北九州の中学生殺傷1年、生徒の父「咲彩はどんな高校生に」…被告「イライラしていた」「遺族に伝えたいことない」
北九州市小倉南区で起きた中3男女殺傷事件は14日で発生から1年となる。犠牲となった女子生徒の遺族が12日、コメントを公表し、癒えることのない悲しみや痛みを明かした。事件が起きた地域では、安全安心なまちづくりに向けて住民の模索が続く。殺人罪などで起訴された無職平原(ひらばる)政徳被告(44)は同日、勾留先で読売新聞などの取材に応じ、刺傷行為を認めた一方で被害者側への謝罪の言葉はなかった。 【写真】平原政徳容疑者
「事件二度と」
事件は昨年12月14日午後8時25分頃、同区のファストフード店で発生。注文の列に並んだ男女が相次いで刺され、男子生徒(16)が約1か月の重傷を負い、同区の中島咲彩(さあや)さん(当時15歳)が死亡した。平原被告は事件から5日後、福岡県警に逮捕され、2度にわたる通算約8か月の鑑定留置を経て今年9月、殺人や殺人未遂罪などで起訴された。
中島さんの父親は12日、報道各社にコメントを寄せた。「咲彩がいなくなって過ごす日々は受け入れがたいものであり、咲彩がいたらどんな高校生になっていて、どんなに楽しい生活を送ることができただろうと思う毎日です」と1年を振り返った。平原被告については「二度とこのような事件を起こすことができないように、私たち家族や地域の方、事件を知っている方々が安心して生活ができるように、刑罰に処されることを切に願っている」とした。
地域で見守り
「もうこんな事件を起こしてはいけない」。平原被告が住んでいた同区長尾校区で、校区まちづくり協議会会長を務める藤田比呂志さん(67)は12日、有志の地域住民ら十数人とともに街頭に立ち、下校する児童たちを見守った。
平原被告は事件前から自宅で爆竹を鳴らして音楽を大音量で流したり、怒声を上げたりしていた。だが、町内会は住民から相談を受けても「警察に行ってください」と答える以上のことはできなかったという。
藤田さんは今年1~2月、校区の約1750世帯にチラシを配布し、買い物や通勤時などに防犯の視点で目を配る「ながら見守り」活動を呼びかけた。今月もチラシを配り、協力を求めた。「事件を完全に防ぐ方法はないと思うが、できることをやり続けたい」と語る。