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「姫」になるまで

一方で、青木は森の師であり恩人である。小渕、青木、森は同じころに早稲田大学雄弁会に籍をおいたが、青木が年長だった。学生の時分から、とりわけ森は青木を慕っており、2年生が務める幹事長(会長)選挙では青木の手足となって奔走、当選を助けたという。

「そのときの恩というわけではないでしょうが、小渕さんが脳梗塞で倒れたあと、森さんを後継総理に指名したのは青木さんだった。森さんは青木さんのおかげで総理になれたわけだから、死んでも頭が上がらない。『小渕優子を頼む』という青木さんの遺言を叶えることが、自分の最後の仕事だと思っているでしょう」(平成研関係者)

つまり小渕、青木、森の三者は、単なる政治家同士の打算を超えた長年の絆で結ばれている。そして小渕の死後、青木と森は、小渕の置き土産である優子を守り立てることこそ自らの使命と考えるようになった。先の平成研関係者が続ける。

「森さんは衰えて動けなくなった青木さんにかわって、会食のたび『小渕優子をよろしく』と岸田総理に念押ししていた。今年の3月に菅(義偉)さんが韓国の尹大統領と会談したとき、なぜか小渕さんが同席していたが、これも真相は森さんが岸田総理に頼み、総理が菅さんに頼んだそうだ」

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今回の内閣改造で登用された閣僚・自民党四役のうち、女性かつ世襲の政治家は、選対委員長となった小渕優子を含めて4人。ただし、その中では優子が別格だ。任期中に急逝した総理の愛娘であり、後見人に参院のドンと、党内最高齢の総理経験者が控える―。いわば彼女は「爺や」に守られ、かわいがられ、担がれる「姫」としての宿命を背負ってきた。

後編記事『小渕元首相の急死で人生は一変「私が継がないといけない」から「ドリル事件」へ...小渕優子「人生最大の失敗」につながった「ある存在」』に続く。

週刊現代2023930日・107日合併号より

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