桃色の軌跡   作:逆襲

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落下と爆弾にはごようじん

ゴリアテの両腕が火を噴き、重たい弾丸が連続して飛び出す。

カービィは地面をかすめる衝撃波をひらりと避けながら、じりじりと間合いを詰めていく。

 

一方、少し離れた位置からシロコが銃を構え、タイミングを見計らって数発撃ち込んだ。だが弾は、あっさりと分厚い装甲に弾かれ、火花を散らして終わる。

 

「……ダメだ。やっぱり正面からじゃ通らない。」

 

シロコが歯を噛む間も、ゴリアテは執拗にカービィだけを追い続ける。

まるで “始末するべき対象” を決められているかのように、迷いのない精密さで。

 

再び、ゴリアテの頭部砲台が低くうなり始め、淡い光を溜めていく。

 

その瞬間、シロコは叫んだ。

 

「今!」

 

合図と同時に、待機させていたドローンが急上昇し、カービィの上空へ滑り込む。

 

カービィはさらにゴリアテへ距離を詰める。

この距離、この足幅――普通ならあの頭部砲撃は避けられない。

 

(でも……ドローンがいれば、届く!)

 

光が閃き、ゴリアテの主砲が火を噴いた。

 

その瞬間、ドローンがカービィの真上を横切り、

カービィは跳び上がり、手でしっかりとドローンを掴んだ。

 

爆光がゴリアテの足元の地面をえぐる中、カービィは空へ持ち上がっていく。

 

 

 

(この周辺一帯は最近地盤沈下の工事をしていた!地面の中はスカスカのはず...!)

 

ゴリアテの足元の舗装が、ミシ…と不吉な音を立てた。

最初は砲撃でえぐれただけだった地面が、いまは重さに耐えきれず沈み込んでいく。

 

地下を走る巨大な配水管が砕け、空洞が一気に広がった。

支えを失った地面が崩落し、ゴリアテの巨体はゆっくりと、しかし確実に落ちていく。

 

それでも――ゴリアテは撃つことをやめなかった。

 

落下しながらも両腕の機関銃が火花を散らし、空中にいるカービィを執拗に追い詰めた。

 

「あっ……!」

 

シロコの声と同時、連射された弾丸のうち一発がドローンのプロペラをかすめる。

直撃こそしなかったものの、被弾したプロペラが無残に砕け散る。

 

バランスを失ったドローンが、不規則な軌道で横転しながら落ちていく。

 

「危ない!」

 

シロコの叫びを背に、カービィは慌ててドローンから手を離した。

だが――その先に待っていたのは、"光"。

 

真下から、ゴリアテの頭部砲台が眩い輝きを放とうとしていた。

 

 

 

 

 

ここからでは助けられない。万事休すかと思ったその時、

崩れかけたビルの屋上から、風を裂くように一つの影が飛び出した。

 

「ちょっとちょっと〜? 可愛い弟と後輩になにしてくれてんの〜?」

 

気の抜けた声と同時に、その影は落下するカービィをひょいっとキャッチして着地した。

 

「ホシノ先輩!」

 

「いやぁ、急にシロコちゃんが飛び出すからさ〜、びっくりしたよぉ。しかもなんか……めっちゃ大変なことになってるじゃん〜?」

 

ゴリアテは半分地面に沈みながらも、引っかかった建材に阻まれて完全には落ち切らず、なおも暴れようとしている。

 

そして遅れて、瓦礫を避けながらセリカとノノミが駆け込んできた。

 

「ちょ、ちょっとちょっと! え、なにこれ!? 街ボロボロなんだけど!?」

 

「あらら……これは……」

 

『ひ…ひどい状況ですね……』

 

通信越しにアヤネの震え気味の声も入ってくる。

 

シロコはホシノの隣に立ち、銃口を敵へ向け直した。

 

「ん。まずは、あいつを倒す。」

 

「そうだねぇ〜、さっさと片付けちゃおっか。」

 

「しょうがない! やるわよ!」

 

「やりますよ~☆」

 

『サポートします! 全力で行きましょう!』

 

仲間の声が揃った瞬間、胸の奥に灯りがともるように、シロコは心強さを感じた。

 

 

 

 

 

 

「ところで、シロコちゃん、策はあるの~?」

 

「ん。あいつを穴に落としきったら、これを使う。」

 

シロコがバッグから取り出したのは、普通の手榴弾とは明らかに違う手榴弾だった。

丸みのある本体は妙な色をしていて、見ただけで不安になる代物だ。

 

「え……シロコ先輩、それ、どこで手に入れたの?」

 

「ん、それは後で。街で使うと被害が大きいけど……穴の中なら、衝撃は抑えられる。」

 

「なるほどねぇ~。じゃ、まずは落とすとこから始めよっか!」

 

その瞬間、ホシノの肩にしがみつくカービィへ向けて銃弾が飛ぶ。

 

「はいはい~そんなの効かないよぉ~っと!」

 

ホシノは巨大な盾を構え、飛んでくる弾丸を金属音とともにはじき返していく。

 

「みんなぁ~今のうちだよぉ~」

 

その声を合図に、シロコとセリカは左右へ散り、

ゴリアテの体を辛うじて支えている建材を次々と撃ち抜いていった。

 

「さっさと落ちなさいっての!」

 

破壊されていく支柱。

ゴゴゴッと低い音を立てながら、ゴリアテの巨大な体はさらに沈み込む。

 

「街をこんなにした悪い子には、お仕置きの時間ですよ~☆」

 

ノノミのミニガンがゴリアテを押し込んでいく。致命的なダメージはないが相当な衝撃にどんどんと体は沈んでいく。

 

