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Conversation

元の職場で、本部が人件費削減を決めたときのこと。 あの時の空気は、今でも少し覚えている。 欠員が出ても補充ができず、 既存メンバーの負担だけがじわじわ増えていった。 そしてある日、マネージャーがこう言った。 「とりあえず、現場に入ります。」 一見、頼もしく見える言葉だった。 自分が動くことで現場を守ろうとする姿勢は、確かに善意に見えた。 でも私は、その瞬間に あ…これ、まずいな。 そんな嫌な予感があった。 案の定、数週間で現場は一気に崩れた。 現場の業務量はそのまま。 マネージャーの本来の仕事は完全に止まる。 判断が遅れ、指示が詰まり、 小さなミスが雪だるまみたいに積み上がっていく。 最終的には、 組織が指揮官不在の軍隊みたいになった。 働けば働くほど全員が疲弊していく。 あの独特の空気は、今でも忘れられない。 そのとき、私は痛いほど思い知った。 マネージャーって、 「手を動かす人」じゃないんだ。 仕組みをつくって、全員を勝たせる人。 誰よりも前に出て戦う人じゃなくて、 全体の流れを調整し、問題が大きくなる前に整える役目の人。 前線で戦い始めた指揮官は、 その時点で負け戦のサインなんだと思う。 ここだけの話、 ブラック化していく会社の典型的な流れがある。 ・人件費削減 ・慢性的な欠員 ・管理職の作業化 この順番で、組織は確実に崩れていく。 そして最後に残るのは、 「誰も悪くないのに、全員つらい」状態。 「マネージャーが現場に入らないと回らない組織は、構造の時点で負けている」 人の能力でも、 チームワークでもなく、 仕組みの欠陥がすべての原因になる。 覚えておいてほしい。 マネージャーが手を動かすほど、 現場は疲弊し、会社は鈍っていく。