まだレベルが足りねぇ…
今回は風紀委員との戦闘です…
ヒナ…もっと休んでもええんやで…
「……なんなの…これ…」
ある少女がそう言葉をこぼす…
無理もない…だってその少女の視界には…
燃え上がる戦車の残骸と…
原型すら分からない迫撃砲の残骸…
そして…無数に倒れる風紀委員達…
そんな地獄絵図が少女の目の前に広がっていた
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遡るほど、数分前
「もうそろそろ…便利屋との交戦区域に到達するぞ…」
イオリを含む第一部隊は…便利屋…先生を捕らえる為に進軍しているが…
(シャーレとか…先生とか…よく分からない事が多いが…これだけはわかる…)
(絶対に怒らせてはいけない人を怒らせた)
(だが…一体どうやって私達風紀委員とやりあうってんだ?)
(ただでさえ銃弾1発で致命傷になり得るんd…)
そうイオリが考えている時…
ドゴオオオオオオオオ!!
「グアアアア!?」
「な…なんだ!?」
戸惑っているもつかの間
ドドドドドドドドドド!!
「グハッ!」
(クソ…が…一体誰が…)
敵を確認するために目を開けた時…白い兵器が通り過ぎるのが見えた
(は?…なんだ…今のは…)
(ダメだ…意識が…)
攻撃をもろに受けたイオリ達第一部隊は為す術なく倒れた
第二部隊
「第一部隊がやられた!?馬鹿な…」
「まて!?何かがこちらに…」
ドドドドドドドドドドドド!!
第3部隊(戦車部隊)
「味方の被害甚大!馬鹿な…たった数秒で第一…第二部隊か全滅…」
「!?前方に何が!」
戦車部隊の先には…白い兵器がこちらに向かっているのが見えた…
「なんだあの速さは!?」
「打てぇ!あの白いヤツを近付けさせるなぁ!」
戦車部隊は砲撃を開始したが…
「な…戦車の砲撃を…躱しているだと…」
「怯むな!全戦車、一斉放射だ!」
狙いを向かってくる白いヤツに向けるが…
ブォォォォ!!
「は?」
「消え…た?」
乗員が呆気に取られている間に…無数の弾丸が戦車装甲を軽々と貫いた
「……………」
「戦車部隊全滅…」
(………戦車並の弾丸をもろに受けているのに五体満足とは…やはりキヴォトスの人は不思議だな…)
倒れている風紀委員を見てそう思う…
『先生!上方に迫撃砲の砲弾が!避けてください!』
そうアロナに言われ本来は回避行動を取るのが当たり前だが…
ドカーーン!!
迫撃砲部隊
「ちょ…直接!!」
「やったか?」
「分かりません…ですがこの数の砲撃耐えれるのは…」
砲撃した所の煙が晴れるが…
「は?」
「な…なんで…無傷なんだ!?」
「………ふう…」
『え…えぇ…』
プライマルアーマー…通称PA…
コジマ粒子を安定的に還流させることで、慣性抑止フィールドとも呼べる力場を形成、自機に向かってくる各種攻撃の速度や威力を減衰させて受けるダメージを軽減・無効化させる防御機構
言わばバリアだが…今このホワイト・グリントはコジマではなく別の物質に置き変わっているが…コジマと似た性質を持っている可能性がある…言ってしまえば環境汚染もデメリットも何も無いコジマ粒子と言ったところか…まだまだ不可解な事が多いが…まぁそこは追々
このキヴォトスにある豆鉄砲の砲弾ではネクストが傷つく事はそうそうないが…当たりすぎるのも宜しくない…いくら豆鉄砲とは言え…当たり続けるとPAが減衰してしまうからな…ほんの少しだが…
『ま…まさか…バリアなのか!?』
『馬鹿な…キヴォトスでは…まだそんな技術は…』
風紀委員の通信を聞いている限りどうやらキヴォトスではバリア技術はあまり発達はしてないみたいだが…ユウカが前に使ってた気がするが…
まぁそんな事はどうでもいい…さっさと黙らすか
OBを起動し迫撃砲まで一直線に飛んでいく
『く…クソ…うち続けろ!いくらバリアとはいえ…当て続ければ剥がれるはずだ!』
『そんな事言われたって…待って…なんかきk…ブォォォォブチッ
「……………」
今…聞いてはいけないものを聞いた気がする…いや聞いてしまった…
迫撃砲部隊の通信に耳鳴りがするほどの大きな音が聞こえた瞬間通信が切れた…おそらく迫撃砲部隊は…
『高みの見物をエンジョイしてるか?』
「!?」
シャーレから通信が…
『不憫な事だな…たったお前の1つの選択でこんな事になるとは…』
『破綻した計画の…妥当な末路だ』
そうして…シャーレはそう言い残し…通信を切った…
…………私のせいだ…委員長にいい所…褒められたくて…
…でもこのままやられっぱなしは風紀委員名に泥を塗ることになる…
「第8部隊!第四、第五部隊の援護に回ってください!」
「残っている戦車部隊は後方から援護射撃を!」
『バカ言うな!あんなバカ早いヤツを相手しろと!?』
『でも…このままやられるのか!?』
『クソ…仕方ない…第8部隊!第四、第五部隊の援護に…ブチッ
「………………え?」
第8部隊の通信が…切れた?
