柔道と聞くといつも思い出す
高校生の頃、柔道の授業で毎回儂に必ず挑んでくる退学寸前(あと一回の素行不良で退学)のチンピラもどきがいた
こいつは悪事を大勢の前で儂にばらされたこともある
そいつは柔道の授業となると毎回真っ先に儂に「うしぇ~!うしぇ~!パンパン(手を叩く音)」と、猿のおもちゃさながらおい俺とやろうぜと挑戦してきていた
顔は例えるなら北斗の拳のヒルカとそっくりだった
眉毛は剃りすぎているので無く、頬がこけてて目が細い
髪も逆立っている
儂は当時から思っていたよ、こいつヒルカじゃねーかと
今見返してもまじで似ている(特に老けめで色も黒いアニメ版に)
こいつは儂よりは確実に弱く、毎回簡単に制圧できていた
制圧というのも大げさだ、それを語る域まで行っていない
乗るだけで勝てる
体重だけで
ただ弱いだけならいいのだが、こいつはめちゃくちゃ汗臭かったんだよな
道着洗ってねーのかといった具合に
他の同級生は特段臭くないのに、こいつだけ戦略でわざと悪臭撒いてるのかってくらい臭い
チンピラ特有の制汗剤のドーピングでそれもまた臭い
こいつが道場の臭いの源なのかと思うくらいにな
だから儂は息を止めてのしかかっていた
ヒルカは儂に勝てないにも関わらず、来る日も来る日も懲りずに挑んでくる
ここまで来ると粘着である
儂はバトルゲームの敵じゃねえ
だから音を上げた儂の鼻は、ある日こいつにわざと負けてやることを提案してきた
儂は悪臭は勿論、粘着自体も気持ち悪くて嫌、且つ他の生徒とともやりたかったので、それを受け入れた
ヒルカが悪臭と共に勇んで飛びかかってきたのち、苦戦するふりをして負けてやった
あ~もうだめだ(鼻がな)、お前の勝ちだと
そしたらヒルカもどきは「うぇ~い!うぇ~い!勝った!勝った!おい見ろよお前!(近くの仲間へ)」と両腕上げてガッツポーズをして喜んで周囲に見せびらかしていた
再粘着を危惧した儂はわざと負けてやったことをヒルカには言わなかったが(仲のいい奴だけに教えた。そいつは爆笑していた)、どうせこいつは今も自分の手柄だと思っているだろう
なんなら自分の餓鬼にも聞かせているかもな
武勇伝とはかくも滑稽である
こうしてヒルカの粘着は消滅したが、新たな挑戦先でもヒルカは負けていた
だからか、やがて雑魚狩りに転じていた(笑)
故にそいつの中での強さランキングは、新たな挑戦先>ヒルカ>儂、その他
となっていることだろう
それはそれで歯がゆいのう
因みにヒルカはいつも三人か四人で徒党を組んでおり、では仲間とは仲が良いのかと思ったらそうでもなくコケにされているようで、金を抜かれていた
笑った
ある日、ヒルカが教壇に座って講釈を垂れている
それに対面するよう最前の机に乗っている仲間二人の内一人が、ヒルカの財布から500円を後ろ手で抜いていた(その最前の机がヒルカのものなのか忘れたが、とにかくそこに奴の財布があった)
仲間は笑顔でヒルカの言に「そうだなヒルカ(笑)」と同調しながら金を抜いていたので大変面白く、儂は黙って見ていた
仲間と言えど所詮この程度か、ひでえ関係もあったもんだな(笑)と
いっそチンピラらしい美しい関係ではある
その仲間も今は立派な人物になっているが、儂だけは過去の姿を知っている
彼はヒルカ一味の中では最も好漢で、嫌いではない
数年後に彼が一人で行動しているところに鉢合わせたことがあるが(電車から降りてきた)、すげえ爽やかなんだよな
あ、○○ちゃん!頑張ってと言われたので、思わず、○○君もと言ってしまった(彼が先に儂に気付いた)
なんだか知らんが少なくとも嫌な気持ちが全くしなかったんだよな
その後彼は立派になったわけだが、儂が感じ取ったのはその片鱗だったのかもしれん
そう言えば、ヒルカにゲームハードを貸してやったこともある
しつこかったのだ
レースゲーしたいんだよ貸してくれよ~頼むよ~と
ソフトもハードもてめえで買えと儂ははねつけていたが、あまりにもしつこく、貸したらどんな負けざまが見られるのかと思い一日貸してやった
最下位だった
笑った
ひでえのが、返ってきたハードのサイドボタンが手垢で真っ黒になっていたことだ
一日でここまで黒くなるのかよと
手垢酷すぎだろこいつ!きたねえ野郎だと
儂は損した気分になり、せっせと拭った
「あれ(ハード)どうした」と聞いてきた友達に「黒くなってた。アルコールで拭いた」と言ったら爆笑していた
毒物扱いである
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