手先、観念、紳士
ペンギンです。
↑ちょうど1か月前に「パソコンを買い替える勇気がない」という話をしましたが、先週ついに買えました。
ずっと棚上げにしていた買い替え問題だったが、メモリ需要がヤバすぎるという話が与太話としてではなくそれなりに信頼している複数方向から聞こえてきたのと、さらなる諸々の挙動異常がさすがに見過ごせなくなり、もう延ばせないと覚悟を決めた。
事前準備など一切なしでその日突然弾けるように家を出てヨドバシカメラへ突撃し、さも「おっ、電器屋じゃん。ちょっと時間空いてるしPCでも眺めるか~」というオーラを頑張って出しながらPCコーナーを物色。
「買いたい」というオーラでうろついていると、「売りたい」という店員側のオーラとぶつかって、覇王色同士のぶつかり合いみたいにキーンッってなりそうなので。オーラは消した方が良い。
色々眺めて、当然何がなんだかよくわからない。
Ryzenって何?メモリって今こんなに数字大きいの??AI機能搭載ってそんなに嬉しいか???
「普通に動いて、HDMI端子があって、軽くて頑丈」という、フワッとした自分のニーズと照らし合わせることが全然できない。
意外とHDMI端子がないパソコンもあって、これはちゃんと意識しといて良かったとホッとする。
重量はちゃんとどのパソコンも記載があるが、「頑丈」というのは評価軸がまったくわからない。店員さんに訊いても「どれも普通に耐久性高いですよ」って言われそうだ。まあ、「本当に」そうならそれで良いんだけれども。
CPUはどうやら「Intel」と「Ryzen」が主力のようで、聞いたことある=信頼がある=壊れない、というおじいさん論法に支配されている僕はIntelしかどうしても目に入ってこない。「へえ、このPC安くて軽くて良さそうじゃん。あ、Ryzenか。ダメだ」みたいに足切りしてしまう。Ryzenが何かも知らないのに。こういうおじいさんユーザのためにテレビCMというのがあるんだろう。
結局観念して、店員さんに話しかけることにした。
電器屋の店員は、本当に電器屋の店員であるケースと、メーカーからの派遣で来ている「手先」がいることは何となく知っていて、何となく電器屋の店員の方が良いだろうと思っていた。何となくフラットそうだし。今思えば電器屋は電器屋で「在庫処分したいモデル」「売れ残ってるモデル」を押し付けてくる「手先」の可能性もあるっちゃあるのに。自分の適当な仕切りで何かを区別しようとするのは良くない。
僕は店員さんに話しかけるのが本当に苦手だ。かといって向こうから話しかけてくる店員には「手先」を感じて警戒してしまう。最悪のデッドロック。まごまごしているうちに何人かの店員さんに笑顔で「何かお探しですか?」と話しかけられ、それは反射的にかわす。「ああ、ちょっと色々見てます」でおしまい。かわした後に、かわしてしまったと後悔する。その人に相談すれば良かったのに。
やっぱりダメだ。話しかけられない。もう何でも良いや。これ買おうかな。これ。安いしなんかわかんないけど黒いから頑丈そうだし。
そうなりそうになった瞬間、売場の隅っこでぼんやりと中空を眺めている店員さんが視界に入った。直感的に「この人だ」と思い、その人の隣にあるよくわからないパソコンを見るフリをしながら、何気ない感じで
「パソコン 探して る んですけど 」
と声を掛けた。これが精いっぱい。
結果、その人はメーカーからの派遣だった。
なので結局僕はそのメーカーのパソコンを買うことになったのだが、全く後悔していない。このパソコンはこう、この価格帯だと標準的な性能はこう、うちのメーカーだとこれがこうなってこう、Ryzenはこう、メモリはこう、頑丈性はこうやって見る、エトセトラ。
早口で半分以上は聞き取ることもできなかった。理解度でいったらもっと。なので僕のパソコン知識が潤沢になったわけでは正直ない。今でも何が何だかよくわかっていない。
ただその人は、僕が知りたいことを正確に教えようとしてくれて、知りたいと思っていないことはわざわざねじ込んでこない、紳士だった。訊けばよく喋るし、訊かなかったらじっとしている。それなのに、お客さんに喋っているという感じではなかった。この人、パソコンについて喋るのが好きなんだなあという雰囲気だった。
が、僕は「この人に勧められたパソコンで良いや」というところまで気持ちを持っていけた。理由はわからないが、なんとなく「手先」ではないと直感できたから。
ということで、パソコンを買った。工場出荷のカスタマイズ品になったので、明日届く。だから使い心地とか実際のところはまだ知らない。
でも、僕は大いに納得している。僕は高い買い物を「理解」ではなく「納得」で実行する傾向があり、「納得」のトリガーになるのは商品そのものではなく「店員さん」である傾向が非常に高い。
僕は店員さんでモノを買っている。これが正しいのかどうかはわからないけど、「パソコンを買わねば。でも変なの買っちゃったらどうしよう」という不安でいっぱいだった僕の心は、驚くほど平穏になっている。できることならあの店員さんで家電を揃えたい。パソコンメーカーからの派遣だから無理なんだけど。
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お題箱いただきました!
このタイミングで新しいパソコンに切り替わりまして、ctrlキーとFnキーが入れ替わったのが恐ろしいくらいダルい以外は今のところ快適です。
変換がゼロから学習しなおしになったので、「お台場湖」と変換されました。確かに、「お題箱」と「お台場湖」だったらギリ「お台場湖」の方があるのかもしれない。
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