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「アコ!これは一体どういうことなの!?」
『え…!?委員長!?どうしてここに!?』
「いいから!一体どういうことなの!」
『い、委員長、私は――』
「あぁ!もういい!アコ!通信を切って待機していなさい!』
『……分かりました』
「急いで!もっと飛ばせないの!?」
「これが手一杯です!」
部下の1人がアコが独断で部隊を動かしているも報告が入ったが少しげんなりしながら聞いていたら…その後に、シャーレと衝突して部隊が全滅しかかっているとそう通信が入ってきた…最初は耳を疑ったが…通信を聞いている限り…本当の様だけど…
さっきから聞こえるあの大きな音は何?
音からして…何かの戦闘機のブースト音らしき音が…各部隊の通信に入っている…
けど…何かがおかしい…各部隊は結構離れた距離に位置しているが…短時間で部隊が攻撃され…その度に大きな音が聞こえる…
感覚で言えば…約10秒感覚で各部隊の通信からその音が聞こえてくる…
相手は複数なの…?
いや…今はそんな事を考えている場合ではない…早くみんなの所へ向かわなきゃ…
「……………なんなの…これ…」
私の目の前は…地獄絵図だった…
燃え上がる戦車と…
原型すら分からない迫撃砲に…
そして…無数に転がる…風紀委員達の姿が…
「ヒナ委員長…」
「チナツ!?」
後ろにはチナツ達医療班がいたが…どう見たって全員無傷だった…
「チナツ…イオリと一緒じゃ…」
「それが…私達医療班は後ろに下がれと…シャーレの先生から…」
………?
シャーレの先生が?一体どうして?
「これは…そのシャーレがやった事だよね…?」
「はい…」
「被害は?」
「第一部隊から第十部隊…戦車部隊…迫撃砲部隊…」
「………この場いる医療班…サポート部隊以外…全滅です」
全……滅……?
あれだけの数の風紀委員達を?それに…戦車も迫撃砲も…全て破壊して?
一体…どうやったらこうなるのよ…
その惨状を目の当たりしていると…
「……あれは!?」
こちらに向かってくる戦車がある…
あの形状は…風紀委員が使用するタイプ…
「生き残りがいたのね…」
そう安心していると…
ブォォォォ
「!?」
散々通信で聞いていたあの大きな音が後ろから聞こえ…その瞬間…ものすごい速さで私たちの上を通り過ぎた…
あまりの速さで体が吹き飛ばされそうになるが何とか耐えたが…目線をあげた先には…
先程まで動いていたはずの戦車が破壊されていた…
その戦車を先を見ると…
白い何かが後ろ向きに立っていた…
その姿は…どことなく美しく…同時に恐怖を感じた…
「あれは…」
あれがなんなのか考えていると…
その白いヤツはこちらの存在に気づいたのか…こっちに振り返ってきた…
そして…ライフルをこちらに向けてきた…
「!?」
私もすぐに臨戦態勢をとる…けど…あんな惨状をを見て…勝てるとは到底思えない…けどここでやらなければチナツ達が危ない…
私の愛銃を構え…攻撃を開始しようとした瞬間
「待ってください!」
「チナツ!?」
チナツが私の前に両手を広げ立ち塞がった
「ダメです!先生!彼女はゲヘナの風紀委員長です!」
「チナツ!?一体何を!?」
チナツがそう叫んだ後…あの白いヤツは武器を下ろし…こちらに向かって歩いてきた…
ズンッ…ズンッ…っと地面から伝わる振動を感じながら白いヤツを見つめていたが…
「………大きい…」
……ざっと10メートル以上はある…
こんな大きい物が…あんなスピードで…
そうしている間にも…その白いヤツは私の近くまで来て…膝を付き…頭部がスライドした…あそこが操縦席なのね…
空いたところを見ていると…誰かが降りてきた…
その人は…身長は170cmぐらいで若い大人だった…20歳ぐらいだろうか…
見るからに身体中が傷だらけだけど…
「先生!?その傷は!」
「迫撃砲だ…おかげで民間人が死にかけたぞ…」
「………チナツ…手当してやって…」
そうしてチナツは先生と呼ばれる人を手当している…
「シャーレのリンクスだ…」
「………空崎ヒナ…風紀委員の委員長をやってるわ…」
「………1つの聞きたいが…この事に関しては…君は…」
「全く…いまさっき報告が来たから急いで来たけど…」
「どうしてこの様な事を?」
