い思いをせずに過ごせる空間へと近づいたと言えるでしょう。
もし皆さんが、現実の世界で万が一「ゲイ専用車両」を見かけてしまい、どうしても乗らざるを得ない状況になったときには、今回の記事で紹介した数々の検証を思い出していただければと思います。
少しでも心に余裕を持つためのヒントになるかもしれません。
次回は「ゲイが大量にいるゲイ専用車両にねそさんをぶち込んでみた」という記事を公開予定です。


作品の面白さと痛みが同時に押し寄せてきて、読みながら胸がぎゅっとなりました。コミュニティの中でさえ生まれる孤独や気まずさがリアルで、「わかる…こういう空気あるよね」と思わず共感。最後のシンメトリー化のくだりは少し救いもあって、読後感がふっと軽くなるのも良かったです。
人の集まりに生まれる微妙な空気や傷つきやすさがよく伝わり、読んでいて胸がぎゅっとなる内容でした。誰もが少し心当たりのある感情が描かれていて、まるで友達の体験談を聞いているような親近感を覚えます。こういう優しさと痛みが同時に混ざる描き方が、とても印象的でした。