SNSで「魚拓」を投稿したら著作権の侵害になるのか
SNSで多く行われている「魚拓」をみたとき、これって著作権的にヤバイんじゃないのかと思ったのでSNSの魚拓投稿について検証してみます.
魚拓をとる目的は証拠の保全、投稿が削除されることを見越してスクショとして証拠を収集し、それを投稿します.
魚拓の対象となる投稿が著作物であるとした場合、魚拓をスクショすることは複製権の侵害、魚拓を投稿することは公衆送信件の侵害です.
そこで、魚拓を投稿された相手は、著作権侵害を主張することができるかどうか.
魚拓を投稿した人は、著作権法上認められている引用を抗弁できるのかどうか.
「引用」は、著作権法上認められている権利制限規定です.
引用であれば、魚拓投稿に権利者の権利は及びません.
著作権法上許されている引用は、公正な慣行に合致し、引用の目的上正当な範囲内で行われていることです.
詳しい話しを抜きして、これまで認められていた引用の形態というのは、外形的に、引用部分が区別できること、引用部分が主でないこと、です.
これを魚拓に当てはめてみると、引用部分が区別できるとしても、引用部分がどうみても主です.
SNS魚拓以外で、魚拓のような引用をすれば権利侵害は明らかです.
魚拓の違法性について、これまでの引用の考えを当てはめれば、著作権侵害でしょう.
ところが引用の要件である、公正な慣行、正当な範囲内というのがSNSの魚拓引用をややこしくしています.
魚拓を投稿するということがもはやSNSでは慣習的に行われている現在、「魚拓」による引用は公正な慣行です.
正当な範囲は、必要最小限の範囲の引用のことですが、「魚拓」は全部を投稿するから意味があるのであって、必要最小限=全部なのが魚拓です.
魚拓を投稿するとともに、批評を一緒に投稿していればまだ救いなのですが、なかには魚拓のみを投稿していて、これなんかは引用ではなく転載そのものです.
その転載もSNSの慣行では実質的に引用と同じように扱われています.
公正な慣行というのは、時が経つにつれれ変わるし、場所が変われば変わります.
SNS環境下で公正な慣行として認められている「魚拓」を違法として扱えば、SNSは違法行為の巣窟です.
インターネットは既存の法律問題をアップデートする好適なツール.
ネット絡みの問題のほとんどがグレーな状態で野放しです.
グレーな状態は、結局のところ裁判所の判決がでるまで白黒わかりません.
SNSの魚拓投稿も著作権法上、違法なのか合法なのか、結局のところ分かりません.
ただ私としては当事者のどちらの側に立っても、違法、合法を主張立証できます.


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