「………風紀委員会がなんの通告もなくアビドス自治区で民間人の建物を爆撃をし…アビドス自治区へ進行してきたからな…」
「………嘘ね…」
「……………」
嘘では無いぞ…半分はな…
「………本当は?」
「………あの行政官の破綻した計画の妥当な末路を見せてやっただけだ…」
「下手すれば民間人が死んでたからな…」
………この人の言っている事は理解出来る…今回のアコの暴走は破綻した計画…
シャーレと…謎の兵器…不確定要素が多すぎる中で…こんなことをすればこうなるに決まってる…
そう色々と考えていると…
「先生!」
奥から…誰かが走ってきた…服を見る限りアビドスの生徒達だろう…
「先生!機体が急に動いたから何かがあったのかと…って!」
「せ…先生!すごい傷だらけじゃない!」
「……ん…もしかして…そいつらにやられたの…」
そう言って青いマフラーをつけた人はこちらに銃を向けてきたが…
「銃を下げろ…シロコ…」
先生がそれを静止した…
「ん…でも…」
「この傷をつけた奴はぶっ飛ばした…今いる者たちは無関係だ…」
「…ん……わかった…」
シロコが銃を下ろした時…
「うへ、こいつはまた何があったんだか…すごいことになってるじゃーん」
「…………!」
唐突に後ろからホシノがやってきた…
『ほ、ホシノ先輩!?』
「ごめんごめん…ちょっと昼寝しててね〜、少し遅れちゃった」
本当に昼寝だったのか?
「昼寝ぇ!? こっちは色々大変だったのに! ゲヘナのやつらが……」
「でも、先生が全員撃退した」
「まだ全員ではないですが……まあ大体は」
「ゲヘナの風紀委員会かあ……便利屋を追ってここまで来たの?」
「…………」
ヒナが呆気に取られている…ホシノの登場に驚いていると思うが…何かが違う…ホシノの存在自体に驚いているようにも見える…
「うーん、事情はよく分からないけど、先生がこんなになっている事は…そう言う事だよね? 風紀委員長ちゃん?」
ホシノの目つきが変わる…あれは普通の目つきではない…獲物を狙う獣ようだ…
「……一年生の時とはすいぶん変わった、人違いじゃないかと思うくらいに」
「……ん? 私のこと知ってるの?」
「情報部にいた頃、各自治区の要注意生徒たちをある程度把握してたから…特に小鳥遊ホシノ……あなたのことを忘れるはずがない…あの事件の後、アビドスを去ったと思ってたけど」
「…………」
「……そうか、そういうことか……だからシャーレが……」
「まあいい、私も、戦うためにここに来たわけじゃないから……チナツ…負傷者を回収…撤収準備、帰るよ」
「えっ!?」
「頭を……」
「事前通達無しでの無断兵力運用、そして他校の自治区で騒ぎを起こしたこと…このことについては私、空崎ヒナより、ゲヘナの風紀委員会の委員長として、アビドス廃校対策委員会…そしてシャーレに対して公式に謝罪する」
「今後、ゲヘナの風紀委員会がここに無断で侵入することは無いと約束する…建造物や民間人…先生の治療費についても、こちらで補償する…どうか許してほしい」
「委員長⋯⋯」
ヒナがそう言って風紀委員達が撤収準備をしている時…ヒナがこちらに向かってきた…
「リンクス先生…」
「………何か用か?」
「そう…あなたに伝えておきたいことがある…これは直接言っておいた方がいいと思って」
「……なんだ」
「カイザーコーポレーションのこと、知ってる?」
「ある程度だが…詳細は知らん」
「……そう」
「…………これはまだ『万魔殿』も、ティーパーティーも知らない情報だけど…あなたには知らせておいた方が良いかもしれない…アビドスの捨てられた砂漠……あそこで、カイザーコーポレーションが何かを企んでる」
「アビドスの砂漠……郊外か」
「そう…本当なら、廃校予定のアビドスに教える義理はないのだけど……一応、ね」
「…………」
カイザーがねぇ…このアビドスで何を企んでるんだ…
「………それと…改めて私の部下の暴走で先生と…民間人に傷を負わせた事…この様な騒ぎになったこと…改めて謝罪するわ…」
そうしてヒナはまた頭を下げた…
「君が謝ることじゃない…むしろあの
「……それもそうね…」
「だが…冷静に考えたら…俺もやり過ぎたと思う…君の部下達を傷つけてすまなかった…」
「この詫びは…必ず…」
「えっ……と…そんなに気にしなくてもいいのだけれど……今は私が謝罪している側だし……」