ゴリアテは沈みながらもあがくように手を伸ばし、周囲の地面を削り取った。

しかし崩落は止まらず、巨大な機体はずぶずぶと闇の底へ引きずり込まれていく。

 

そして――ついに姿が穴の中へ消えた。

 

「今なら!」

 

シロコは手榴弾のピンを抜き、狙いを定めて穴へと投げる。

 

放物線を描く手榴弾。

完璧な軌道――のはずだった。

 

だが、直後。

 

ビルの崩れた外壁のひとかけらが、タイミング悪く落ちてきた。

 

ガンッ。

 

手榴弾は瓦礫に弾かれ、軌道が大きくそれて宙でバランスを崩した。

ぐらりと回転しながら、街の方へ落ちていく。

 

「あっ!!」

 

胸が冷たくなる。

このままだとゴリアテを仕留め損ねるだけじゃない。街に――もっと被害が──。

 

だが、その瞬間。

 

ホシノの肩に乗っていたカービィが、迷いなくその爆弾の方へ向いた。

次の瞬間――カービィは、足踏みをし、大きく口を開けた。

 

「えっ、カービィちゃん!?」

 

小さな体とは思えない吸い込みの風が渦を巻く。

竜巻のような吸気が爆弾を巻き込み、逆風の中から爆弾がぐんぐんカービィの口へ引き寄せられる。

 

そして――すぽんっ。

 

まるで最初からそこに収まるように、爆弾はカービィの口の中へ消えた。

 

「ま、また爆弾投げるやつ?」

 

ホシノの肩の上で、カービィの体が光を帯びる。

だが現れたのは先ほどの帽子ではなく、金属の王冠――内部で光のエネルギーが脈打つものだった。

 

カービィは一度だけシロコの方を向き、小さく息を吸い込むと――

ホシノの肩からふわりと跳んだ。

 

その小さな身体は迷いなく放物線を描き、まっすぐ穴の中へ消えていく。

 

『ああっ……!?』

 

「カービィちゃんが落ちちゃいました!?」

 

「あ、あいつ大丈夫なの…!?」

 

 

焦りが走る中、シロコはじっと穴を見つめたまま小さく首を振った。

 

 

「……ん。不思議だけど……大丈夫、そんな気がする。」

 

「おじさんもだなぁ~……なんでか知らないけど、あの子は平気だって思えちゃうよ。」

 

 

----------------------------------

 

 

穴の底では、沈んだゴリアテが最後の抵抗とばかりに銃口を向け乱射する。

弾丸が壁や瓦礫に跳ね、火花が四方に散る。

 

だが、そこを飛ぶ小さな影は止まらない。

流れ星のような動きで弾丸を避け、まっすぐとゴリアテへ迫っていく。

 

王冠の内部の光が次第に光を強める。

 

――そして距離がゼロになる寸前。

 

カービィは大きく口を開いた。

一瞬、空気が歪んだように感じた。

 

「 は か い の か え ん !!!」

 

穴の中に轟く声とともに凄まじい光が王冠から噴き出し、穴の内部すべてを瞬く間に光で満たしていく。

 

 

---------------------------------

 

 

穴の中から放たれた光は、地表まで一気に噴き上がった。

 

「うへっ!?まぶしっ!!」

 

ホシノが腕で目を覆う。

セリカも思わず顔をそむけ、アヤネの通信も不安定になっていた。

 

『な、なんdすkこの光は!?』

 

「カービィちゃんの……攻撃、なんでしょうか……!?」

 

シロコは片手で目元をかばいながら、それでも穴の奥をじっと見つめていた。

 

次の瞬間、巨大な衝撃が地面を揺らす。

 

建物のガラスがビリビリと震え、吹き上がった風が髪を大きくなびかせた。

 

「ひゃあっ!? 何これ地震!?」

 

光はしばらくの間、ありえないほどの白さであたりを包み込んでいたが――

振動が止んでいくのに連れ、少しずつ薄れていった。

 

そして静寂が戻った頃。

 

 

ぽよんっ。

小さな、でも確かに聞き覚えのある音が穴の奥から響いた。

 

「……あっ」

 

次の瞬間――

カービィが勢いよく穴から飛び出してきた。

 

シロコがそっと両腕を広げると、カービィはふわっと舞い上がり、そのまま胸元に収まった。

全身うっすらと煤けていて、ところどころ焦げ跡もあるのに、当の本人(?)は満足げに目を細めて「ぽよ!」と笑う。

 

「…無事で良かった。」

 

軽く抱きしめながら呟くシロコ。その足元、穴の底では、ゴリアテだったものが無惨な残骸となって散らばっていた。

 

そして――

 

残骸の中心から、どろりとした黒い煙が立ちのぼる。

形を持たないのに、どこか意思だけは確かにそこにあるような、そんな気配。

 

まるで、

“まだ終わりじゃない”

と告げるかのように、煙はゆっくりと空へ吸い上げられていく。

 

シロコとカービィは、ただ黙ってその行方を目で追っていた。

胸の奥に残るざわつきだけが、風より重く沈んでいた。




コピー能力:クラッシュ
コピー元:シロコが持ってたやばそうな爆弾

DANGER! DANGER!
スティックガチャガチャ 力を ためれば
ばくはつ力も パワーアップ!
あたりも ぜ〜んぶ ふっとばす!
さいしゅうへいきは 1回だけヨ

(強化後のじごくのごうかではなくはかいのかえんだった理由としてはそれを使ったら穴以外の街ごと全部消し飛ばしそうだったのでカービィが調節しました。)
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