「……でも、そうね…なら、先生…一つお願いしたいことがある」
「今度、私たちが民間の被害者に謝罪しに行く時に、立ち会ってほしい。トラブルは……極力、避けたいから」
「…………あぁ…わかった…」
「じゃぁ…またね…リンクス先生…」
そうしてヒナは帰ろうとするが…
……ヒナの目には濃く黒い膜が浮かんでいる…
…ひとりで抱えているな…キヴォトスに来たばっかりの俺の様だ…
ヒナの頭に手を伸ばす…
「ふえ?」
「え…先生!?」
「酷い膜だ…寝てないな…戻ったらゆっくり休め…」
「それと…一人で抱え込むな…もっと人を頼れ…」
「じゃ…困ったらいつでも連絡してくれよ…」
そうして先生は白い兵器の所へ戻っていった…
頭…撫でられた…
こんなの…初めて…
「////!」
顔を真っ赤にしながら…ヒナはゲヘナへと帰っていった
『……なんだか、さらに大ごとになってきている気がします…慌ただしいことばっかりで……分かっていないことだらけです』
「アヤネちゃん……」
「そうですね、……今日で色々あったし…それに先生の傷を癒すために…今日は戻った方が良いかもしれません」
『はい…では今日は一旦解散して、また明日学校で状況の整理をしましょう』
「……うん、そうだね〜、アヤネちゃんの言う通りだよ…今日はもう解散、明日また教室で」
そうして…今日は早めに解散する事に…
今日は…どっと疲れた…身体中が痛いし…
「アロナ……シャーレまで操縦は任せても?…少し…休みたい…」
『はい…わかりました…ゆっくり休んでくださいね』
アロナに操縦権を渡し…シャーレまで少し休むことにする…
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シャーレに着いた後…すぐにベットに倒れ込む…
まだ全然時間はあるが…
身体中が痛いし…疲れも溜まってる…
こんなに疲れたのは…いつぶりだろうか…
『お身体の方は大丈夫ですか?』
「全然…そこらじゅうが痛い…」
『……………』
「少し寝る…日が沈んだら起こしてくれ…」
『わかりました…おやすみなさい…』
そうして…先生は眠りについた…
『…………』
正直…今日は…生きた心地がしなかった…メインOSなのでこの表現はどうかと思いますが…
あの時…先生は自分の事はそっちのけで…大将を守るためにシッテムの箱のバリア機能を大将に使いました…そして先生自身は傷つきました…
先生自身はいいんですよ…でも私が持たないんですよ…
先生が死んじゃったらどうしようって…
でも…先生がそうしなかったら…大将は怪我ではすみませんでした…
けど…先生を支える身としては…やはり先生は自分の事を大切にして欲しいです…
……私が…シッテムの箱の外へ行ければ…
…………まるであの時みたいですね…先生がネクストを持って無かった時の事…あの時先生が感じた気持ち…わかる気がします…
今は…先生が無事だった事を喜びましょうか…
………そういえば…あの時…先生もそうでしたが…ホワイト・グリントも怒っているように感じられました…
何を言っているのか私にもよく分からないけど…
あの時…ネクストの出力がいつもの戦闘の時より上がっているんですよね…
ジェネレーターをチューンアップしたかもしれませんが…
それでも…何故か感じました…
………確か…ホワイト・グリントからシッテムの箱へ座標が送られた時がありましたね…
…まるで先生を呼んでいる様に…
先生自身の世界の事や…先生自身について話してた事のように…
なぜホワイト・グリント自体がこのキヴォトスへ流れ着いたのか…
なぜ先生と出会ったのか…
なぜ先生を呼ぶような事をしたのか…
…………もしかして…ホワイト・グリント自体に自我の様なものがあるのでしょうか…
日が沈んだ時アロナに起こされたが…特にやる事も無かった
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翌日、俺は病院に向かっている…
用件としては柴大将の見舞いである
アロナの防壁によって怪我はなかったものの、風紀委員会の砲撃に晒されたのは事実なので、念の為検査入院をしてもらっているらしい…
病室に着くと、部屋の中から話し声が聞こえて来た……既に到着していたらしいアヤネとセリカの声である…
「……! そんな……でも、そういうことなら……セリカちゃん、先に学校へ戻っていてください。私は確認したいことがあるので、ちょっと別のところに寄ってから行きます」
「ん、何のこと? よく分からないけど……私も一緒に行く!」
「分かりました。それでは大将、また来ます! お大事に!」
「大将、まだ引退とか考えないでよ! 分かった!?」
「お、おお……」
何やら慌ただしい…
話の内容的にはアビドス自治区についてのことだろうか…
「行こう、セリカちゃん!」
「うん! どこに行くのか分かってないけど……ってうわあ!? 先生!?」
「ごめん先生、急ぐからまた後でね!」
「……ああ…」
セリカ達を見送り…病室に入っていく…
「……大将、調子はどうだ?」
「ああ、先生まで…大丈夫、先生のおかげで傷一つないよ…」
「すまねえな…俺のせいで先生が傷だらけになっちまって…」
「気にするな…大将のせいではない…」
「そうか…」
大将は少し申し訳なさそうに言う…
大将が傷つくよりも俺が傷ついた方がマシだろうからな…
「昨日の件…風紀委員会が直接謝罪したいそうだ」
「……そうかい…まあどの道店を畳む予定だったし、そこまで気にしなくても良いんだが」
「顔が見たくないと言うのなら、俺から断っておくが……」
「いや、気にしないでいい、先生…構わないさ、それでいつ来るんだ?」
「今日だ…」
恐らくはヒナが忙しいながらも予定を組んだのだろう…
「それはまた……随分と急だな」
「……だな、だが…向こうの事情もあるのだろう」
ヒナの膜を見る限り…ゲヘナ風紀委員の業務量は凄まじい程であることが伺える…
だが…他は普通でいるのに…ヒナだけ疲れきっているように見える…
おそらく…大半の事はヒナ一人で掛け持っているだろう…
そうこうしている時に…チナツからメッセージが届く…
「……大将…ゲヘナの風紀委員が来たようだ…俺もいた方がいいか?」
「ああ、頼むよ…何話して良いか分からないしな」
そうして病室を出てチナツ達がいる所へ向かう…
病院のロビーにチナツ、アコ…そして包帯まみれのイオリがいるが…ヒナが見当たらない…
「あ、先生…お出迎えありが…………何ですかその顔は…」
「……いや…ヒナが見当たらないが…」
「ヒナ委員長は、その……温泉開発部と美食研究会が同時に脱走したので再びの捕縛に駆り出されて……伝言を受け取って来ましたので、一応私が委員長の代理ということに……」
「…………」
「ヒナ一人で…大丈夫なのか…」
「どっかの誰かさんのせいで…風紀委員のほとんどが動けないんですよ」
「自分勝手な私情で風紀委員を危険に晒したのは何処の無能だ?」
「うぐっ…」
アコに煽られたが煽り返したが…何も返せないようだな…
「先生も…アコ行政官も…病院で喧嘩しないでください…」
別にこいつと喧嘩したい訳では無い
あっちから突っかかってきたからやぞ
「なぁアコちゃん…私を見て可哀想だと思わないか?」
「あ…いや…それは…」
そんな事を言いながら大将がいる病室までたどり着いた…
チナツ達は病室へ入っていき…大将への謝罪と今後の事について話している
「お、お店を閉めるんですか……!? また再建できるんですよ!?」
「まあ、色々あんのさ、アビドスは…だからお嬢さん達も気にすんなよ。いずれ起きたことだ…むしろこんな大金貰っちまって悪いな」
「…………」
チナツ達と大将との会話は以外にもギスギスせずに進んでいる…
まぁこれなら大丈夫だろう…だが…
「大将…」
「なんだい…先生…」
「また大将のラーメンを沢山食べれるの…待っているからな…」
「………」
大将は何も言い返さなかった…
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病室を出て…ある人に電話を繋げる…
「やぁリン…」
『先生、お久しぶりです…どうかしましたか?』
「少し…やってもらいたい事がある…」
『…………ネクストの事ですか…?』
「いや…今回は違う…だが…重要な事だ…」
もしも…この時が来た時に…アビドスが危機に陥った時に…
下手をすれば…アビドスのみんなの信頼を全て破壊する事になる…
その時が来ては欲しくはないが…万が一の為にも…そうするしかない…
「ある事の…手引きをしてもらいたい…」